2017年12月18日月曜日

2017.12.18 わが友に贈る

◇今週のことば
年末年始のあいさつを
明るく清々しく!
「仏種は縁に依って起る」
近隣・友人・親戚とも
友好と仏縁を広げよう!
2017年11月18日

法華初心成仏抄 P556
『人に吉と思はれ人の心に随いて貴しと思はれん僧をば法華経のかたき世間の悪知識なりと思うべし』

☆女性に贈ることば 十二月十八日
ありがたいことに、私は妻から、愚痴らしいことを、いっさい問いたことがない。愚痴というのは、今さら言っても仕方のないことだ。「言わない」と割りきってしまえば、たいしたことではなくなる−−というのが、妻の言い分である。自己を律するその強さに、私はずいぶん支えられてきたのかもしれない。
そして妻は何ごとにも感謝を忘れない。一見悪いことのようであっても、"これでまた鍛えられる、成長できる。だからありがたいことだ"−−そう思えば、愚痴はなくなる、朗らかでいられる、と。

☆今日のことば365 十二月十八日
様々な国の文化は、それぞれ異なる条件のもとに、それぞれ特有の線をもち、発展を遂げてきている。表面に現れているものは、その一部であり、そこには、それこそ無類の背景が広がっていることを知らなくてはなるまい。物事の判断は一面的であってはならない。そのためにも、絶えず相手側の立場に立っても、物事を考えられる心の広さをもちたいものだ。

☆世界の「地区」を訪ねて タイ 2017年12月3日
◇微笑みの国に咲く17万人の笑顔
「地区」は広布の起点。今日も世界の幾万の地区で、希望と勇気のドラマが生まれている。本年、17万人の連帯へと発展を遂げたタイでは、近年、地方で広布の伸展が目覚ましい。北部、東北部、南部の地区を取材して感じた点を紹介したい。(記事=小野顕一、写真=伊野光)
�広布の主役は私! 自身の目標を明確に
ラオス、カンボジアと国境を接するタイ東北部・ウボンラーチャターニーのシリントーン地区を訪ねた。
この地で最初に御本尊を受持したのはトーンダム・シリノンさん(写真、支部長)。農業を志し、1987年に片道切符で同地へ。知人から信心を勧められ、見よう見まねで机に花と水を供え、勤行を始めた。
トーンダムさんは読み書きが得意ではない。12人きょうだいの2番目。弟妹を学ばせるために小学校を4年で中退した。知人をまねて近隣に仏法を語るが、耳を傾ける人はいなかった。
壁に向かっての勤行は23年間続いた。くじけそうな時は、知人がくれたSGIの機関誌をめくった。
トーンダムさんは機関誌を「ゼンチシキ(善知識=善友)」と呼ぶ。内容は分からなかったが、いつか写真のような笑顔になれると信じ、愚直に題目を唱えた。
2010年、トーンダムさんは知人との再会を果たし、念願の御本尊を受持。同志の存在のありがたさを身にしみて知るトーンダムさんの対話と激励で、地域広布は瞬く間に伸展した。
翌年にブロック、その翌年に地区、本年4月に支部に発展。トーンダムさんもブロック長、地区部長を務めた。現在、同地区では69世帯231人が活躍する。
「地区では、1年の折伏の目標をどう決めているのでしょうか?」。オーラサー・ソンマニー支部婦人部長は、「一人が一人を折伏——これしかありません。50世帯の地区なら、もちろん目標も50です」と。
「対話した結果、御本尊流布につながらなくてもいいんです。でも自分が語らなければ意味がない。人生の主役は自分。折伏は誰もができる仏道修行ですから」

�共に学び共に語る 「新たな力」が躍動
シリントーン地区では、御本尊授与式の会場が、400キロ離れたウドーンターニー会館のみとなる。年2回の授与式には、バス数台を借り切って向かう。
授与式は日曜日の午前10時から。ウボンラーチャターニーの友は、前日の午後7時に出発する。
バスには新会員の家族や友人も同乗するのが通例という。乗客がそろい、バスが出発すると、「初信の功徳」の体験発表が始まる。次々に語られる"信心のビフォーアフター"に、バスの運転手が入会を希望したこともある。
会館に到着した友を、牙城会が合掌の礼で迎える。ウドーンターニー会館には数十台のバスが駐車可能だが、夜が明ける頃には駐車場もいっぱいとなる。
10月29日の授与式では、東北部の友800人が入会し、御本尊に備わる偉大な功力について学んだ。
タイでは、少人数で学ぶ「グループ」の活動が、婦人部だけでなく壮年部でも活発である。新会員は、そこで日蓮大聖人の仏法を徹底して研さんする。
仏教国のタイでは、「宿命」や「業」といった概念はなじみ深い。だが、それが「宿命転換」につながる実感はなく、どこか別の世界の話に思えるという。
タイ語版の『法華経の智慧』や池田先生の御書講義を通し、個々人の体験と照らし合わせながら、宿命転換の法理を深め合う。
新会員は、座談会の司会を積極的に担当するなど、一参加者ではなく、広布の主体者として活動。5月に12万人が来場した「法華経展」には5000人のスタッフが携わったが、その多くが新会員の友だった。

