創価の女性こそ
最高に尊貴なり!
その美しき心に
福徳の花よ咲け!
上野殿御消息 P1528
『法華経を持つ人は父と母との恩を報ずるなり、我が心には報ずると思はねども此の経の力にて報ずるなり』
◇希望の明日へ
法のため、人のため、社会のために。そして人類の永遠の幸福と安穏のために尽くしゆく青春−−。青年部は、その偉大にして崇高なる使命に立ち上がったのである。これほどのロマンと充実と喜びに満ちた青春が、ほかのどこにあるだろうか。断じてないであろう。
平3・2・17
☆わが教育者に贈る 教師こそ最大の教育環境なり
ある年の春、大学を卒業して教育者としてスタートする学生部の友に、私は、朝の勤行の時に三つの具体的な祈りを心がけるよう、アドバイスをしたことがあります。
第一に「全生徒から信頼される先生にさせてください」
第二に「全教職員から信頼される先生にさせてください」
第三に「全保護者から信頼される先生にさせてください」
−−以上の三点です。
心は自在です。祈りも自在です。
たとえ新任の教員であっても、祈りを通して、「生徒」「教職員」「保護者」という三つの次元から、学校全体のことを、わが一念に納めながら、力強く新風を起こしてもらいたい−−そうした願いを託した指針です。
今回は、この三点を敷衍しながら、今春から教壇に立つフレッシュマンをはじめ、青年教育者の皆さんの何らかの参考になればとの思いで、所感をつづらせていただきます。
第一は「全生徒(全児童)からの信頼」です。
子どもからの信頼を勝ち取るには、まず、自分が子どもを信頼することです。すなわち、一個の人格として尊敬し、その可能性を信じ抜くことです。どんな子どもに対しても、公平にこの姿勢を貫いていく時、「一人」の心と、信頼の絆が結ばれる。それが「全生徒からの信頼」に広がります。
私が共に対談集(『明日をつくる"教育の聖業"』潮出版社刊』を刊行したデンマークの著名な教育者・ヘニングセン博士が、教師として心掛けるべきことの第一に挙げておられたことがあります。それは、「才能、能力、考え方に関係なく、あらゆる学生を人間として尊重しなければならない」という点です。
現代社会は、効率が優先される社会です。いわゆる"優勝劣敗"の原理が働き、さまざまな格差が増幅されてしまう面があります。
学校も、そうした現実社会の冷たい風波から免れることはできないかもしれません。
しかし、教育者の慈愛が脈打つ教育現場には、一切を超克して、凍えた子どもたちの心を抱きかかえて、温める人間の情熱があります。
それこそが「信頼」の力ではないでしょうか。
創価教育の父・牧口常三郎先生は、若き日、辺地で貧困に苦しみ、恵まれない境遇の子らの教育に体当たりで取り組みました。
当時、最も光の届かない家庭の子どもたちでした。
だからこそ、若き熱血の教員・牧口青年は叫んだのであります。
「等しく生徒なり、教育の眼より視て何の異なる所かある」
「彼等の唯一の庇蔭(ひいん=庇ってくれる存在)は教師あるのみ」
世間の眼差しがどんなに冷酷であろうとも、「教育者の眼」は子どもの尊厳と可能性を信じ抜いていくのです。
社会の烈風がどんなに荒れ狂おうとも、「教育者の慈愛」は子どもを断固として守り、未来への道を開き切っていくのです。
自分のことを見捨てず、信じ抜いてくれる先生がいる−−そう思えることが、子どもたちにとって、どれほど生きる勇気となり、伸びゆく力となるか、計り知れません。
学校には、勉強の成績という大きな物差しがあります。もちろん学びの場である以上、大事な基準であることは間違いありません。
ただし、未来への無限の創造力を秘めた若き生命の全体に光を当てるならば、それは、あくまでも現時点での一つの物差しに過ぎない。
創価学園に一期生が入学した年の師走、私は成績が伸び悩んで、進級が危ぶまれる高校生たちと面談し、励ましを贈ったことがあります。
当初、生徒たちは、叱られるのではないかと緊張してやってきました。私は、その心をほぐしながら、体調や通学時間のこと、家の状況など、具体的に尋ねていきました。何か勉強の妨げになっている問題があれば、できる限りの応援をしたかったからです。その中で、本人たちが自分から「勉強、頑張ります!」と決意を語ってくれました。
私は、
「成績が悪かったからといって、卑屈になってはいけない。今度こそ、今度こそと、挑戦していくんだよ」
「得意科目をつくろう」
「一ミリでも、ニミリでもいい。決してあきらめずに努力して、前進していくことが大事だよ」
と勇気づけました。
一人一人が、それを一つの転機として発奮してくれました。猛勉強を重ねて、やがて堂々たる大学教授となった友もいます。
しかも、何より嬉しいことは、わが学園生たちが、そうした社会的な肩書に傲るのではなく、悩み苦しむ庶民の人間群に飛び込んで、世のため、人のために、泥まみれになって戦い続けてくれていることです。
私は、学園生や創大生、また学園・創大を受験してくれたメンバーをはじめ、若き友を一人また一人と見守り、その成長と勝利を祈り抜いてきました。ゆえに、大確信をもって言い切れることがあります。
それは、
「どの子も必ず伸びる」
「人間はみな成長できる」
「生命はもっともっと光り輝かせることができる」
ということです。そして、ここにこそ人間教育の希望があり、ロマンがあると、私は信じています。