2021年2月26日金曜日

2021.02.26 わが友に贈る

学会は何でも語り合える
「善き友」の集いだ。
悩みに沈む同志に
同苦の心で寄り添おう。
慈悲の光を幾重にも!

四条金吾殿御返事 P1169
『夜廻の殿原はひとりもたのもしき事はなけれども法華経の故に屋敷を取られたる人人なり、常はむつばせ給うべし、又夜の用心の為と申しかたがた殿の守りとなるべし、吾方の人人をば少少の事をばみずきかずあるべし』

【通解】
夜廻りをしている同志の人たちは、一人も頼りがいがあるとはいえないが、法華経のために屋敷を取られた人々であるから、常に親しくしていきなさい。夜の用心のためにもなり、また殿の守りにもなるであろう。わが味方の人々のことは、少々の過ちがあっても、見ず聞かずのふりをしていきなさい。

名字の言 "差別の繁殖"を防ぐために 2021年2月26日
「他者への想像力が枯渇するとき、差別は繁殖します」と語るのは、社会学者の好井裕明氏。差別は"特別な誰か"が起こす限られた社会問題ではない、と▼差別を受ける人がどれほど苦悩し、憤り、困窮しているか——他者に対する想像力の欠如によって、誰もが差別する可能性がある。それを防ぐには「『他者へのより深く豊かで、しなやかでタフな想像力』が必要」という(『他者を感じる社会学』ちくまプリマー新書)▼コロナ禍の中で、感染者・医療従事者などへの差別や"自粛警察"と呼ばれる現象が問題となっている。そうした行為の背景には、目に見えないウイルスに対する恐怖や不安があるとされる。だがその感情を向ける相手は、自分と同じように毎日の生活を営む人間である。一人一人に家族などの大切な存在があることを忘れてはならない▼日蓮大聖人は「一切衆生が受けているさまざまな苦悩は、ことごとく日蓮一人の苦である」(御書758ページ、通解)と仰せだ。相手の苦境を"わがこと"として受け止めようと心を砕く。目の前の一人に、とことん寄り添い続ける。日々の学会活動は、仏の境涯へと自身の生命を鍛える修行でもある▼きょうも、わが地域に"心の安全地帯"を広げよう。"誰も置き去りにしない"心で。(誼)

寸鉄 2021年2月26日
「人生は信の上に立つ」牧口先生。強盛な信力・行力で生活革命の日々を
3月の壮年幹へ幹部率先で連帯拡大。多宝の友も勇躍。更に若々しい心で
「人を憑みて・あやぶむ事無かれ」御書。誰かではなく自分!道開く勇者に
「孤独」の健康リスク高、最も憂慮すべき課題と。励ましの絆を今こそ強く
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〈社説〉 2021・2・26 各国で進む火星探査
◇宇宙的視野で地球課題の解決を
先週、米航空宇宙局(NASA)が公開した映像が世界を駆け巡った。火星に到着した探査車「パーシビアランス」の着陸の模様だ。
動画を見ると、エンジンによって巻き上げられた塵の中へ降下していく探査車の様子がはっきりと分かる。着陸後、まず探査車のシステムを立ち上げ、周囲の詳細画像などを撮影した。
今後、数年をかけて生命体の証拠を探すほか、岩のサンプルを収集することになっている。
これに先立って今月、アラブ首長国連邦(UAE)の探査機「HOPE」、中国の「天問1号」が火星軌道に入っていると報じられた。
HOPEは周回軌道上から探査、天問1号は火星への着陸を試み、着陸地の周辺を調査するという。
火星は地球のすぐ外側の軌道にある惑星。直径は地球の約半分、重力は3分の1ほどしかない。希薄な大気と平均気温がマイナス40度以下という、生命体にとっては過酷な環境にある。
ただ、極域では氷(二酸化炭素が凍ったドライアイスではなく水が凍った氷)が存在していることが分かっており、生命やその痕跡の発見が期待されている。
宇宙における生命探求の旅は、太陽系内にある地球と近縁の惑星や多くの衛星などの探査と並行して、ハビタブルゾーン(液体の水が存在する条件)の系外惑星観測も行われている。系外惑星の中には水の存在が明らかになるなど、地球外生命の存在の可能性が高まっている。
生命の起源を探す壮大な旅——それは、生命の謎を探る挑戦であるとともに、地球という"生命のゆりかご"が限りなく尊いことを再発見する機会でもある。宇宙的な視点を獲得することで、新しく見えてくるものがあるのだ。
ロシアの宇宙飛行士セレブロフ博士は創価大学で行った講演で、「我々は、宇宙から見れば、とても小さな地球という宇宙船で宇宙を旅しているようなものです……今こそ、我々は『地球は人類共通の家』という『宇宙の哲学』を打ち立てる時代に入りました」と語った。
池田先生は同博士との対談の中で、「21世紀に必要なのは『宇宙的視野』です。大宇宙と一体のものとして、人類を、そして人間を捉えていく見方です」と強調している。
言うまでもなく、宇宙から見れば、地球に国境線など存在しない。対立から融和へ、分断から協調へ、社会を変える契機も、この宇宙的視野にあろう。
人類は地球という乗り物の乗客であり、地球と一体の運命共同体。地球的課題を乗り越えることもできるはずだ。
今こそ宇宙的視野を基盤に、生命の世紀、平和の世紀を建設していきたい。