�全ては「祈り」から 異体同心の題目で
取材中、特に同志の純真さを感じたのが、「御本尊を受持した瞬間の感想」を聞いた時だ。何人かは、その時を思い出し、感極まって声を詰まらせていた。
どれほどの思いで御本尊を受持し、一遍の題目に心を込めているか——まさに「心こそ大切なれ」(御書1192ページ)の姿に、教えられる思いだった。
とともに、毎日の唱題の数を、皆が克明に記録していることに驚いた。
男子部では、昨年の唱題目標より2割増やそうと具体的に掲げた。例えば1日の目標が60分だった人は、72分を目指している。
SNSの活用もタイの友の特徴だ。タイでは4000万人がLINE(無料通信アプリ)を使用。日本に次いで利用者が多い。
北部チェンマイで男子部の部長を務めるナンタコーン・チャルーンタキンさんは、日々、部員と唱題時間をLINEで共有。部としての唱題目標を立て、題目の渦を巻き起こしている。
また、地区で皆が集まって祈る時も、それぞれに具体的な意義が込められているのが印象的だった。
例えば、シリントーン地区では、月曜は「正義のため」、火曜は「友の幸せのため」、水曜は「婦人部・女子部発展のため」、木曜は「未来部のため」、金曜は「壮年部のため」と。
1992年に池田先生がタイを訪問した時、女子部は1年間で25億遍の唱題を達成し、各人が自身に打ち勝った姿で師を迎えた。
異体同心の題目への確信が、今に受け継がれている。

�万人成仏の下種仏法 大確信で種を蒔く
プーケット等で知られるタイ南部でも弘教が進む。
プラチュワプキーリーカンのある地域は、2003年に初の学会員が誕生し、現在は808世帯2053人の本部に発展している。
漁師のチャイナロン・ノーイポンさんは、題目の功力に歓喜し、入会を決意。その体験を近所の友に語って回り、友人3人と共に御本尊を受持した。さらに友人が友人を折伏し、信心の輪は70人に。
「これまで何人の方に仏法を語ったんですか?」と尋ねると、「覚えていないよ。いつ誰に会っても、種を蒔くつもりで信心のことを話すから」と。
折伏というと堅苦しく考えがちだが、チャイナロンさんは、友人の幸せをいつも祈っているから、肩肘を張らずに話せるという。
新会員の入会理由の多くが、「いろいろな人から信心を勧められたので」。地域の一粒種であるパイブーン・タンマウィスット本部長は、「多くの人から折伏を受けると、動執生疑(より大きな価値観へ目を開かせること)が強まります」「悩みのない人はいません。万人成仏の仏法ですから、会う人全てに伝えます」と。
下種には、相手が即座に発心する「発心下種」と、すぐには発心しない「聞法下種」がある。いずれも最高に尊い「如来の事」であり、その功徳は変わらない。
「折伏すると、心が充実し、幸福を感じます」と話すのは、ノンヌット・トーンフアーンさん(2013年入会、女子部部長)。
唱題で、悩みの日々が一変。"まだ信心も分かっていないのに、こんなに功徳を頂いて申し訳ない"と、御本尊を受持する日までに1000人への下種を決意し、その誓いを果たした。

�合言葉は「報恩」 あふれる師弟の心
タイの新会員は池田先生に会ったことはない。しかし、どの友も、先生がいつも身近にいるかのように、生き生きと先生のことを語ってくれた。
一昨年に入会したサハラット・ウィワッタナーノンさん(男子部部長)は、母の病を克服し、確信をつかむ。就職試験では200倍の競争率を突破。家族のために家も購入できた。
「身の周りに起きることは、全て信心を強くするための試練であり、チャンスであると確信できるようになりました。題目を唱えさせてくれる全ての事柄に感謝しています」と振り返る。
サハラットさんは、先生の『青春対話』を題材に、学生600人を招いて講演会も。縁する全ての人に先生の哲学を伝えたいと語る。
タイ広布は、法華経の真髄を教え伝えた先生への、感謝の歩みそのものだ。70年代、政情不安で戒厳令が敷かれ、5人以上で集まれない中、先生は"常識豊かに""逆境に負けるな"と励ましを送り続けてきた。
そして、歓喜の輪は今や17万人の連帯となった。
今回の取材で一番耳にした言葉、それは「報恩」である。「一人でも多くの人に信心を伝えたい。それが信心を教わった池田先生への報恩です」。50人ほどの方に体験を伺ったが、全員が異口同音に語っていた。
ある女子部の友は「数え切れないほどの功徳を頂きました。でも今は、先生を知ったこと、何より、この人生で先生と師弟の絆を結べたことが、一番の功徳と実感しています」と。
世界広布とは「師弟の心の広がり」。先生の心に連なりゆく限り、自身と広布の未来は洋々と開ける。
タイの同志の微笑みが、そう教えてくれた。