苦難こそ人生の宝。
逆境が人間を鍛える。
自分を強くする。
宿命を使命に転じゆく
挑戦のドラマを共に!
諸法実相抄 P1358
凡夫は体の三身にして本仏ぞかし、仏は用の三身にして迹仏なり
☆女性に贈ることば 五月十日
細やかな情愛がにじみ出ている夫婦や家庭には、不思議と、ほめ上手の奥さんがいるようだ。身近な家族同士では、意外に不平や欠点の指摘に終始していることも多い。そうしたなかで、ほんのちょっとした励ましの言葉が、相手の心をほぐし、会話を円滑にする。自信をもたせる。
☆今日のことば365 五月十日
梅は梅、桜は桜、菊は菊。花にもそれぞれ個性がある。人もまたおなじである。さまざまな個性の人が集まり、しかも、それが調和を保っていくのが、人生であり、社会といえよう。
☆未来部育成のページ 5・5「創価学会後継者の日」 小樽マリン少年少女合唱団 2017年5月2日
北海道 小樽県・桜花支部 地区婦人部長 緒方範子さん『治すと決めると、痛みに怯えなくなった』
自宅から練習会場の小樽文化会館まで、バスを乗り継いで約1時間。小学4年で、少年少女部の小樽マリン合唱団に入団してから3年間、緒方範子さんは練習に通った。
勤行・唱題に始まり、発声練習、歌唱指導。練習を通じて、あいさつの仕方、人の話を最後まで聞くことなど、合唱の楽しさのみならず人としての基本も教わった。
「厳しく言われることもありました。でも、それ以上に、『いい声だね』と褒められたり、会うたびに声を掛けてもらえたりすることがうれしくて、いつしか会館に行くのが楽しみになっていました」
担当者が語る体験談、悩みを乗り越え成長していく仲間の姿。同志との出会いを通して祈り続けることの大切さを肌で感じた緒方さんは、日々の勤行・唱題を自ら実践するようになった。
高等部時代、学会活動から遠ざかった時期もあった。しかし、高校を卒業後、1年間の浪人を機に唱題に再び挑戦。翌年には志望校に合格。25歳で看護師になるまでの5年間、昼は看護助手などとして働き、夜は専門学校で学ぶ日々が続いた。
「会合に参加するのも大変でした。でも、職場での人間関係、国家試験など、課題に直面するたび、唱題し困難に向き合ってこられたのは、合唱団時代の薫陶のおかげです」
◇絶望と葛藤
2006年(平成18年)に結婚。その1年後、経験したことのない全身の痛みに襲われる。リウマチの発症だった。一度は症状が治まったが、出産を機に悪化した。
鉛が入ったように体が重く、何をしていても痛みが走る。関節が腫れ、体を動かすのもままならない。かわいい盛りの子どもを抱くことさえできず、これまで当たり前のようにしてきた、外出や家事も諦めざるを得なくなった。
"この苦しみがいつまで続くのだろう"。痛みが出るたびに、絶望感に覆われた。
「これまで何かあるたびにお題目で乗り越えてきました。でも、いざという時、心がかき乱されて、祈りが定まらないことを痛感しました」
押し返そうと思うほど、強く襲ってくる痛み。諦める心とのせめぎ合いは、3年、5年と続いた。
◇弱気な心と決別
発症から6年。症状は変わらず、医師からは新たな薬を勧められた。しかし、1回に掛かる医療費は3万円。2人の子どもを幼稚園に通わせながら簡単に負担できる金額ではなかった。
「こうなったら信心で乗り越えるしかない」——崖っぷちに立たされ、かえって緒方さんの決意が固まり、題目闘争が始まった。
「広宣流布に、自在に動き回るために、どうか大生命力をください」
聖教新聞に掲載された池田先生の指針を胸に、痛む体で子どもを抱えながら、誓願の祈りを重ねた。すると、2カ月後の検査で、初めて改善の兆しが見えた。
「それまでは、厳しい現状を嘆いてばかりでした。でも、治すと決めてからは、今の自分にできることをしようと考えられるようになりました。何より痛みにおびえなくなりました」
現実の変革は、常に一念の変革から始まる。この時期を境に少しずつ病状が好転していった。
発症から10年。今も抗リウマチ薬の服用は続けているが、症状は安定し、仕事にも復帰。小学校の役員、学会活動、聖教新聞の配達と、多忙な日々を送っている。
夫の正彦さんは、病と闘う緒方さんを長い間支え続け、6年前に2人の子どもと入会した。
長女の美海さん(小学3年)と長男の蓮介君(同1年)は、座談会で未来部コーナーを担当し、この4月からは、2人揃って小樽マリン少年少女合唱団のメンバーに。今、緒方さんの家族は、一家和楽の道を朗らかに歩む。
「祈りはかなう。合唱団で教えてもらったこの確信がなければ、今の自分はありませんでした。今度は子どもたちに伝えていきたいです」
一日一日、体を動かせる喜びをかみしめながら、緒方さんは創価の母として、"未来っ子"たちと成長の道を歩む。