青年を大切に!
若人に学ぼう!
そこに新たな挑戦への
活力が生まれる。
共に青年学会の建設へ!
上野殿御返事 P1561
『願くは我が弟子等大願ををこせ』
【通解】
願わくは、我が弟子らは、大願を起こしなさい。
名字の言 恩師・戸田先生の生誕121年 2021年2月11日
ファシズムが吹き荒れたナチス統制下のフランス。抵抗する文化人の多くが投獄され、読み書きを禁じられた。だが作家のジャン・カッスーは、独房でも詩を作り続けた▼出獄後、獄中で紡いだ33編のソネット(14行詩)を詩集として出版。23番目のソネットで、こう詠んだ。「明日は……とみんなが叫ぶ美しい物語を」「祭りの朝が ついにやってくるように!」(『レジスタンスと詩人たち』白石書店)▼詩人は「明日」に希望を抱くことを訴えた。体の自由を奪われても、心までは縛られない。試練は、それを乗り越えるたび、魂の飛翔をもたらす力となる。迫害に耐え抜いた彼の言葉は、祖国解放を願う人々を鼓舞した▼創価の平和運動の源流もまた、軍国主義に抗した先師・恩師の獄中闘争にある。殉教の初代・牧口先生の遺志を継いだ第2代の戸田先生は、拘置所にあっても家族などに短歌を贈り、2人の看守を入会に導くなど不屈の言論を貫いた。その信念を継承した池田先生によって、学会は今、世界へと広がる▼戸田先生は詠んだ。「辛くとも 嘆くな友よ 明日の日に 広宣流布の 楽土をぞ見ん」。きょうは、恩師の生誕121年。師弟の歴史を深く心に刻み、「忍耐の今日」を「希望の明日」へ転じゆく後継の物語をつづろう。(市)
寸鉄 2021年2月11日
戸田先生の生誕日。地球民族主義の先見は希望の羅針盤。後継よ語りゆけ
国際部結成50周年。語学の力と人格で光る人間外交の旗手。使命益々深く
「風大なれば波大なり」御書。大仏法を語れば難は必然。宿命転換の時と
ネット上の名誉毀損など10年で3倍と。人権侵害の社会悪を皆の手で根絶
感染の闘いに国境なし。国際枠組で145カ国に供給へ。人類が協働し応戦を
〈社説〉2021・2・11 きょう戸田城聖先生の生誕日
◇まっしぐらに師弟の道を!
池田先生が神奈川の同志に、恩師・戸田先生との"共戦の心"について語ったことがある。
「私どもにとって戸田先生は"人生の師"であった。その人生の師の遺志を継いで、私どもは日本中に、また全世界へと、広布と平和のために走り、戦ったのである。なぜ創価学会の平和運動が世界的な広がりをもち、永続的な展開をすることができたか。その一つの理由を、ある識者が論じていた。
『仏法という平和理念を基調として、人生の師弟という美しい絆がそうさせたにちがいない。師の遺訓をそのまま受け継いでの実践があったからであろう』と。
他の平和運動の多くが、政治的に偏向して分裂をした。あるいは利害と売名の運動に陥ったりした。そのなかで創価学会は、これだけの一大平和勢力を築き、歴史的な成果を後世に残すことができた。これも恩師の遺訓を受け継いで、利害でも売名でもなく、"師弟の道"をまっしぐらに進んできたからである」(1987年、神奈川文化総会)
核兵器禁止条約が発効した今、再び銘記すべき指導である。
「全部、戸田先生から教わったことなんだよ」「今の私の98パーセントは、すべて、恩師より学んだものであります」——戸田先生を語る池田先生の言葉には常に、深い敬愛の念が込められている。
昭和20年代の半ば、若き池田先生が経済的苦境に陥った戸田先生を一人支え、第2代会長に推戴しゆく激闘の日々は、初代会長・牧口先生の獄死という絶体絶命の危機を経て、"もう一度、弟子が師と共に立ち上がる"戦いだった。
私たちもまた、この不屈にして誉れの「師弟の道」に連なっている。
きょう2月11日は戸田先生の生誕日。池田先生は、この記念日に幾重もの意義をとどめてきた。今年、開学50周年を迎える創価大学。その竣工式も2月11日に行われている(1971年)。
