尊き同志の奮闘を
「仏を敬うが如く」
心から讃えよう!
生命の歓喜から
拡大の波動は広がる!
妙法曼陀羅供養事 P1306
『されば此の良薬を持たん女人等をば此の四人の大菩薩前後左右に立そひて此の女人たたせ給へば此の大菩薩も立たせ給ふ乃至此の女人道を行く時は此の菩薩も道を行き給ふ』
◇人生の座標
読書は「一生の財産」であり、何ものにも代えがたい「心の栄養源」である。そして「万学の基礎」である。読む力なくして、考える力も育たない。自分の世界も広がらない。
また、良き未来は、良き過去に学んでこそ生まれる。
☆こころに響く言葉
真の友情
真の友情は、利己主義や、独善的な人間のなかには芽生えない。たえず、自分を見つめ、成長をはかり、
同時に、友を思い、ときには自分を犠牲にしても相手の幸福を願っていくところにこそ、
真の友情はあると言えよう。本当の友情には、猜疑心や利己心や打算などは微塵もない。
ただ心と心のつながりがあるのみである。これほど純粋で、美しい人間関係は、ほかにはない。
☆ボリビア・ベニ自治大学「名誉博士号」授与式 SGI会長の謝辞
貴・ベニ県をはじめ、ここオリエンテ(ボリビア東部)の天地を、19世紀の貴国の偉大な歴史家コルテスは、高らかに讃えました。
「見よ、オリエンテには、赫々と燃える太陽が昇る」
そして、「美しく明るい光の中心」であるかのように、煌めく光彩が天空を支配する、と。
この"光の中心"オリエンテから昇りゆく「教育の旭日」こそ、貴・国立ベニ自治大学であられます。
本日、貴大学より賜りました輝く名誉学位を、私は何よりもまず、愛する郷土のため、社会のため、国家のため、大誠実を重ねてきた、わが敬愛するボリビアSGIの友と一緒に、分かち合わせていただきたいのであります。
誠に誠にありがとうございました。
ベニ県の紋章には、天然資源を表す豊潤の角、自然の恵みを表す牛や牧草、ゴムの木などとともに、希望あふれる貴国の発展の未来を象徴する「太陽」が描かれております。
太陽の輝きには、混迷の闇を打ち破る「光」があり、生きとし生ける生命を温める「熱」があり、地球の未来を創造しゆく「エネルギー」があります。
本日、「教育の旭日」たる貴大学の誉れある一員とさせていただいた私は、ここに集われた友人たちと、さらなる「光」と「熱」と「エネルギー」を漲らせていきたいと決意しております。
その第一の「光」とは、「民衆の苦悩の闇を打ち破る光」であります。
ベニ県が設置されたのは、1842年の11月18日。そして、125年後の1967年の11月18日、ベニ自治大学は、地域の教育者や住民、さらに高校生たちの力の結集によって創立されたと伺いました。
じつは、「11月18日」は、私たち創価学会にとっても、かけがえのない創立記念日であります。
すなわち、1930年のこの日、先師・牧口常三郎、初代会長と戸田城聖第2代会長によって『創価教育学体系』が発刊され、今年で85周年となります。
そして、第2次世界大戦中、牧口初代会長が、日本の軍部政府の弾圧にも屈することなく、平和と正義の信念を員き通して獄死したのも、1944年のこの日でありました。
先師は、「学は光」を信条とし、その光を限りなく民衆に贈りゆかんとされた人間教育者であります。
貴大学は、開学以来、各分野の多彩な人材を育成し、民衆貢献の「英知の光」を放ってこられた。
したがって、私は本日の栄誉を先師に捧げさせていただく思いであるとともに、貴大学の一員として、先師の信条を継承する決意であります。
本年4月には、医学学科が新設されるなど、貴大学は、人々の健康を守り、生活の向上に寄与する知性のセンターとしても、ますます大きな役割を担われております。
また貴大学は、市民を対象とした環境教育や文化講座の充実、さらにベニ県の各地に、教育・研究施設を設け、経済的に恵まれない多くの青年たちに学問の門戸を開くなど、地域社会への貢献に力を注いでこられました。
