◇今週のことば
「言と云うは心の思いを
響かして声を顕す」
友を思う深き祈りと
社会に尽くす強き志で
仏事を為す声の響きを!
2021年9月27日
法華取要抄 P335
『此の一閻浮提は縦広七千由善那八万の国之れ有り正像二千年の間未だ広宣流布せざるに法華経当世に当つて流布せしめずんば釈尊は大妄語の仏多宝仏の証明は泡沫に同じく十方分身の仏の助舌も芭蕉の如くならん』
【通解】
この一閻浮提(全世界)は、タテもヨコも七千由旬(一由旬は古代インドで帝王が一日に行軍する距離)に広がり、そのなかに八万の国がある。この国々に、正像二千年間、法華経はいまだ広まらなかった。今、末法においても広宣流布できなければ、釈尊は大ウソつきの仏となり、多宝仏の証明も水の泡となり、十方分身の仏の長舌による助証も芭蕉の葉のように、はかなく破れてしまおう。
名字の言 失敗から生まれた売れ筋商品——壮年の体験から 2021年9月27日
沖縄で洋菓子店を営む壮年を取材した時のこと。売れ筋商品について聞くと、「実はこれ、失敗から生まれたんです」と教えてくれた▼ふっくらさせたいと思っていたケーキが、手順を間違えてぺしゃんこに。この"失敗作"自体は味が濃厚でおいしかった。壮年は"これを商品化できないか"と考え、改良して販売した。「こんなにおいしいケーキは初めて食べた」と反響を呼び、店の看板商品となった▼生涯で数多くの特許を取得したエジソン。母ナンシーは彼に、"失敗は最高のレッスン"と教えたという。エジソンは失敗を指摘されても、「うまくいかないということを確認した成功例なのだ」と、"前進の証し"と捉えた。そこから新たな可能性を見いだし、世紀の発明を次々と生み出した(『こども座右の銘』メトロポリタンプレス)▼失敗は敗北を決定づけるものでも、不幸を意味するものでもない。確かに失敗が重なれば落胆は大きい。大切なことは、挑戦の火を自身の胸中から決して絶やさないこと。前へ進む限り、失敗は自己を飛躍させる糧となる▼自身の理想や目標へ、どれほど魂を燃焼させることができたか。そこに、真の人生の充実がある。広布という大理想を胸に日々前進したい。
寸鉄 2021年9月27日
一人の人に会えばよい—恩師。ここに立正安国の道も。絆結ぶ交流、今日も
徳島・香川・愛媛・高知よ勇敢に語れ!正義の四国から新しき勝利の暁鐘を
大関東が燃える敢闘精神で拡大!埼玉・茨城・栃木・群馬の団結固く凱歌へ
座りっぱなしは血流悪化の因。30分に1回立つ等、賢く工夫。健康守るため
秋の全国交通安全運動。薄暮時の事故多し。交通ルール守って点灯早めに
〈社説〉 2021・9・27 "情報の格差"なき世界を築く
◇ネットの時代を共生の時代へ
あるじの使いで都にやって来た太郎冠者。「すえひろがり」を買ってくるように言われたが、それが何か、どこで買える物か、確かめもせず、分からぬまま。声を掛けてきた"すっぱ(詐欺師)"の言葉に、古傘を「すえひろがり」と信じ込み……。
狂言の「末広がり」は、こんなあらすじで展開する。「すえひろがり」は扇のこと。知っているのに言わないあるじ。知ろうとしない太郎冠者。2人の"情報格差"が事の起こりともいえる。
国連の専門機関である国際電気通信連合(ITU)は、2019年末の時点で世界人口の51%、40億人がインターネットを利用していると推定している。新型感染症の世界的大流行で社会の仕組みが変化した20年以降、利用者はさらに増加していることだろう。
