近隣との絆を大切に。
「何か困っていないか」
「力になれる事はないか」
真心あふれる声掛けで
支え合う地域を築こう!
本因妙抄 P874
『彼の天台大師には三千人の弟子ありて章安一人朗然なり、伝教大師は三千人の衆徒を置く義真已後は其れ無きが如し、今以て此くの如し数輩の弟子有りと雖も疑心無く正義を伝うる者は希にして一二の小石の如し』
【通解】
かの天台大師には、三千人の弟子がいたが、章安一人だけが同じ明朗な悟りを得ている。伝教大師は、三千人の多くの門下を置いたが、一番弟子の義真の後は、同じ悟りを継ぐ人はいなかった。今も、それと同じようなものである。幾人かの弟子がいるといっても、疑う心がなく、正義を伝える者は希であって、一、二の小石のようなものだ。
名字の言 人は「ことばで色をぬる絵描きさん」 2021年9月10日
詩人の矢崎節夫さんが教えてくれた。言葉には色があり、人は「ことばで色をぬる絵描きさん」と(『金子みすゞ・ことばのまど あなたはあなたでいいの』ポプラ社)▼高校時代に体調を崩し、人と会うことができない時期が長く続いた友がいる。ある時、主治医が言った。「あなたはあえて苦しみを背負い、世の中に出てきた宝の人です。よくならないわけがありません。自分にしかできない、素晴らしい物語をつづっていってください」▼この言葉が友の心に届いた。家族や周囲の協力を得て数年前から農業の道へ。少しずつ元気を取り戻し、今年、JAの広報誌に「輝く農の人」と紹介された。「私は今、自分にしかできない『人間革命の物語』の第一歩を踏み出したように思います」▼言葉の色とは、言葉を発する人の「心の色」だろう。相手を思う心が根底にあるから言葉は生きる。まさに「言と云うは心の思いを響かして声を顕すを云うなり」(御書563ページ)。同じ言葉でも、言葉を発する人の「心の色」次第で、受け止め方は全く異なってくる▼「自分の使うことばの色で、自分のこころと相手のこころのキャンバスに色をぬるのです」(前掲書)。心を磨き、すてきな色の言葉を届けたいと思う。
寸鉄 2021年9月10日
「足は経なり」御聖訓。広布の魂は行動の二字に脈動。今日も開拓の一歩
戦いには突進力がなければならぬ—恩師。全幹部が"対話の秋"へ勢いよく
適度な運動や会話で心身が元気に—医師。学会活動は健康作る最高の良薬
夕暮れ時の交通事故が増える季節。反射材や明るい色の服の着用等対策を
太陽系に「未知の惑星」が存在の可能性と。宇宙は不思議に満ちて。生命も
〈社説〉 2021・9・10 米同時多発テロから20年
◇対話で 分断と差別からの転換を
あす11日、米同時多発テロから20年を迎える。未曽有のテロ事件は、その後の世界に分断と差別が広がる発火点となった。
2001年10月、凶行に及んだテロ組織が潜伏するアフガニスタンに対し、米国が武力攻撃を開始。時のタリバン政権を打倒した。だが、去る8月、駐留米軍の撤退によりタリバンが再びアフガニスタンを掌握し、世界に衝撃を与えている。この20年間の評価は分かれ、歴史の審判を待たなければならないが、軍事介入の問題点を改めて浮き彫りにした。
アフガニスタンへの攻撃と同じ頃、欧米諸国でイスラム教徒に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が増加。米国では、それまで年30件弱だった同様の犯罪が、01年には481件に激増した。
その後、米国は03年のイラクへの攻撃など、長きにわたり「対テロ戦争」を継続していく。
この頃から、主に中東地域でテロ事件の件数が増加し、その流れは時を経て、過激派組織「イスラム国(IS)」の台頭とともに、世界に波及する。15年のパリ同時多発テロをはじめ、欧米などで凶悪なテロ事件が頻発。それらは、生まれ育った自国の社会に不満を持つ青年やイスラム系移民の2世として差別を受けていた若者ら、やり場のない屈折した気持ちを抱えていた者たちの犯行でもあった。
なぜ、テロは繰り返されるのか。千葉大学の酒井啓子教授は、著書『9・11後の現代史』(講談社)の中で「ISが衰退し、息が絶えたとしても、世界の至る所で疎外され鬱屈を抱えてドロップアウトする者が存在する限り、終息することはないだろう」と述べている。
誰にも認められず、地域や集団に溶け込むことができない人々の悲痛な叫びは、出自や人種に関係なく、ここ日本にも存在するのではないだろうか。
