作りだしたもの。
師子王の祈りで
己心の壁を破れ!
さあ勇気の一歩を!
諸法実相抄 P1359
『たえて弘めん者をば衣を以て釈迦仏をほひ給うべきぞ、諸天は供養をいたすべきぞかたにかけせなかにをふべきぞ大善根の者にてあるぞ』
◇希望の明日へ
人生をどれだけ深いものにするか、いかに充実した価値ある一生を送るか、いっさいは日々の積み重ねで決まる。勤行は仏道修行の基本であり、わが生命を磨きゆく最高の実践である。日蓮大聖人が教えてくださった"最高の人生"を生きゆくための絶対の道である。
☆戸田城聖第2代会長生誕111周年記念国際会議へのメッセージ
◇100年先を見すえ国連に「グローバル・ビジョン局」を
尊敬するムスリム学術者連盟のアーメド・アバディ事務総長、ならびに、ご列席の諸先生方。
人類がともに目指すべき地球社会の未来像を展望し、その実現のための方策を探る、誠に意義深き今回の国際会議の開催にあたり、戸田記念国際平和研究所の創立者として一言、メッセージを送らせていただきます。
◇人類共通の脅威
「戦争と暴力の世紀」と呼ばれた20世紀が終わって、はや10年──。経済面を中心としたグローバル化が急速に進み、かつてないほど相互依存の度合いが深まる中で、世界の国々のつながりは、次の二つの面で"運命共同体"としての性格を日増しに強めているように思われます。
一つは、気候変動の問題が象徴するように「国境を越えて共同で対処することが求められるグローバルな脅威が高まっていること」であり、もう一つは、近年の食糧危機や金融経済危機に見られるように「一つの地域で起きた危機が瞬時に他の地域に連鎖し、被害を拡大させていること」であります。
こうした様相は、現代の世界に大きな影を落とし、対立や混迷を深める要因となっておりますが、一方で私は、この未曽有の危機を、「平和と共生の地球社会」の建設に進むための時代変革のチャンスとして捉え、人類がその挑戦に取り組む上での大きな糧に変えていくべきであると考えます。
21世紀までの時代は、ともすれば"敵対する国にどう対峙するか"が、国家の外交方針を大きく左右してきたといえましょう。しかし現在の私たちが──どの国で生まれ、どの国で暮らそうと──直面しているのは、環境問題や貧困といったグローバルな脅威にほかならず、"いかに協力して共通の脅威に対処するか"に焦点を当てずして、世界の平和や安定はおろか、自国の安全や発展を継続的に確保することが難しくなっている状況にあります。
私が2年前の「SGIの日」記念提言で、国連に「グローバル・ビジョン局」を設置する提案を行ったのは、そうした問題意識に基づいてのものでした。事態が悪化してから問題に対処するのではなく、常に人類的視野に基づくビジョンを掲げ、50年先、100年先を見据えた行動戦略を打ち立てるシンクタンク的機能を持つことが、これからの国連に絶対に欠かせない──と。
もちろん、危機が眼前にあるからといって、国際協力の輪が自ずと広がるわけではありません。このことは、私が対談したトインビー博士が歴史家としての透徹した眼で、「危険というものは、たとえそれが今日のわれわれの危険のように極度に大きい時でも、決してそれ自体では、人間の救済に必要なことを人間にさせるに十分な刺戟にはならない」と危惧されていた点でした。