2022年9月28日水曜日

2022.09.28 わが友に贈る

近隣とのつながりが
安心・安全の土台だ。
日頃の挨拶を大切に
支え励まし合う
心の絆を強めよう!

松野殿御返事 P1388
『妙覚の山に走り登り四方を御覧ぜよ、法界は寂光土にして瑠璃を以て地とし金繩を以て八の道をさかひ、天より四種の花ふり虚空に音楽聞え、諸仏菩薩は皆常楽我浄の風にそよめき給へば我れ等も必ず其の数に列ならん』

【通解】
妙覚の山に走り登って、頂上から四方を御覧なさい。法界は寂光土であり、瑠璃を以って大地とし、黄金の繩で涅槃にいたる八つの道を境とし、天からは曼荼羅華等の四種類の花がふり、虚空に妙なる音楽が聞え、諸仏・菩薩は皆常楽我浄の四徳の風にそよめいている。我らも、必ずその仏・菩薩の数の内に列なるでしょう。

名字の言 戦後の沖縄復興に尽力した志喜屋孝信氏 2022年9月28日
戦後、沖縄民政府の初代知事を務めた志喜屋孝信氏は、教育者として名高い。故郷のうるま市にはその功績をたたえ、銅像が立つ。教師時代は"ライオン先生"と呼ばれ、厳愛の指導で生徒から慕われた▼教育向上のため私財を投じ、私立中学を開校するが、沖縄戦で焼失。軍事教練の場に立ち、教え子たちを戦場へ送ってしまう。深い悔恨を残し、その自責の念を戦後の復興の誓いにした。郷土の再建に尽力した後、沖縄初の大学の学長に就き、人材育成の礎を築いた▼紀元前3世紀、インド初の統一国家を築いたアショカ大王。かつて"暴君"と恐れられたが、戦乱の地獄図を見て、痛切な後悔の念にさいなまれた。大王は仏教に帰依し、「武力による政治」ではなく、「法による統治」を行った▼インド・ガンジー研究評議会のラダクリシュナン博士は、「最初は暴君と恐れられたアショカ大王でさえ、平和の指導者へと変わることができた。自己を変革することができた」と述べ、「誰もが自分を変えることができる——そうガンジーは見た」と▼人間は必ず変わることができる。変わろうとする一念から、新たな時代の扉も開かれる——史実は、そう教える。一人の人間革命には無限の力がある。

寸鉄 2022年9月28日
開かれた精神性が学会の最大の特色—イタリア博士。差異を超え心結ぶ対話、更に
苦労なくして真の指導者は育たない—戸田先生。青年よ次代担う力今こそ
今日という日は再び来ないと思え—詩人ダンテ。日々、勤行・唱題で新生の出発
小中学生の「摂食障害」が倍増—調査。早期発見が治療の鍵。変化見逃さず
大雨の"災害便乗"詐欺に注意。「無料点検」謳い不要工事行う。呉々も警戒

☆御書と未来へ 第38回 即身成仏の唱題行こそ真の回向
〈御文〉
『過去の慈父尊霊は、存生に南無妙法蓮華経と唱えしかば、即身成仏の人なり。石変じて玉と成るがごとし。孝養の至極と申し候なり。』〈内房女房御返事、新2033・全1423〉

〈通解〉
亡くなったお父様は、存命中に南無妙法蓮華経と唱えたのですから、即身成仏の人なのです。それはちょうど、石が変じて玉となるようなものです。これこそ、最高の親孝行というべきです。

〈池田先生が贈る指針〉
妙法の功力は永遠である。生前、題目を唱えた故人が即身成仏の境涯にあることは、絶対の約束だ。追善の唱題の光明は、信心していない家族にも厳然と届く。
妙法で結ばれた我らは常楽我浄の軌道を「生も歓喜、死も歓喜」と悠々と進みゆけるのだ。
幸の仏縁を広げ、「心の財」を積み、最上の孝養をすがすがしく!

☆御書根本の大道 池田大作先生の講義に学ぶ 第20回 病によりて
◇妙心尼御前御返事
『このやまいは仏の御はからいか。そのゆえは、浄名経・涅槃経には、病ある人仏になるべきよしとかれて候。病によりて道心はおこり候なり。』(新1963・全1480)

◇勇気の指標
病気になること自体、何ら恥ずかしいことでもないし、まして人生の敗北などでは断じてありません。しかし、「自分は信心しているのに、なぜ」と疑いがもたげたり、「こんな時に病気になって」と苦しんだりする人もいるかもしれません。
だからこそ、「このやまひは仏の御はからひか」と受け止める信心が肝要なのです。偉大な妙法を持つ人が宿命を打開できないはずがありません。
◆◇◆
「道心」とは仏道を求める心です。成仏への軌道に入るということです。妙法の題目を唱え、病気に負けず、立ち向かう中で、実は、一段と大きく仏の境涯を開いていける。より深く、強く、尊く人生を生きていくことができる。そして、「病」や「老」や、「生」と「死」の実相を、恐れなく明らかに見つめられる功徳を満々と得ていけるのです。
◆◇◆
仏法では、病気は生命に本然的に具わっているものと捉えます。
病に直面して、健康の大切さ、生命の尊さを実感していくのです。自身の人生と使命を一重深く見つめ直すことができるのです。
その上で、強盛な信心、不屈の祈りで病魔と闘い、自身の偉大な境涯を築いていく姿は、皆に勇気と希望を贈ります。「病」は、即「使命」です。

