2022年9月29日木曜日

2022.09.29 わが友に贈る

草の根の対話こそ
共生社会を築く道なり。
さあ足元から
大誠実の人間外交を!
強固な民衆の連帯を!

曾谷殿御返事 P1055
『夫れ法華経第一方便品に云く「諸仏の智慧は甚深無量なり」云云、釈に云く「境淵無辺なる故に甚深と云い智水測り難き故に無量と云う」と』

【通解】
法華経第一方便品第二に「諸仏の智慧は甚深無量である」と説かれている。天台大師の釈には「境の淵が無辺であるので甚深といい智慧の水が測り難いので無量という」とある。

名字の言 「ありがとう」を言うたびに、あなたの心は光ってくる 2022年9月29日
「私が地区女性部長になったことを、先輩が自分のことのように喜んでくれて」。先輩とは、この女性に創価学会の信仰を教えた紹介者。居住地が少し離れているので20年ぶりの再会だった。彼女は伝えた。「先輩がいたから今の私があります。ありがとうございます」▼今月いっぱいで本紙の配達担当を終える壮年。読者宅のポストに新聞を入れる際、「購読してくださり、ありがとうございます」と頭を下げる。読者がいるから配達できる——このことに気が付くのに随分、時間がかかったという▼2人に共通するのは「感謝の心」。自分が、どれだけ多くの人に支えられて生きているか。この自覚が乏しいと、どうしても自分中心となり、相手よりも自分を上に置いてしまう。これでは感謝の心は生まれない▼池田先生は綴る。「『ありがとう』の中には相手への敬意がある。謙虚さがある。人生に対する大いなる肯定がある。前向きの楽観主義がある。強さがある。『ありがとう』と素直に言える心は健康である。だから『ありがとう』を言うたびに、あなたの心は光ってくる」▼当たり前を当たり前と思わず、常に感謝できる人でありたい。本紙を支えてくださる皆さま、いつも本当にありがとうございます!

寸鉄 2022年9月29日
日中国交正常化50周年。苦難越え先人が咲かせた友誼と信頼の花を万代へ
任用試験、申込締切迫る。仏法は最極の"幸福学"。教える側も共に学び成長
埼玉青年部の日。鉄桶の団結光る広布の人材城。師弟常勝の魂燃やし拡大
信心の力で生活の全てが改善できる—牧口先生。日々、価値創造の挑戦!
変異株対応接種が各地で開始。従来型より重症化予防に効果と。賢く判断

〈社説〉 2022・9・29 きょう日中国交正常化50周年
◇友好の金の橋を未来へつなぐ
1972年9月29日に日中共同声明が調印され、国交が正常化してから、きょうで50周年を迎えた。
この間、両国の政治的関係は、さまざまな変遷をたどり、この数年はコロナ禍の影響もあり、懸案事項に関する対話も思うように進まないままだ。こうした状況の中、今年は文化交流展など、民間レベルの催しが活発に行われている。
政治的な枠組みだけではなく、民衆同士が手を携えられる道をつくる——。池田先生はその信念で、日中友好を築く青年の育成に力を注いできた。西側諸国と中国の溝が深まっていた68年9月、学生部総会で、「日中国交正常化提言」を発表。75年には、国交正常化後初の国費留学生を創価大学に受け入れた。青年らを伴った訪中は10度におよび、創大の教育交流や、民音、東京富士美術館を通じての文化交流が行われてきた。
東日本国際大学客員教授でジャーナリストの西園寺一晃氏が、74年6月、初訪中の途にあった池田先生と懇談した時の模様を自著『「周恩来と池田大作」の一期一会』(潮出版社)に記している。
氏は「日中友好の最大のテーマは?」と質問。未締結だった「日中平和友好条約」を挙げるだろうと予想した。しかし、先生は「いまいちばん大事なのは青年交流です。日中友好は百年の計です。若い人たちが交流し、理解し合っていかなければ、真の友好は築けません」と答えた。氏は驚きを隠せなかったという。
こうした池田先生の思いを受け、学会青年部は30年以上、中華全国青年連合会(全青連)と交流を続けている。昨年も、コロナ禍の中、詩を朗読する動画を両国の青年に募集して鑑賞し合ったほか、オンラインで交流会を行った。
顔の見える交流こそ真に心通うものとなる。意義深き50周年の節目は「私たちにできることは何か」と考える好機ともいえよう。
身近にも友好を深める一歩はあろう。かつて中国人のクラスメートがいたという首都圏の高等部員たち。その友人のことを「誰よりも一生懸命勉強に取り組んでいて、一人の人間として尊敬しています」「とてもオープンな性格で話しやすかった」と語っていた。
日中友好の「金の橋」を未来へつなぐ——。"井戸を掘った人"の思いを継ぎ、交流を深める中でこそ、風雨を越えて不滅の輝きを放つことを忘れまい。

