2020年3月8日日曜日

2020.03.08 わが友に贈る

心に師を持つ人は強い。
苦しい時も楽しい時も
「師ならどうするか」
自身に問い掛けながら
無限の向上の歴史を!

上野殿御消息 P1527
『されば昔は一切の男は父なり女は母なり然る間生生世世に皆恩ある衆生なれば皆仏になれと思ふべきなり』

【通解】
ですから、昔(過去世)は一切の男が父であり、女は母なのです。そういうわけで、生々世々に皆、恩のある衆生なのですから、皆が仏になれるようにと願うべきなのです。

名字の言 イソップ童話「うさぎとかめ」。世界ではどう読まれている? 2020年3月8日
イソップ童話の「うさぎとかめ」は、足の速いウサギと遅いカメが競走し、油断して眠ったウサギに、カメが勝利する物語。ゆっくりでも着実に前進する大切さを伝える話とされる▼童話は世界的に有名だが「人や国によって解釈が異なるようです」と、取材先の識者が教えてくれた。ある国際会議で彼が童話の教訓を話すと、エジプトの学者はウサギとカメの競走自体が愚かだと力説。ウサギにもカメにもそれぞれ良さがあることから、「個性の尊重」が童話の真意ではないかと述べた▼一方、タイの学者は「共に生きる」がテーマと主張した。ウサギが横たわっているのに、なぜ声を掛けないのか。眠っているだけならいいが、病気やけがだったら大変だ。そんな時はウサギを起こして一緒にゴールを目指すことを子どもたちに教えたい、と▼「着実な前進」「個性の尊重」「共生」——同じ話でも国や文化が異なれば受け止め方も違う。とはいえ、どれも知恵に満ちた興味深い観点。捉え方の"違い"は"豊かさ"ともいえよう▼心の状態によって現実は姿を変える。御書に「浄土と云ひ穢土と云うも土に二の隔なし只我等が心の善悪によると見えたり」(384ページ)と。伸びよう、学ぼうという心がある限り、どんな状況も成長の好機に変えられる。(燦)

寸鉄 2020年3月8日
「災来るとも変じて幸と為らん」御書。変毒為薬の信心。確信の祈りで前進
芸術部の日。妙法の名優の活躍は同志の誉れ!更なる高みへ心と技を錬磨
国際女性デー。婦人部・女子部こそ「女性の世紀」の太陽。皆様に福徳あれ
本紙届ける「無冠の友」に心から感謝。地道な献身ありて希望哲学は社会へ
日本人の睡眠時間は世界最短と。心身の不調の元。生活リズムの見直し賢く

☆中央ミンダナオ大学の名誉博士号授与式 池田先生の謝辞
一、本日、「教育の大国」フィリピン屈指の名門学府より、最高に誉れある「名誉教育経営学博士号」を賜りました。
この栄誉を、模範の良き国民、良き市民として地域社会の発展に貢献を貫く、わがフィリピンSGIの不二の宝友と共に拝受させていただきます。
そして、平和の信念の人間教育者として、貴国をはじめアジアを深く愛し、「地球民族主義」の理念を提唱した、わが師・戸田城聖先生に謹んで捧げさせていただきたいのであります。
恩師の生誕120年に当たり、弟子としてこれほどの光栄はございません。
デリへ学長はじめ諸先生方のご厚情に、心より御礼を申し上げます。
誠に誠に、ありがとうございます(拍手)。

◇大山の如く厳然たる未来の指標
一、貴大学は、1910年設立の農業学校を淵源とし、世紀を超えて幾多の卓越した人材を育成してこられました。
山は人を育て、人を高みへ導きます。
まさしく校章に描かれた、秀麗なムスアン山の如く、ミンダナオの天地に聳え立つ教育の大山として厳然と、また悠然と青年を薫陶されるとともに、崇高なる未来への指標を明確に示されてきたのであります。
高度な教育・研究機関の充実を通して、地域の産業の発展や医療への貢献とともに、緑化をはじめ環境の改善に寄与してこられたことも、感銘深く伺っております。教員やエンジニアなど国家試験の合格率でも極めて高い評価を勝ち取ってこられました。
英邁なるデリへ学長のリーダーシップのもと、貴大学は「持続可能な地球環境と人道的な社会の創造のための全人教育に取り組み、アセアンをリードする」とのビジョンを掲げて、前進されています。
私は心からの共鳴を禁じ得ません。

