2015年7月11日土曜日

2015.07.10 わが友に贈る

広布の活動を支える
未入会の家族に
心から感謝を!
私たちの成長こそ
仏法の最高の証明だ。

椎地四郎殿御書 P1448
『先日御物語の事について彼の人の方へ相尋ね候いし処仰せ候いしが如く少しもちがはず候いき、これにつけてもいよいよはげまして法華経の功徳を得給うべし、師曠が耳離婁が眼のやうに聞見させ給へ』

◇人生の座標
芸術は、まず楽しめばいいんです。初めから頭で「理解」しょうとすると、かえって、わからなくなってしまう。鳥の歌を「理解」しょうという人はいないでしょう。花の野原を「理解」しょうという人はいないでしょう。
もちろん、優れた作品の中には、味わうのに集中と努力が必要なものもある。

☆こころに響く言葉
育ちにくい友情

大人の世界に友情が育ちにくいのは、人生の波にもまれていくうちに、
いつしか利己主義や独善主義におおわれた、醜い生命となってしまうからであろうか。
大人の世界で、一見、友情と見えるものも、一枚、皮をめくると、
打算と憎しみを本体とする利用根性である場合が少なくない。

☆ブラジル作家連盟「在外会員」称号授与式 SGI会長の謝辞
本日、私は、偉大な歴史と伝統を誇り、文化と言論の大光を、世界へ、未来へ送りゆかれる、貴・ブラジル作家連盟より、最高に栄えある「在外会員」の称号を賜りました。
ブラジルを愛してやまぬ言論人の一人として、これに勝る光栄はございません。誠に誠にありがとうございました。
私には、この栄誉を謹んでご報告申し上げたい敬愛する方々がおります。その方々をご紹介しつつ、貴・作家連盟に連ならせていただく意義を、3点にわたり、述べさせていただきたいと思います。
その第一の方は、わが恩師・戸田城聖先生であります。
師は、「信なき言論は煙のごとし」と喝破した言論の闘士であり、戦時中は、日本の軍部政府による2年間の投獄にも断じて屈しませんでした。
70年前、終戦の年に出獄した師は、平和への新たな民衆運動を起こし、「人間革命」の哲理とともに、「地球民族主義」という人類の共生のビジョンを、私たち青年に示されていたのであります。
実は恩師は、ブラジルを深く敬愛し、青年時代、貴国への移住を希望されたこともあるほどです。
地球民族主義の一つの原型を、恩師は、多様な民族が融合する貴国の人間共和に見いだしていたといっても、決して過言ではありません。
ノローニャ・ゴヨス会長は、ブラジル文学の特徴を、「壮大にして、民族、文化の多様性の上からも豊かな表現に富む」と洞察されています。
まさしく、宇宙的なスケールの広がりを持ち、多様性から偉大な創造力を発揮してきたブラジル文学は、人類の宝であります。
私が貴国を初めて訪問したのは1960年10月。
その3カ月前、世界各地の文学者がブラジルに集い合いました。
その折、ブラジル文学界の代表は、日本の作家を大事に迎えてくださり、"東洋的なものも持っているブラジルは、西洋と東洋の文化を融合させる地となって、新たな文化を創造したい"との大志を熱く語られたという交流の秘話もあります。(『作家の自伝15 川端康成』)

こうした開かれたブラジル文化の核心の一つは、「寛容」の精神であるといえないでしょうか。
世界との対話を広げてこられたノローニャ・ゴヨス会長は、「寛容は、人類と環境にとってよりよき未来を志向する上で、さまざまな差異を尊重し合うために必要不可欠であります」と強調されております。私もまったく同感であります。
この点、文学には、あらゆる違いを超え、同じく「生老病死」の苦悩に立ち向かう人間として、理解と共感を深め、寛容の心を育む力があります。
私の恩師も、青年たちと、世界文学を教材として、心広々と人類の精神遺産から学び合いながら、地球文明の未来を展望してくださいました。
会長が尊敬される哲学者ボルテールは、「寛容の精神は兄弟をつくり、不寛容の精神は怪物をつくるかもしれません」(高橋安光編訳『ヴォルテール書簡集』)と喝破しておりました。
"不寛容の怪物"に、断じて世界を蹂躙させてはなりません。
私たちは、貴・作家連盟に脈打つ寛容の精神を掲げて、地球民族の兄弟姉妹の連帯を、さらに創り、広げていきたいと思うのであります。

第二に、私がご報告申し上げたい方は、ブラジル文学アカデミーの故・アタイデ総裁であります。
アタイデ総裁は、ジャーナリストとして、迫害にも怯まず、一生涯、信念のペンを振るい、「世界人権宣言」の起草にも携(たずさ)わられた、人道の巨人であられました。
94歳の総裁が、獅子のごとき気迫と情熱で、私に「一緒に戦いましょう。力を合わせて、人類の歴史を変えましょう!」と呼び掛けてくださったことを、昨日のように思い起こします。
総裁と私が対談の中で語り合った、二つの"人権の武器"があります。
その一つは、万人に最高の尊厳なる生命を見いだし、一人一人が自身の特性を最高に輝かせていけるように励ましていく「慈悲の声」であります。
そして、もう一つは、生命を差別し、抑圧する悪に挑み、自由と平等を擁護していく「正義の言論」であります。
仏法においては『声仏事を為す』(P708、「御義口伝」)とも、『仏は文字に依って衆生を度し給うなり』(P153、「蓮盛抄」)とも説かれます。
アタイデ総裁の不撓不屈の言論闘争を偲びつつ、「慈悲の声」と「正義の言論」を、私もまた、命の限り響かせていきたいと、決意を新たにしております。

そして第三に、私が本日の栄誉を一緒に分かち合いたい方々とは、わがブラジルSGIの同志たちであります。
貴・作家連盟の一員であられた文豪ジョルジェ・アマード先生も、「民衆とともに」という信条を持たれ、SGIの人間主義の民衆運動に、深い共鳴を寄せてくださっておりました。アマード先生は宣言されました。
「民衆の歌には、はてしない希望がある。その叫び声のなかには希望がある」(神代修訳『希望の騎士 革命児プレステス』)と。
私が大好きなブラジルの友には、「明日は新しい日になる」という陽気で前向きな希望が漲っています。ブラジルの民衆精神こそ、大いなる希望(エスペランさ)の太陽そのものでありましょう。
今、世界で、どれほど多くの人々が、また、どれほど多くの青年たちが、「希望の灯火」となる精神の滋養を必要としていることでしょうか。栄光輝く貴・作家連盟の先生方と共々に、私たちは、民衆のはてしない希望の讃歌を、いよいよ轟かせていこうではありませんか!
結びに、貴・作家連盟のますますのご発展と、ブラジル文学の更なる興隆を強く祈って、私の謝辞とさせていただきます。
ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で「大変にありがとうございました!」)