2021年9月22日水曜日

2021.09.22 わが友に贈る

幸・不幸を決めるのは
環境や他人ではない。
全ては自分の一念だ。
人生の全権は我にあり!
この確信で生き生きと!

四条金吾殿御返事 P1164
『されば同くはなげきたるけしきなくて此の状にかきたるがごとくすこしもへつらはず振舞仰せあるべし、中中へつらふならばあしかりなん、設ひ所領をめされ追い出し給うとも十羅刹女の御計いにてぞあるらむとふかくたのませ給うべし。日蓮はながされずしてかまくらにだにもありしかば有りしいくさに一定打ち殺されなん、此れも又御内にてはあしかりぬべければ釈迦仏の御計いにてやあるらむ』

【通解】
それゆえ、同じくは、(あなたの決意はすでに定まっているのであるから)嘆いた様子を見せないで、この誓状に書かれたように、少しもへつらわずに振る舞い、語っていきなさい。
なまじ、へつらうようなことがあれば、かえって(状況は)悪くなるであろう。たとえ、所領を没収され、(土地を)追い出されようとも、それは十羅刹女(諸天善神)の御計いであるのだろう、と深く信をとり、十羅刹女にまかせておきなさい。もし日蓮が(佐渡に)流罪されないで鎌倉にでもいたならば、あの戦い(文永九年二月の北条一族の内乱=二月騒動)に巻きこまれて、きっと打ち殺されていたにちがいない。今、あなたが江間家を追い出されることも、このまま江間家にとどまっていてはよくないだろう、という釈迦仏の御計いなのであろう。

【先生の指導から】
大聖人は佐渡流罪という大難にあわれた。しかし、そうであったからこそ、戦乱をまぬかれることができ、かえって良かったのだと仰せである。
長引く不況のなか、リストラや失業に直面している方もおられるかもしれない。しかし、仏法の眼で見るならば、すべてに深い意味がある。嘆いてはいけない。「強き信心」「勇気ある信心」さえあれば、あらゆる困難を、必ず「変毒為薬」していける。
どうか、この大聖人の御聖訓を心に刻み、何があっても前へ、また前へ、前進していただきたい。
仏法は勝負である。断じて勝たねばならない。自身に勝ち、人生に勝利していく。そのための信心である。雄々しく苦難と闘う皆さま、そして誠実な心で戦う皆さまの姿は、すべて大聖人が御覧になっている。安心して、使命深き、わが人生を生きぬいていただきたい。
この一生、毅然と、勇敢に、胸を張り、一日一日を、自分らしく進んでいっていただきたい。

名字の言 ノーベル賞受賞者・山中伸弥氏の苦闘 2021年9月22日
「壁にぶつかったことが、ぼくに新しい道を開いてくれた」。京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長が苦闘の日々を振り返り、語っている▼整形外科の研修医だった頃のこと。不器用で、他の人が20分で終わる手術を、氏は2時間もかかってしまう。指導医から「ほんまジャマや。ジャマナカや」と言われた。努力しても上達せず、自信を失うばかり。仕方なく研究者の道に方向転換すると、これが功を奏した▼ある時、新しい遺伝子を発見した。驚きと感動で胸がいっぱいになった。"ぼくにも苦しむ患者さんの役に立てる可能性がある"と研究に没頭するように。やがてノーベル賞受賞につながるiPS細胞の開発を手掛けるまでになった(「PHP」7月増刊号)▼病苦、経済苦など数々の試練を乗り越え、76歳で夢のCDデビューを果たした女性部員がいる。今年87歳。若々しく歌手活動を続ける彼女の言葉が印象的だった。「一度きりの人生、祈って動いたもん勝ち! 成功すれば自信になるし、失敗したって"こやし"になるじゃない。何もしないと大損しちゃいますよ」▼挑戦を重ねれば重ねるほど幸福への価値を生み出せる。それが人生の醍醐味。信仰に生きる私たちは、何があっても前に進もう。