☆【御聖誕800年】 学会の翻訳事業の軌跡
「日蓮大聖人直結」「御書根本」こそ、創価の永遠不変の精神である。絶対勝利の要諦であり、広布発展の原動力である。この誉れある正道は、御書発刊という師弟の大闘争によって開かれた。
戸田城聖先生は、1951年(昭和26年)5月3日の第2代会長就任後、すぐに御書全集の刊行に着手した。完成までの期間はわずか10カ月。資金調達や人員確保など幾多の困難が立ちはだかる中、陰で師を支え、奮闘し続けたのが、若き日の池田大作先生である。
そして、連日連夜の編さん・校正作業を経て、52年4月28日、立宗700年の佳節に、御書全集は発刊を迎えた。

◇「本朝の聖語も広宣の日は亦仮字を訳して梵震に通ず可し」——日興上人
大聖人の不二の弟子である日興上人は、広宣流布の伸展に合わせ、御書を外国語に翻訳して世界中に伝えるべきであると仰せである(御書1613ページ、趣意)。このお言葉の通りに学会は、池田先生のリーダーシップのもと、御書の翻訳・出版事業に力を注いできた。
まず取り掛かったのは英訳。国際共通語として話者が多いのはもちろん、他言語への重訳が比較的容易であり、翻訳作業の推進に拍車を掛けることができるためである。
66年には、英語版機関誌「セイキョウ・タイムズ」に、初めて英文の御書が掲載。79年には「観心本尊抄」や「佐渡御書」など、英訳36編を収録した『英文御書解説』第1巻が発刊された。以来、2年に1度のペースで第7巻まで刊行され、その全巻をまとめた待望の『英訳御書』上巻が99年に完成した。
この『英訳御書』の翻訳の監修を務めたのが、米コロンビア大学のバートン・ワトソン博士である。博士は『英文御書解説』の翻訳時から多大な貢献を果たしてきた。司馬遷の『史記』を初めて英訳した中国文学研究の第一人者であり、高名な翻訳家として知られる。
博士が御書の翻訳に携わるきっかけとなったのが、73年12月の池田先生との語らいである。
その際、先生は鳩摩羅什の『法華経』の英訳を博士に要請した。その後、博士は『英文御書選集』や『御義口伝』の英訳など、仏教の精神を世界に広げる翻訳作業に尽力していく。

◇10言語以上で御書を刊行
2006年には『英訳御書』下巻が刊行。英語以外の言語訳も着実に進み、今や御書は中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語をはじめ10言語以上で翻訳・出版されている。世界広布の伸展に合わせ、各国の人々が慣れ親しんだ言語で希望の哲学を繙ける意義は大きい。
戸田先生は御書の「発刊の辞」につづった。「この貴重なる大経典が全東洋へ、全世界へ、と流布して行く事をひたすら祈念して止まぬものである」
この恩師の大願は、未来への布石を打ち続けた池田先生の手によって実現されていく。

