2020年1月24日金曜日

2020.01.24 わが友に贈る

逆境こそ飛躍の好機だ。
「賢者はよろこび
愚者は退く」御聖訓。
大生命力で挑み抜き
変毒為薬の実証を!

衆生身心御書 P1594
『つゆつもりて河となる河つもりて大海となる塵つもりて山となる山かさなりて須弥山となれり小事つもりて大事となる何に況や此の事は最も大事なり』

【通解】
露が集まって河となり、河が集まって大海となるように、塵が積もって山となり、山が重なって須弥山となるように、小事が積もって大事となるのである。

名字の言 「AERA」の佐藤優氏の連載への識者の声 2020年1月24日
「私もキリスト教神学を専攻したので、引き込まれるように読みました」。週刊誌「AERA」での佐藤優氏の連載「池田大作研究」を一読した帝塚山学院大学の川上与志夫名誉教授の声である▼池田先生と同じ東京・大田区生まれの川上氏は、佐藤氏がつづる先生の青少年期を懐かしく読んだという。「宿命は転換できる。人は与えられた場所で全力を尽くさなくてはならないという、池田先生の人生観に学びたい」と、86歳にしてなお謙虚に語られた▼佐藤氏が論ずるように、世界宗教への道を歩み始めた創価学会。その原点の一つが1975年のSGI発足である。SGI憲章の第7項には「仏法の寛容の精神を根本に、他の宗教を尊重して、人類の基本的問題について対話し、その解決のために協力していく」と。キリスト者の川上氏や佐藤氏のように、異なる主義主張に耳を傾け、学ぼうとする精神こそ、世界平和の基盤となる▼川上氏は若き日、神学者で医師でもあるシュバイツァーに大きな影響を受けた。その言葉に「われわれは、新しい精神によってより高い理性を獲得しなければならない」(『シュバイツァー』清水書院)とある▼SGI発足から26日で45周年。日々学び、確信と慈悲の対話に挑む誓いを新たにしたい。(芯)

寸鉄 2020年1月24日
「意が声とあらはる」御書友の幸願う真心は通ず。希望の哲理を勇敢に語れ
学生部が対話拡大に先駆次の十年開く主役は君達智勇兼備の師子と育て!
「尼崎の日」。関西の心臓部から新たな常勝譜を。正義の大行進に恐れなし
世界で異常気象。気候変動対策が急務。「できること」を自分から始めよう
中傷や臆測等、ネット上で悪意の投稿が急増と。絶対に許さぬ思潮を皆で

☆ライフウォッチ×教学 2020年1月18日
◇一緒に立ち上がろう! 苦境の友を支えた心の絆
今回の「教学のページ」では、「ライフウオッチ」で取り上げたルポや信仰体験のエピソードを振り返りながら、教学的な視座から考察していくとともに、これからの「人生100年時代」を、より輝かせていくための仏法の智慧や哲理を紹介します。

◇何でも話せる居場所
「人生100年時代」における、あらゆる世代の幸福論を探る連載「ライフウオッチ」。昨年10月の連載スタートから12月までは、「就職氷河期世代(アラフォー世代)」の友を取り上げました。
30代から40代中盤の、いわゆる「就職氷河期世代」は、就職活動時に平成の大不況のあおりを受け、正社員になれず非正規雇用で働いたり、就職を諦めざるを得なかったりする人が増え、貧困や引きこもりが深刻化した世代です。

昨年10月9日付1面では、愛媛県で暮らす、非正規職を転々としてきたという男子部員を取り上げました。
若い頃から「いつ"派遣切り"にあうか」と不安を抱える日々。そんな男子部員に寄り添い続けたのが、創価学会の同志でした。やがて彼は、同志の温かな激励に自らを鼓舞し、新たな挑戦を開始。介護施設の契約社員として懸命に奮闘し、37歳で正社員となりました。男子部員の声が印象的でした。
「僕には今、何でも語り合えて、何度も決意させてくれる居場所があります。毎日が、本当に充実しています」
互いの悩みを何でも語り合え、共に困難を乗り越えようと祈り合える——そうした同志の存在ほど心強く、かけがえのないものはありません。それは、実際に信心に励む中で、さまざまな苦悩を乗り越えてきた、学会員の誰もが、心から実感していることでもあります。
昨年12月21日付1面で取り上げた、転職などの苦難を乗り越えた「ヤング白ゆり世代」の埼玉県の婦人部員も、やはり、苦闘の日々の中で心の支えになったのは、自分と同じく苦難に向き合う同志の姿だったと言います。

