多忙な中にあっても
読書の暇をつくろう!
一日5分でもいい。
学び続ける人生に
行き詰まりはない!
佐渡御書 P958
『心は法華経を信ずる故に梵天帝釈をも猶恐しと思はず』
◇人生の座標
悪なくして善はなく、善なくして悪なし--両者は、相対的であるとともに相補的な実在である。
決定的に重要なことは、善も悪も互いに(善なら悪を、悪なら善を)「他者」として、その関係性の上に「自己」を成り立たせているということである。
ゆえに、悪も、対応のいかんによっては善に転じ得るのだという点では、可変的実在なのである。
☆中国・陝西師範大学で第8回池田思想国際学術シンポジウムへのメッセージ
第一は、「文化の和合」であります。
いにしえの『礼記(らいき)』には、「楽は天地の和なり」(音楽は天地の間の〈自然の〉和合作用を代表するもの)と記されています。
この音楽の妙なる「和合の力」の偉大な実例こそ、シルクロードであったとはいえないでしょうか。
大国際都市たる長安(現在の西安)に、西アジアから日本までを結ぶシルクロードの各地から多彩な楽舞が集まり、「十部楽」として見事に集大成されたことも、有名であります。
ここで私が、シルクロードの音楽文化に注目するのは、その基盤があくまでも「内発的」であるからであります。
『礼記』に「楽は中(うち)より出づ」(音楽は内面から来る)、「楽は徳の華(か)なり」(徳の美しい発現が音楽である)、また「論倫(ろんりん)、患(うれい)無きは楽の情なり、欣喜歓愛(きんきかんあい)は学の官なり」(人びとを互いに親しませ、憂いや悲しみを忘れさせるのが、音楽の性能であり、人を喜び楽しませるのが、音楽の作用である)ともあります。
まさに、心より出て心へ至り、憂愁や悲嘆を取り払い、希望と喜びをもって、心と心を結ぶ——かのシルクロードの音楽に象徴される文化の和合の力を、現代に蘇らせていきたい。
その願いを込めて、民主音楽協会(民音)を創立したのは、1963年のことでありました。当初は、無理解や偏見の批判も浴びせられましたが、半世紀を経て、105カ国・地域の音楽芸術を日本に伝え、鑑賞者は累計で1億1000万人を超えます。
1985年、いまだ険しい冷戦の国際情勢下にあった「シルクロード音楽の旅」の公演では、中国とソ連、さらにトルコ、日本の麗しき友情のハーモニーが、清々しい感動を広げたのであります。
敬愛してやまない周恩来総理は強調されました。
「われわれは人民の世紀の開始に立っている。われわれのこの時代における国際関係の時点は、人民外交の大々的展開である」(森下修一編訳『周恩来・中国の内外政策』)と。
なかんずく、周総理が重視されたのが、文化交流であり、民間交流であります。
どんな複雑な時代にあっても、この道さえ閉ざさなければ、必ず平和友好を開くことができる——周総理から託された揺るぎなき信念を、私は次の世代へ厳然と受け継いでいきたいのであります。