「現在の因」に
「未来の果」がある。
決勝点を明確にして
地道な挑戦を貫こう!
努力の人に栄光は輝く!
太田入道殿御返事 P1010
『世尊大悲導師阿闍世王のために月愛三昧に入りたもう三昧に入り已つて大光明を放つ其の光り清凉にして往いて王の身を照すに身の瘡即ち愈えぬ』
【通解】
大悲の導師であられる釈尊は、阿闍世王のために月愛三昧に入られた。そのあと大光明を放たれた。その光は清凉であり、阿闍世王のもとに届いて王の身を照らすと、悪瘡はたちまち治った。
【先生の指導から】
これは「心の病」を治した仏の慈悲の光を、優しい月光にたとえた話である。
軽度の「心の病」の人は、いよいよ増加している。そういう人には強烈な激励は逆効果になる場合が多い。むしろ粘り強く、静かに話をよく聞いてあげ、同苦してあげる包容力がポイントとなる。
一般的に言っても、何か相談すると、話も聞かないうちに、いつも「とにかく、題目をあげればいいんだ!」では、やりきれない。たとえ真実ではあっても、相手が納得できなければしかたがない。
"真理である"ことと、"説得力がある"ことは違う。どう、その人に「信心の力」「唱題の力」を確信させ、発心させていくか。そこまでにいたらせる力が指導力なのである。
名字の言 人類の諸課題を克服する処方箋とは?——"20世紀最大の歴史家"の考察 2022年9月16日
歴史学者・トインビー博士の大著『歴史の研究』の日本語版は、全25巻からなる。第14巻から20巻までの7冊には、それまでの13巻までとは異なり、「高い張りつめた調子」があふれている▼その理由は、7冊が執筆されたのが、広島と長崎に原子爆弾が投下された後だからである。博士は述べている。「私の感情が滲み出るほど、これらの悲劇的な不吉な政治的事件に深く動かされなかったとすれば、そのほうが異様である」(『歴史の研究』第21巻、下島連ほか訳)▼いかにすれば核兵器をはじめとする、人類の危機を克服することができるか——。50年前に始まった博士と池田先生の対談も、その問題意識に貫かれている。博士は語らいの中で、核兵器の永久不使用や地球環境問題の解決の方途について、「自己中心性を克服していくなかに見いだせるはず」と結論している▼"20世紀最大の歴史家"と称される博士が、人類の諸課題を根本的に克服する処方箋は、「人間の変革」にしかないと見た。その力を与え得る「宗教」とは何かを考察し、創価学会に最大の期待を寄せた▼宗教の使命は、人間をより聡明にし、希望を生み出していくことにある。私たちは、この「人間革命の大道」を力強く進みたい。
寸鉄 2022年9月16日
牧口先生は晩年まで"我々、青年は"と同志に。広布誓願の師子に停滞なし
東京・秋川「師弟原点の日」。正義の炎を燃やし勇躍!拡大の先陣を頼む
「法華を識る者は世法を得べきか」御書。仏法即社会の智慧で信頼を結べ(新146・全254)
国際オゾン層保護デー。フロンガス対策等で問題は改善へ。希望は創れる
連続する台風に警戒。進路や勢力など最新情報を注視。"万が一"の備えを
〈社説〉 2022・9・16 きょう「国際オゾン層保護デー」
◇啓発と希望の連帯が生命守る
「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください」(『あなたが世界を変える日』、学陽書房)。1992年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された地球環境サミットの席上、12歳の少女セヴァン・スズキさんが訴えた言葉だ。
オゾン層に開いた穴をどうやってふさぐのか。死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか。砂漠にどうやって森をよみがえらせるのか……。切々と訴える彼女の言葉は、開発の名の下に自然破壊を続けてきた国際社会が、その在り方を見つめ直す一つのきっかけとなった。
彼女がスピーチで触れたオゾン層は、高度10キロから50キロの成層圏にある。酸素分子が太陽光を受けて生じるオゾンの集まりで、生物の遺伝子に有害となる紫外線の大半を取り除いてくれる存在だ。ところが半世紀前、人の作り出したフロンという化学物質によって、オゾン層が破壊されることが理論的に分かった。80年代には、南極のオゾン層に穴が開いていることが判明した(オゾンホール)。
危機意識が高まる中、1987年9月16日、フロン類を削減するモントリオール議定書が採択された。きょうはこれを記念する「国際オゾン層保護デー」だ。現在、各国が連携してフロン類の削減を進めた結果、オゾン層の減少傾向に歯止めがかかりつつある。
そもそも、4、5億年前にオゾン層ができるまでは、紫外線が強すぎるため、生物は海から陸に上がってこられなかった(岩坂泰信ほか『岩波講座 地球惑星科学3 地球環境論』、岩波書店)。オゾン層保護は、人類の生存基盤を守るための最重要課題と言える。
国内でも、フロン類を用いた冷蔵庫等を処分するときは、許可を受けた業者に依頼することが義務づけられている。購入の際も、フロン類を使わないノンフロン製品を選ぼう。暮らしの中での選択が、地球を守る重要な一歩となることを銘記したい。
池田先生は、先日の本部幹部会に寄せたメッセージで語った。「今、人類が立ち返る原点は何か。それは、『生命』そのものでありましょう」。コロナ禍や地球温暖化など、先が見通せない不安の時代にあって、私たちは創価の哲理を胸に、啓発と励ましを重ねている。生命を守るため、希望の連帯を、さらに広げていきたい。
