◇今週のことば
一人一人が
かけがえのない宝塔だ。
誠実と確信の対話が
仏性を呼び起こす。
わが地域を人材で飾れ!
2014年10月06日
法衣書 P1296
『抑食は命をつぎ衣は身をかくす、食を有情に施すものは長寿の報をまねぎ人の食を奪うものは短命の報をうく、衣を人にほどこさぬ者は世世存生に裸形の報をかんず』
◇人生の座標
偉人の「器」を感じ取れる人とは、本来、その偉人と同様の「器」をもった人ではあるまいか。
☆フィリピン・イースト大学「名誉人文学博士号」授与式への謝辞
一、このたびは、貴イースト大学の栄光の創立68周年、誠におめでとうございます。
フィリピン共和国を代表される「世界市民」育成の名門の佳節を、貴国をはじめ192カ国・地域の平和を願う創価の宝友と共に、心よりお喜び申し上げます。
貴大学の誉れの卒業生であり、敬愛してやまぬリサール協会のキアンバオ元会長と私は、大英雄ホセ・リサール博士が掲げた大いなる夢を巡って語り合ったことがあります。
それは、フィリピン諸島を「東洋の真珠」と輝かせ、「団結(パグカカイサ)」と「友情(パキキサマ)」、「独立(パグササリリ)」と「勇気(パグカバヤニ)」、そして「他者への配慮(パキパグカプワタオ)」の精神が普く広がり、人類の進歩をリードしゆく天地とすることでありました。
この五つの原則は、現代世界が、平和と共生の地球社会を創造するために尊重すべき理念でもありましょう。このリサール博士の遠大な夢の実現へ、フィリピンの教育界を牽引してこられたのが、貴イースト大学であられます。
「民衆への奉仕と国への奉仕に高い意識をもったリーダーを、あらゆる分野へ輩出する」
この崇高なるビジョンを体現された卒業生の連帯は、すでに25万人を数えます。貴国はもとより、全世界で社会貢献の指導者として活躍されていることは、あまりにも有名であります。
この偉大な英知の殿堂より、本日、私は、最高に栄えある名誉人文博士の学位を賜りました。
意義深き創立記念の祝祭の中で、かくも盛大なる式典を挙行してくださった、諸先生方のご厚情に、御礼の申し上げようもございません。
さらに、深き友情のハーモニーで祝賀してくださったイースト大学コーラス部の皆様方、誠にありがとうございます。
また今年の2月、わが創価大学の学生たちが貴大学を訪問した折にも、美しきキャンパスで、多くの先生方と学生の方々から、熱烈に歓迎をいただきました。
あらためて、心より感謝申し上げます。
一、貴大学のキャンパスには、両手を優雅に広げた「母校の像」が凛と立ち、伸びゆく英才たちを、温かい眼差しで見守っております。
私には、その尊貴な姿が、学生や卒業生たちに、限りない励ましを送り続けておられる、ガルシア総長はじめ、貴大学の先生方の慈愛あふれる姿と重なって、深く胸に迫るのであります。
とともに、私はリサール博士の呼び掛けが聞こえてくるように思えてなりません。
すなわち——
「現代人の義務は、人間性の回復にある。なぜなら、人間が一度尊厳を取り戻せば、不幸な人が減り、幸福な人々が増えるからである」と。
私ども「創価教育」の父である牧口常三郎先生もまた、「子どもの幸福」のための人間教育を提唱し、生命の尊厳の思想を訴え抜きました。
第2次世界大戦中、日本の軍国主義と対峙し、壮絶な獄死を遂げて、今年で70年となります。
その志を受け継いで、私たちは、世界との平和・文化・教育の連帯を広げてまいりました。
なかんずく大学と大学の学術交流こそ、地道でありながら、国家間の複雑な政治・経済次元の葛藤も超克して、理解と信頼の人間主義の結合を築き上げていく最も普遍的な力でありましょう。
留学や交流を通して、同じ大学で学んだという同窓の絆は、国籍や民族、宗教や文明をも超えて、青年と青年とを、何よりも深く強く固く結び合わせます。
その舞台となる大学こそ、まさしく、人類益を志向し、地球社会に尽くしゆかんとする世界市民たちが愛してやまない「母校」ではないでしょうか。
一、貴大学は、ガルシア総長の卓越したリーダーシップのもと、21世紀を担い立つグローバルな人材の育成を目指し、世界の多彩な教育機関との交流を通じて、"開かれた大学づくり"を力強く進めておられます。
私も、本日、この先進的な「世界市民教育」を実践される貴大学の誉れある一員とさせていただきました。
先生方と手を携えて、いずこの国の若人も共に学理を探究し、共々に価値を創造しゆく「教育のマリンロード」を、さらに広々と創り開いていく決心であります。
リサール博士は叫ばれました。
「若者よ 雷鳴も 荒波も 豪雨も
何者も 何事も
我々を脅かすことはできない
俊敏なる腕 穏やかな振る舞い
危機にあっては戦いを起こすのだ」と。
この勇気ある魂を燃え上がらせて、私たちは力を合わせ、英知を結集し、地域社会の山積する難題に挑戦していきたいと思うのであります。
「未来は、東(イースト)から始まる!」
かけがえのない我らの「母校」たるイースト大学が、水平線から昇りゆく旭日の如く、創立70周年、80周年、さらに100周年へ、アジアの希望の未来を、世界の共生の未来を、そして人類の平和の未来を、いよいよ赫々と照らしゆかれることを、心からお祈り申し上げ、私の御礼のあいさつとさせていただきます。
マラミン・サラマッポ!(フィリピノ語で「誠にありがとうございました!」)