昨年の1月、「ベニ史上最大の自然災害」と言われた洪水の際にも、地域の人々と力を合わせ、未曾有の水害を乗り越えてこられたことを、私は胸を熱くして伺いました。
貴国の文豪ディエス・デ・メディナは語りました。
「道を開くために必要なことはなにか。それは、歩み続けることである」
どこまでも民衆と共に、民衆のために──。
私たちは、貴大学をはじめ、貴国の崇高な先生方と手を携えて、民衆の幸福の大道を開くために、どこまでも歩み続けていきたいのであります。
私が心に期する第二点の「熱」とは、「人間の尊厳の文化を築く熱」であります。
いにしえ、高度なラス・ロマス大河文明が栄えたベニには、19世紀の初め、植民地支配からの自由を求めて立ち上がった、先住民の指導者・ムイバの熱血の魂が今も脈打っております。
貴国は、「ボリビア多民族国」との国名に象徴される通り、先住民の権利の拡大と、多様な民族の調和に取り組んでこられました。
「77カ国グループ」の議長国として、貧困や飢餓の撲滅など、世界の人権の向上にリーダーシップを発揮されていることも、よく存じ上げております。
まさしく貴国には、人間の尊厳の文化を築く熱がたぎっているのであります。
貴国の著名な作家メディナチェリの叫びを、私は思い起こします。
「文化のための戦いには、平和・創造・調和がなければならない。それは、慈愛という武器を用いた戦いでなければならない」と。
なかんずく、大切なのは、青年を勝ます慈愛ではないでしょうか。
慈愛の励ましを受けた青年は、必ずや、その熱をもって社会を温め、その熱を何倍にもして未来へ伝えてくれるからであります。
私たちは、教育という普遍の広場で、一人一人の青年を信じ、慈しみ、惜しみなく希望と勇気のエールを送ってまいりたい。
そして、若き知性と情熱の世界市民を育みながら、新たな人間の尊厳の文化、生命の尊厳の文化を築き上げていきたいと思うのであります。
第三の「エネルギ—」とは、「平和と共生の地球社会を創造するエネルギー」であります。
豊かな自然が広がるベニ県は、地球最大の生命の源である大アマゾンの上流に位置し、支流のマモレ川はボリビア有数の河川として、広大な土地を潤している。
ベニ県の美しい歌には詠われています。
「大草原や連山を照らしながら
東天から昇る太陽のように
わが故郷はボリビアにとって
将来性あふれる平和と団結の幸せの地」と。
仏法では「依正不二」といって、「環境(依報)」と「人間(正報)」は、相互に影響を与え合う、一体不二の関係にあると説きます。その仏法の眼から見るならば、壮麗なボリビアの天地は、貴国の民衆の誠実で美しき心を映し出した地といってよいでありましょう。
私が対談した歴史学者のトインビー博士も、貴国ボリビアの雄大な自然に着目していました。
博士が力を込めて語っていた言葉を、私は忘れることができません。
「人類の生存に対する現代の脅威は、人間一人一人の心の中の革命的な変革によってのみ、取り除くことができるものです」と。
環境問題をはじめ、地球的問題群の克服は、まさに人間の内なる変革にかかっております。
この変革の先頭に立ち、人間教育のさらなる充実と発展へ、果敢に挑戦されているのが、尊敬するルイス・サンブラノ総長はじめ、貴大学の先生方であります。
ボリビア文学の巨匠フランツ・タマヨは、毅然と宣言しました。
「ボリビア人の二つの大きな特徴は、『忍耐』と『粘り強さ』である」
この不屈の「忍耐」と「粘り強さ」という、最強にして不滅のエネルギーを、いやまして発揮しながら、私たちは、平和と共生の地球社会を断固として創造していこうではありませんか。
最後に、貴大学のますますの栄光と発展、そして、本日ご臨席の皆様方のご健康を心よりお祈り申し上げ、御礼とさせていただきます。ムーチャス・グラシアス!(スペイン語で「大変にありがとうございました!」)