「蘭室の友に交りて
麻畝の性と成る」
人間同士の交流が
互いを磨き 高め合う。
善友の絆をひろげゆこう!
十字御書 P1492
『わざわいは口より出でて身をやぶるさいわいは心よりいでて我をかざる』
☆女性に贈ることば 五月二十四日
コンプレックスは、あなたが強く生きていく力となる。すべてのコンプレックスが、あなたの力となる。
コンプレックスに苦しまなかった人は、繊細な心のメロディーがわからない。
コンプレックスで悩んだ分だけ、いじめられた分だけ、心のひだは深くなる。心の響きも豊かになり、人の心がわかる人間になれる。
☆今日のことば365 五月二十四日
平凡なことであるが、およそ対話を抜きにして人間生活は考えられない。否、今日のような殺伐とした時代にあっては、対話こそが、人間の人間に対する不信感を、信頼感に一変させ、あらゆる隔絶を埋める、救いの手段といってよい。
☆国連食糧農業機関(FAO) ダ・シルバ事務局長に聞く 2017年5月18日
◇協調的な世界築く学会の運動に期待
9日から12日まで来日し、政府関係者や議員との意見交換や日本の世界農業遺産(GIAHS)の視察などを行った国連食糧農業機関(FAO)のジョゼ・グラツィアーノ・ダ・シルバ事務局長。3月13日には、イタリア・ローマ市内のFAO本部を訪れた池田博正SGI(創価学会インタナショナル)副会長らSGIの代表と会見している。その時の感想とともに、FAOの役割や今後の展望などを聞いた。
——会見から2カ月がたちました。あらためて、その時の感想をお聞かせください。
はじめにSGIは、あらゆる利害を超えて、協調的な世界を築くために、地球規模で対話に取り組んでいる団体であり、私たちFAOは、その全ての活動に感謝しています。というのも、SGIが取り組む平和運動は、FAOが目指す人類の栄養・生活水準の向上や農業の発展とは別の問題ではなく、むしろ同じ挑戦であると思うからです。
例えば、FAOは農業への支援を通して農村地域の発展を促し、雇用を創出する手助けを担っています。
それぞれの地域が豊かになれば、資源の奪い合いなどが鎮静化する一助になります。これは大きな意味で、平和貢献です。
会見では、池田SGI会長が「世界食糧銀行」という構想を、40年以上も前に提唱されていたという事実に興味を持ちました。
ここで明言しておきたいことは、地球全体として、すでに世界の人々が十分に生きていけるだけの食糧を生産しているということです。ただ、食糧が行き渡る体制がぜい弱なため、食べられずに捨てられているのです。
だからこそ、この問題に対して、解決策を指し示すSGI会長の提案に、深い賛同を示すのです。
——1945年に設立され、現在196カ国(2準加盟国を含む)と欧州連合(EU)が加盟するFAOは、これまで数多くの活動を展開してきましたが、中でも、事務局長が力を入れてこられたことは何でしょうか。
私が事務局長に選出された2012年から、FAOとして、飢餓や栄養不良の根絶を目指し、持続可能な自然資源の使用、農村地域の貧困の減少と農業の強化などに注力してきました。
実は、2015年時点で飢餓に直面する人は、およそ8億人もいます。多すぎる数です。しかし1990年代初頭、発展途上国のおよそ半分の人が飢餓状態にあったことを考えれば、FAOが努力を続けてきた成果はあると実感しています。その上で今、いよいよ「ゼロ・ハンガー(飢餓人口ゼロ)」を目指す時を迎えています。私は、世界の力を結集させ、2030年までに飢餓とあらゆる形態の栄養不良を終わらせたいと決意しています。
日本は常に重要な加盟国です。これまでも食糧の安全保障や持続可能な農業の発展などのために、さまざまな面で支援していただいておりますが、2017年1月からは毎年、FAOと日本との間で戦略協議が開催されることになりました。これによって、飢餓撲滅に向け、より良い政策を生み出していくことができると確信しています。とともに、FAOと日本政府が達成した素晴らしい成果が、日本の皆さんに幅広く伝わっていくことを願っております。
——世界の人口は増加しており、飢餓や貧困の問題は、ますます切実です。
人口増加に直面している今日、最も考慮しなければならないものの一つが気候変動による影響だと思います。気候変動は、水の循環や生態系などに影響を与え、結果として、食糧の安全保障にも影響を及ぼします。
FAOでは、2015年に採択されたパリ協定(地球温暖化防止の国際枠組み)に基づき、飢餓と貧困の減少を目指しながら、地域ごとに持続可能な農業への道を探り、支援しています。それは例えば、農村世帯への投資や社会保護メカニズムの設置などです。
さらに、先ほど述べた、食べられずに捨てられている食糧への対策も大切です。物流の発達、そして、これが最も重要かもしれませんが"消費者の気付き"によって、生産を増やさなくても、飢餓と貧困に立ち向かう力となるのです。
——未来を担うのは、言うまでもなく青年です。青年世代に対し、取り組んでいることを教えてください。
食糧の安全保障を持続的に実現していくためにも、青年が農業分野の中核を担っていかなければなりません。特に、地方は人口減少が進んでいることから、農業の魅力をアピールし、"明日の農業従事者"になってもらう必要があります。
FAOでは、その一つの対策として、"若手農業従事者の学校"を設けています。これは農業技術や生活を生き抜く力などを伝えていくもので、青年に"ビジネスとしての農業の魅力"を感じてもらえるように努めています。その中から、新しい経営感覚や新しい生産技術を持った青年が生まれると信じています。そして、その青年たちの姿は、さらに多くの青年たちの農業への関心を呼び起こす契機になっていくと確信しています。
——国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」について、FAOは、貧困や飢餓の撲滅などの分野でリーダーシップを発揮されようとしています。SGIも現在、市民社会の側から、この「SDGs」の普及・推進に取り組んでいます。
SDGsを達成するには、市民社会に根差した団体の存在は不可欠です。そうした団体は、地域のネットワークを持つ強みを生かし、これまで軽んじられてきたような小さな声をすくい上げ、政策につなげられるような提唱をしてきました。
そうした現場に根差した知恵の一つを、まさに私は、SGIの取り組みに感じています。それは、SGIが地球憲章インタナショナルと開発した啓発アプリ「マプティング(MAPTING)」です。マプティングは、SDGsの推進につながる行動を、各人が写真や動画で撮影し、利用者と共有できるもの。これは利用者にとって、自分たちができることを常に思い起こさせてくれます。
ソーシャルメディアは、巨大なコミュニケーションを拡大させるものです。だからこそ、とりわけ、世界地図を見ながら、各地でSDGsの目標がどれだけ進捗しているのかを確認できる機能は、世界中の人々に良い影響を与えていく素晴らしい発想だと感じました。
このような知恵を持ち、世界にネットワークを持つSGIをはじめ、市民社会とのパートナーシップをさらに強めながら、これからも持続可能な平和社会を、共に築いていきたいと思っています。
◎昨夜の帰宅途中、歩行中に車に衝突される交通事故に遭いました。大きな怪我には至らず、護られました。皆さんも、くれぐれも御注意を!