◇民衆の大地を潤すのは「青年」
一、実は、この1月、発表した提言で、私は気候変動などの未曽有の危機も、時代の潮流を転換させるチャンスに変えることができるとの信条を吐露しました。
そして人類が共に直面する試練をグローバルな行動の連帯を生み出す触媒へ転じていく要として、青年と大学に光を当てたのです。
その意味において、貴大学の先駆の挑戦に学びつつ、新たな潮流を強め広げゆく三つの希望の力を確認し合いたいと思います。
第一の希望は、青年への信頼と励ましの力であります。
貴大学の校歌には、青年の学びと貢献の力への信頼が高らかに謳われております。
「私たちは今、偽りの心なく/あなたの泉から湧き出る水を飲む/わが愛する祖国に尽くせるよう/自らを備えるために」とあります。
貴大学の満々たる「知性の泉」から、若き逸材は生き生きと英知を湧き出しながら、力強く民衆の大地を潤してきたのであります。
その青年の向学と献身をいやまして高める原動力こそ、デリヘ学長が率先して続けておられる学生一人一人への励ましではないでしょうか。
学長が学生たちの輪の中に飛び込んで、ある時は「探究の先輩」として、また、ある時は「慈愛の父」として、激励をされている姿はまさに人間教育の鑑であります。
私は、偉大な民衆教育の先人でもあった、貴国のホセ・リサール博士が、皆の前で褒められた子は、翌日、それに倍する勉強をして登校してくるというエピソードを紹介されていたことを思い起こします。博士は「自信が英雄的事業を生む」(岩崎玄訳『ノリ・メ・タンヘレ—わが祖国に捧げる—』井村文化事業社)と論じておりました。
私の恩師も青年を信じ、一切を青年に託してくださいました。その信頼と励ましがあればこそ、私たちは思う存分の力を発揮できたのであります。
この人間教育の希望の連鎖を、私たちは一段と強め、拡大していきたいと思います。

◇「希望の太陽」はわが生命に
一、第二の希望は、不屈の楽観主義が生み出す建設のエネルギーであります。
10年前、わが創価学園、創価大学にお迎えしたデリへ学長が、不屈の楽観主義で青春の苦闘を勝ち越えられた足跡を通し、大いなる勇気を若き生命に贈ってくださったことも、忘れ得ぬ思い出です。
人生も社会も、いたずらに不安や悲観や落胆などに流されず、いかに前進の一歩を踏み出していくか。
45年前、共に対談集を発刊した、大歴史学者のトインビー博士とも、人類が、いかなる試練にも屈せず、新たな生命尊厳の文明を創造していく21世紀を展望し合いました。この博士が、どんな苦難もはねかえす活力と楽観主義を見いだして感嘆されていたのが、貴国フィリピンの民衆だったのであります。
フィリピンSGIの友と私の合言葉の一つも「希望の太陽」であります。
時代の闇が深ければ深いほど、明るく朗らかな歌声を忘れずに、一人一人の生命から「希望の太陽」を昇らせ、建設のエネルギーを漲らせていきたいのであります。

◇友情の絆強めて調和の世紀を
一、第三の希望は、世界の大学の連帯の力であります。
貴国フィリピンには、高貴な伝統精神たる「パキキサマ(友情)」「パグカカイサ(団結)」の心が脈打ってきました。それは、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の根本理念である「誰も置き去りにしない」とも強く共鳴しております。
デリヘ学長をはじめ貴国の教育界の先生方と手を携えて、大学の交流を幾重にも結ぶ中で、この貴国の開かれた心の大きさと温かさに感服してきた一人であります。
学長が確信されている「結合と協力の圧倒的な力」を、私もまた信じてやみません。
今年の提言で、私はSDGsの達成期限である2030年へ"青年行動の10年"ともいうべき波を起こすことを呼びかけるとともに、世界の大学の取り組みに期待を託しました。
創価大学も「国連アカデミック・インパクト」の一員として挑戦を開始しております。
貴大学との尊き「パキキサマ(友情)」「パグカカイサ(団結)」の絆を強めながら、人道と調和と共生の世紀の建設へ、共々に邁進しゆくことをお約束し、謝辞とさせていただきます。
愛するフィリピン共和国に、無窮の繁栄と平和あれ! マラミン・サラマッポ!(フィリピノ語で「誠にありがとうございました!」)(大拍手)