◇善き仲間の存在
アメリカ・ハーバード大学名誉教授のハービー・コックス博士は「人と人との絆を、もう一度、取り戻すこと。そこにこそ、現代における宗教の果たすべき役割もある」と語っています。
まさしく創価学会の特徴は、"目の前の一人を大切にする""絶対に見捨てない"との信念に基づいた同志の「絆の強さ」にあるといえます。
池田先生は、つづっています。
「いつでも、どこでも、誰でも、目の前に苦しんでいる人がいれば、親身に声をかける。悩みを聞き、共に泣き、共に祈り、共に喜び合う。この『一人を大切にする』人間主義の行動が、あらゆる人に無条件に開かれているところに、創価学会が世界に広がった理由があるのだ」
こうした麗しい同志の絆は、深い信頼で結ばれた安心の「居場所」であるとともに、新たな使命への挑戦を後押しする「跳躍台」でもあるのではないでしょうか。

日蓮大聖人は、「心ざしあらん諸人は一処にあつまりて御聴聞あるべし」(御書951ページ)、「此文を心ざしあらん人人は寄合て御覧じ」(同961ページ)等と仰せになり、一つ一つの手紙を同志と寄り合って読みながら、皆で支え合い、苦難を共に乗り越えていくよう、繰り返し励まされています。
長い人生の道のりにあって、人は誰しも、行き詰まりに直面したり、悩み、落ち込んだりすることがあります。だからこそ、励まし合い、支え合いながら、共に人生の困難を乗り越えていく善き友、善き仲間、すなわち「善知識」の存在が何より大切なのです。
先生は、つづっています。
「最高の善知識の集いこそ、わが創価学会であると、あらためて確認しておきたい。いうならば、善知識に触発されて、自身の生命に秘められた力を発揮するのが学会員です。善知識のネットワークに身を置くことで、自身の本来の使命が大きく開花します」
目の前の友を励ます。使命に立ち上がった一人が、また一人を励ます——創価の善知識による"励ましの連鎖"はまた、"使命の自覚の連鎖"とも言い換えられるでしょう。
アメリカ・ブルッキングス研究所のキャロル・グラハム博士は、人々が幸福を実現できる社会のために、「共に人生を高め合い、生きがいを与え合えるような絆」の重要さを強調しています(本紙2019年12月14日付)。
人間関係の希薄化や孤立化が憂慮される現代にあって、共に苦楽を分かち合い、支え合いながら「心の絆」を広げ、使命の自覚を促し合う創価学会員の生き方は、まさに幸福社会の礎を築いています。

◇自他の可能性を信じる
昨年11月2日付1面は、大阪府在住の男子部員のエピソードでした。"就職氷河期"の中で就職活動を始め、大手信託銀行の契約社員に。その後、同じ契約社員として大手都市銀行に転職。時に"誰も関心さえ持ってくれない"と、自分を見失いそうになった時もありましたが、不屈の挑戦を重ね、その後、登用試験に合格し、晴れて基幹職(総合職)になりました。
そんな彼の転機は、自らが一番苦しかった契約社員の時に、悩める同志の激励に踏み出したこと。"共に立ち上がりたい"——その思いが湧いた時から、状況が好転し始めたと言います。
悩んでいる友に励ましを送ることで、かえって自分自身が励まされたということは、多くの学会員が経験していることではないでしょうか。
大聖人は、「人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし」(御書1598ページ)と仰せです。他者の幸せを祈り、周囲に尽くそうとする心は、やがて、自分自身の境涯をも開いていきます。人の可能性を信じ抜き、励まし抜く。それは翻って、自らの可能性に、さらに目を開いていくということでもあるのです。

◇不軽菩薩の実践
こうしたエピソードから分かるように、学会員は日頃から、自分だけの幸せを追求するのではなく、他者の幸せをも祈り、わが身を惜しまず尽くし抜くという「利他」の生き方を実践しています。その根底にあるのが、"万人が尊極な存在である"と説く仏法哲理です。
仏教の創始者である釈尊の願いとは、法華経に「如我等無異」(我が如く等しくして異なること無からしめん=法華経130ページ)と説かれているように、"全ての人々を、自分(釈尊)と同じ仏にして異なることがないようにしたい"ということです。
万人を仏と同じ境涯に——すなわち、「万人の成仏」こそが仏の願いです。仏法は、あらゆる人の生命に、尊い仏性(=仏の性分)が等しく内在していることを教えているのです。
このことを示しているのが、法華経に登場する「不軽菩薩」です。
不軽菩薩は「万人が仏」との信念を貫き、どんなに迫害を受けても、出会った人々に誠意を尽くして、最大の敬意を示す礼拝を続けました。決して人を軽んじることがなかったので、不軽菩薩といいます。
この「人を敬い抜く」という不軽菩薩の実践の本質は何か。それは、「自他共の仏性を信じ抜く」ということです。
池田先生はつづっています。
「相手に具わる最極の仏の生命を信じ、敬い、引き出していく祈りと行動が、そのまま自分自身の仏の生命を荘厳に光り輝かせる。この相互触発の善縁を広げ、世界の人びとの心を結び高めゆくことを、我らは『広宣流布』と呼ぶ」
日夜、周囲に尽くし抜き、他者を敬う実践を通して「人間を信頼する心」を社会に広げている、学会員一人一人の尊い振る舞い——ここに、人類の明日を照らす希望の光源があります。