2017年10月3日火曜日

2017.10.03 わが友に贈る

御聖訓「仏の如く
互に敬うべし」
一人一人の敢闘を
心から讃え合おう!
皆で歓喜の大行進を!

開目抄 P231
『過去の因を知らんと欲せば其の現在の果を見よ未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ』

☆女性に贈ることば 十月三日
苦労を避けてはならない。断じて悩みに勝たなければならない。自分の宝は自分でつくる以外にない。
自分自身が自分自身で「よかった」「勝った」と言える人生の価値を創ることだ。その人が栄光の人、勝利の人である。

☆今日のことば365 十月三日
人間の網膜に映った単なる、事実が、ことごとく真実を語っているとは限らない。いや、真実をゆがめ、真実を嘘にすることもあろう。ここが、大事なところだと思う。

☆新世紀の旭日 アメリカ創価大学第4回 セカンドホーム(第2の家) 2017年9月19日
◇支え合う"家族"の絆
三方を谷に囲まれた丘の上にあるアメリカ創価大学(SUA)。緩やかな傾斜が続くキャンパスの、一番高い場所には学生寮が立つ。
SUAは「学生第一」。最も見晴らしの良い、美しい場所に学生寮を——創立者・池田先生の心である。
サンライズ(日の出)、ホライズン(地平線)、オーロラなど、それぞれに名が付いた八つの寮で、世界中から集った学生たちが学ぶ。
SUAの学生は、約4割が米国外からの留学生である。この割合は、先日、米メディア会社「USニューズ・アンド・ワールド・リポート」が発表した大学ランキングでも、全米の第1位に輝いた。
入学を機に、初めて家族と離れて暮らす友も多い。そうした学生が安心して大学生活を送れるよう、さまざまなサポート体制が整う。
◇ 
リサ・ダイザーさんは、寮生活を支えるスタッフの中心。2001年の開学時から、寮に住み込みで学生に寄り添い続けてきた。
24時間、部屋の設備の不具合などに対応しながら、学生の悩みの相談に乗ることもしばしば。新しい環境で、生まれ育った文化や背景が異なる人と共に送る寮生活。すれ違いや葛藤があるのは当然である。
その一人一人に、「ありのままでいいんだよ」と訴えている。
「寮は自分の良いところも、弱い部分も、全てをさらけ出せる"家"のような場所。互いを受け入れ合う家族のような絆が、寮生活の中で育まれていきます」
SUAでは1年次、大学が割り当てたルームメートと、一つの部屋で共同生活を送る。2年次以降はルームメートを選択でき、個別の部屋に住みながら、バスルームを共有するのが一般的である。
13期生のキャシディー・ブラッドフォードさん(アメリカ)とカオリ・ツジさん(日本)は、2年間をルームメートとして過ごした。
1年次の、ツジさんの述懐。
「理想に燃えて入学したものの、英語力に不安がありました。でもキャシディーが、会った瞬間から笑顔で話を聞いてくれたから、少しずつ自信を持てるようになりました」
一方のブラッドフォードさんも、ツジさんに支えられた。「創価教育・学生研究プロジェクト」の責任者を務めた2年次。激務で身も心もへとへとになった時、部屋に帰ると、励ましの言葉が書かれたメモや、お菓子が置かれていた。
3年次の留学では、アルゼンチンでスペイン語を学んだ。ホームシックになった彼女を、すでに留学を終えていたツジさんがスカイプ(テレビ電話)で励まし続けた。
ブラッドフォードさんは言う。
「母国語が使えない環境で生活をすることがどれほど大変か分かった時、英語を学んでSUAに入学した友人への、心からの尊敬の念が生まれました」
これは、他の多くの学生にも共通する思いだ。言葉が通じない。文化になじめない。こうした苦労を皆が一様に経験し、乗り越えるのが3年次の留学である。
学友への尊敬と感謝を一段と深めて、キャンパスで再会。SUAの多様性が、さらに輝きを放ち始める。

