「かしこへおしかけ、
ここへおしよせ」御聖訓。
勝負は「勢い」で決まる。
どこまでも攻めの一念で
対話の旋風を起こそう!
(新600・全502)
可延定業書 P986
『きわめてまけじたまし(不負魂)の人にて我がかたの事をば大事と申す人なり』
【通解】
(四条金吾殿は)極めて負けじ魂の人で、自分の味方(信心の同志)のことを大切にする人です。
名字の言 再び開花の時を迎えた福島のハマヒルガオ 2022年6月25日
先日、福島県浜通りに住む通信員の方から一葉の写真を頂戴した。写っていたのは、浜辺に群生する淡いピンク色のハマヒルガオである▼その浜辺は東日本大震災で津波被害に遭い、ハマヒルガオも砂ごと押し流された。しかし、蘇生を願う地元の住民が植栽運動を実施。地道に取り組んだ結果、"初夏の風物詩"は再び開花の時を迎えた。それは、思いをつなぐ人々の努力が紡いだ"奇跡の風景"ともいえる。ハマヒルガオの花言葉は「絆」である▼ある女性部員には長年、仏法対話を継続してきた友人がいた。会合には参加してくれるものの、入会には至らず、半ば諦めかけていた時、女性部の先輩から声を掛けられた。「諦めとは、信心の無限の可能性を閉ざしてしまうこと。大切なのは、相手の仏性を信じ抜くこちらの一念よ」▼その後、心新たに唱題を重ねる中で友人の心境に変化が。「私の幸せを祈り続けてくれた、あなたの真心に報いたい」と、今春、16年越しの対話が実った。今、二人で仲良く広布拡大に駆ける▼池田先生はつづった。「誰もが心一つで、明るい対話の花も、楽しい友情の花も、豊かな文化の花も、生き生きと咲かせていける」。その開花の時をつくる力は、わが胸中にある。
寸鉄 2022年6月25日
青年の心を揺さぶるのは青年の叫び—戸田先生。社会変革の情熱は伝わる
兵庫が師子奮迅の猛攻。世界一の"カンサイ・スピリット"で大逆転へ!
団地部の日。信頼と友好広げる模範の友。「地域の灯台」と輝く福徳の賢者
男性の日傘利用に肯定的—8割。"メンズ商品"も続々と。熱中症対策、賢く
公明が連立にいるから教育支援を力強く推進できる—教授。政治は実現力
〈社説〉 2022・6・25 想像以上に危険な「歩きスマホ」
◇小さな油断排し無事故の日々を
今や、多くの人が手にするようになったスマートフォン(スマホ)。NTTドコモモバイル社会研究所が実施した、都道府県別の人口比率で分けた7050人への調査によると、スマホの所有比率は、2010年には4・4%だったが、22年を迎えた時点では94%に達したことが分かった。
カメラ機能や音楽プレーヤーとしての機能、インターネット接続などの利便性の向上が、急速な普及につながったといえようか。
その一方で、社会問題となっているのが、いわゆる「歩きスマホ」による事故の多発だ。
東京消防庁によると、15年から19年までの5年間で「歩きながら」「自転車に乗りながら」など、歩きスマホ等の事故によって、211人が救急搬送され、うち34人が入院の必要がある中等症以上と診断されている。事故と報告されない事例は、はるかに多いだろう。
愛知工科大の小塚一宏名誉教授の研究によると、スマホの画面を見ながら歩くと、視界が「20分の1」になるという。つまり、通常より95%の視野を失った状態である。当然、衝突や転倒といった危険に遭遇する可能性が増す。また、両手か利き手でスマホを操作していれば、転倒した際、とっさに手をつくことが難しくなる。
周りが見えていないゆえに、壁や人とぶつかる、階段や駅のホームから転落・落下する、赤信号に気付かずに車と接触する等々の命に関わる事例がある。さらに周囲の人を巻き込んでしまう事故もあり、中には多額の損害賠償責任や刑事責任を課せられたケースも。事態を憂慮し、公共の場所での歩きスマホを規制する条例を定めた地方自治体もある。
私たちは、まず自分の意識から「このくらいは平気だろう」という小さな油断を排したい。それが大きな事故を防ぐことにつながる。池田先生は教えている。「小さなミスや小さな手抜きが、魔のつけ込む隙を与え、取り返しのつかない大事故を生むのだ。ゆえに、小事が大事なのである」と。
外に出たときには、スマホで地図を確認したり、SNSで誰かと連絡を取り合ったりすることもあるだろう。自分も周りも守っていくために「歩きスマホは厳禁」、「スマホを使用するときは立ち止まって安全な場所で」と徹底し、無事故の日々を送っていきたい。
☆共生の地球社会へ〜仏法の英知に学ぶ テーマ:海洋環境を守る
登場人物
【娘・ミライさん】好奇心旺盛な女性部員。世の中の出来事について、父・ホープ博士と語り合うことを楽しみにしている。
【父・ホープ博士】勉強熱心な壮年部員。毎月1回、家族と一緒に教学を研さんしている。「博士」はニックネーム。本業は会社員。
◇充足を得る生き方に転換を
ホープ 今月27日から、ポルトガルのリスボンで「国連海洋会議」が行われるよ。今、国際問題となっている海洋汚染や乱獲など、海洋環境をどう守るか議論される予定なんだ。
ミライ SDGs(持続可能な開発目標)では、目標14「海の豊かさを守ろう」を掲げているね。
ホープ 私たちにとって、海は食料を提供しているだけでなく、新たな薬品資源を見つける場所としても注目されているんだ。
海は、多種多様な生物の宝庫でもあるよね。ところが、世界の海に流れ込むごみの量が増え続けて、自然環境と経済に大きな影響を及ぼしている。
ミライ 海の汚染はどれくらい進んでいるの?
