常に学ぼうとする人に
行き詰まりはない。
豊かで美しい人生を
力強く歩んでいける。
生涯求道の挑戦者たれ!
御義口伝巻下 P753
『無作の三身をば一字を以て得たり所謂信の一字なり』
☆女性に贈ることば 八月十二日
いかに生きたか。いかに世の中の役に立ったか。
無名であっても、立派な家に住んでいなくても、誠実に、人びとのために尽くしていく人こそ、心の財宝を積んでいける。
その人こそ、本当の幸福を実感できる。
☆今日のことば365 八月十二日
流行は、知識として知っておくことが必要である。それは、時代を知るうえでも大切なことといえる。流行はもっとも端的に、時代の風潮を象徴しているといえるからである。
☆世界写真紀行 第20回 オーストリア・ウィーンの街並み 2017年7月31日
◇文化は人間を高める光
一つ一つの建物が、壮麗な宮殿のようだ。中世の面影を残す街並みに、世界中から訪れる人が絶えない。オーストリアの中でも、ここは格別の香気に満ちている。
芸術の都・ウィーン。
ドナウ川が市の中央を流れ、古来、交通の要衝として発展した。13世紀にハプスブルク家が統治するようになると、ヨーロッパの政治・経済、そして文化の中心地に。ハイドン、モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、ブラームスら、名だたる音楽家が活躍した。芸術・文化を大切にし、守ろうとする気風は今も変わらない。
池田先生は、これまでに3度、このウィーンを訪れている(1961年、81年、92年)。2度目の訪問となった81年5月には、ウィーン国立歌劇場で、同歌劇場のゼーフェルナー総監督と会見した。
この前年、民音の招聘による同歌劇場の日本公演が行われた。世界的なソリスト、指揮者、ウィーン国立歌劇場管弦楽団、合唱団など、総勢350人の"引っ越し公演"は、各界から大きな反響を呼んだ。
先生が日本公演への深い感謝を述べると、ゼーフェルナー総監督は公演の大成功を喜んだ後、民音の文化交流事業に高い評価を寄せた。
"ウィーンの象徴"ともいうべき同歌劇場。かつて戦火に見舞われたことがあった。第2次世界大戦中、45年3月の空襲である。街全体が大きな被害を受けたが、その時、ウィーン市民は「パンよりもオペラを」と叫び、同歌劇場の再建を望んだといわれている。
そうした市民の声に応えるように、同年5月にドイツが降伏して戦火が収まると、同月末には同歌劇場の建設が発表され、10年後に完成した。ウィーンの復興は、まさに"文化の復興"から始まったともいえよう。
池田先生は、著名な声楽家でオーストリアの文部次官を務めたサイフェルト博士との対談で、ウィーンの歴史に触れ、次のように述べている。
「文化が結ぶ『心の橋』は壊れない。文化は永遠性のものであり、利害は変転をまぬかれないからです」
「本来、文化とは生き方です。心より湧き出ずるものであり、また、内面に肉化すべきものです。断じて文化を権力の『道具』にさせてはならない」
「文化には、精神を高めゆく力があります。争いや破壊を押しとどめ、人々の心を平和へと昇華させゆく潮流を生み出すことができます。だからこそ、生命を深く豊かに耕す、創造性あふれる文化的社会、人間的社会を築いていかねばなりません」
一人一人の精神を啓発し、大目的へ向かって切磋琢磨する。苦悩する人にどこまでも励ましの光を送り、共に人生勝利へ立ち上がる——学会活動もまた、偉大な文化運動といえる。
永遠に崩れない人間共和の城は、地道な対話と励ましの力で建設されていく。