☆VOD新番組に収録された池田先生の指針——皆で万年の平和と幸福の道を
池田先生のスピーチを収録した新番組「利他の行動で自他共の幸福を」が、SOKAチャンネルVOD(ビデオ・オン・デマンド)に追加された。内容は、1993年4月に行われた全国青年部幹部会でのスピーチである。創価学会創立記念日の「11・18」へ、新たな出発を切り、弘教拡大に励みゆく友への指針として、その要旨を掲載する。
◇「共に」の精神に立つ人は強い
◇ガンジー「人に尽くした分だけ偉大に」
インドの偉大な初代首相ネルーは、アショーカ大王の"法による統治"という偉業をたたえている。
「アショーカは、熱心な仏教徒となり、法(ダルマ)を弘めるために、全力を尽くしました。しかし、それは力や強制によったのではありません。彼は、ただ人々の心を勝ち取ることによって、仏法に帰依させたのです」※1
人々の心をつかむ——これがアショーカ大王の弘法であった。仏法の指導者の極理ともいえる。「広宣流布」の魂である。
大切なことは、人間の心をつかむことである。"あの人に会うと、うれしい。安心だ。希望がわく。確信がわく。勇気がわく"——こう、人々から慕われるのが真の指導者である。
青年の「心」、民衆の「心」を勝ち取っていくところに、新しい歴史が開かれる。それ以外にない。
私たちは、どこまでも誠実に、どこまでも確信をもって進みたい。生き生きと、聡明に知恵を発揮しつつ、友情をすがすがしく広げてまいりたい。
◇民衆の味方
インド独立の父ガンジーについては、これまで幾度となく語ってきた。本日も青年のために少々、紹介しておきたい。
ガンジーは述べている。
「友の幸福のために、尽くした分だけ、人は確実に偉大になる」「私の活動はすべて、私の飽くことなき人類愛に源を発している」※2
友の幸福のために行動する。人類の幸福のために日夜、働き、労苦の汗を流す——ガンジーは、どこまでも他人の幸福、他人の利益のために生ききった。ゆえに偉大であり、ゆえに幸福であった。
"人々のために"——この精神で立つ人は強い。何ものも恐れない。恐れる必要がない。
ゆえに私も、ここまで一切を乗り越えてこられた。一切に勝ってきた。負けなかった。
利己の人は堕落である。向上がなく、充実がなく、幸福もない。
だからこそ、わが学会は、いよいよ民衆の絶対の味方となって、戦っていく。諸君も戦っていただきたい。人類愛の「偉大な人生」であっていただきたい。
日蓮大聖人の仏法は、全民衆を平等に「仏」にしゆく大法である。
大聖人は、御自分と同じ境涯になりなさいと、そのために御本尊を遺してくださったのである。
師と「同じ希望」「同じ信念」をもち、「同じ努力」を重ねていく——それが弟子である。そのことによって「同じ境涯」にいたるのである。この師弟の道に、仏法の根本があり、人類向上の永遠の王道がある。
ガンジーは"民衆のために「平和の道を開こう」「幸福の道を開こう」"と戦った。その模範の行動に、人々が続いた。
皆さまも、よき先輩の「模範」に続いていただきたい。自分自身が「模範」となっていただきたい。海外の皆さまも、ご自身の「人間革命」の足跡が、そのまま、それぞれの国で、万年の「道」をつくっているのである。この尊き使命を確信していただきたい。
◇一人の確信
さて、大聖人の門下が激しい弾圧を受けた熱原の法難。この大難に対し、恐れることなく立ち上がった青年に、南条時光がいる。
時光が数えで21歳の時に与えられた御手紙では、こう激励されている。
「『願くは此の功徳を以て普く一切に及ぼし我等と衆生と皆共に仏道を成ぜん』」(全1561・新1895)——願わくは、仏に供養する功徳をあまねく一切に及ぼし、自分たちと衆生が皆、ともに成仏できますように——。
皆さまの広布への献身は、仏への最大の供養である。妙法のために行動した功徳は、自分だけでなく、父母、兄弟など、すべての縁ある人々の成仏への力となっていく。
皆を幸福の方向へ向かわせてあげられる。
ゆえに「一人」が立てばよい。一切は「一人」から出発する。「一人」の勇気と確信の信心で決まる。このことを、私はきょう、強く申し上げておきたい。
また、人の幸福を祈れば、その分、自分が幸福になっていく。人の健康を祈れば、その分、自分の健康も守られる——これが妙法の不思議な力用である。
「利己」と「利他」のどちらに力点があるかで、人間の偉大さは決まる。信心が本物かどうかも決まる。
皆さまは、法のため、友のため、真剣に祈り動いて、「利己」から「利他」へと、ダイナミックな生命の転換を、偉大なる人間革命を実現していただきたい。
大聖人は仰せである。
「一生空しく過して万歳悔ゆること勿れ」(全970・新1324)——一生を空しく過ごして、万年にわたって悔いることがあってはならない——と。
一生は短い。しかし、生命は永遠である。短い今世の戦いによって、永遠の福徳を積むことができる。ゆえに決して、今世の法戦に悔いを残してはならない。人生に悔いを残しては何のための信心か。
広布に生きる人生は多忙である。苦労も多いかもしれない。しかし、普通の人生の10倍、100倍の価値ある人生を生きているのである。大聖人の仰せのとおり、永遠の栄光につつまれた人生であることを確信していただきたい。
諸君の成長と、ご活躍を心から祈りつつ、スピーチを終わりたい。
全国の青年部の諸君、ご苦労さま! これからの戦い、よろしくお願いします!