この数字は同時に、世界のほぼ半数の人がインターネットを利用する手段や機会を持てない状態にあることも意味する。増える利用者、取り残される人々。情報格差が広がる一方にしてはいけない。災害に直面して、あるいは昨年からのコロナ禍で私たちが学んだように、情報が命に直結することもある。その意味でも、正確で信頼できる情報が迅速に得られる環境の整備は急務だろう。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、毎年9月28日を「情報へのユニバーサル・アクセスのための国際デー」と定めている。国籍や年齢、性別、障害などあらゆる要因にかかわらず、誰もが同じようにインターネットが利用でき、情報を得ることができる。この状態がユニバーサル・アクセスだ。
"情報の格差なき世界"を築く担い手に——この呼び掛けに市民としてどう応えるか。例えば、オンラインで開かれる学会の座談会や協議会に、同志に声を掛け、共に集い合う。こうした草の根の行動からユニバーサル・アクセスへの関心も広がるのではないか。
インターネットを使った技術は教育・医療など、さまざまな分野に革新をもたらす基軸として大きな期待が寄せられている。どのような未来を開き、世界を創るか。技術を「善用」するのも「悪用」するのも人間にほかならない。だからこそ、「他人の不幸の上に自分の幸福を築くことはしない」という哲学を、自ら貫きつつ、広げたい。世界の人々を結び、共生の時代を築くために。
☆御書の旭光を 第53回 慈悲の心を時代精神に
〈御文〉
『仏心とは大慈悲心是なりと説かれたれば礼拝の住処は慈悲なり』(御義口伝、769ページ)
〈通解〉
仏心とは大慈悲心を指すと説かれているのであるから、(不軽菩薩の)礼拝の住所は慈悲なのである。
〈池田先生が贈る指針〉
仏法の慈悲の大地に依って立ち、人を敬う行動を貫いたのが不軽菩薩である。医療・看護・介護等の最前線で献身する創価の友の心だ。抜苦与楽の振る舞いに、皆が感謝と敬愛を捧げる。
わがドクター部の結成50周年。負けじ魂で戦う「妙法の善医」を先頭に、慈悲の心を"健康の世紀""生命の世紀"の時代精神に!
☆世界を照らす太陽の仏法」に学ぶ 第13回 発迹顕本
◇開目抄
『日蓮といゐし者は去年九月十二日子丑の時に頸はねられぬ、此れは魂魄・佐土の国にいたりて返年の二月・雪中にしるして有縁の弟子へをくればをそろしくて・をそろしからず・みん人いかに・をぢぬらむ、此れは釈迦・多宝・十方の諸仏の未来日本国・当世をうつし給う明鏡なりかたみともみるべし』(御書223ページ16行目〜18行目)
◇池田先生の講義から
門下が師子王の心を取り出して、どこまでも不退の信心を貫いた時に、本来自身が持っていた仏と同じ智慧と勇気と慈悲の大境涯を現していけるということです。それゆえに、凡夫成仏の鍵は、大聖人が示された如説修行の実践にあります。
◆◇◆
発迹顕本といっても、凡夫の身を離れて、何か特別な姿になるということではありません。どこまでも現実社会の中にあって、菩薩としての行動を貫くということです。
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発迹顕本を私たちの実践の上でとらえれば、永遠なる仏の願いの継承者としての自覚に立ち、不屈の挑戦を開始することといえましょう。一個の人間が、仏と同じ誓願の大道を力強く歩み出す。この不惜の民衆の連帯が、立正安国の大闘争を起こし、仏国土を建設し、平和な楽土を実現していく。ここに、日蓮仏法の発迹顕本の深義があると拝せるのではないでしょうか。
◆◇◆
地球全体が困難に直面する中、人類の宿命転換のために、今こそ一人一人が「人間はかくも偉大なり」との挑戦に生き抜く時です。(中略)いよいよ、断固として悪世末法の闇を晴らすことを決意して、威風堂々と我らの信念の行動を貫き通そうではありませんか!
