学び続ける向上の人は
決して行き詰まらない!
たゆまぬ日々の研鑽が
困難に負けない心を育み
友を励ます力となる。
妙心尼御前御返事 P1480
『このやまひは仏の御はからひかそのゆへは浄名経涅槃経には病ある人仏になるべきよしとかれて候、病によりて道心はをこり候なり』
【通解】
この病は仏の御はからいであろうか。そのわけは、浄名経、涅槃経には病がある人は仏になると説かれている。病によって仏道を求める心は起こるものである。
名字の言 「梅」は春の季語。では「探梅」は? 2021年2月21日
俳句で「梅」は春の季語。だが「探梅」は冬の季語となる。咲き始めた梅を探して歩くことを指す。「探梅のこころもとなき人数かな」(後藤夜半)。この一年は例年と比べて思うように外出できず、梅を一段と恋しく感じた人もいるだろう▼新型コロナの感染が全国的な広がりを見せて一年がたつ。先日、婦人部の友が梅の写真を送ってくれた。家の近くの一輪を、スマホで撮影したもの。「大変な状況は続きますが、心に希望の花を咲かせていきましょう」とのメッセージが添えてあった▼人は花に思いを重ねる。力の開花、個性の開花、可能性の開花……。こうしたたとえは、いずれも、人間の内側にあるものが外に向かって開き顕れる様子を表現している▼花をこよなく愛された日蓮大聖人は、「木中の花」(御書242ページ)と仰せだ。冬枯れの木に花の気配はなくとも、中には花が息づいている。春が来れば必ず万朶と咲く。同じように、ほかでもない自身の胸中に、仏性という無限に広がる"生命の花"があることを示されたのである▼「冬枯れに春の若芽は因果倶時」と池田先生は詠んだ。幸の花を外に探し求める必要はない。苦難の厳冬に立ち向かうわが心中に、見えなくとも花は育っている。冬は必ず勝利の花咲く春となる。(之)
寸鉄 2021年2月21日
「諸仏の成道も信の一字より起る」御書。大確信の祈りを。ここに壁破る力
学会は御書を通し大聖人と直結するのだ—恩師。立正安国の魂を心に刻み
若い頃に叩き込んだ事はいつまでも残る—哲人。青年よ苦労は買ってでも
受験直前に掛ける言葉は「頑張れ」より「大丈夫」!後悔のない挑戦を後押し
歩行者の死亡事故、原因6割は信号無視等の法令違反。油断せず無事故で
〈社説〉 2021・2・21 きょう「国際母語デー」
◇多様性あふれる社会の実現へ
きょう2月21日は「国際母語デー」。1999年11月17日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)によって文化や言語の多様性、それぞれの母語を尊重することを推進する目的で制定された。
この日が制定に至った契機は、1952年、命を懸けて母語を守ろうとしたバングラデシュでのデモだった。
当時、バングラデシュはパキスタンの一部(東パキスタン)で、政治の中枢は西パキスタンにあった。
異なる言語を使用していた東西のパキスタンで、政府は西側で主に使われていたウルドゥー語を唯一の国語と規定。さらに抗議デモを行うことを禁止する法律までも作られた。
これに対し、ベンガル語が主に使用されていた東側で、ダッカ大学の学生を中心に2月21日、抗議デモが開かれた。
警官隊が発砲し、死者が出る事態となったが、後に独立を果たしたバングラデシュはこの日を「言語運動記念日」と制定。独立運動の重要な事件の一つとして、人々の心に強くとどめられているという。
現在、世界では6000から7000の言語があるといわれる。ユネスコは2009年2月、世界で約2500に上る言語が「消滅の危機」にあるとしてリストを発表した。日本では「極めて深刻」とされたアイヌ語など8言語・方言が含まれている。
母語は幼時に習得する言語で、生まれ育ってきた環境が影響を与える。
日本語を例にすると、何が大切か。お茶の水女子大学名誉教授の内田伸子氏は、本紙インタビューで「乳幼児期から児童期は母語(日本語)の土台をしっかりと築いてください。英語学習も急がず、まず、日本語で論理的に考える力や文章の流れをつかむ力を付けることです」と強調。その上で、異なる文化に触れることが世界市民の意識を養うと述べている。