☆いのちの賛歌 心に刻む一節 テーマ:信心に巡り合えた喜び
企画「いのちの賛歌 心に刻む一節」では、御聖訓を胸に、宿命に立ち向かってきた創価学会員の体験を紹介するとともに、池田先生の指導を掲載する。今回は「信心に巡り合えた喜び」がテーマ。愛知県の壮年に話を聞いた。

◇御文
『なにの兵法よりも法華経の兵法をもちい給うべし。「諸余の怨敵は、みな摧滅す」の金言むなしかるべからず。』(四条金吾殿御返事、新1623・全1192)

◇通解
どのような兵法よりも法華経の兵法を用いていきなさい。法華経薬王品第23に「諸余の怨敵は、皆悉摧滅せり」と説かれる金言は決して空しいはずがない。

◇広布の組織から離れない 結婚を機に入会。続く試練の嵐
1991年(平成3年)、岩田公人さん(58)=愛知・三河創価県長=は、学会2世の妻・美紀さん(51)=圏副女性部長=との結婚を機に、創価学会へ入会した。とはいえ、岩田さんは当時を振り返り、「妻から話を聞いて、"やってみるか"くらいの気持ちで」と笑う。
      ◇
転機は、岩田さんの父親が末期がんであると判明したこと。
地域の同志が、まるで自分のことのように、毎日、父親の回復を祈り続けてくれた。入院中の父親を夫婦で見舞い、夜遅く帰宅すると、近所の同志が「作りすぎたから食べて」と、手料理を持ってきてくれた。
"赤の他人に、ここまで尽くしてくれるなんて"。岩田さんは、同志の真心に応えるように、自ら御本尊に向かった。やがて、父親は岩田さん夫婦らに見守られる中、安らかに息を引き取った。
その後、夫婦で力を合わせて、感謝の学会活動に励んだ。なかなか子宝に恵まれずに悩んでいたが、岩田さんが5世帯目の弘教を実らせた時、美紀さんが妊娠。ところが、喜んだのもつかの間、流産してしまう。
悲嘆の中、学会の先輩に相談すると、「何があっても信心を貫くこと」と励まされ、負けじ魂を奮い立たせた。
翌年、9世帯目の折伏が成就した時、待望の第1子を授かることができた。その4年後には次男も誕生。「この信心はすごい!」。岩田さんは、御本尊を疑わない不動の一念を固めた。
しかし、試練の荒波は容赦なかった。
2002年、美紀さんの父親が不慮の事故で急逝。同じ頃、美紀さんの母親に認知症の症状が出始めた。家族の心に重くのしかかる現実。
さらにその後、思春期を迎えた子どもとの関係で、夫婦は大きな壁に直面した。
当時、岩田さんは圏長。「夫婦で前に進めば進むほど、"これでもか"と難が押し寄せ、行く手を阻む。次第に妻は心をすり減らして、眠れなくなり、食事も取れなくなって、御本尊に向かえない日も続いたんです。医師からは『不安障害』と言われました」
実は岩田さん自身、職場で人間関係のあつれきに悩んでいた。数百人の部下を抱える重責から逃れるわけにはいかない。歯を食いしばった。美紀さんの代わりに家事の大半を担いながら、仕事に打ち込み、必死で信心に食らいつく毎日。
「毎朝4時に起きて"今日も一日、勝つぞ"と気合を込めて祈る。それから子どもたちの弁当を用意し、出勤する。"ここで倒れてたまるか"という意地だけで、踏ん張りました」
苦境の渦中で拝したのが、「なにの兵法よりも法華経の兵法をもちい給うべし」(新1623・全1192)の一節だった。
「小手先の策や方法に走るのではなく、全て御本尊に任せきる。信心に徹する。そうすれば、どんな苦難の壁も必ず打ち破っていけることを、日蓮大聖人は大確信で示されている。拝せば拝すほど、勇気が湧いてきたんです」
美紀さんは、どうだったか。