◇病魔と闘い偉大な境涯築く 磯部昌継 ドクター部長
池田先生は、ドクター部の友に対して、よく「負けじ魂の善医」と呼びかけてくださいます。
「負けじ魂」といえば、強盛な信心と、医術を通して日蓮大聖人をお守りした四条金吾です。
金吾のごとく、広宣流布の最前線で戦い、自らの生命を磨きながら、どこまでも学会の同志を守り、"生命の世紀"を開く"戦うドクター部"の陣列を築いてまいります。

幸福へのプロセス
コロナ禍が長期化する中で、今こそ「生命尊厳の英知」「福徳長寿の智慧」である日蓮仏法を、先生の講義を通して学び深めていきたいと思います。今回は「妙心尼御前御返事」を拝します。
私は歯科医師として大学病院の口腔外科で臨床に従事した後、現在は自身の歯科医院で診察を行っています。特に大学病院では、口腔がんと闘う多くの患者さんの治療に携わってきました。
どんな人も、生老病死の苦悩からは逃れることはできません。
思いがけず、病気が分かり、"なぜ私が""どうして大切な今この時に"と動揺することもあるかもしれません。
先生はこの御文を拝し、病は"忌み嫌う対象"ではないと述べられ、次のように教えてくださっています。
「むしろ、かけがえのない人生の一部、それも『一生成仏』、すなわち永遠の幸福への欠かせぬプロセスであると捉えるならば、今こそ強盛の信心を燃え上がらせる『まことの時』と確信することができるのではないでしょうか」

◇「妙とは蘇生の義」
私自身、自分や家族の病を通して、このことを強く実感しています。中でも、長女の闘病は、自分にとって大きな経験となっています。
長女が生後7カ月の時、事故で脳出血を起こし、緊急搬送。手術を受け、なんとか一命を取り留めましたが、左半身にまひが残りました。集中治療室での娘の痛々しい姿に、ショックを受けました。
数カ月して退院できましたが、手足のまひを回復させるためのリハビリが始まりました。自分の病気ならまだしも、小さな体で闘う娘の姿に胸をつかれました。当初、医師からは、"今後の発育に関してはどうなるか分からない"と言われていました。
「子どもが病気をとおして親に本当の信心を教えてくれようとしている。絶対に完治させてわが子を広布の人材に育てていこう」「必ず宿命転換していこう」——夫婦して御本尊に必死に祈る中で、語り合いました。
長女はリハビリに励み、徐々に手足が動くように。「妙とは蘇生の義なり。蘇生と申すは、よみがえる義なり」(新541・全947)の御聖訓を胸に、娘の脳細胞の一つ一つに注ぎ込む思いで、真剣に祈りました。すると、年々、担当医も驚くほど、知能や運動能力が回復。まさに、蘇生の実証を目の当たりにする思いでした。現在、長女は、軽度の障害はありますが、それに負けることなく、私の歯科医院で歯科助手として勤務。また女性部では華陽リーダーとして奮闘しています。
この間、師匠と地域の同志の皆さまにどれほど支えていただいたことか。娘の姿を通して、信心の偉大さを教えていただいたと、感謝の毎日です。

◇価値創造の戦い
先生はさらに、「偉大な妙法を持つ人が宿命を打開できないはずがありません」と強調されています。
病気になった時、「必ず意味がある」と捉えるからこそ、新しい価値創造の戦いが始まります。また、そこに病魔に打ち勝つ鍵があると思います。
また先生は、9月号の「大白蓮華」の巻頭言の中で、仏法は最高の道理であるからこそ、基本の励行を改めて確認されました。具体的には、
・張りのある勤行と献身の行動
・無理と無駄のない生活
・教養のある食生活
・睡眠を十分にとること
・時を逃さない早めの検診や治療
そして、「広宣流布を遂行する、かけがえのない宝器たる我が身を守り抜いていくことだ」と呼びかけてくださっています。
自らの健康を守ることが、広宣流布につながっていく——この確信で、聡明で豊かな生活を心がけ、創立100周年へ、はつらつと前進していきましょう。

◇メモ
「妙心尼御前御返事」は、病の夫・高橋入道を見守り支える妙心尼に対して、厳愛の励ましを送られたお手紙。夫妻は、駿河国(静岡県中央部)の富士方面に住む門下で、高橋入道は、この時期、重い病だった。