(「大白蓮華」2021年9月号から)
藤井江利子 東海道女性部長
◇"大いなる使命"の目覚め
本年は「竜の口の法難」満750年。
日蓮大聖人が魂魄を留められた地で戦う"正義の神奈川"の友、そして「魂の独立」から30周年を迎える"太陽の静岡"の同志の闘魂は今、師への報恩の一念に燃え盛っています。
池田先生は今月の「大白蓮華」で、大聖人が、絶体絶命ともいえる最大の法難の渦中で「発迹顕本」された意義を講義してくださっています。この指針を命に刻み、立正安国の闘争へと前進する糧としていきたいと思います。
◇地涌の菩薩の本領
先生は講義の中で、「今、一人一人が"大いなる自分"、すなわち地涌の菩薩の本領を発揮し、"大いなる使命"、すなわち広宣流布と立正安国の大願を掲げ、人類の境涯を高めゆく聖業に邁進しています」とつづってくださいました。
東海道の同志も、長引くコロナ禍の今、地涌の使命を自覚し、智慧と勇気で幸の輪を広げています。
私自身、女子部時代、母に脳腫瘍が見つかり、失明の危機に。10時間を超える手術を前に、池田先生から万感のご伝言が届きました。師の励ましを胸に私も祈り抜く中、母は手術を乗り越えましたが、翌年、今度は卵巣がんの宣告が。加えて脳腫瘍も再発。さらに追い打ちをかけるように父と妹が病で亡くなったのです。
激しい病魔に私自身、何度も心が折れそうになりましたが、母は決して負けませんでした。抗がん剤で髪が抜けた頭に帽子をかぶり、勇んで対話を広げ、同じ病室で亡くなった方のご家族に弘教を実らせたのです。
その姿に衝撃を受けた私は、必ず信心で勝ち越えると定め、改めて猛然と唱題に挑みました。母はその後、健康を取り戻し、闘病中に5世帯の折伏を。私自身もヤング・ミセス(当時)時代に8世帯の折伏を実らせることができました。
"地涌の使命を自覚したなら、どんな障魔の嵐にも負けない! 誰もがこの信心で幸せになれる!"——この体験を通して広布に生き抜く確信をつかみました。
◇「励まし」が転機に
また、講義では、発迹顕本といっても、何か特別な姿になることではなく、"全ての人を揺るぎない幸福へ"との仏の「毎自作是念の悲願」(御書466ページ)を胸に、「悩める人々の真っただ中で妙法の広宣流布に励み、民衆の幸福と平和で安穏な社会の構築を目指していく」ことであると示されています。そして、私たちの実践の上でとらえたとき、発迹顕本とは「永遠なる仏の願いの継承者としての自覚に立ち、不屈の挑戦を開始すること」と教えてくださっています。
仕事や子育て、介護など、現実はさまざまな悩みの連続です。ましてやコロナ禍の今、さまざまな苦難に直面していらっしゃる方も少なくありません。その苦悩の現実の中で、不屈の信心に奮い立ち、自他共の幸福に尽くしていくことこそ、地涌の菩薩の"大いなる使命"です。では、逆境に負けず、皆が使命を自覚するために必要なことは何か——。そのきっかけこそ、「励まし」ではないでしょうか。
わが家も池田先生の励ましが転機となって苦境を勝ち越えることができました。「一は万が母」(同498ページ)です。目の前の一人を励ますことは、その背後にいるご家族をはじめ、多くの方に希望を送ることに通じます。私も、一度でも語り合った方が、信心で立ち上がれるようにと祈り、その後も電話をするなど、関わりを続けています。友の声に耳を傾け、励ましの絆をさらに強めていきたいと思います。
先生は、講義の結びで「地球全体が困難に直面する中、人類の宿命転換のために、今こそ一人一人が『人間はかくも偉大なり』との挑戦に生き抜く時です」と呼び掛けてくださいました。
過去でも未来でもない、師匠の総仕上げの戦いの「今この時」に生まれ合わせ、広布に戦える私たちは、どれほど深い使命をもった一人一人でしょうか。この"大いなる自分""大いなる使命"に目覚めた地涌の連帯ほど強いものはありません。
皆が発迹顕本に挑み、社会に生命尊厳の正義の哲理を打ち立てる勇気の対話拡大で、創立100周年への初陣の本年を、勝ち飾っていきましょう!
メモ
「開目抄」は、佐渡流罪中に認められ、文永9年(1272年)2月、門下一同に与えられた書。今回の御文は、大聖人が「竜の口の法難」で発迹顕本されたことを示す箇所である。「魂魄」とは、大聖人の御生命に顕された仏の境涯であり、勇気と智慧と慈悲にあふれた自在の境地。それに続く部分では、三類の強敵は恐ろしいように見えても、法華経の行者としての透徹した信心があれば、必ず打ち破れるとの大確信が込められている。