池田先生はかつて、SGI提言の中で「対話がなければ、人間は独善という暗闇の中を歩き続けねばならない。いわば、対話とは、その暗闇にあって互いの足元を照らし合い、歩むべき道を見出す灯火といえます」と綴った。
混迷を深める世界にあって、対話を軸に、万人平等の人間主義の旗を掲げ、進む創価学会の使命はいやまして大きい。目の前の一人との対話こそが、"人類にとって最重要の10年"を切り開く一歩だと確信して前進していきたい。
☆池田先生と共に 希望・勝利の師弟旅 仏法で人格の芯を固めよ 2021年8月31日
正義の青年は、もとより多事多難である。だからこそ、偉大な人格が鍛えられる。
日蓮大聖人は、若き南条時光を繰り返し励まされた。「たがふ事あらば・いよいよ悦びとこそおもひて」(御書1542ページ)等と。
思うようにいかないことがあればあるほど、いよいよ喜び勇んで剛胆に立ち向かうのだ。
この勇気ある不退の信心を受け継いでいるのが、創価の青年たちである。
◇ ◆ ◇
きょう8月31日は「学生部の日」。
さらに、9月9日の「女子学生部の日」も間近である。
感染症の拡大が続き、学業や生活や進路など万般にわたり、苦労が絶えないであろう。
その中で、男女学生部の友はスクラム凜々しく「行学の二道」に励み、「立正安国」の対話を広げている。皆、智勇と福智の哲学者だ。
イギリスの歴史学者・トインビー博士との懇談の折、21世紀の青年へ助言を求めると、一言、「忍耐強くあれ」と語られた。挑戦と応戦という視点から人類史を俯瞰されてきた博士の一つの結論である。
今、大仏法の生命尊厳の哲理を掲げて、現代文明からの挑戦に忍耐強く応戦している君たちこそ、新たな地球文明の黎明を告げる旭日なりと、私は讃えたい。
トインビー博士が、困難な時代のリーダーの要件に、
一、洞察力
一、節度
一、度量
一、持久力
の4点を挙げられていたことも、思い起こされる。
特に度量について博士は、苦しいことさえ楽しそうに耐え忍んで乗り越えていく達人芸のような力とされた。
「御義口伝」には、「今日蓮等の類いの修行は妙法蓮華経を修行するに難来るを以て安楽と意得可きなり」(御書750ページ)と仰せである。
大聖人が示された仏道修行の真髄を、生き生きと現実社会で展開しているのが、学会活動にほかならない。
学生部出身者の中には、コロナ禍の今、命を救う最前線である医療に従事している友もいる。
後継の若人たちも、地涌の使命の青春を思う存分、乱舞し、仏法で人格の芯を揺るぎなく固め、新時代の指導者群を築き上げていただきたい。
◇ ◆ ◇
宝の未来部の鳳雛たちも、新学期である。
一人ももれなく、健やかに、伸び伸びと安心して前進し、成長していけるように、これまで以上に、皆で題目を送り、応援していこう!
創価家族の「教育力」で、いやまして希望の未来を創り開いていくのだ。
☆「世界を照らす太陽の仏法」に学ぶ 第11回 絶対勝利の要諦
◇四条金吾殿御返事
『いかに日蓮いのり申すとも不信ならばぬれたる・ほくちに・火をうちかくるが・ごとくなるべし、はげみをなして強盛に信力をいだし給うべし』(御書1192ページ14行目〜15行目)
◇池田先生の講義から
どこまでも「師弟不二の心」で、「師弟一体の祈り」を貫き通していくことこそ、いかなる苦難や困難をも勝ち越えゆくための信心の要諦なのです。また、ここに「法華経の兵法」の肝要があります。
◆◇◆
「日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか」(御書1360ページ)と仰せのように、大聖人の大誓願をわが誓願として、民衆の幸福のために不二の心で立ち上がる人が「地涌の菩薩」です。「誓願の祈り」が、「誓願の人生」を築くのです。
現代において、この御聖訓の通りに、広宣流布のために立ち上がったのが、先師・牧口先生、恩師・戸田先生です。創価学会は、この偉大な師弟の誓願から出発したのです。
◆◇◆
最初は"自分のための祈り"だったものが、そのまま"師と同じ誓願の祈り"へと発展していく。それは「師匠に守られる弟子」から、「師匠と共に戦う弟子」への一大転換劇ともいえるでしょう。(中略)
「師弟」とは、目覚めた民衆の陣列を築く、師匠の「精神」と「行動」を共戦の弟子が継承していくことなのです。
(『調和と希望の仏法 「人間の宗教」の時代へ』から)
五十嵐真理子 信越女性部長
◇弟子の人間革命の劇を!
