女性が光り輝けば
一家も地域も輝く。
気高き母たちよ
聡明な乙女たちよ
さあ今日も元気で!
上野殿御消息 P1527
『親によき物を与へんと思いてせめてする事なくば一日に二三度えみて向へとなり』
◇希望の明日へ
前へ、また前へと進んでほしい。後ろを振り向かないで。仏法では「現当二世(現在世と未来世)」と教えている。すべてはこれからである。いつもこれからなのである。前進のなかに勝利がある。栄光がある。幸福がある。振り返らないことは、とても難しいことである。無理なことかもしれない。けれども、偉大な人は、あえて足を踏み出す人である。前へ。また前へ−−と。
平4・2・14
☆若き君へ 新時代の主役に語る 第4回「新社会人に贈る」
−−3月の語らいで、「あいさつ」の大切さを教えていただき、新社会人の皆さんにも、その実践を呼びかけていただきました。
企業のトップの方からも、本当に創価の青年は清々しい、爽やかだ等の声が寄せられています。
池田名誉会長 「あいさつ」は、瞬時に心と心を結びます。相手が初対面であっても、苦手なタイプであっても、心は通い合う。
相手があいさつを返さなくても、構いません。あいさつは、自分から先にした方が勝ちです。人を尊敬できる人が尊敬される人です。明るく誠実に、心を込めてあいさつできる人が、偉い人です。あいさつは境涯の芸術です。
「おはようございます!」「こんにちは、よろしくお願いします!」「ありがとうございます!」
どうせ、声を出すんだから、元気にやれば、お互いに気持ちがいいじゃないか。その生命の勢いが、一日の勝利の扉を大きく開きます。
どんどん、あいさつしていくんです。どんどん、味方を増やすのです。相手の心の諸天善神を呼び起こすんです。もちろん、声が出せない状況なら、目礼でもいい。
私が21歳で戸田先生の会社に入って実践したことがあります。
一つは、元気いっぱいのあいさつで先輩方を迎えることでした。
もう一つは、毎朝、始業時間の30分前には出勤して、職場を清掃することです。
元気なあいさつが響く会社は、発展します。職場がよく整理されている会社は、事故が無くなる。
戸田先生をお守りするために、先生の事業を発展させるために、誰に言われなくとも、私は実行しました。
朝が勝負です。朝で決まる。
戸田先生も「職場に遅れて来て、上司に叱られるような人間は偉くなれない。特に、新入社員として信用を積んでいくためには、朝早く出勤するべきだ」と語っておられた。
一日に勝つための生命の暁鐘が、朝の勤行・唱題です。
信心をしているからこそ、一日の出発を勝つ。そして、人生に勝利していくのだ──先生は、こう指導されたのです。
−−仕事で失敗して、すっかり自信を失ってしまうこともあります。
名誉会長 失敗は、敗北ではありません。いな、青年には、失敗や悩みは、前進の証拠です。前に進んでいるからこそ、向かい風がある。転ぶこともある。でも、それで下を向いてしまわない。また立ち上がるのです。
アメリカの大事業家であり、映画人でもあったウォルト・ディズニーは語っています。
「私は失敗した。だがそこで多くの事を学んだ。若いころにひどい目に会い、失敗する事は重要なんだって、思うね」
−−30年前、先生は長崎で、大切なお皿を誤って割ってしまった人のことを通して、指導してくださったことがあります。
取り返しのつかない失敗をしてしまった。どうお詫びしようかと身を小さくしていた人に、先生は「自分で悩んだのだから許されるんだよ」と励まされました。
名誉会長 そうだったね。これは、戸田先生の教えです。
ある青年が電車に乗り遅れて、大事な会合に大幅に遅れてしまったことがありました。その人は青い顔をしてお詫びの言葉を探していました。戸田先生は厳しい方でしたから、どんなに叱られるかと、周りもドキドキしていた。
すると先生は、「もういいよ。自分で悩み、苦しみ、それで償われているのだから、何も言うことはないよ」と語られました。
先生は、反省している青年の心をくみとってくださったのです。
−−池田先生は、戸田先生のエピソードを紹介され、「反省し、苦しんでいる人を、責めるような心の狭い人ではいけない。指導者は、人々の心をよく知っていかなければならない」と教えてくださいました。長崎の同志が大切にしているご指導です。
名誉会長 皿を割ってしまった人は、その失敗を原点として、本当にけなげに頑張ってきました。30年経った今も、その時のことを忘れず、「恩返しを」との心で後輩たちを励ましてくれている。私は「偉いな」と見守っています。
若い皆さんは、失敗を恐れないでほしい。もちろん失敗したら、反省は大切です。だからといって落ち込んで、それにひきずられては、何にもならない。一切が勉強であり、いくらでも取り返せるんだから。クヨクヨしてはいけない。
「失敗は成功の母」です。「挑戦しないこと」−−それが、青春の唯一の敗北だと、私は思う。