2016年2月16日火曜日

2016.02.16 わが友に贈る

足を運んだ分だけ
心と心は通い合う。
会って語った分だけ
真実の友情は深まる。
さあ今日も訪問激励を!

経王殿御返事 P1124
『日蓮守護たる処の御本尊をしたため参らせ候事も師子王にをとるべからず、経に云く「師子奮迅之力」とは是なり』

☆四季の語らい
真実の同苦は、ただ、苦悩を分かち合い、ともに嘆き悲しむことだけでは終わらない。また、単に、同情と慰めだけに終わるものでもない。まことの同苦の人には、人びとの苦悩の解決のための果敢な行動がある。慈悲から発する、何ものを恐れぬ勇気がある。そして、不屈の信念の持続がある。

☆女性に贈ることば 二月十六日
本当に自分のことを理解してくれる人がいるかぎり、安心して力を出すことができる − それぐらい、心の絆は重要です。
親子の絆、教師と生徒の絆、師弟の鮮と、さまざまな鮮があるが、人生の年給を重ねれば重ねるほど、そのありがたみがわかるようになる。

☆今日のことば365 二月十六日
怜悧な、利害打算の多い世の中にあって、もっと無償の行為があってよいのではないかと思う。だまされまいとするあまり、人間らしい善意の芽ばえすらつみ取ってしまっては、味気なさすぎる。

☆戸田平和研究所の国際会議への池田SGI会長のメッセージ
どの民族も、いかなる国の人々も犠牲にならずに、ともに平和と幸福を享受できる世界を築かねばならない——。
私の師である、創価学会の戸田城聖第2代会長の忘れ得ぬ叫びであります。
1996年2月、私は、この「地球民族主義」をはじめとする戸田会長の思想を原点として、師の名を冠した平和研究所を設立いたしました。
その発足にあたって呼び掛けたのが、人類が直面するさまざまな課題を解決する道筋を探るために、それぞれのテーマごとに「研究協力のネットワーク」を形成し、世界の英知を結集するアプローチであります。
以来、20年間にわたり、本日ご臨席の諸先生方をはじめとする、世界の多くの学識者の方々のご支援、ご協力を賜る中、国連の強化、核兵器の廃絶、軍縮、紛争解決、人間の安全保障、多文化社会、食糧問題、気候変動など、時代の喫緊の課題をテーマにした会議を開催してまいりました。
こうした共同研究を通じて、国や民族、宗教の垣根を越えての「対話」の道を開いてきましたが、世界で今、戦後最悪といわれる難民問題に凝縮された形で現れているように、紛争の長期化や排他主義の高まりといった「戦争の文化」に歯止めをかけることは、平和研究にとっての一大焦点であるのみならず、人間の良心を糾合して取り組むべき急務であると思えてなりません。
その意味で今回、キリスト教、ユダヤ教、イスラム、仏教を背景とする研究者、運動家、宗教者が一堂に会し、各地で広がる「暴力と憎悪の連鎖」を乗り越え、世界に「平和と人道の潮流」を高めゆくために、宗教、また信仰を持った個々人がどのような役割を果たしていけるのかについて探究する意義は大きく、会議の成功を心から願うものであります。

◇具体的な提案は平和実現への柱
「新しい文明を生み出し、それを支えていくべき未来の宗教というものは、人類の生存をいま深刻に脅かしている諸悪と対決し、これらを克服する力を、人類に与えるものでなければならない」(『21世紀への対話』、『池田大作全集第3巻』所収)
これは、20世紀を代表する歴史家、アーノルド・J・トインビー博士が、私との対談の中で述べておられた言葉であります。
トインビー博士が、この諸悪として、「貪欲」などとともに挙げていたのが、「戦争と社会的不公正」でありました。
長い歴史の中で多くの宗教が平和を希求しながらも、時として対立を助長するような要因となったケースがあったことは否めません。
しかし博士は、その事実を踏まえつつも、歴史をさらに紐解いていくならば、宗教が平和裡に共存していた事例がいくつもみられることを指摘しつつ、宗教が人間の善性を薫発し、諸悪を乗り越える道を開く可能性に期待を寄せていたのです。
トインビー博士の歴史観の核心が、「挑戦と応戦」というテーマにあったことはよく知られますが、かつて、特に宗教に焦点を当てながら、次のような問題提起をしていたことが、思い起こされます。
宗教が本来求められる役割を発揮するためには、それぞれの宗教が「もう一度自己に忠実にならなければならない」(『現代が受けている挑戦』吉田健一訳)と強調した上で、具体的な課題として、以下の三つの変化が求められると提起していたのです。
第一は、「お互いに対する態度と行動を、敵意と敵対から愛と協力に変えなければならない」こと、第二は、「実際的な方法で、各時代の重大な問題に関与しなければならない」こと、第三は、「制度、教義、教えの永久に変わらぬ本質から、長い歴史のうちに本質を覆い隠してしまった非本質的な付着物を取り去らなければならない」ことであります。
一、この問題提起を受けて、私が宗教者としての立場から申し述べたいのは、博士の言う第二の課題——すなわち、時代の重大な課題に対し、自らの信仰に照らして行動を起こすことを起点に据えていけば、第一の課題や第三の課題と向き合う道も、おのずと浮かび上がってくるのではないかということです。
私自身、一人の仏法者として、その問題意識を念頭に置きつつ、行動を重ねてまいりました。師の戸田会長が語った、「人類の平和と進歩のためには、具体的な提案をすることが大切である」「具体的な提案は、実現への"柱"となり、人類を守る"屋根"ともなっていく」との言葉を胸に、現代の諸問題を乗り越えるための方策を探究し、毎年の記念提言で発表してきました。
また、人類を取り巻く危機を打開し、次の世代に希望の未来をつないでいきたいとの思いで、さまざまな思想的な背景をもった各国の識者の方々との対話を続け、友好と連帯を深めてきました。そして、その一つ一つの対話を通じて、自らが信仰する仏法の本質とは何かを見つめ直してきたのであります。
折しも国連では昨年9月、2030年に向けての新しい国際目標となる、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
そこでは、世界が直面する課題の解決に臨むにあたって「誰も置き去りにしない」との誓約を掲げるとともに、その冒頭に「平和」と題する一節が設けられ、次のように宣言されています。「我々は、恐怖及び暴力から自由であり、平和的、公正かつ包摂的な社会を育んでいくことを決意する」
誰も置き去りにすることなく、すべての人々が平和に生き、尊厳を輝かせていける世界を築くために、宗教が担うべき役割はますます重要になってきています。今回の会議で、その役割を力強く発揮するための要件が掘り下げられ、21世紀の世界への指標が発信されていくことを願ってやみません。
最後に、ご臨席の諸先生方のますますのご健勝とご活躍を心から念願し、私のメッセージとさせていただきます。