「仏法と申すは道理」
何事も大事なのは
基本に徹すること。
「信行学」を柱に
地道な努力を貫こう!
種種御振舞御書 P919
『日蓮によりて日本国の有無はあるべし、譬へば宅に柱なければたもたず人に魂なければ死人なり、日蓮は日本の人の魂なり』
【通解】
日蓮によって日本国の存亡は決まる。たとえば家に柱がなければ保てず、人に魂がなければ死人である。日蓮は、日本の人の魂である。
名字の言 星のように輝くゲンジボタルの光 2020年6月17日
幻想的な光の乱舞だった。先日、案内していただいたゲンジボタルの里。しばらく見ていると、蛍たちが呼吸を合わせたように、一斉に光ることに気付いた。「集団同時明滅」というらしい▼雄は周期的な発光を繰り返しながら集まり、次第に大きな集団をつくっていく。そして、集団で飛び回りながら、同調した明滅を繰り返すようになる。草むらに潜む雌を探すためのようだが、まさに「沢辺にみゆる螢の光・あまつ空なる星かと誤り」(御書492ページ)の光景だった▼星といえば、来月7日は七夕。地元の商店には短冊をつるす竹が早くも設置され、来店者が願い事を書いていた。「コロナが早く終わって学校に行けますように」「早くみんなと会いたい」「医療従事者の方が幸せでありますように」等々▼池田先生と対談した、天文学者ジャストロウ博士の持論を思い出した。「生命を進化させたのは逆境」——"もはや、これまでか"という圧迫に負けない限り、生命はそれを乗り越えるために創造的に変化する▼コロナ禍で経済活動が縮小した分、大気中の汚染物質や二酸化炭素などが大幅に減ったという。きれいな星空を見上げ、大宇宙と交流する気概で、生命の新しい可能性を開きたい。この間断なき挑戦の中に希望は輝く。(川)
寸鉄 2020年6月17日
学会は将来、必ずや世界平和を担う存在となる—恩師。広布の大理想胸に
茨城の日。試練の時こそ直通の信心!揺るぎなき不屈の前進に凱歌の人生
「一人を手本として一切衆生平等」御書。励ましの流れをリーダー率先で!
各国で感染第2波の懸念広がる。絶対に油断せず。身体的距離確保等を意識
困っても相談できる相手がいない—4割と。孤立進む現代。同志の絆は宝
☆未来に輝く知性の宝冠——池田先生の名誉学術称号45周年
◇クイーンズ大学ベルファスト 心を結ぶ対話の力
イギリスの名門・クイーンズ大学ベルファストからの「名誉博士号」の授与式で、グレッグソン学長(当時)�から池田先生に学位記が。学長は「創価教育の価値観は、クイーンズ大学の価値観と深く共鳴するものです」と(2009年5月、東京・八王子市の創価大学で)
「この冬を生き抜けば、私たちはどこでも、夏を迎えることができる」
イギリス・北アイルランド出身で、ノーベル文学賞を受賞した詩人のシェイマス・ヒーニーは、1972年、インタビューに答えてこんな言葉を残した。
時は北アイルランド紛争の渦中。過酷な"冬"を乗り越え、陽光注ぐ"夏"を呼ぼう——詩人の言葉からは、平和への願いと、困難に屈しない人間への、深い信頼が感じられる。
世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する昨今、この言葉が、再び注目を浴び、メディアやSNSで取り上げられた。
戦禍で生まれた魂の叫びが、危機に立ち向かう人々の、希望と勇気の"源"となったのだろう。
北アイルランドの中心都市ベルファストにある、クイーンズ大学ベルファストは、ヒーニーの母校であり、彼が教壇に立った学府でもある。
1845年、ビクトリア女王によって創立されて以来、各分野に一級の人材を送り出してきた。
同大学から池田先生に、「名誉博士号」が贈られたのは2009年5月18日。創価大学での授与式には、グレッグソン学長(当時)ら一行が出席した。
「授与の辞」で学長は、先生を顕彰する理由の一つに、「対話」を挙げた。
紛争の終結と和平の前進に貢献した同大学。対話によって世界を結ぶ先生の行動は、大学の理念を、そのまま体現するものだった。
◇平和の「模範」を自ら示し 皆の背中を押すのが指導者
北アイルランドが位置するアイルランド島では、1919年、イギリスからの独立戦争が勃発。同島南部は後に、現在のアイルランドになった。
一方で、イギリスの統治下に残った北部の6州が、北アイルランドに。
イングランド、ウェールズ、スコットランドと共に、主権国家としてのイギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)を構成している。
その北アイルランドでは60年代から、イギリスの体制維持を求めるプロテスタント系住民と、アイルランドとの南北統一を望むカトリック系住民との間で紛争が始まった。激しい争いは30年あまり続き、3000人以上の尊い命が犠牲になった。
「ベルファスト合意」が結ばれ、紛争に終止符が打たれたのは98年4月。
翌99年に発表した「SGIの日」記念提言で、先生は、"不治の病"とまでいわれた北アイルランド紛争が、対話路線によって和解へとたどり着いた事例を通して、相手を"敵"ではなく、同じ人間として見ることから、平和の糸口が開かれると述べた。
対話を根本とした人間同士の交流で、平和の前途を開く——それこそ、教育の挑戦そのものである。
紛争下、その挑戦の旗を高く掲げて前進したのが、クイーンズ大学だった。
学生が中心となって舞台芸術や視覚芸術などを披露する、世界的に有名な芸術祭は、紛争中も中断することなく行われ、文化の力で人々の心を結んだ。
