2021年10月18日月曜日

2021.10.18 わが友に贈る

◇今週のことば
「異体同心なれば
万事を成じ」
我らの団結に恐れなし。
負けじ魂の宝友と
破竹の勢いで攻め勝て!
2021年10月18日

三沢抄 P1487
『仏法をがくする者は大地微塵よりをほけれどもまことに仏になる人は爪の上の土よりもすくなし』

【通解】
そもそも、仏教を学ぶ者は、大地微塵の数よりも多い。けれども、その中で、真に仏になる人は、爪の上に置いた土よりも少ない。

名字の言 カーリンガ王の敗因とアッサカ王の勝因 2021年10月18日
古代インドの仏教説話を一つ。強大な軍を擁し、王自身も象のように強いカーリンガという国があった。ある日、カーリンガ王は策謀を巡らせてアッサカ国に戦争を仕掛けた▼開戦前、天帝が勝敗を占い、「カーリンガ国が勝つ」と予想した。それを聞いた王は大喜び。この話は広く伝わり、すでに勝った気でいる王に率いられたカーリンガ軍は"我々の勝ちだそうだ"と、戦いの手を緩めた▼一方のアッサカ王は、決死の覚悟で自ら馬に乗り、千人の精鋭と共に敵陣へ突撃。油断したカーリンガ軍を打ち破った。それを見た天帝は語る。「心のゆるぎなき集中と、統一乱さず、時にのぞみての出陣」。そして「確固たる勇気」。このゆえに「アッサカ王に勝利あり」と(松村恒・松田慎也訳『ジャータカ全集4』春秋社)▼「大丈夫だろう」という慢心、「自分ぐらいは」という人任せ――どんな強者でも、世評や風聞に惑わされて歩みを止めてしまえば、足をすくわれる。勝負の厳しさである▼池田先生は「自分らしく精一杯戦っていくことだ。その真剣な一念によってこそ、自分ならではの、最高の力が発揮される」と教える。自分が活路を開いてみせる――その決定した一念の行動から勝利への回転は始まる。

寸鉄 2021年10月18日
「一日一時もゆるがせにせず闘い抜け」戸田先生。"挑戦の自分史"を今日も
北海道の大空知、留萌、サロベツが奮戦。日本中がエール。大逆転を断固
東京の北、足立、豊島、板橋よ頑張れ!勝機摑む拡大を。全同志が応援!
広島戸田総県が一気呵成の行軍。民衆の大連帯で栄光の峰へ駆け上がれ!
交通死は10~12月の薄暮時に突出と。早めの点灯、交差点の左右確認を徹底

〈社説〉 2021・10・18 きょう「民音」創立記念日
◇音楽から人間の魂を学ぶ
きょう10月18日は、民主音楽協会(民音)の創立記念日である。
「人類共通の宝である最高の音楽を民衆の手に」「音楽の力で人々を結び、世界平和の礎を築く」――これらの創立理念を掲げ、民音は1963年(昭和38年)10月18日に産声を上げた。
110カ国・地域と広く交流を結び、先日も世界屈指の規模である「東京国際音楽コンクール〈指揮〉」を成功裏に終えるなど、民音は世界に存在感を示す音楽団体として着実な発展を続けている。
この58年の歴史は、推進委員、賛助会員をはじめ、毎回の公演等を陰で支えてきてくださった、全ての方々の歩みにほかならない。
今、本紙では、民音の軌跡をたどる「世界に魂を 心に翼を――民音が開いた文化の地平」を連載しており、たくさんの読者から感想が寄せられている。
連載中のオペラ編では、ウィーン国立歌劇場やミラノ・スカラ座といった、日本のオペラ史における画期をなした超一流歌劇場の引っ越し公演を特集している。
これまで、オーケストラやバレエ、民族舞踊、各種コンクールなど、各分野における民音の貢献を取材する中で、各界の専門家にインタビューを行ってきた。そこで異口同音に語られるのは、民音の創立理念の先見性、何より民音創立者・池田先生の音楽と民衆へのまなざしに触れた感動である。
先日、ある識者が、連載で描いた一場面について、感慨深く語ってくれた。
民音でアーティストが来日するたびに、池田先生は感謝の伝言を寄せ、公演を支える人々にも心を尽くしてきた。ある折、先生は招へいに携わるスタッフに言う。
「いつも本当にありがとう。でも"素晴らしい公演だった"で終わってはいけない。歌や音楽から"人間の魂"を学ぶんだ」
音楽に込められたメッセージ、奏者や団体が持つ歴史や精神――その一つ一つに敬意を表し、次世代に伝えていくことが、芸術交流に取り組む者の責務なのだ、と。そこには、文化を守り、育む主体者であるとの誇りが脈打つ。
「そこまで思いをはせ、公演を支えてくれるのが民音の皆さんです。その源流は創立者の思想なのでしょう」と、その識者は語る。
人間の不屈の魂をたたえ、音楽で世界を結びゆく民音の挑戦を、これからも力強く応援したい。