先生は出来上がったばかりのLL教室や図書室などを視察しながら「素晴らしいね……ため息が出るよ」「僕も入学させてくれないかな」と語り、戸田先生と共に散策しているような雰囲気で真新しいキャンパスを歩いた。同日、創価学園にも足を運び、生徒たちを激励している。
創大のあるスタッフは、池田先生から「"自ら人間革命している人"が青年に接する。これこそ人材育成の要点だ」と教わった。それは戸田先生と不二の心で進む池田先生の確信の一言だった。
今、私たちは「コロナ後」を見据えて「自分自身との戦い」に挑み、励ましの実践を刻みたい。そこにのみ、次代を担う人材の沃野を切り開く鍵があるからだ。
☆「わが愛する青年に贈る」に学ぶ 第7回 人間学〈上〉——報恩の振る舞いに仏法の真髄 大串女子部長
◇池田先生の指導
報恩は誓願を生みます。
報恩は行動を生みます。
報恩は勇気を生みます。
報恩は勝利を生みます。
1 仏法は「振る舞い」のなかに
未曽有のコロナ禍が続く中、女子部の華陽姉妹は、互いに励まし、支え合い、「私たちが周囲を照らす希望の存在に」と、それぞれの立場で挑戦を重ねています。
池田先生は講義の冒頭、仏法の真髄である誠実な「振る舞い」を受け継ぐ、創価の青年の使命をつづられています。
■ 池田先生の講義
青年が思う存分活躍し、栄え光る。これ以上に頼もしく、希望に溢れることはありません。常日頃から青年を応援し、汗を流してくださっている婦人部、壮年部の皆さん方にも感謝は尽きません。
(中略)
仏法を基調とした人間主義の行動を受け継ぐ皆さんこそ、「未来の希望」であり、「人類の宝」です。一人残らず、深い使命を持って生まれてきた「地涌の菩薩」です。
一人の地涌の青年の誠実な行動が、周囲に幸福と平和の波動を広げています。「人の振る舞い」こそ、仏法の人間主義の結論です。
—◆—
今、多くの女子部メンバーが、友が孤独や不安を感じていないかと思いを馳せながら、電話やオンライン、手紙などで、励ましの絆を結び、広げています。
相手の話に耳を傾け、「一人じゃないからね」と寄り添い、共に祈って、共に一歩を踏み出す——仏法の"一人を大切にする精神"も、また"自他共の幸福を目指す生き方"も、こうした一人一人の「振る舞い」となって表れる「人間学」です。
2009年に設立されたNPO法人「BONDプロジェクト」代表として、虐待やいじめなど深刻な問題を抱える10代、20代の女性を支援してきた橘ジュン氏は「居場所がないと悲鳴をあげている女性はたくさんいる。私たちの活動だけでは、手が届かない人もいる。その人たちに手を差しのべ、本当に一人の人を思って行動できるのが学会の女子部ではないか」と期待を寄せてくださいました。
他者のためといっても、悲壮感ただよう自己犠牲ではなく、明るくはつらつとした姿で友を思い行動する、創価の青年の"励ましの振る舞い"が必要とされている——だからこそ、どんな時も、どんな形であっても、私たちの励ましの行動を絶対に止めてはいけないと決意しています。
2 感謝の心が境涯を開く
池田先生は「報恩抄」の一節を通し、仏法が教える「人の振る舞い」の真髄として、知恩・報恩について語られています。
【御文】
仏教をならはん者父母・師匠・国恩をわするべしや、此の大恩をほうぜんには必ず仏法をならひきはめ智者とならで叶うべきか(報恩抄、御書293ページ3行目〜4行目)
【現代語訳】
仏教を学ぼうとするものが、どうして父母の恩、師匠の恩、国の恩を忘れてよいだろうか。この大恩に報いるには、仏法を完全に習得し、智慧のある人となってはじめて可能となるのではないか。
■ 池田先生の講義
知恩とは、言うならば、親や家族、周囲の人、師匠、一切の生きとし生けるもの、さらに社会、仏法の存在へと、自分がつながるネットワークを知り、感謝していくことです。