寸鉄 2021年9月22日
誠実であれ。策や要領ではいけない—恩師。これ絆結ぶ要。振舞、爽やかに
四国こそ正義の反転攻勢の電源地。さあ魁の誇りに燃えて勝利開く拡大を
東京よ立ち上がれ!本陣が動けば波動は全軍に。歴史的凱旋へ猛攻今こそ
成果より努力を褒められた方がやる気は向上と。激励一つも寄り添う心で
コロナ禍の政府の政策、8割が公明の提言—識者 皆の安心守る実績を益々

〈社説〉 2021・9・22 今月26日まで「SDGs週間」
◇目標達成へ青年と共に歩む
最近、メディアで触れる機会が増えている「SDGs」。どんなイメージを持っているだろうか。
貧困や不平等、気候変動の克服などを掲げる国連の「持続可能な開発目標」のことで、2030年までの達成を目指している——。そう何となく知っているものの、どこか自分には縁遠い世界の話と感じている人も多いだろう。
だが、現実は、各国政府だけで目標達成はできない。ゆえに国連は「市民社会や企業、国際機関、信仰団体、個人など、その他の主体による協調行動も必要」と多様な参加を促しているのだ。
2015年のSDGs採択から6年。現在、一人一人の意識を高め、行動を喚起することを目的とした「SDGs週間」(今月26日まで)が開催され、世界各地で数多くのイベントが行われている。
SDGsへの人々の意識や行動の変化、また、それらが与える地域・社会への影響は確実に広がっている。特に、学校教育などで「気候変動問題」や「サステナブル(持続可能)」について学んできたZ世代(1990年代中盤以降生まれ)と呼ばれる若者たちに関わる分野では顕著だ。
例えば、来春卒業予定の就活生に就職先企業を選ぶ上で重視した点を聞いた調査では、「SDGsに対する姿勢や取り組み」と回答した人の割合(17・3%)は「有名企業であるかどうか」と回答した人の割合(13・8%)よりも高かった(「『22卒就活生の選社軸とSDGsの関係性』に関する調査」株式会社ベイニッチ)。
また、近年は、表面的にしかSDGsに取り組んでいないことを指す「SDGsウォッシュ」といった言葉も生まれるなど、企業を見る目は厳しくなってきている。
池田先生は、昨年のSGI提言で、気候変動問題において、若い世代の息吹がプラスの連鎖を起こす源泉になってきていると指摘し、「SDGsの目標を達成する道は、決して平坦なものではないでしょう。しかし、青年たちの連帯がある限り、乗り越えられない壁など決してない」とつづった。
聖教新聞社は、国連が世界中の報道機関などに対し、参画拡大のために、その力の積極的な活用を促す目的で設立した「SDGメディア・コンパクト」に加盟している。SDGsの推進と達成へ、充実した紙面を通し、青年と共に歩んでいきたい。

☆Switch——共育のまなざし 今こそ「パパスイッチ」ON!
◇NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事 安藤哲也さんに聞く
【プロフィル】あんどう・てつや 1962年生まれ。出版社、IT企業など9回の転職を経て、2006年に父親支援のNPO法人ファザーリング・ジャパンを設立。「笑っている父親を増やしたい」と講演や企業向けセミナー、絵本の読み聞かせなどで全国各地を歩いてきた。近年は管理職養成事業の「イクボス」で企業・自治体での研修も多く実施している。厚生労働省「イクメンプロジェクト推進チーム」顧問も務める。著書に『「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』(扶桑社)など多数。1女2男の父。

◇コロナ禍のピンチはチャンス 自分も職場もアップデート!
共働き世帯の増加、さらにコロナ禍で在宅勤務が推奨されるようになったことで「パパの育児への関わり」が一段と求められています。2020年度の男性の育児休業取得率は12.65%で過去最高を記録。女性の81.6%と比べるとその差はいまだ大きいものの、"社会の空気"は着実に変わりつつあるといえるでしょう。パパ自身が、また職場の管理職の方々が意識をスイッチ(転換)する意味とは何か。父親の育児を支援するNPO法人「ファザーリング・ジャパン」の代表理事・安藤哲也さんに語ってもらいました。(聞き手=大宮将之) 