☆創価学園「情熱の日」への池田先生のメッセージ
◇君たちの負けじ魂こそ人類を照らす希望の光
尊き友情のスクラム輝く「情熱の日」、誠におめでとう!
私の心には、いつも君たち学園生が、躍動しています。コロナ禍にも屈しない一人一人の努力をたたえ、私は全員に青春勝利の金メダルを差し上げたい思いです。
今日は、わが創価教育に溢れるばかりの期待を寄せてくださっている世界の友と一緒に、愛する皆さんへ、三つのエールを送ります。
一つ目は、「若獅子よ、怯まず進め!」です。
30年以上前になりますが、澄み渡る秋空の下、南アフリカの人権の大英雄、ネルソン・マンデラ氏を、皆さんの先輩たちと共に熱烈に歓迎しました。
27年半、1万日にも及ぶ過酷な投獄に負けず、人間の平等と尊厳のために戦い抜いた正義の獅子は、青年に語り掛けています。「自分の運命の脚本を自分で書き、自分で主役を演じてください」(『ネルソン・マンデラ 未来を変える言葉』セロ・ハタン、サーム・フェンター編、長田雅子訳、明石書店)と。皆さんも、勇気ある若獅子として、自ら決めた道を怯まず、自分らしく胸を張って進んでいってください。
二つ目は、「鳳雛よ、翼を鍛えよ!」です。
創価大学にも訪問してくださった、環境の母、ケニアのワンガリ・マータイ博士は、素晴らしい笑顔のリーダーでした。確信に満ちて「全力を注いであきらめずに難問に立ち向かえば、驚くほどの成果が生まれる」(『UNBOWED へこたれない ワンガリ・マータイ自伝』小池百合子訳、小学館)と、皆を励ましています。
使命深き鳳雛たる皆さんも、目の前の課題をあきらめずにベストを尽くしていく時、必ずや若き翼を限りなく鍛え上げ、希望の大空へ悠々と羽ばたいていくことができます。
三つ目は、「世界を照らす太陽に!」です。
70年前の秋、私の恩師である戸田城聖先生は「新しき世紀を創るものは、青年の熱と力である」と叫ばれました。
まさしく、皆さんの生命に燃え上がる熱と力こそが、世界を照らす太陽なのです。青春時代は、先の見えないことや、言い知れぬ悩みも絶えないことでしょう。しかし皆さんの負けじ魂は、その一切を勝利のエネルギーに転じ、世界の未来を明るく晴らしていくことができます。これこそが人類の希望の光なのです。
私は毎日、懸命に、かけがえのない皆さんの健康と無事故、そして楽しく有意義な学園生活を祈り抜いていきます。

☆質問BOX 仏法対話をしたのですが、反発され、落ち込んでしまいました。
◇回答
たしかに、勇気を奮い起こしたのに、友人から反発されると、思いが通じなかったように感じてしまうかもしれません。しかし、友の幸福を祈り、語った真心は、必ず相手に通じていきます。
ある男子部員は、仏法対話をした友人から"二度と信心の話をしないでほしい"と言われました。それでも、思いを込めて祈り抜くと、8年後、友人の方から"仏法の話を聞きたい"と連絡が。その後、入会に導くことができ、"何でも言い合える"親友になったと振り返っています。
池田先生は「祈りと確信を込めた慈悲の振る舞いは、必ず『仏縁』となります。その時は、かりに反発されたとしても、相手の生命の奥深くに仏縁を結んでいるのです」と語っています。
相手の反応がどうあれ、仏縁を広げられたことを確信し、友人の幸せのため、勇気を出せたことに胸を張っていきましょう。