「恩師の生涯を、後世永遠に書き伝えることは、わが人生の使命なり!」——今回学ぶ、「四条金吾殿御返事」の講義の中で、池田先生は述べられました。
恩師の広布の生涯をつづる小説『人間革命』の執筆を決意され、師の構想を実現する弟子の戦いを記す『新・人間革命』を起稿・脱稿された天地こそ信越です。
この有縁の地で戦う私たちは、今一度、いかなる苦難にも負けない絶対勝利の信心の要諦である師弟誓願の祈りについて、学び深め、弟子の人間革命の歴史をつづっていきましょう。
◇地涌の「真の力」
先生は講義の中で、「師弟の祈りが一致しなければ、真の力は出せません」と述べられています。
婦人部本部長(当時)を務めていた時、広布拡大がなかなか進まず、悩んだ時期がありました。
"このままではいけない。池田先生なら、どうされるだろうか"と祈る中、先輩にも指導を受け、"誰かではない。私が境涯を開き、必ず勝利する"と決めました。以来、メンバーや友人一人一人の幸せを真剣に祈るとともに、自身が先頭に立って動きました。皆さんも勇気を奮って戦われ、結果として目標を大きく上回る弘教を達成できたのです。
何より、拡大に挑戦した皆さんが、人間革命した歓喜の体験をつかむことができました。皆で喜び合ったことは忘れることができません。
"師匠のために"との誓願の一念で立ち上がり、自身の祈りが、皆の幸福・勝利という師の祈りに合致した時、地涌の菩薩としての「真の力」が出るのだと痛感します。広布の戦いは、一人一人が人間革命し、さらなる幸福を勝ち開いていく好機にほかなりません。
◇久遠の誓いに立ち返る
先生はさらに講義の中で、「私たち学会員は、信心の年数に関係なく、誰もが等しく、久遠(はるかな昔。永遠・根源のこと)からの誓いで末法広宣流布のために出現した誉れの地涌の菩薩です」と強調されています。
今、この地涌の使命を自覚し、多くの友が立ち上がっておられます。
南信圏の山間地域で活躍する、ある地区女性部長は2年前、乳がんが判明。抗がん剤治療の末に寛解を告げられました。しかし昨年11月、検診で新たに大腸がんが見つかり、リンパまで転移している可能性もあることが分かりました。
動揺する心を抑え、池田先生にお手紙を書くと、先生からの激励の伝言が。"絶対勝ちます"と誓いを立て、祈りに祈りました。後日、手術のためにもう一度検査をすると、不思議なほど、がんが小さくなっていたのです。手術ではなく内視鏡治療へと切り替わりました。
病魔に負けまいと継続して祈り、先生の指導を読み進めていくと、"あなたには、この地域の広宣流布を成し遂げていく、尊い使命がある"との一節が彼女の目に留まりました。
"そうだ。私には、先生と共に広布に生き抜く使命がある! だから病気に負けるわけにはいかない"——まさに、久遠からの誓いに立ち返るような深い祈りを重ねる中、治療が功を奏し、彼女は健康を取り戻されたのです。
闘病の中で、未入会のご主人は信心に理解を深め、彼女の活動を応援してくれるように。地区でも、ヤング白ゆり世代の方が入会されたのをはじめ、青年部が転勤してくるなど、人材が躍動しています。先生が講義されている通り、師と同じ誓願の祈りへと、祈りが深まる中での勝利劇に大きな感動が広がっています。
◇屹立した信心
広布の使命。弟子としての自覚。
今、祈りの中で、こうした根源的なことに向き合い、主体者として立ち上がられている方が、たくさんおられます。単なる目標や決意といった次元を突き抜け、皆の幸福と勝利を願う師の心、師の誓願に迫る信心を、改めて、今こそ打ち立てていく時です。一人一人が屹立した信心に立てば、どんな三障四魔にも紛動されない師弟の人材山脈が築かれると確信します。
2008年(平成20年)8月24日、池田先生は信越代表者会議の席上、語られました。
「師匠がいるから、勝利の軌道を歩める。師匠がいるから、増上慢を打ち破れる。師匠がいるから、人間革命できるのだ」
さあ、師弟の真実を叫ぶ、正義と勇気の言論戦で、新しい広布の勝利へ勇んで前進する時! 共戦の魂が刻み込まれた信越には、その先頭を走る使命があります。
師弟誓願の祈りを強く、自分自身の「人間革命」のドラマをつづっていきましょう!
◇メモ
「四条金吾殿御返事」は、弘安2年(1279年)の御述作。主君の江間氏を折伏した結果、主君の不興を買った四条金吾は、日蓮大聖人の御指導通り、強盛な信心と主君への誠実を貫く。金吾は主君の信頼を回復し、以前の3倍に及ぶ領地を与えられたが、今度は成功をねたむ人々から命を狙われる。本抄は、その危機を乗り越えた報告に対する御返事である。別名「法華経兵法事」。師と同じく、弟子が今一重、強盛な信心を奮い起こしていくことを教えられている。