2016年1月10日日曜日

2016.01.09 わが友に贈る

人間主義の輝く時代へ
「祈り」を深め
「境涯」を開き
「勇気」の挑戦を!
自らが先頭に立て!

南条殿御返事 P1535
『あえてこれよりの心ざしのゆわきにはあらず、各各の御信心のあつくうすきにて候べし』

☆こころに響く言葉 偉大な目的にともに進む
長い人生を何があっても、一人の男性とともに、
同じ偉大な目的を持ってともどもに歩むことのできることに、
結婚の真の幸福があると私は思っている。

☆今日を輝いて生きる指針 一月九日
母親のなにげない笑顔や振舞いは、暗い部屋に窓から明るい光が差し込むように、花の香りが薇郁と周囲を包んでいくように、子どもの心のなかに染み込んでいくものです。

☆今日のことば365 一月九日
人が苦境に立ったとき、多くの人は見て見ぬふりをする。かかわりあいを恐れたり、またおっくうがったりして、遠ざかってゆく。そんなときの親切は、真心と、勇気ある人以外は、できないことであろう。

☆未来の翼 第22回 香港の輝く港からわが青春勝利の原点を築こう
If Winter comes,
can Spring be far behind?
(冬来たりなば、春遠からじ)

人類に希望の春を告げゆく、若き太陽の皆さん!
「世界広布新時代 拡大の年」が開幕しました。皆さんと一緒に、晴れやかに新年を迎えることができて、本当にうれしい。
皆さんこそ、「新時代の拡大」の主役です。その拡大とは、何から始まるのでしょうか――。
世界へ、宇宙へと、心を開いていくことです。夢を大きく広げることです。挑戦の一歩、学びの一歩を踏み出していくことです。そして、一人また一人と、青春勝利のスクラムを組んでいくことです。
お正月に認められた御書には、『さいわいは心よりいでで我をかざる』(P1492)と仰せです。
皆さんの「心の拡大」から、人類の希望が生まれます。皆さんの「友情の拡大」から、平和の光が輝き出します。皆さんの「努力の拡大」から、世界の幸福の明日が開かれるのです。
私の胸には今、新春を喜び合う、世界192カ国・地域の同志の歓声が響きわたっています。皆さんが、世界中の青年と手を取り合い、平和の大航海を担いゆく時が来ているのです。
さあ、今年も学びに学び、心と体を鍛えよう! 父母のために、世界の友のために、地球の未来のために!

世界の船が行き交い、青い水面《みなも》にきらめく真っ白な波しぶき。日が沈むと、"東洋の真珠"と謳われる街の夜景が、鮮やかに浮かび上がります。
そこは、東西の文明が交差する天地・香港のビクトリア港です。
私は香港を訪れるたびに、この輝く港を友人たちと見つめながら、世界平和の未来を展望してきました。
創価学会の創立の父・牧口常三郎先生は、若き日に記された大著『人生地理学』の中で、「港」について、「文化の起発する所たり」と書かれています。すなわち、港とは、新しい文化が誕生し、周囲へと広がっていくところである、と言われるのです。
香港は、まさしく、そのエネルギーに満ち満ちた「港」です。
青春も同じように、新しい希望を創り、新しい挑戦の意欲を生む″心の港"をつくることが大切でしょう。それが「原点」になるからです。
私の原点は、戸田城聖先生と一緒に、平和のため、人々の幸せのために戦い披いた日々です。「戸田先生なら、どうされるだろうか」――この問いかけが、私にとって、いつも立ち返る"心の港"なのです。青春時代に原点を築いた人は強い。絶対に負けません。くじけそうになった時は、この原点に戻り、勇気の炎を点火し、新しい前進を開始していけるからです。
原点は、自分自身の目標の達成へ、悩み、もがきながら、最後まで挑み抜いた時に築くことができます。ひとたび決めた誓いを、断じて貫き通した先に輝きます。
そして、人生の最も強い原点こそ、師弟の原点なのです。

「師をもてる人間は、本当に幸せ」――そう朗らかに語ったのは、"香港の芸術の母"と慕われた、現代中国画の巨匠・方召麐(ほうしょうりん)画伯です。方画伯の人生は、波瀾に満ちていました。
生まれは、第1次世界大戦が始まった1914年。幼少時代、祖国・中国は動乱の最中にあり、
11歳の時には、目の前でお父さんが殺されてしまいます。
しかし、悲しみに負けず、前を向きました。お母様から「どんな時代になろうとも『学ぶ人』は恐れることがない」との信念を受け継いで、英語、中国の古典、ヨーロッパの歴史、さらには中国画と書道も学んでいきました。
その後、イギリスのマンチェスター大学に進学し、やがて結婚。しかし、第2次世界大戦が勃発したため、夫妻は、幼子を抱きかかえて、世界の各地を転々とせざるを得ませんでした。
戦争が終わり、1948年に、香港へ帰りました。ようやく平和に暮らせると思った矢先、今度は、最愛の夫が急病で他界してしまいます。36歳の方画伯には、3歳から11歳までの8人の子どもたちが残されました。
絶望の間に沈む方画伯の心に、希望の光を送ったのは、師匠と仰ぐ趙少昴(ちょうしょうこう)先生の言葉でした。
「まずは、筆を持ちなさい。ここで思いきって、一歩踏み出すのです。悲しみをも力に変えて、頑張って描きなさい。退くことは、自らをいつわることです」
師の言葉に涙をぬぐい、方画伯は、再び筆を手にしました。夫の貿易会社を引き継ぐ一方、著名な画家の張大千(ちょうだいせん)先生に弟子入りし、中国画の基礎を固めていきます。さらに40歳を過ぎてから、香港大学、イギリスのオックスフォード大学に学び、中国画の新境地を開拓していきました。
私が方召麐画伯と初めてお会いしたのは、1996年の3月。アジアの名門・香港大学から一緒に名誉博士号を拝受した時のことです。以来、語らいは8度。世界を呼吸しつつ創作活動を続ける方画伯は、乙女のような若々しさを備えておられました。
80歳を過ぎてなお、「芸術とは戦闘なり」と、毎朝、6時前に起きて筆をとり続けていました。
「天空と大地を包み込むような勢い」があると称えられる絵画は、人生そのものの表現だったのでしょう。