1972年に発刊された小説『人間革命』英語版に始まる池田先生の著作の外国語版は、昨年6月にスペインの自治州の公用語であるガリシア語、バスク語の翻訳が出て、50言語となった。両言語とも、かつての独裁政権下では話すことすら禁じられていた。その言語による出版は、地域固有の文化を尊重する取り組みとして歓迎されている。
SGI憲章には「SGIはそれぞれの文化の多様性を尊重し、文化交流を推進し、相互理解と協調の国際社会の構築を目指す」とある。世界192カ国・地域への発展は、この精神が体現された証しといえるだろう。
さまざまな母語を尊重することは、その文化の多様性を尊重することにつながる。多様性あふれる国際社会の実現へ創価の民衆の連帯は一段と輝きを放っていくに違いない。
☆御書の旭光を 第7回 世界広布の旅路を共々に
〈御文〉
『安州の日蓮は恐くは三師に相承し法華宗を助けて末法に流通す三に一を加えて三国四師と号く』(顕仏未来記、509ページ)
〈通解〉
安房国(現在の千葉県南部)の日蓮は、恐れ多いことではあるが、釈尊・天台・伝教の三師のあとを受け継いで、法華宗を助けて末法に流通するのである。それゆえ、三師に日蓮一人を加えて「三国四師」と名付けるのである。
〈池田先生が贈る指針〉
日蓮大聖人の御聖誕から800年。太陽の仏法は地球を照らしている。
御本仏の未来記たる仏法西還、一閻浮提広布を実現した仏勅の教団が創価学会だ。異体同心の学会と共に地涌の誓願を貫く生命にこそ、生死一大事の血脈は流れ通う。
「安州の日蓮」と郷土を誇りとされたお心を拝し、わが使命の天地から立正安国の光を!
☆共生の地球社会へ〜仏法の英知に学ぶ テーマ:核兵器廃絶への挑戦
登場人物
【ミライさん】好奇心旺盛な女子部員。世の中の出来事について、父・ホープ博士と語り合うことを楽しみにしている。
【ホープ博士】勉強熱心な壮年部員。毎月1回、家族と一緒に教学を研さんしている。「博士」はニックネーム。本業は会社員。
◇"生命尊厳"を人類共通の理念に
ミライ 先月22日、「核兵器禁止条約」が発効されたね。
ホープ この条約は、核兵器が全面的に「禁止されるべき対象」とされた、初の国際法だよ。兵器の近代化、小型化が進み、核兵器が「使える兵器」となろうとしている今、条約が発効された意義はとても大きいんだ。
国連が発足した翌年の1946年(昭和21年)、国連総会の第1号決議で核兵器廃絶が掲げられたんだよ。75年の時の重みを考えると、歴史的な節目を迎えたといえるね。
◇元品の無明
ミライ 創価学会も一貫して核兵器の廃絶を訴えてきたけど、その運動の出発点は何になるのかな?
ホープ 1957年(同32年)に、第2代会長・戸田先生が発表された「原水爆禁止宣言」だよ。
戦後、東西冷戦が深刻化し、核実験が繰り返される中、戸田先生は次のように叫ばれたんだ。
「世界の民衆は、生存の権利をもっております。その権利をおびやかすものは、これ魔ものであり、サタンであり、怪物であります」
ミライ 「魔もの」という言葉に、核兵器の存在そのものに対する、強い憤りが伝わってくるね。
ホープ この宣言を継承し、核兵器を"絶対悪"と断じた池田先生は、私たちに重要な視点を教えてくださっている。
「核時代に終止符を打つために戦うべき相手は、核兵器でも保有国でも核開発国でもありません。真に対決し克服すべきは、自己の欲望のためには相手の殲滅も辞さないという『核兵器を容認する思想』です」(「核廃絶提言」、2009年)
ミライ 核兵器の開発、保有、使用等、あらゆる活動を例外なく禁じた条約を、「核兵器を容認する思想」に打ち勝つための人類の共通理念としていかなければいけないね。
ホープ 「自己の欲望のためには相手の殲滅も辞さない」という心の働きを、仏法の眼で捉えていこう。
この働きは、人間の心の奥底に潜む「生命軽視」の魔性によるものとされ、仏法では、「元品の無明」によって生み出されると説かれているよ。
「元品の無明」とは、誰の生命にも具わる根源的な無知のことで、ここから他者の生命への蔑視や、人間の尊厳に対する不信が生まれるんだ。
◇「魔」の産物
ミライ 「元品の無明」について、日蓮大聖人はどのように仰せなのかな?