開学前のある時、設立準備委員会に出席した池田先生は、「創立者として、二つだけお願いしたい」と。
1点目に、寮の環境を、学生にとって素晴らしいものにする。
そして2点目が、食堂についてだった。「栄養バランスも良く、健康的で、食べるのが楽しみになるような食堂にしていただきたい。そうでないと勉強するにも力が出ません」
この提案のもと、教職員が直接、他大学の学食を視察するなどして、SUAの業者を選定した。
日々のカフェテリアは学生、教職員の触れ合いの場。勉学の合間の語らいが、活力の源になる。食事は毎日が食べ放題。経済的理由から、学生が節約しないようにとの配慮だ。
各国の料理が並ぶことも多い。
「母国の料理が出た時は、うれしかった。おいしい食事のおかげで、家族と離れていても頑張れます」。アフリカ出身の学生は語る。
時には、食事を部屋に持ち帰り、一人でゆっくり食べたい日も。
カフェテリアのスタッフは言う。「"元気がないな"と感じたら、声を掛ける時もあるよ。この大学はいい人たちばかりだから、何とか力になりたいと思ってね」
寮で、カフェテリアで、SUAの日常を支える人たちがいる。自分らしくいられる場所だからこそ、学生は、SUAを"セカンドホーム(第2の家)"と呼ぶ。

学生に囲まれる教職員にとっても、SUAは"ホーム"だ。
ホセ・ロペスさんとマリアさん夫妻は、04年から清掃スタッフとして働いている。
メキシコ出身で、英語は片言しか話せない。人との関わりはそう多くはないだろう——。そう思っていたが、SUAは違った。
スペイン語圏出身の学生や、スペイン語を学ぶ学生。そして時には、ほとんど話せないはずの学生が、「オラ(こんにちは)!」「コモエスタス(元気ですか)?」と話し掛けてくるではないか。その人懐っこさに押されて、二人も持ち前の陽気さで、学生たちに応じるようになっていった。
「会話の半分くらいしか通じていない時もありますよ。でも、心は通じている気がする。彼らとのやりとりが、私たちの生きがいです」
卒業生から、自宅にエアメールが届いたこともある。"私の父、母である二人へ"。それらは今も大切に飾っている。
「学生も、教職員も大好き。皆さんのために、キャンパスをきれいにすることだけは任せてくださいね」

インタビュー 2017年卒業 ダレーナ・トランさん
●「思いやりの心」を学んだ
アメリカ生まれの私は、複雑な家庭環境で育ち、「家族」と呼べる存在はいませんでした。友人たちはSUAを"セカンドホーム"と呼びますが、私にとっては"ファーストホーム(第1の家)"です。
自分一人で生きていける力を付けようと決め、学校では常にトップの成績を維持しました。他の有名大学にも合格しましたが、SUAへの進学を決めたのは、一人の先輩と話したのがきっかけです。SUAには「思いやりの文化」があるとの、彼の言葉が心に残ったのです。
思いやり——それは最初、私には理解できないものでした。人に優しくされ、手を差し伸べられても、裏切られるのを恐れ、関わることを拒否してきたからです。
しかし、SUAの友人たちは、落ち込んでいる私を見逃しません。「困った時は、いつでも話してよ」と声を掛けてくれました。体調を崩した時、一緒にカフェテリアまで歩いてくれた友人。病院に行きたい時、試験直前の勉強を中断して、車で送り迎えをしてくれた友人もいました。
私がどれほど人間関係に懐疑的でも、友人たちは、変わらぬ愛情で包み込んでくれました。
教職員も、いつも温かく励ましてくれました。そして世界中で、私たちを真心で支援してくださる寄付者の方々にも、深く感謝しています。
こうした人たちのおかげで、私もまた、自身の思いやりの心を広げようと挑戦を始めました。新入生をサポートするスチューデント・オリエンテーション・リーダー(SOL)や、来学者のツアーガイドなど、進んで人の中に飛び込みました。
もちろん最初は、ぎこちなさもありましたが、文化や価値観が異なる人と友情を育むためには、居心地のいい空間を抜け出すことが大切なのだと気付きました。SUAには、そうして自らの殻を破ろうと挑戦する友人が多くいます。だからこそ、どんな人をも受け入れる、思いやりの文化が生まれています。
卒業100日前に開かれた伝統の行事で、4年生を代表して、自身の体験を発表した時のこと。ステージに立った私を、司会が紹介しました。「私たちの最愛の一人です」と。そして場内から大拍手が起きました。忘れられない瞬間でした。
たとえ社会の無関心や無慈悲が叫ばれても、身近な人を思いやる一人がいれば、必ず社会は変わると確信します。思いやることを学んだSUAの卒業生として、私はそんな一人でありたいと願っています。