私が、「人生も、芸術も、『師弟』にこそ、勝利への確かな軌道があるのではないでしょうか」と申し上げると、画伯は会心の笑みで、うなずかれました。「そうです。その通りです」と。
この世界に、師弟の絆に勝る力はありません。

私が香港を初訪問し、アジアで最初の地区を結成したのは、1961年1月28日のことです。今月は、アジア広布55周年の佳節です。
当時の現地メンバーは、十数人でした。私は、確信を込めて呼び掛けました。「皆で力を合わせれば、大きな力になる。団結の力は足し算ではなく、掛け算なんです」
この1年後には、香港支部が誕生し、アジア広布の旭日と光る歴史が刻まれていきました。
香港SGIのメンバーは、"仲良き創価家族"の模範です。香港の人々には、「常勝関西」の友と共通する行動力と団結があり、友の悩みに同苦する温かな心と向上心に輝いています。香港を訪れるたびに"ふるさとの港"へと帰ってきたような安らぎを感じます。
お土産を買いに立ち寄った商店でも、お店の人たちと楽しい語らいがはずみ、すぐに仲良くなります。香港の人々は、気どらない庶民性、人間味に溢れています。
今から60年前の1956年、戸田先生は、和歌を詠まれました。
「雲の井に 月こそ見んと 願いてし アジアの民に 日(ひかり)をぞ送らん」
"アジアの、そして全世界の民衆に、幸福の光を送るのだ"――恩師の深い思いは、そのま、弟子である私の誓いであり行動です。これまで20回を数える香港訪門は、心の中の恩師と語らいながら続けた、師弟の挑戦でした。
私は、かつて香港で詠みました。
「偉大なる 恩師の写真を 胸に秘め 世界を旅せる 師弟不二かな」
世界平和という理想で固く結ばれた創価の師弟の旅を、信頼する未来部の皆さんに託します。

香港は、1997年、イギリスから中国へ返還されました。大きな歴史の転換に当たって、私も、愛する香港の友人として、少しでも力になれればと、訪問を重ね、多くの指導者や識者とも対話を広げてきました。
返還の5年前には、海外初の創価幼稚園として、香港創価幼稚園が開園しました。私は、この創価教育の城が、香港の希望の園となるように、そして、人類の平和に貢献する世界市民が羽ばたくようにと、祈りを込めて創立しました。
香港創価幼稚園では、英語と、中国語の北京語を同時に学びます。ふだん、子どもたちは中国語の広東語を話しているので、三つの言語を話せるようになるのです。
卒園生は、世界の名門大学へ進学する友、アナウンサーやエンジニアなど、各界で大いに活躍しています。
2000年、私は香港創価幼稚園の1・2・3期生のメンバーと再会し、記念撮影しました。
その折、花束を贈ってくれた1期生の友は、中学2年生になっていました。「将来の夢は、学校の先生になることです。私も、いつか『人を育てる』仕事をしたい」と語っていた彼女は今、香港創価幼稚園の教員となり、後輩たちの育成に力を注いでくれています。
札幌から始まった創価幼稚園は、今や、この香港をはじめ、マレーシア、シンガポール、プラジル、韓国にもあります。
皆さんが、語学の翼を広げ、世界中の友と楽しく語り合う日を、私は心待ちにしています。

創価学会は、いよいよ、人類を結び、地球文明を照らす世界宗教として船出しました。皆さんの眼前には、「世界広宣流布」というロマンの大海原が広がっています。
信心とは、どんな厳しい風をも、前進の力へと転じゆくセイル(帆)です。師弟とは、正しい航路を指し示す人生のコンパス(羅針盤)です。
人生は、苦難という風があるからこそ成長できる。前進できる。拡大できる。
日蓮大聖人は、『生死の大海を渡らんことは妙法運華経の船にあらずんば・かなふべからず』(P1448)と仰せです。
妙法は、万人が直面する生老病死の苦悩を打開できる哲理です。どんな苦難の荒波があっても、題目を唱える人は、苦労した分、悩んだ分だけ、心も功徳も拡大しながら、必ず乗り越えていけるのです。今いる場所で、皆さんが奮闘することが、そして、目の前の課題に全力で取り組んでいくことが、青春の「黄金の航路」と輝いていくのです。
さあ、創立100周年の2030年へ、次なる15年の出発の朝がきました! 信心のセイルを大きく広げ、一緒に朗らかに進もう!
いかなる風をも楽しみながら!

Be courageous! Be bold!
You are the hope for the future!

勇敢大胆地向前進!
你們是未来的希望!
(勇敢たれ! 大胆たれ!
 君たちこそ、未来の希望なり!)