「(池田博士は)平和構築の基盤として、『対話』に徹してこられました。冷戦時代の最中にも、民間外交を通して、異なる国々や文化、また多様な哲学や信仰の伝統をもつ人々の間に理解の橋を架けようと尽力してこられたのです」
名誉博士号の授与式で、グレッグソン学長がそう語ったのは、平和創出のための「対話」の価値と、その実践に伴う勇気と困難の大きさを、深く知るからにほかならなかった。
先生の世界との友情は、北アイルランドの識者とも結ばれた。その一人がクイーンズ大学で学んだ、「世界子ども慈愛センター」創設者のベティ・ウィリアムズ博士である。
76年、博士はベルファストの市街地で、警察の発砲を受けて暴走したテロリストの車が、3人の子どもの命を奪う事件に遭遇した。
「もう、黙っていられない。こんな悲劇はたくさんだ!」。博士は一人、声を上げ、平和を求める署名運動を開始した。紛争地帯に乗り込み、対立する双方の陣営の家を一軒一軒、訪問した。運動は瞬く間に広がり、2日後には6000人の署名が集まった。
さらに、平和を願う女性たちの行進を始めると、その輪は敵味方関係なく、3万5千人に広がった。
こうした運動が評価され、博士は76年度のノーベル平和賞を受賞した。
2006年11月、博士との会見で先生は、平和への偉大な功績をたたえつつ、単刀直入にこう聞いた。
「どうすれば、平和をつくることができるか。そして、どうすれば、それを永続させていけるか。この点を、どう思われますか」
博士は応じた。
「平和とは、何か『具体的な形』があるわけではないと思います。ですから、誰かが『模範を示す』しかないのではないでしょうか」
「指導者は、まず、自分で模範を示した後、すぐに後ろに回って、皆を押してあげる。それが本当のリーダーシップだと思います」
09年4月、ベルファストに本部を置く「文化・経済・社会関係のためのアイルランド協会」は、先生に外国人初となる「名誉会員証」を贈った。
同年5月の名誉博士号の授与式の折には、クイーンズ大学と創価大学が学術交流協定を調印。多くの若人が、先生が開いた友情の橋を渡った。
クイーンズ大学のキャンパスには、名誉博士号授与から10周年となった昨年5月、先生と香峯子夫人の平和貢献をたたえて、ご夫妻の名前が刻まれた銘板を付した「平和のベンチ」が設置された。
紛争終結から20年以上がたつ今なお、北アイルランドの住民の間には確執が残る。宗派によって居住区を隔てる壁や鉄条網が、設けられている地域もある。
そして、世界に目を向ければ、新型コロナ禍で人々の不安が増大され、"心の分断"も叫ばれている。
それでもなお、ウィリアムズ博士が語り、自らの行動で証明したように、平和への模範を示し、人々の背中を押す一人がいる限り、どんな社会の暗闇にも、必ず灯はともされる。
博士と信条を同じくして、「一人」の励ましに全力を注いできた先生。名誉博士号に対する謝辞で、青年たちに呼び掛けた。
「皆さんにこそ、『平和の特使』『平和博士』になってもらいたい。大学で学びながら、平和のために何も貢献できない。たとえ偉くなったとしても、自分のことばかり考えて威張る——そんな人生では情けない」
「教育は人間を創る。その人間が平和を創る。ゆえに人間の力を信じ合う教育の結合がある限り、人類の前途に、断じて行き詰まりはありません」
◇グレッグソン元学長の声
(池田)博士は国際的に高く評価された指導者であり、平和の懸け橋です。生涯にわたり、教育のため、また、一人一人の可能性を引き出すために献身されてきたお姿は、博士が世界の指導者である証しです。私は、博士の心の広さ、幅広い知恵、またクイーンズ大学と創価大学との間に平和・友好の絆を築こうとされる強い熱意に胸を打たれました。(中略)
創価大学のように素晴らしく、また触発を与えてくれる教育機関を訪問できたことは、私たちにとって光栄であり大きな喜びでした。師弟の絆の強さを感じ、その絆は、一人一人の成長に焦点を当てることによって育まれており、博士のおっしゃる「戸田大学」で師から受けた一対一の教育に対する博士の永遠の恩義が、ここに映し出されているように思いました。
また、博士が創立された創価学園でも、創価大学においても、学生たちが示す師の構想への理解の深さに心を打たれました。学生たちの誇りは、有能な世界市民に育てとの、創立者のビジョンを実現することにある——これは私たちが訪れた全ての教育機関においてはっきりと感じられました。(中略)
歴史を見ると、民衆を守る側に立つ人々が常に弾圧を受けています。池田博士もその例外ではありません。多くの人々が無力感に陥る世の中にあって、一人の人間のなかに力を見いだす池田博士の信念は、ビジョンをもった指導者としての偉大さを証明するものです。
より良い未来を建設しようとするとき、博士の生涯は、私たち人類に示唆を与えてくれます。
(本紙2011年11月27日付)
◇英国女王創立の総合大学 ノーベル賞受賞者らを輩出
北アイルランドの中心都市ベルファストにあるイギリス屈指の総合大学。1845年、ビクトリア女王によって創立され、1908年に現在の大学になった。3学部に約2万4千人が学ぶ。
オックスフォード大学やケンブリッジ大学など、優れた学府で構成される「ラッセル・グループ」に所属。大規模かつ高い研究・教育水準を誇り、ノーベル賞受賞者や政治指導者、医師、オリンピックの金メダリスト、俳優ら社会貢献の人材を輩出している。
同大学からは池田先生のほかに、ブレア元イギリス首相、マンデラ元南アフリカ大統領らに名誉博士号が授与されている。