慌ただしい年の瀬は
くれぐれも安全第一で!
絶対に事故や事件を
寄せ付けないと祈ろう。
有意義な一日一日に!
佐渡御書 P959
『今謗法の酔さめて見れば酒に酔る者父母を打て悦しが酔さめて後歎しが如し歎けども甲斐なし此罪消がたし、何に況や過去の謗法の心中にそみけんをや』
☆女性に贈ることば 十二月二十四日
冬の寒さを知る人こそが、春の暖かさを実感できる。
苦しみの闇が深かった分だけ、大きな幸福の朝が光るのである。
どんな運命も価値に転換していく人--それが、人間としての勝利者であり、王者であろう。
☆今日のことば365 十二月二十四日
幸せそうでも
悲しみのある人生よりも
私は 多忙でも
充実した 心より満足できる
人生の総仕上げを 成し遂げたい
☆世界のザダンカイ 共生都市 香港 2017年12月17日
◇素直な信心に勝るものなし
香港SGIでは、二つの「5」を地区の年間目標に掲げている。「5世帯の弘教(うち2世帯は青年世代)」と「5部の機関紙誌の購読推進」である。その拡大の原動力は「座談会」だ。同志が広布への決意を燃やし、友人がSGIへの理解を深める場として、最前線の班を中心に元気に開催されている。先月の班座談会週に、幾つかの会場を取材した。(記事=西賢一、写真=外山慶介)
まず訪れたのは、香港仔(アバディーン)と呼ばれる香港島の南岸地域(11月16日)。
ここにはかつて、船上で暮らす人がたくさんいた。草創期には船が座談会場となり、笑い声が絶えないことから、周囲の船の人たちに"福が集まる「仏船」"と呼ばれていた。
面積が狭く、人口密度が高い香港。その後は、各地で高層公営住宅の建設が進み、多くの住民が移り住んだ。その一室の標準的な大きさは、12畳ほどである。
会場を提供する李明さん・周恵英さん(副本部長・本部副婦人部長)夫妻も、以前は水上生活者だった。現在の自宅は、35階建て公営住宅の14階にある。
夫妻が所属するのは、アプレイチャウ支部(王云山支部長、鄺悦嫺支部婦人部長)。4地区の体制で、一昨年、昨年と模範の弘教を達成した組織だ。
各部一体で訪問激励に力を注ぐ中、青年部や新会員も着実に成長。会員数は約600人に上る。
香港は、世界で最も労働時間が長い都市ともいわれ、平日の会合は原則午後8時から。この日は夜の参加が難しい高齢者や不規則勤務のメンバーなど、支部の有志による日中の開催となった。
「リラックスして、楽しくやりましょう」「ハイ!」――司会の掛け声に全員が応じ、座談会は始まった。
勤行、学会歌「広布に走れ」の合唱の後、梁星富さん・黄金彩さん夫妻が体験発表に立った。
二人が信仰の確信を深めたきっかけは、長男の病気である。生後間もなく発覚した心臓の病を唱題根本に克服。その長男が昨年、妻を入会に導いたことが紹介されると、会場に喜びが広がった。
さらに今年に入って、梁さんは肝移植、黄さんは初期の子宮がんの手術を。いずれも大成功に終わり、術後の経過も良好。「お題目の応援、本当にありがとうございました。ますます学会活動を頑張ります!」と黄さんが述べると、祝福の拍手が高鳴った。
青年部による御書講義やクイズもあり、30人ほどがぎゅっと詰めて座った李さん宅の熱気は最高潮に。香港の創価家族の集いは、どこまでも歓喜と笑顔が輝いていた。
◇
世界の経済と金融の中心地である香港は、多人種・多民族が共存する国際都市だ。
香港SGIにも、多くの国のメンバーがいる。
その象徴として、25カ国・地域の同志からなる「英語本部」と、日本人中心の「日語本部」が設置されている。
18日午後、香港島の銅鑼湾では、日語本部・堅尼地(ケネディ)班の座談会が行われた。
香港では、創価大学出身者の活躍が目覚ましい。留学を終えて戻った友、仕事で駐在する友らが大勢いる。
この日も、12期の芥切壮一さん(支部長)、37期の陳最上美香さん(女子部部長)らが参加を。
