◇今週のことば
光の未来部は
「法華経の命を継ぐ人」
全員がダイヤモンドだ。
真心の励ましの声で
宝の命を輝かせよう!
2017年7月10日
四条金吾御書 P1176
『かへらむには第一心にふかきえうじん(用心)あるべし、ここをばかならずかたきのうかがうところなり』
☆女性に贈ることば 七月十日
自らが決めた道を歩めること自体、幸福なのである。ゆえに、健康な時に労を惜しまず、働くことである。努力することである。前進することである。
☆女性に贈ることば 七月十日
私は バラ色の人生を欲しない
真の頂上という人間の限界に
挑戦しゆくところに
処女峰が見いだせることを
知ったからだ
☆世界写真紀行 第16回 オランダの風車 2017年6月15日
◇一日一日、勝利の旗を
ゆるやかな流れに沿って点在する風車。大小の水路に潤された草地が、陽光を浴びて黄金色に輝いている。まるで"おとぎの世界"のようだ。
オランダの首都アムステルダム近郊。
のどかな風景とは対照的に、同国の歴史は絶えざる「水との戦い」だった。
正式な国名は「低地の国」を意味する「ネーデルラント王国」。面積は日本の九州ほどだが、その4分の1は海面より低いため、常に水害の危険にさらされてきた。
15世紀に最初の風車が建造され、国土を広げるため、湖の干拓が始まる。堤防を築いて水を閉じ込め、風車の力で水を堤防の外へくみ出すのだ。16・17世紀には至る所に風車が立ち、大きな湖の干拓が次々と進められた。
こうして、しばしば大洪水に見舞われながらも、商業をはじめ、農業・工業の発展によってオランダは黄金時代を迎えるのである。
池田先生は、オランダの干拓の歴史に触れ、次のように述べている。
「オランダの人たちは、人間の知恵と努力への信頼度が高い気がする。簡単に『しかたがない』とは、あきらめないのだ」
オランダの美しい大地には、不撓不屈の精神が息づいているのである。
1967年5月、先生がオランダを訪れた。61年に続き、2度目の訪問だった。
当時の同国のメンバーは、わずか5人。しかし先生は、未来の大発展を展望して、支部を結成する。
この時の模様が、小説『新・人間革命』第12巻「新緑」の章につづられている。
友を宿舎に招き、近況に耳を傾ける山本伸一会長。
仕事を失ったという青年には、力強く励ました後、こう語り掛けた。
「人生の戦いというのは"もうだめだ"と思ったところから、どう立ち上がっていくかにある。そこから、本当の勝利への飛翔が始まるんだ」
また伸一は、リーダーの団結の重要性を確認した上で、拡大の要諦に言及する。
「広布の戦いは持続です。苦労に苦労を重ねて、あと一歩というところまで来ても、気が緩み、手を抜けば、そこから崩れてしまう」
「決して油断したり、あきらめたりするのではなく、闘魂を、情熱を、いや増して燃え上がらせ、一つ、また一つと、着実に勝利の旗を打ち立てていくことです」
油断せず、そして諦めず。一つ一つ、着実に——師の指針は、「水との戦い」を繰り返してきたオランダの友の胸に強く響いたに違いない。
以来、友は新たな広布拡大への挑戦を開始。団結第一で、一人また一人と粘り強く対話を重ね、地域に友情と信頼を広げた。83年には、ルベルス首相(当時)と池田先生の会見が実現した。
支部結成から本年で50周年。現在、オランダSGIは、5方面37支部に発展。社会に平和と人間主義の光を発信している。
広宣流布は、永遠に仏と魔との激しい戦いである。どんなに努力を重ねてきても、"何とかなるだろう""たぶん大丈夫"などという心の緩みがあれば、一気に崩れてしまいかねない。
何があろうと前進をやめないことだ。強盛な祈りを根本に、一日一日、知恵を絞り、仏縁の拡大に全力を挙げる。そして一日一日、勝利の旗を厳然と打ち立てていく——。その着実な積み重ねが、偉大な栄光の扉を開く。
☆世界写真紀行 第17回 ヒマラヤ山脈 2017年6月30日
◇執念と団結で最高峰へ
白雪を冠した鋭い峰々。近づく者を拒絶するかのような荒々しい山肌。堂々たる王者の風格である。
世界の屋根・ヒマラヤ。
西はインダス川から、東はブラマプトラ川まで東西2400キロに及び、中国・ブータン・ネパール・インド・パキスタンにまたがる大山脈。世界最高峰のエベレストをはじめ、8000メートルを超える山が10以上も連なる。
「ヒマラヤ」の名は、サンスクリット語のヒマ(雪)とアーラヤ(蔵。音写は阿頼耶)が結合したものといわれる。仏典や御書に見られる「雪山」という言葉も、このヒマラヤを指す。古来、人々は深い畏敬の念をもって、この山々を仰いできた。
1979年2月、池田先生は飛行機の中から、ヒマラヤを見つめた。山頂は雲海を突き抜け、王者の冠のように、美しい光を放っていた。
先生はその時の印象を、詩に謳っている。
「烈風吹けども微動だにせず/極寒の吹雪も避けることはない/毅然として堂々/高く高く屹立するその勇姿/万人を魅了してやまぬ気高さに/かつて何人の登山家が/その高峰をきわめんと/挑戦を重ねたことか」——。
人類がエベレストを制覇したのは53年5月29日。イギリス登山隊に参加したヒラリーとシェルパ(案内人)のテンジンが初登頂に成功した。
零下20度を超える寒さ。風速40メートルの強風。酸素濃度は地上の3分の1しかない。
ヒラリーは、ヒマラヤを見上げた時の心境を、後に記している。
「とても登れないよ、と頂上はいう……。不可能? 人間の精神にとって不可能なのか? そこで戦いはまじえられるのだ」(白川義員著『ヒマラヤ』小学館刊所収のヒラリー卿の特別寄稿から)
それでも登山隊は、敢然と山頂を目指した。そして人類の歴史に燦然と輝く、新たな一ページを刻んだのである。
池田先生は、イギリス隊の登頂成功の要因について、次のように語っている。
第一に、早くからの準備に徹したこと。第二に、先入観を捨て、先人が避けた険しいコースを、あえて選んだこと。
さらに、こう強調した。
「『頂上を必ず極めて見せる』との中心者の断固たる執念が、一貫して隊員を支えた。一念三千である。リーダーの『断じて登ってみせる!』との強い精神が、隊員の心に『勇気の炎』をともし続けたのである」「何よりも大きな勝因は『チームワークの良さ』にあった。仲が良かった。がっちり連携が取れていた」
リーダーの不屈の一念と、互いを守り合う団結の力によって、未聞の偉業は可能になったのである。
人生にも、また広宣流布の途上にも、越えなければならない山がある。
登攀の道は険しいかもしれない。"これは無理だ"と思うような難所もあろう。さらに頂上を目前にしたときほど、精神的にも肉体的にも最も苦しいに違いない。
しかし、それは最高峰に挑む人だけが味わうことのできる、誇り高い苦しみなのだ。
その時こそ、リーダーは断固たる執念で勇気の師子吼を響かせ、皆を鼓舞するのである。使命の同志と明るく励まし合いながら、再び勝利へと立ち上がるのである。
途中で歩みを止めてしまえば、頂上からの景色は望めない。何があろうと前進し続ける人に、創価の凱歌の頂が待っている。