「当時は、真っ暗なトンネルの中にいるような苦しい日々でした。でも、その中で、夫は常に題目を唱え続けてくれた。"家族の分まで夫が祈ってくれている"。その安心感が、私の心を少しずつ、前に向けてくれたんだと思います」
やがて、薄紙を剥ぐように、美紀さんの体調は快方に向かう。子どもたちも、それぞれが使命の道を自ら選び取り、いつしか、一家の状況は好転していった。
さらに、岩田さん自身も、職場での悩みを乗り越えることができた。「『願兼於業』です。自ら願って背負った宿業です。だから、この信心で乗り越えられない苦難はないんです。私自身、苦しんだあの経験があったからこそ、今、同じことで悩む友に心から同苦できるようになれた。御本尊に感謝は尽きません。信心に巡り合えて本当に良かったです」
岩田さんはなぜ、信心を疑わずに貫けたのか。
「どんなことがあっても、学会組織から離れなかったからです」
師匠の慈愛の指導。温かな同志の励まし。大聖人直結の信心の血脈が流れ通う創価学会にいたからこそ、苦難に負けない力を出せたというのが、岩田さんの確信だ。これまで夫婦で実らせた弘教は、29世帯を数える。
「学会の先輩からは、祈り方を教えてもらいました。それは、『誓願の祈り』『感謝の祈り』『確信の祈り』です。この祈りを重ねて、私たち夫婦は困難を打開しました」と、岩田さんは力を込める。
美紀さんは現在、地区女性部長を兼任し、広布の最前線で同志の激励に奔走。また、介護職に就いて職場で信頼を広げるなど、苦悩の日々がうそのように、はつらつとしている。
美紀さんは笑顔で言葉を継ぐ。
「人生のどん底を見たので、何も怖いものはありません。"こうやれば乗り越えられる"という、信心の戦い方をつかみましたから。私たち夫婦の『法華経の兵法』です」
池田先生はつづっている。
「信心に生き抜く時、いかなる苦悩に直面しようと、『宿命』を『使命』に変えていける。そして我らには、ともに戦う同志がいる。励ましがあり、希望がある。
生き生きとした生命と生命の触れ合い——それが、どれほど、健康長寿の活力の源泉となっていることか。学会こそ、最極の『常楽我浄』の安全地帯なのである」(池田大作先生の指導選集〈上〉『幸福への指針』)
祈っても、すぐに現状は変わらないかもしれない。しかし、祈り続けていけば、必ず一番いい方向へ、現実を動かすことができる。その確信を岩田さんは笑顔で語りながら、こう言い添えた。
「ただただ信仰を貫く。それだけです。人生、題目を唱えること以上の『大歓喜』はないですから」

◇[教学コンパス]
仏法には、「八万法蔵」と呼ばれる釈尊の膨大な教説が存在し、それぞれが、仏の偉大さなどを説いている。当然、数千年に及ぶ仏典伝承の過程を一概にまとめることはできないが、あえて大胆に、こう考察してみたい。
——紀元前に説かれた仏教思想は、その後の社会や時代の変容に応じながら、新たな苦悩に直面する人々をいかに救っていくのか、という「問い」に挑み続けた。やがて、時代に即して創出し続けた知恵が、多様な経典群に結実していった、と。
民衆を救済するという、不変の使命を果たすために、むしろ変化し続ける。「変わらない」ために「変わり続ける」ところに、仏法の慈悲と知恵の発露もあると言えまいか。
時代は今、大きな転換点を迎えている。感染症の世界的流行、激動するグローバル経済や社会の状況。未曽有の危機に直面する今こそ、私たち創価学会員は「変わること」を恐れず、広布拡大の新たな挑戦を開始したい。その先に、「力ある真の宗教とは何か」が鮮明に浮き上がるはずだ。