中でも芥切さんは、20年勤めた会社が今年に入って閉鎖に。家族の帰国も考えざるを得ないほどの苦境に陥ったが、真剣な祈りと周囲の励ましによって、新たな職を勝ち取った。
座談会が深い感動に包まれたのは、廣居祥演さん(副地区部長・班長)の体験発表だった。
寿司職人として、28歳で海を渡った廣居さん。転機は、事業を始めた15年前。持病の腰痛が悪化し、歩行が困難に。病名は、脊椎や骨盤に炎症が起きる「強直性脊椎炎」だった。
言い知れぬ恐怖との闘い。折れそうな心を支えたのは、池田先生からの度重なる激励であり、妻・たか子さん(本部婦人部長)の存在だった。たか子さんは高校時代、実家の飲食店が倒産。その苦難を家族で乗り越えた信仰体験を持っていた。
闘病は続いたが、店は待望のオープンの日を迎える。その名も、広宣流布への誓いを込めた「すし廣(広)」。経営は紆余曲折あるものの、今では競争の激しい香港で5店舗を展開するまでに。
この間、廣居さんは、原因不明の血管炎である「大動脈炎症候群」も発症する。だが、"いよいよ宿命転換の時"と、ひたぶるに唱題に励む中、名医との出会いが実現。手術も大成功した。
学会活動にも一歩も引かず、2年連続で弘教を実らせ、地区5の折伏をリード。10月に入会した大橋達男さん(壮年部員)も難病を抱えているが、「二人で病を勝ち越えます!」と宣言すると、温かなエールが送られた。
◇
一方の英語本部は、今年で結成20周年。驚いたのは、各部の本部長の国籍が異なることである。
壮年部のスティーブン・チャンさんはマレーシア出身。貿易業を営むビジネスマンだ。母から始まった一族の信心は、自身の家族を含め38人全員に受け継がれている。
ちなみに、婦人部のキャリー・ウオンさんの国籍はカナダ、男子部のワイ・チョンさんはアメリカ、女子部のキヨコ・ヤナギヤさんは日本である。
同本部・ジョルダン班の座談会が新界エリアの西貢で開かれたのは、翌19日の午後。参加者はヨーロッパやインドの友が目立つ。
会場提供者のカローラ・チャードさん(地区副婦人部長)も、ドイツ出身。イタリア人の友人からSGIの話を聞き、香港で御本尊を受持した。
これまで、経済苦などの問題を、全て信心で打開。人材派遣会社を設立し、自宅を購入することもできた。同本部の月刊機関誌「ハーモニー」の編集長も15年にわたって務めたという。
この日は、チャードさんが進行役となり、「ディスカッション・ミーティング」を。
テーマは「挑戦」。現実の課題をどのように信心で受け止め、乗り越えてきたか――チャードさんが口を開く。
「昔は自分のことしか考えられず、とても臆病でした。でも仏法に出合ってからは、唱題によって勇気が湧くようになりました。あらゆる経験が誰かを激励する力になるかもしれないと思えるようになったのです」
続いては、イギリスの壮年だ。「最大の敵は自分自身。会社を経営していますが、今のように順調な時にも、常に最悪の事態を想定しています。だからこそ"さらに状況をよくしよう"と、信心第一で新しいことにチャレンジする日々です」
すると、すぐその発言に"突っ込み"が入る。
「実は最近、メンバーとの懇談で話題になったんです。『私たちは少し自分に対して厳しすぎるのではないか。いくら頑張っても"あれとこれはやってないから、まだまだ"と否定してしまうでしょ』って」
皆、うなずきながら笑っている。
この後も、実感あふれる話が次々と。
「小さい頃から自宅に御本尊が御安置されていましたが、信心の素晴らしさを理解できたのは、大人になってからです。いろいろな挑戦をする時に、題目をあげて乗り越えられたことで確信をつかみました」(韓国の友)
「入会してから、何事も環境や他人のせいにしていた自分はいなくなりました。宿命を使命に変えられることを知ったからです」(インドの友)
こうやって何でも語り合えることが"ザダンカイ"の魅力。そして、この信心は素直に実践すればするほど、必ず大きな変化をもたらしてくれる――。人種や文化は違っても、同じ信仰を持った世界の友の姿が、それを雄弁に物語っていた。