ホープ 例えば、海に流出しているプラスチックごみは、毎年800万トンに及ぶといわれ、これはジャンボジェット機5万機分の重さに相当するんだ。海洋汚染の対策を強化しないと、2050年には海中のプラごみの重量が、海の魚の総量を超えてしまうかもしれないんだよ。
ミライ 海鳥やウミガメが、5ミリ以下の「マイクロプラスチック」を誤って飲み込んでしまい、弱っている映像を見たことがある。
マイクロプラスチックは化学物質を吸着しやすいから、有害な物質を媒介して、海の生き物や生態系に悪影響を与えかねないようだね。私たち人間への影響も心配だよ。
ホープ プラスチックは軽くて丈夫で、加工もしやすいから、幅広く活用される優れた素材だよね。医療をはじめ、私たちの生活の質を大きく向上させている。
けれども、不法投棄やポイ捨てによって正しく処理されないことで、自然界に残り続けてしまい、事態が深刻化しているんだ。
こうした状況を踏まえて、本年3月、国連環境総会でプラごみの海洋汚染などについて、国際協定を作る決議が採択されたんだよ。これまで、海や河川への流出を規制する国際条約がなかっただけに、これからの推移に注目したいね。
◇本当の豊かさ
ミライ 海洋汚染の実態に直面すると、私たち人間が、「快適さ」「便利さ」「利益」を優先するあまり、環境保全を蔑ろにしてきたことを、深く考えさせられるね。
ホープ そうだね。自然への影響を無視して資源を浪費し続けていては、地球環境や私たちの暮らしの持続可能性が危ぶまれる一方だ。
大量生産・大量消費では、本当の豊かさが得られないことは明らかだよね。
だから、人間が本来もつ「欲望」をどう制するかが焦点なんだよ。
釈尊は、人間の欲望が際限ないことを「たとえ貨幣の雨を降らすとも、欲望の満足されることはない」と表現しているよ。(『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村元訳、岩波書店)
さらに仏教では、欲望が肥大することで、自他の生命を傷つけ、破壊させる状態を「貪欲」と呼ぶんだ。
ミライ 貪欲に支配されないために、仏法の智慧に学んでいきたいね。
◇少欲知足
ホープ 法華経にも「少欲知足」と説かれているよ。欲望の肥大化をコントロールすること(少欲)で、得られたもので満足する生き方(知足)を教えているんだ。
対して、富や財に恵まれているようであっても、欲望に支配されてしまえば、人間として「不知足」であり、本質的には貧しいと考えるんだ。
ミライ 苦しみながら嫌々、節制したり、人から強制されたりしても、充足は得られないし、長続きしない。誰もやりたがらないよね。
「少欲知足」は、幸福を感じつつも、節度ある"ちょうどいい"生き方を教えているんだね。多くの人に共感を広げ、行動に変化をもたらすメッセージが込められているね。
ホープ 日蓮大聖人は、「(唱題する時)煩悩という薪を焼いて、菩提(悟り)という智慧の火が現れるのである」(新987・全710、通解)と仰せだよ。
池田先生は、この御文を拝して、欲望をコントロールしながら、より大きな目的のために転じていく生き方を、「欲望そのものを『滅する』ことを目指すのではなく、欲望の源にある"自分を取り巻く状況を何とかしたい"という生命のエネルギーを、自己の利益のためだけでなく、『自他共の幸福』に資する方向へと向け、『質的転換』を図ること」と示されているよ。(『地球革命への挑戦』潮出版社)
ミライ どこまでも人間の可能性に光を当てる、仏法の法理に希望を感じるよ。
実際、海洋汚染に立ち向かおうと、自然界で分解される植物由来のプラスチックの開発が進むなど、新たな兆しも出てきているよね。
ホープ 自他共の幸福を目指す仏法者として、一人一人が希望を持ち続け、自然環境に貢献的なライフスタイルを確立し、海洋汚染の改善に向けて行動を変えていこうね。
◇御文
『煩悩の薪を焼いて、菩提の慧火現前するなり。』(御義口伝、新987・全710)
◇メモ
爾前経では、煩悩を不幸の原因と捉え、煩悩を断じ尽くすことを説いてきました。しかし、煩悩、欲望を離れて人間はありません。大切なのは、その欲望にとらわれることなく、むしろ成長と幸福のバネにする信心です。
"どうすれば良い社会になるのか"といった悩みも煩悩の一種。信心を根本に、煩悩を薪のように燃やしていけば、智慧が湧き出て、必ず前進への原動力に転じることができるのです。
[コラム:"いま"を知る]人道的競争の時代
学生が就職先を選ぶ上で、興味深い結果がある。2024年に、卒業を控える大学生・大学院生のうち、「企業がSDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいることを知ると、志望度が上がる」と回答した学生は7割弱に及んだ(あさがくナビ調べ)。一方で、企業のSDGsへの取り組みを、"一時のブームに乗っているだけではないか?"と見る学生の目は真剣だ。
初代会長・牧口常三郎先生は大著『人生地理学』で、人類の発展を、軍事的・政治的・経済的競争を経て、「人道的競争」の時代へ移ると予見された。現代の諸課題を見渡せば、他者や自然環境の犠牲の上に、人類の幸福と繁栄が得られないことは明白である。
同著発刊から100年以上たった今、SDGsが普及し、誰も取り残さない社会をつくろうと、多様な取り組みが広がっている。「他のためにし、他を益しつつ自己も益する」との、人道的競争の理念を実践する日々でありたい。