◇背中より笑顔を見せて
<団体名の「ファザーリング」には「父親であることを楽しもう」という意味があるそうですね>

ええ。設立したのは15年前。「イクメン」という言葉もなかった時代です。当時の僕は、小学3年の長女と保育園年長の長男を育てながら企業の管理職として働いていました。「仕事も育児も両立しよう」「よい父親になろうとするよりも、笑っている父親に」——これが発信し続けてきたメッセージです。
実は、僕の父が「笑わない父親」だったんですよ。いわゆる典型的な"昭和のオヤジ"。専業主婦の母に「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ!」とか、「あそこの嫁と比べてお前は」とか、暴言ばかり。自分も遊んでもらった記憶がほとんどない。大学まで行かせてもらった恩は感じていますが、率直に言って僕は父親が嫌いでした(苦笑い)。
でも、もし父が僕にとって「よい父親」だったら、ファザーリング・ジャパンを設立していなかったでしょう。「オヤジを反面教師にしよう」「笑っている父親を増やそう」と思ったことがきっかけでしたから。
「子どもは親の背中を見て育つ」という言葉がありますよね。日本全体が右肩上がりの経済成長をしていた時代は、父親も仕事一筋の"背中"を見せていれば、よかったかもしれません。けれど今は違う。教育現場も社会も多くの課題を抱え、地域の絆も希薄になる中で、みんながイライラしたり不安を口にしたりしている。そんな大人たちの背中を見て、子どもたちが未来に希望を持てるでしょうか。これからの時代、父親が子どもと向き合って"笑顔"を見せていかなくては、子どもも健やかに育たない——そう一貫して「父親像」の転換を訴えてきました。
近年、「社会での女性活躍」が叫ばれていますが、むしろ変わらなければならないのは僕ら男性です。女性たちは家事や育児の両立、人によっては仕事や地域活動の"3立""4立"と、大変な思いをしながら頑張ってきたじゃないですか。次は男性の番でしょう。「家庭での男性活躍」こそが社会を変えていくんです。

◇OSを入れ替えよう
<とはいえ、パパたちの中には目の前に膨大な仕事を抱えて「笑顔で子育てできる余裕なんてない」という人も少なくありません>

長時間労働の職場だったり、上司が子育てに理解のない人だったりしたら、葛藤も多いでしょう。その上で、いや、だからこそ僕は今、パパたちや管理職の方々に強く呼び掛けているんです。「コロナ禍というピンチを千載一遇のチャンスと捉え、自分も職場もアップデート(更新)しませんか」って。具体的には「OS(基本ソフト)を入れ替えよう!」と伝えています。ライフスタイルや考え方をガラッと転換して、「パパスイッチ(切り替え装置)をONに!」ともいえるでしょうか。
女性は妊娠・出産の実感をもって「ママスイッチ」が自然と入ります。しかし男性だとすぐ入らない人が多い。それはパソコンのOSに例えるとWindows95(1995年版)のままで仕事をするようなものです。もしも今、そのOSで仕事をしようものなら、作業速度は遅いわ、いちいち画面がフリーズ(動作停止)してしまうわで、イライラするばかりでしょう。ソフトウエアも最新のワードやエクセルは入れられません。
パパがOSを入れ替えないと、それと同じようなことが家庭で起きてしまうんです。子育ての新しい知識を得ながら能力を高めているママにとって、古いOSのままのパパがどんなふうに見えるか——簡単に想像できますよね。「父親であることを楽しむ」といっても、その第一歩は「OSを入れ替える」ことです。
これは職場にも通じます。今の若い世代では、男女問わず「父親も子育てするのは当たり前」との意識が高まっているのは、間違いありません。にもかかわらず、「母親は育児」「男性は稼ぎ手」という性別によって役割を分ける古い感覚に上司が縛られたままだと、どうでしょう? 逆に理解のある上司のもとで、部下のやる気が上がって仕事の生産性も高まったり、メンタルヘルス不調による退職が減ったり、優秀な若い人材が集まったりして業績を伸ばした企業の例は、たくさんあります。
コロナ禍によって、家で過ごす時間がいくらかは増えたパパたち。そして、生き残りを懸けて経営戦略の見直しを迫られている企業——その双方にとって「OSを入れ替える」チャンスが、まさに"今"なんです。

