2012年5月19日土曜日

2012.05.19 わが友に贈る

創価の青年よ
忙しい時ほど
学びの時間を創れ!
教養と人格光る
一流の人材に育て!

経王殿御返事 P1124
『此の曼荼羅能く能く信ぜさせ給うべし、南無妙法蓮華経は師子吼の如しいかなる病さはりをなすべきや』

◇希望の明日へ
仮に人生の短距離走で勝てなければ、中距離走で勝てばよい。それでも勝利に届かなければ、長距離走で勝てばよいのである。"最後には勝つ"−−この決心で、蓮しく、また達しく生き抜いてほしい。
平1・9・30

☆宮崎日日新聞 特別寄稿「日向に輝く文化の太陽」
「船はてて 上れる国は 満天の 星くずのなかに 山匂ひ立つ」
宮崎が生んだ歌人の若山牧水は、故郷の海原を旅して詠じました。
日向の海は広々と世界に開かれております。遣唐使の寄港地であった油津港など、いにしえより、人と文化が賑やかに往来し、麗しい友誼の縁を結んできた黄金の歴史が輝いています。
今、九州一帯は、アジア新時代の「環黄海経済圏」の基軸として注目を集めており、宮崎県が担いゆかれる役割にも、ひときわ大きな期待が寄せられております。
この宮崎の県立美術館で、東京富士美術館が企画する「地上の天宮 北京・故宮博物院展」が、意義深く開催の運びとなりました。宮崎日日新聞社をはじめ、ご尽力いただいた関係者の皆様方に、心より御礼申し上げます。

この故宮展は、札幌、神戸、福岡、名古屋、松山、東京の六都市で、約九十万人の方々が鑑賞されました。国宝に当たる国家一級文物十八点を含む、二百点の至宝が出展されています。
今回、初めて海外に貸し出された名画「女孝経図」は、まさに宮崎を中継地の一つとして日中貿易が栄えた宋の時代に制作された国宝です。
明代の国宝である「馮媛当熊図」には、一人の女性が命を賭して、暴れる熊から皇帝を護る場面が描かれています。いざという時に毅然と発揮される勇気──それは、いかなる試練も明るく朗らかに勝ち越えきた、私と妻の敬愛する宮崎の母たちと、何と深く響き合っているでしょうか。
本展では、宮廷の女性たちの清々しい振る舞いとともに、皇子や皇女たちが、どのように学び、遊び、成長していたかも、絵画や学習用品・おもちゃなどを通じて知ることができます。
わが宮崎県は、子どもたちへのアンケートをまとめた「いい子どもが育つ都道府県ランキング」で日本一であり、出生率も第2位です。模範の子育てが光る宮崎での故宮展は、家族で、お子さん方と手を携えて楽しんでいただける趣向となっております。
また、伝統工芸が盛んな宮崎は、日向はまぐり碁石や榧(かや)碁盤・将棋盤、さらに紅渓石硯や宮崎漆器など、名匠の技が有名です。今回、展示される蒙古製の将棋や清代の玉製の碁石、また宮廷で使われた松花江石製の御用硯や朱塗りの道具などの逸品を通して、日中両国の一衣帯水の文化・技術の交流の歴史を、深く感じ取っていただけることでしょう。

本年は、日中国交正常化より四十周年の佳節です。五年前の四月、温家宝総理が来日に際し、「友好の手本」と紹介された逸話があります。ここ宮崎と中国の閣に刻まれたドラマです。
──日中戦争の最中の一九四〇年八月、中国・華北で戦乱に巻き込まれ、両親を失って孤児となった日本人の幼い姉妹を、八路軍の聶栄臻(じょうえいしん)将軍が救い出し、手厚く保護しました。将軍は「この罪のない孤児を異国の山野に落命させてはならない」と手紙にしたため、村民に頼んで戦火の中を日本軍に送り届けてくれたのです。
時はめぐり、国交正常化後の一九八〇年、両国の関係者の真心によって、聶将軍と、助けられた都城の裕美穂子さんは、北京で感動の再会を果たすことができました。
この再会を契機に、都城市と、将軍の出身地である重慶市江津区は、友好都市として結ばれました。友情の輪は、さらに幾重にも広がっています。
たとえ政治や経済の次元は揺れ動いたとしても、民衆の心と心が深く結ばれていれば、平和友好の「金の橋」は盤石です。"文化の使者"というべき今回の展示会が、宮崎と中国との美しさ心の結合を、さらに強める契機となればご』れな上の喜びはありません。

昨年、東日本大震災の影響で、多くの展覧会が中止を余儀なくされる中、故宮博物院は本展の開催を英断してくださいました。展示会の断行によって、お見舞いの心と友情のエールを、静かに熱く伝えてくださったのです。
なかでも宮崎県は、大震災の以前から、「口蹄疫」「鳥インフルエンザ」「新燃岳の噴火」など、相次ぐ災難に直面し、戦い続けてこられました。
私のよく知る延岡の養豚家の青年も、歯を食いしばっで苦境を乗り切りました。この春、全国の主張大会で、"宮崎は「日向」すなわち「太陽の宝土」です。どんな苦難にも負けません。東北と日本の復興に、青年が立ち上がりましょう"と叫んで、震災の被災地の友にも勇気を送ってくれました。
中華文化促進会の高占祥主席は、私との対談集の中で、「自然災害は、人間を屈服させることはできません。逆に人と人との間に思いやりの心と道徳力を湧き立たせるに違いありません」と言われております。
そして、文化の力こそ「人類の第二の太陽」と強調されていました。
本展には、大いに文化・学術を興隆させた乾隆帝が書写した法華経も、展示されています。この法華経には、「慧日は諸の暗を破し 能く災の風火を伏して 普く明らかに世間を照らす」と記されております。
その名も「不死鳥」という意義を持つフェニックスを県の木とする宮崎から、日本そしてアジアを照らしゆく、たくましい「智慧の太陽」が赫々と昇りゆくことを、私は祈ってやみません。
2012年5月17日