ホープ 「元品の法性は、梵天・帝釈などの諸天善神として顕れ、元品の無明は、第六天の魔王として顕れるのである」(御書997ページ、通解)と仰せだよ。
「魔」は、古代インドの言葉「マーラ」を漢字で表したもので、仏道修行を妨げる働きのことなんだ。また、「奪命者」「奪功徳者」とも訳され、仏道修行者の心を悩まし、破壊しようとするんだよ。
この「魔」の頂点に立つのが、「第六天の魔王」なんだ。「他化自在天」ともいわれ、権力欲、支配欲として現れるんだよ。
ミライ 自己の思うままに他者を隷属させる——こうした権力の魔性に、人間の心が支配されるから、争いが引き起こされるのね。
人類を何度も滅ぼすほどの危険性を持った、核兵器に「魔」の働きが重なるね。もはや、この脅威に無関係な人がいない以上、無関心では済まされないよね。
ホープ その通り。核兵器は「魔」の産物なんだ! 私たちは、平和建設を阻む「一凶」である、「元品の無明」と対峙しなくてはいけない。
そのためには、自他共に「元品の法性」を輝かせる対話が大事なんだ。それは大変な道だけど、粘り強く語り続けていくしかないんだ。
ミライ 「元品の法性」には、どういう意味があるのかな?
ホープ 私たちの生命に具わる、根本の覚りの生命のことだよ。先の御文を私たちの立場で拝せば、人間の生命に内在する仏性を尊ぶ——つまり、万人の尊厳を人類共通の理念にすることなんだ。
池田先生は、「仏性とは慈悲の生命であり、破壊から創造へ、分断から融合へと向かう、平和を創造する原動力である」と教えられているよ。(小説『新・人間革命』第4巻)
ミライ 仏法の生命観は、他者にも等しく仏性を見いだすことを示しているよね。
だからこそ、意見が合わないような相手とも、必ず理解し合えると信じ、人類共通の平和な社会に向けて、不断の努力を重ねることが大切になってくるんだね。
ホープ 平和とは単に"戦争のない状態"を指すのではないんだ。すべての人々が生きる上での尊厳を脅かされることがなく、幸せな生活を送れる社会を築いていこう。
メモ(治病大小権実違目、997ページ)
仏法では、人間の生命には「善」も「悪」も具わっていると説きます。
善性である「元品の法性」は諸天善神の働き、悪性である「元品の無明」は「第六天の魔王」の働きとなって顕れます。
「元品の無明」とは、生命に具わる迷い、根本的無知のことであり、そこから生命の尊厳への不信が生まれるのです。それは、他者だけでなく、自身の生命の軽視にも通じます。
◇[コラム:"いま"を知る]あすの語り部
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)共同会長のティルマン・ラフ博士は、本紙インタビューで「核兵器の真実を知る最良の道」に、被爆者の体験に耳を傾けることを挙げた。さらに、被爆者の言葉が、国際会議の場でも各国の代表の心を動かしてきた事実を紹介している。
被爆体験を聞くたびに、核兵器の使用が引き起こす病や差別、そして死——あまりにも不条理な被害の実相に、胸が押しつぶされそうになる。それでも被爆者は、希望を託すように語っていた。「きょうの聞き手は、あすの語り部」と。
御聖訓に、「言と云うは心の思いを響かして声を顕すを云うなり」(御書563ページ)と仰せだ。
「心の思い」を響かせてこそ、相手の「心に届く言葉」となる。
被爆者の平均年齢が83歳を超える今、"悲惨の記憶"を風化させないためにも、私たちが"平和への願い"を語り継がなければならない。(雅)