<そう考えるとパパの「家庭での活躍」は、一層の「仕事の活躍」にもつながっていきますね>

その通りです。例えば、保育園に通う子どもを迎えに行くため、仕事の時間をやりくりして定時で終わらせようと努力するのは、時間管理の能力を磨くことに通じるでしょう。また子どもの体調管理に気を配る経験は、職場の部下一人一人の心身を守る健康管理にも生かせます。
さらに、子どもはたくさんの失敗を経験しながら成長していくものです。心豊かに伸びている子どもの親に共通するのは、わが子の可能性が開くのを「信じて待つ」力に長けている点なんですよね。自分のことを信じてくれない人より、信じて根気強く励ましてくれる人の期待にこそ応えたいと思うのは、人間の自然な感情ではないでしょうか。それは、子どもでも部下でも同じです。
子育てをしている男性は職場でも"懐が深いな"と感じることが多い。自分のことが自分でできる「自立した人間」でもありますよね。日本では妻に依存して自立できていない夫が少なくありません。子育ては「生活力」「自活力」「人間力」を培うことでもあるんです。

◇同じ船の乗組員
<8月28日付の本連載で紹介した東京・江東区の創価学会男子部のパパたちも、子育てをすることで仕事も家庭も充実していくことを実感していました。また積極的に地域に飛び出し、パパ同士がつながることの重要性を感じたようです>

いいですね! パパにとって悩みや弱音を吐ける場所って大事なんですよ。家庭と職場の行き来だけでなく、地域に友人を多くつくることは定年退職後の人生をも豊かにしてくれるでしょう。「人生100年時代」を生きていくからこそ、パパたちにはぜひ地域との関わりを広げていっていただきたいですね。
地域であれ職場であれ、どんな組織であれ、ものごとを一人で進めていくことはできません。何かしらの大きな目標を達成するには「チーム」として支え合い、励まし合っていくことが欠かせないですよね。それは夫婦だって同じ。でも、そのことをパパは忘れがちではありませんか。
夫婦とは、子育てという"期間限定のプロジェクト"を共に遂行する同志であり、同じ船の乗組員です。パパ自身もまた、ハンドルを握った"主体者"であるとの自覚を持ってほしい——世のママたちがパパたちに一番求めているのも、その主体者意識ではないでしょうか。ママたちが「もっと話に耳を傾けてほしい」「一緒に考えてほしい」と口にするのも、全てそこに通じます。
主体者意識を持っていれば、家事も育児も妻に言われる前にやるはずです。やった事を、いちいち自慢もしないでしょう(笑い)。職場でも当たり前のことをやった上で、それ以上の成果を出して初めて評価されるものじゃないですか。
特にお子さんが幼いうちは週末だけでなく平日も、毎日10分や20分でいいから関わってほしい。男性は出産や授乳はできずとも、絵本の読み聞かせやお風呂入れ、保育園の送迎など、できることはいくらでもあります。日常の関わりなくして子どもとの信頼関係も育まれません。
パパにとって一番うれしく誇らしい成果——つまり"金メダル"は何かといえば、子どもの笑顔であり、「パパ大好き」という言葉であり、家族の絆です。ぜひ手に入れましょうよ。そんなパパが増えた分だけ、社会もより良くなるんですから。