◇"信を通わす"尊い作業
池田先生はかつて語った。
「御書を開けば、そこから光があふれてくる。それは『哲学の光線』であり、『生命の太陽』である。御書は『日蓮大聖人の御声』であり、御金言・御聖訓である」
先生は自らの実践で「御書根本」の範を示しながら、文化的背景の異なる世界各地の人々にも大聖人のお心が間違いなく伝わるよう心を砕いてきた。
こうした先生の言葉を通し、御書の言々句々を広く世界の友に伝える使命は、第1次宗門事件を経て、「セイキョウ・タイムズ」から「SGI通信」に引き継がれた。1984年(昭和59年)7月3日に英語版が創刊。ファクスと郵送で、毎週、58カ国に送られるようになった。
池田先生は、この年の2月から3月にかけて北南米指導へ。青年を励まし、各国の大統領らと会見。6月には、中国・北京大学で記念講演も行った。日蓮仏法の精神を根本に、創価の人間主義の思想を縦横に語る先生。その言葉を求めるメンバーの心に応えるために、SGI通信は作られた。
その後、89年5月から1カ月以上にわたる先生の欧州指導を速報するために日刊となる。
翌年末に第2次宗門事件が勃発。「法華経の智慧」「青春対話」、会合でのスピーチなどの翻訳が掲載されたSGI通信は、「人間のための宗教」という大聖人仏法の本義を正しく伝え、人間を手段化する邪宗門の"衣の権威"と戦い、尊き仏子を守り抜く"武器"となった。
91年にはスペイン語版、中国語版も相次ぎ発行され、90年代後半にメールでの送信が始まり、世界各地に瞬時に届くようになる。
現在は、小説『新・人間革命』、メッセージや随筆、大白蓮華の巻頭言や講義「世界を照らす太陽の仏法」などを翻訳し、英語版は75カ国・地域、スペイン語版は22カ国、中国語版は15カ国・地域に送信。各国の機関紙誌にも掲載されている。
「翻訳は大事だ。200年先まで残るから」——かつて池田先生が、SGI通信を編集する友に語った言葉である。また先生は、「語学は手段。根本は信心なんだ」とも。
ゆえに友は、ただ言葉を他の言語に置き換えるのではなく、大聖人の精神や師匠の心に迫り、それを言葉にすることに注力してきた。
例えば「異体同心」を直訳すれば「many in body, one in mind」。これを文脈によっては「unity in diversity」(多様性を尊重した団結)と翻訳する。一人一人の個性を大切にしながら、広宣流布という大目的に向かって団結することの重要性を強調して伝えるためである。
このように、一つの言葉を翻訳するに当たっても試行錯誤を繰り返す。日本語が堪能な外国人翻訳者と日本人翻訳者が意見を交わしながら、膨大な時間と労力を費やして"信を通わす"作業である。
SGI通信が誕生して本年で37年。英語版は1万717号に。また、スペイン語版は9524号、中国語版は1万3677号を数えている(15日現在)。
日蓮仏法の精神が脈打つ池田先生の言葉を、翻訳を通して学び、「日蓮と同意」の地涌の菩薩の自覚に立って、各地で広布を進める創価の同志。自身の人間革命を基盤に、家庭や地域をより良いものへと変革し、人類の宿命転換に挑みゆく友の連帯は、世界中に広がり続けている。

◇根本経典を民衆の手に
2013年11月の「広宣流布大誓堂」の完成に合わせ、「御書」や「法華経」など、日蓮仏法の根本経典の英訳を紹介するウェブサイト「創価学会 日蓮仏法ライブラリー」が開設された。現在は、創価学会版のスペイン語訳、フランス語訳『御書』にそれぞれ収録される諸御抄172編等の閲覧もできる。
同サイトは充実した検索機能を備えており、スマートフォンやタブレット端末から見られる点も特長の一つ。
また、中国語版のサイトもあり、各国・各地域で行学錬磨に挑む同志が、研さんに励むための糧になっている。
日蓮大聖人の聖典が、誰もが自由に学べる形で民衆に開かれている——サイト開設は重要な意味を持っている。

◇192カ国・地域の人々が閲覧
また昨年には、創立90周年を記念して、多言語版の創価学会公式ホームページである「創価学会グローバルサイト」が開設された。
世界宗教として飛躍を遂げる学会の基本情報とともに、日常の信仰実践や多角的に展開される社会活動、各国・地域の学会ニュース等を紹介。会員用の研さん教材として、SGI通信で配信された小説『新・人間革命』第30巻や指導選集『幸福と平和を創る智慧』、「教学入門」なども掲載している。
言語は英語、スペイン語、中国語(繁体字・簡体字)に加え、一部の情報を日本語で発信。現在までに192カ国・地域からアクセスされている。
同サイトと連動したSNS(フェイスブック、インスタグラム、ツイッター)や動画投稿サイト「ユーチューブ」でも随時情報が発信され、創価の思想・哲学は五大州に広がる。
御書に「日は東より出づ日本の仏法の月氏へかへるべき瑞相なり」(589ページ)と。日蓮仏法を学び深め、人間革命の実証を示しゆく世界中の同志の雄姿は、大聖人が予見された、仏法が日本から東洋、世界へと弘まっていくという「仏法西還」の未来記そのものである。
誰も成しえなかった世界広宣流布を現実のものとしてきた——この紛れもない事実こそ、創価学会が仏意仏勅の教団である証しにほかならない。