☆Switch――共育のまなざし 幼い子どもを育てる親御さんたちへ
◇人を育むことほど尊いことはない
わが子を授かってから成人するまで、どの時代も子育てに苦労はつきもの。とは言っても、「子どもが幼いうちは毎日バタバタしていて本当に大変!」という方は多いのではないでしょうか。今回の「Switch――共育のまなざし」では、幼い子どもを育てる親御さんたちに向けて池田先生が送った励ましの言葉を、『21世紀への母と子を語る』(『池田大作全集』第62巻所収)の中から抜粋して紹介します。(編集・構成=大宮将之)

◇今は基盤を築く時
<1年365日、目まぐるしい毎日を送る親御さんたちの奮闘を池田先生はたたえつつ、語りました>

皆さんは、結婚、出産、子育てと、次から次へ、新しい経験の連続でしょう。環境の変化に、戸惑うことも多いにちがいない。
毎日の生活の中で、ふと我に返った時に、「いったい自分は何をやっているのだろう?」と思うようなこともあるかもしれない。
今は、幸福の基盤を築いていく時です。まず自分の足元を固めることです。
現実の生活の中で、がっちりと根を張っていってほしい。根は見えない。建物の基礎も地中深く、人の目にふれることはない。それを築くのは、地味な作業かもしれません。
しかし、どんな立派な建物も、一朝一夕にできあがるものではない。また、いくら華やかでも、かんたんにできあがったものは、もろく、壊れやすいものです。
地道に、着実に――これは、平凡のように見えて、じつはもっとも偉大なことなのです。その繰り返しによって、揺るがぬ堅固な基礎が築かれていくのです。
太陽は、うまず、たゆまず、みずからの軌道を進み、万物を照らし、育んでいく。皆さんは"一家の太陽"です。太陽のごとく明るく、太陽のごとく力強く、太陽のごとく健康に、「きょうも、何かに挑戦しよう!」「きょうも、もう一歩進もう!」と、目標を持って、張りのある一日一日を積み重ねていってほしい。
その積み重ねによって、20年、30年と経った時、わが家庭を「幸福の殿堂」、「幸福の大樹」としていくことができるのです。

◇リズムを大切に
<子育てに家事に仕事にと、目の前のことだけで精一杯。そんな状況にある人にとっては「何かに挑戦しよう」と決意すること自体、大きな前進といえるでしょう。ある母親が、その"決意の出発の場"として「朝の勤行」を大切にしてきたことを話すと、先生はこう応えました>

「朝の勝利」は「一日の勝利」だね。「一日の勝利」の積み重ねは、やがて「人生の勝利」につながっていく。すがすがしい「一日の出発」こそ、充実の人生の秘訣です。
きょう一日がどのような一日となるかは、自分自身の朝の勤行の姿を見ると分かる。朝の勤行の姿は、その日一日の"生活の縮図"と言ってもよいでしょう。
あわてて勤行・唱題した時は、その日一日も、なんとなくあわただしく過ぎ去ってしまい、実りのない日であったと経験されたこともあるでしょう。
反対に、朗々とすがすがしく勤行・唱題をしてスタートした一日は、さわやかな充実した一日であるはずです。
祈りというのは、さまざまな思い、願いの凝縮とも言える。毎朝の祈りで、自身と一家の成長を願い、そのための目標をゆるぎなく定める。そして胸中に太陽を昇らせて、生き生きと出発していきたいものです。

<親にとって一日のリズムが大切であるように、子どもにとっても「安心して育つリズム」があります。早めに就寝することであったり、毎日なるべく決まった時間帯に朝食や夕食を取ることであったり……>

子どもが小さいうちは、とくに「睡眠」と「食事」が大切と言われている。リズム正しく、きちんと取れないと、子どもの成長に影響しかねません。生活が順調に回転するためには、おのずからリズムがある。それを身につけさせていくのが、しつけとも言えるでしょう。
それは、親と子のふれあいの中で身についていく。それもふれあう時間の長短ではなくして、子どもの生活リズムは、家庭で、親子で工夫して、知恵を働かせてつくっていくものです。子どもが、すこやかに成長するリズムを、どう確立するか。これは、親としての「戦い」の一つと考えてほしい。

