2020年3月6日金曜日

2020.03.06 わが友に贈る

「大悲とは母の子を
思う慈悲の如し」
不安や心配を抱く友に
どこまでも寄り添おう。
同苦こそ仏法者の魂だ。

経王殿御返事 P1125
『法華経の功力を思ひやり候へば不老不死目前にあり』

【通解】
法華経の功力を思うと、不老不死は目前にある。

名字の言 リオ五輪前にもブラジルで感染症が広がった。同国政府の対策とは? 2020年3月6日
ジカ熱がブラジルで広がったのは、同国で開催された2016年の五輪の前のことだった。ウイルスを媒介する蚊の繁殖を抑制することが、最も有効な対策とされた▼ブラジル政府が力を入れたことの一つが、国民の協力を得ること。ある時には、軍に所属する22万人が全国356都市で啓発活動を展開。家庭や商店などを一軒一軒回り、啓発用のパンフレットを配布しながら、植木鉢に不用な水をためないなど、蚊の繁殖を防ぐことを訴えた▼人類の歴史は「感染症との闘い」ともいわれる。そのためには国を挙げた対策が肝要である。さらに、感染症に国境は関係ないという認識に立って、今こそ国際社会が協調して事態を打開する時であろう。「SDGs(持続可能な開発目標)」にも、感染症への対処が掲げられている▼東北大学大学院の押谷仁教授は本紙のインタビュー(2016年5月8日付)で、「他国を守ることが自国を守ることにつながり、逆にそれができなければ自国も危険にさらされる。もはや自国だけを守ればいいという感染症対策はあり得ません」と指摘している▼社会の安寧と個人の幸福は不可分と捉えるのが、日蓮仏法の立正安国の思想である。自他共の幸福を強く祈りつつ、今、自分にできることを実践しよう。(嶺)

寸鉄 2020年3月6日
御書の研鑽は人生勝利の土台を築く。今こそ剣豪の如く学び深める日々を
指導とは激励なり—恩師電話や手紙などで目標を共有し、祈り、共々に前進
偽情報は真実より早く多く拡散—研究。何事も情報源を確認し賢明に対応
子供の携帯に閲覧制限、いまだ約37%。親の意識向上で被害の芽を摘もう
法律改正で「あおり運転」を厳罰化へ。危険行為は許さない!社会から根絶

☆ONE GOSHO この一節とともに! 御義口伝 2020年2月29日
◇誠実に語れば信頼広がる
戸田先生は、「折伏すれば信用が残る」と語られた。どういうことだろうか。今回の「ONE GOSHO この一節とともに!」では、不軽菩薩を通して、仏法の対話の姿勢を学ぶ。

◇御文
『不軽菩薩の四衆を礼拝すれば上慢の四衆所具の仏性又不軽菩薩を礼拝するなり、鏡に向って礼拝を成す時浮べる影又我を礼拝するなり』(御書769ページ)

◇通解
不軽菩薩が四衆(出家・在家の男女)を礼拝すれば、増上慢の四衆の仏性もまた同時に不軽菩薩を礼拝するのである。これは、ちょうど、鏡に向かって礼拝をする時、そこに映っている自分の影もまた、自分を礼拝するのと同じ原理である。

◇背景
「御義口伝」は、日蓮大聖人が身延の地で法華経の要文を講義された内容を、日興上人が筆録し、大聖人の許可を得て完成したものと伝えられている。
各項目では、法華経の一節を挙げ、天台大師等の釈を引用した上で、「御義口伝に云く」と、末法の御本仏のお立場から法華経解釈を展開されている。
今回の拝読御文は、「常不軽品三十箇の大事」の「第廿九 法界礼拝住処の事」の中の一節である。
不軽菩薩は、法華経常不軽菩薩品第20に説かれる釈尊の過去世の姿であり、威音王仏の像法時代の末に、万人を礼拝する菩薩行を実践した。
慢心の人々から迫害を受けたが、礼拝行を貫き通し、この修行が因となって成仏した。

◇解説
不軽菩薩は、縁した全ての人に対し、礼拝・賛嘆して、「私はあなたたちを敬う。なぜなら、あなたたちは菩薩の修行をすれば、仏になるからです」と語り掛けていった。
ところが、人々は不軽菩薩に対して"余計なお世話だ"とばかりに反発し、悪口罵詈や暴力による迫害を加えてきた。
しかし、不軽菩薩は決して怯まなかった。「私は、あなた方を軽んじません。皆さんは必ず仏になる人なのです」と礼拝し続けた。そして不軽菩薩は「六根清浄」(目、耳などの感覚・認識器官が清らかになること)の功徳を得る。
一方、不軽菩薩を迫害した人々は長い年月を経た後で、不軽菩薩に信伏随従した。
御書に「今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る行者は末法の不軽菩薩なり」(765ページ)と仰せのように、日蓮大聖人もまた、いかなる迫害に遭おうとも不軽の実践を貫かれた。
拝読御文は、不軽菩薩が迫害してくる人々に礼拝すると、その相手の仏性が不軽を礼拝し、敬うことを述べられている。それは"鏡に向かっておじぎをした時、その鏡に映る自分も、こちらに向かっておじぎするようなものである"と示されている。
仏法を語れば、さまざまな反応があろう。たとえ、「興味がない」「自分には必要ない」と反発されたとしても、友の仏性を信じて祈り、対話を続けていけば、真心は必ず通じる。人として信頼される。最後には、共に幸福の道を開いていくことができるのである。
戸田先生の「折伏すれば信用が残る」との言葉は、相手の仏性を信じ抜く誠実な振る舞いは、必ず相手の心に通じていく、という不軽菩薩の"対話の実践"を表しているといえよう。
とはいえ、何度、対話に挑戦しても、なかなか相手に思いが届かず、悩むこともある。
小説『新・人間革命』第25巻「共戦」の章には、延べ22日間で世帯数を約10倍に拡大した山口開拓指導の場面が描かれている。
なかなか弘教が実らないと落胆する同志たちに対し、山本伸一青年は使命の自覚を促した。
「私たちの下種活動は、現代において、不軽菩薩の行を実践しているんです。すごいことではないですか!」
「皆さんは、現代の不軽菩薩であり、また、地涌の菩薩です。そして、日蓮大聖人と同じ仏道修行の大道を歩んでいるんです」
その指導に接した同志たちは皆、新たな決意で折伏に飛び出していった。その熱意や真心が、批判的だった相手の心を動かし、弘教が次々に結実していったのである。
「伝統の2月」から広布後継の「3・16」へ、私たち男子部は地涌の使命に燃え、どこまでも一対一の誠実な対話を貫いていきたい。