妙法は大宇宙を貫く
根源の力だ。
強盛な祈りで
あらゆる人を味方に!
諸天を動かせ!
崇峻天皇御書 P1173
『返す返す今に忘れぬ事は頚切れんとせし時殿はともして馬の口に付きてなきかなしみ給いしをばいかなる世にか忘れなん、設い殿の罪ふかくして地獄に入り給はば日蓮をいかに仏になれと釈迦仏こしらへさせ給うとも用ひまいらせ候べからず同じく地獄なるべし』
◇希望の明日へ
育ちぎかりの子どもを抱えながら、夫に倒れられる。それがどれほど大変なことか−−。それは私にも体験上、痛いほどよくわかる。『私の履歴書』の本にも書いたが、私が小学校二年の時、父がリューマチで倒れた。以来二年間、寝たきりであった。家業の海苔製造業も縮小せざるをえない。生活は窮乏を重ねた。多くの子どもを抱えた母の苦労は並大抵ではなかった。しかし、そうしたなかにあって、母は努めて朗らかに「うちは貧乏の横綱だ」と笑って語っていた。この母の明るさに、一家がどれほど救われたことか。母は強い。良き母は文字通り、"一家の太陽"である。
昭63・6・7
☆女性に贈ることば 六月十八日
「相対的幸福」とは、経済的な豊かさや社会的な地位など、自分の外の世界から得られる幸福である。それは、ひとたび環境や条件が変われば、いともたやすく崩れ去ってしまうものだ。
それに対して、「絶対的幸福」とは、いかなる困難や試練にも負けることなく、生きていること自体が楽しくて仕方ないという境涯の確立である。
☆今日のことば 六月十八日
才能には限りがある。運、不運も重要な鍵になってくる。賢者必ずしも、成功者になれるとは限らぬ。愚かそうに見える人が、また思いもよらぬ大成をなすこともある。
☆学園抄第4回 本は友だち
◇また30年後に!
東西の創価中学・高校でも、朝の読書運動、読了者の表彰を行っている。
関西校(大阪・交野市)の「万葉図書館」は8万冊。開校以来、創立者が何度も訪問。校内で生徒に本を贈ることもあった。
前身の女子校時代の74年(昭和49年)10月、第2回希望祭を直後に控えた日。
ある中学1年生が外を歩いている時、校舎の玄関から教員に呼ばれた。駆け寄ると、本が山積みの机の前に創立者。アメリカの劇作家の戯曲を渡された。
「外見が強そうに見えても、中身の弱い人間はダメなんだ。本当に中身の強い人間になるんだよ」
別の中学1年生。日が落ちた帰り際、「良識・健康・希望」のモットーの碑に一礼して振り返ると人影がある。創立者たった。
「お母さんによろしくね」
母親は病で余命3ヵ月と宣告されていた。なんで母のことを……。込み上げる思いをこらえた。
「しっかり勉強するんだよ!」と、『赤ずきん』の英文書籍を手渡された。
希望祭当日。保護者で参加した母にとって、最初で最後の創立者との出会い。母の笑顔が忘れられない。
創立者にお応えしたい!
洋書を原点として、国際線の客室乗務員に夢を定めた。母との別れ、父の事業失敗に負けなかった。
ついに夢を叶え、学園初の客室乗務員となった。世界平和旅へ向かう創立者の便に搭乗し、機中で再会。
「学園生で初めてだね。覚えてるよ。皆の憧れだよ。頑張ってね。ありがとう!」
3万6000冊の「プラトン図書館」がある東京中。
2002年(平成14年)11月。18日の「英知の日」を目指し、勉強やクラブ活動に励むなか、皆で創立者の著書を学習。その感想と決意を書いた文集に、創立者はペンを走らせた。
「東京
創価中学校
読書会 万歳!
六百四十一名の学者
万歳!
三十年後に また!
此の書を
見たい!」
赤色の力強い文字。脇に2002年11月27日と2032年11月27日の日付。
創立者と歩む30年。皆の新たな目標となった。
東京高の「蛍雪図書館」は7万冊。新しい総合教育棟の心臓部である。
各校と同じく創立者の命名。蛍の光や雪明かりで書を読んだ故事から、苦労して学ぶとの意味がある。
館内に掲げられた図書委員会の新聞「典」は、創立者が書き贈った筆跡が題字になっている。机に書冊を置く形を表す文字だ。
夕刻。教室の電灯が消えていくなか、図書館からは光が漏れている。「蛍雪」「典」の言葉通り、受験生が机に向かい、参考書や問題集と格闘する。
館内の中央、「創立者コーナー」の一角には、図書館から巣立った卒業生の博士論文がある。
現在、創立者に贈られた世界からの名誉学術称号は「338」。
そして学園出身の博士も「338」人となった。