◇親切と思いやり
<続いて話題は池田先生の「創作童話」を巡って。先生はこれまで未来部世代に向けて、20作以上もの創作物語をつづってきました>

子ども向けの作品を書くというのは、大人に対する以上に心を引き締めていかねば書けません。「子どもだから」などと、甘く見ることは少しもできません。子どもは、驚くほど、豊かな感受性を持っている。大人が思っている以上に、子どもは多くのことを理解しているのです。
だから私は、その子どもの心に、「勇気」と「正義」を育むために、直接、語りかける思いで、童話や物語を書いてきました。

<平和の尊さを伝える作品『少年とさくら』(1974年発表)も、その一つ。わが子に何度も読み聞かせてきたという母親の話に耳を傾けながら、先生は言葉を継ぎました>

戦争の悪と戦い、平和を訴えた作品といえば、喜劇王チャップリンの「独裁者」があります。これは、第2次世界大戦が始まった翌年(1940年)に制作された映画です。
この映画の中で、チャップリンはヒトラーを風刺した、ヒンケルという独裁者と、ヒンケルと瓜二つのユダヤ人の二役を演じている。

<チャップリン扮する、ヒンケルと取りちがえられたユダヤ人が、独裁者を否定して戦争反対の演説をするラストシーンは有名です>

当時、独裁者ヒトラーは日の出の勢いだった。この映画は、チャップリンにとって命懸けだったのです。その演説の最後にチャップリンは、「ハンナ、ぼくの声が聞こえるかい?」と呼びかけている。ハンナとは、映画に出てくる恋人の名だが、じつは、チャップリンのお母さんの名前だったのです。
「ハナ(ハンナ)、ぼくの声が聞こえるかい? いまどこにいようと、さあ、顔を上げて! 見上げてごらんよ、ハナ! 雲が切れるよ! 光が射してきたよ! やみが去って、僕たちの上にも光が輝くんだ! 欲望と憎しみと残忍さをなくした、よりよい世界がやってくるよ。見上げてごらん、ハナ!」(ラジ・サクラニー『チャップリン――ほほえみとひとつぶの涙を』上田まさ子訳、佑学社)
画面は、雲の流れる空。チャップリンはきっと、天にいるお母さんに向かって呼びかけたのでしょう。波瀾万丈の人生を歩んだ、チャップリンを支えたのは「母の愛」でした。その「母の愛」が、人間性を踏みにじる「独裁者」との戦いへとチャップリンを駆りたてたのです。
また、チャップリンは演説のなかで、こう言っている。「知識はわたしたちに冷ややかな目を与え、知恵はわたしたちを非情で冷酷にしました。考えるばかりで、思いやりがなくなってしまいました。わたしたちに必要なのは、機械ではなく、人間性です。頭のよさよりも親切と思いやりが必要なのです」(同)

◇わが命を何に使うか
<「人間性」「思いやり」を、子どもの心に育んでいけるかどうか。現代は親の負担が増えているだけに、地域や社会全体で子どもを育てていくことが重要でしょう。創価学会が果たすべき使命と役割も、そこにあります。池田先生は訴えました>

人を育てるのは、楽なことではありません。ともすれば、たいへんな疲労をともなうこともある。
しかし、命を削るような労苦なくして、本当に人を育てることなどできません。日蓮大聖人は「命限り有り惜む可からず」(御書955ページ)と仰せです。命には限りがある。惜しんではならない。だからこそ、何に命を使うかが重要なのです。
「人間を育てる」ことこそ、最高に尊いことではないだろうか。
◆◇◆ 
私は今、「命を惜しまず」教育に情熱をそそいでいこうと思っています。人生最終の事業を「教育」と決めているからです。
私は、晩年の戸田先生の命をかけた闘争を思い出します。あれは逝去の前年、先生はすでに、立ち上がれないほど衰弱しておられた。それでも先生は、同志の待つ広島へなんとしても行こうとされていた。先生の命を危ぶみ、必死にお止めする私を、先生は叱咤された。
「行く、行かなければならんのだ!」「同志が待っている。……死んでも俺を行かせてくれ。死んだら、あとはみんなで仲よくやってゆけ。死なずに帰ったなら、新たな決意で新たな組織を創ろう……」
最後の最後まで、命をふりしぼって同志に尽くそうとした恩師の姿を、私は忘れることはできません。