すなわち、知恩・報恩とは、"今の自分があるのは自身が関係する人々のおかげ"であり、その感謝の心から、"今度は自分が人々のために尽くしていこう"とすることではないでしょうか。
だからこそ、目の前の一人を大切にすることができる。その人は、孤独の苦悩から離れ、他者との心の交流を築いていける。そして境涯を開き、自他共に人間性を豊かにすることができるのです。
—◆—
仏法において大切な「感謝の心」。しかし私自身、忙しいときや、余裕がないときには、感謝の心を失いそうになる瞬間があります。そんなとき、私は"自分のこれまでの人生"を振り返る題目をあげ、再出発を切っています。
祈ると、自分を信じ、励ましを送り続けてくださっている池田先生、家族や友人、女子部の方々が思い浮かびます。
そして、決して一人で歩んできた道ではなかったと思えたとき、自然と感謝が溢れ、恩を返せるように成長したいと決意が固まっていくのを感じます。
自分の小さな境涯を破り、"誰かのために"と思える大きな境涯を開く鍵が、感謝の心だと思います。
小説『新・人間革命』には、山本伸一が、次のように語る場面があります。
「感謝があり、ありがたいなと思えれば、歓喜が湧いてくる。歓喜があれば、勇気も出てくる。人に報いよう、頑張ろうという気持ちにもなる。感謝がある人は幸せであるというのが、多くの人びとを見てきた、私の結論でもあるんです」(第9巻「光彩」の章)
何でも語り合える同志がいて、ありのままでいられる居場所があること。そうした身の回りの幸福を感じ、感謝する心が、何より強い、生きる前進の力を生んでいくと感じられてなりません。
3 親孝行は人間革命の第一歩
知恩・報恩といっても、具体的には、どのような挑戦が大切なのでしょうか。池田先生は、戸田先生から教わった「人間学」について、こう語られています。
■ 池田先生の講義
戸田先生は「青年訓」に示されました。
「青年は、親をも愛さぬような者も多いのに、どうして他人を愛せようか。その無慈悲の自分を乗り越えて、仏の慈悲の境地を会得する、人間革命の戦いである」
自他共の幸福へと行動するためにも、まずは身近な父母への恩を報ずるべきである。それが偉大なる「人間革命」の第一歩である、ということです。
ただ、現代は一段と難しい時代です。さまざまな事情で、どうしても、今すぐは親を愛せないという複雑なケースもあるでしょう。素直に親孝行できない時もある。
しかし、焦る必要はありません。自分が人の親になって初めて分かる場合もあります。他人を愛してから、後で親を愛せる自分に変わることもあります。
どこまでも大事なのは自身の人間革命です。粘り強く境涯の変革に挑戦し、自分が太陽となって、縁する人々を包み照らす慈光を放っていけばよいのです。
—◆—
最も身近な「親」に感謝し、恩を報ずることは、私たち一人一人にとって、自身の「人間革命」の前進の一歩でもあります。
その上で、家庭の状況は多様であり、女子部のメンバーから、家族との関係について悩みを聞くことも多くあります。
あるメンバーは、高校生の時に両親が離婚し、その後、母が再婚をして、新しい父と暮らすようになりました。決して仲が悪いわけではありませんでしたが、心の中では、どこか寂しさが拭い切れませんでした。同時に、学校での人間関係にも悩み、安心できる居場所がないと感じるように。数年、実家を離れて生活しました。
そんな時、彼女に変わらず接してくれたのが、女子部の先輩たちでした。どんな自分も受け入れてくれる姿に「私にも居場所がある」と、少しずつ人を信じられるように。先生の「自分が変われば周囲が変わる」との指導にも出合い、"親にも、もっと自分から心を開いてみたら何かが変わるかもしれない"と思うようになりました。
今では、家族を支えたいとの思いから、父が営む内装業を手伝い、「いろいろな経験をしてきた自分だからこそ寄り添える人がいる」と、女子部でもリーダーとして、皆に希望の励ましを送っています。
さまざまな事情から、親孝行をしようとはすぐに思えない場合もあるのが現実かもしれません。しかし、創価家族の輪の中にいると、自分でも思ってもみなかったような形で、境涯が広がっていきます。決して焦らず、そして、粘り強く、太陽のように、温かく大いなる心を築いていきたいと思います。
4 師匠への報恩に生きる
池田先生はさらに、法華経に説かれる薬王菩薩の物語を通し、「師匠への報恩」について教えてくださっています。
薬王菩薩は、過去世で一切衆生喜見菩薩といい、師匠が説く法華経を聞いて修行に励み、素晴らしい境涯を得ました。師と法華経への報恩を誓い、自らの身を燃やして捧げた光明が、1200年にわたり、広大な世界を照らし続けたといいます。
■ 池田先生の講義
(一切衆生喜見菩薩は)「死後もまた、師匠のもとに生まれて戦うのだ」と決め、再び師と同じ国に生まれて報恩の供養を捧げようとします。そして仏が入滅した後、今度は、七万二千年にわたって、自分の両臂(腕)を燃やして師匠に供養し続けます。この功徳で、最後は失った両臂も戻り、金色の身を得て、薬王菩薩となったと説かれるのです。何と透徹した「報恩」の姿でしょうか。
—◆—
私が「師匠への感謝」を強く感じたのは、高校生の時です。
目標をもって前向きに挑戦する友達との温度差を感じ、悶々と悩んだことがありました。
祈っていると、"今は苦しいけれど、乗り越えたい"という思いが自分の中にあることを感じました。
「なぜだろう」とさらに題目を唱えていくと「これまで池田先生から、どんな不可能に思えることにも立ち向かえる負けない生き方を学んできたからだ」とハッとしました。
その時に、師弟の絆を強く感じ、負けない心を教えてくださる先生への感謝でいっぱいになりました。
一昨年の11・12「女子部の日」。先生は輝く満月を写真に収めて、女子部に贈ってくださいました。世界中で華陽姉妹が眺めていた月を一緒にご覧くださり、一人一人と心で繋がり、原点を築いてくださった瞬間だと感動が溢れました。
先生は「昼は太陽とともに、情熱をたぎらせ行動の汗を流そう。夜は優しき月の光を仰いで、一日の勝利に心を満たし、明日の前進を夢見よう」(『池田大作全集』第131巻)とつづられています。
師と同じ太陽、月を見ながら、師と心で対話し、歩む一日一日が、どれほどかけがえのない日々か——この感謝を胸に、どんな夜も月の周りで輝く星のように、いついかなる時も、師と共に全世界に希望と勇気の光を広げていきます。
■ 池田先生の講義
報恩は誓願を生みます。報恩は行動を生みます。報恩は勇気を生みます。報恩は勝利を生みます。
報恩に徹する人は、自身の生命を最高に磨き、境涯を最大に勝ち光らせることができるのです。
(中略)
「師匠の恩」を報ずることは、人間として最も尊貴な正道です。
そして「師恩」に報いることこそが、最も深く、最も強く、最も気高く「四恩」全体を報ずることに広がっていくのです。
◇さらなる研さんのために
本連載で学ぶ『わが愛する青年に贈る』は、「大白蓮華」に連載中の池田先生の講義「世界を照らす太陽の仏法」の中の、男女青年部への御書講義を収録した書籍です。本社刊。713円(税込み)。全国の書店で発売中。聖教ブックストアへの電話でも注文できます(0120-983-563、平日9時〜17時)。コンビニ通販サイト「セブンネットショッピング」「HMV&BOOKS online」での注文、受け取りも可能。
「紙上教学研さん『わが愛する青年に贈る』に学ぶ」では、今回と次回で「人間学——報恩の振る舞いに仏法の真髄」について、大串女子部長と共に学んでいきます。(〈下〉は20日付の予定。前回は1月30日付に掲載。池田先生の講義は『わが愛する青年に贈る』から引用)