2012年5月2日水曜日

2012.05.02 わが友に贈る

友の幸福を祈り
語りに語れ!
一対一の対話こそ
心と心を結ぶ
平和の原動力だ!

佐渡御書 P957
『外道悪人は如来の正法を破りがたし仏弟子等必ず仏法を破るべし師子身中の虫の師子を食等云云』

◇希望の明日へ
プライバシーという次元ではあるが、自分がひとたび誓った約束、誓いというものは、最後まで貫くべきものである。時には、守秘によって自分が不利益を受けることもある。秘密を口外されないのをいいことに、秘密を守ってくれている人を裏切り、逆にその人を攻撃し、陥れようとする場合すらある。私も、こうした裏切りや堕落の姿を、幾度となく見てきた。しかし、守るべき個人の尊厳や秘密は、厳として守り通してきた。それが仏法者としての生き方であり、信念である。
平1・9・6

☆山陰中央新報特別寄稿「幸せは地域に 希望は山陰に」
♪みどり豊かな
  島根の旅路
 うたも明るい安来節

私の人生の師・戸田城聖先生は、安来節が大好きでした。
戦時中は軍国主義と戦っで投獄され、終生、庶民の輪に飛び込み、けなげに奮闘する友へ勇気と希望を贈った師です。
郷土と隠脛への誇りを歌い、生きる喜びを楽しく舞う安来節は、恩師の人生哲学と深く共鳴していました。
幸せは遠くにあるのではない。身近な地域に根を張り、「強く」「仲良く」「朗らかに」生き抜く中にある。そうした幸福の実像を、私は敬愛する山陰の友に見いだすのです。
仏典には、「さいわいは心よりいでて我をかざる」と説かれています。
山陰を世界に誇る故郷と愛した小泉八雲も、日本人の幸福の源は「心の美徳」にありと、洞察しました。それは、常に失わないほほ笑みや思いやり、辛抱強さ、不屈の努力など、山陰の心そのものです。
私の懐かしい松江の友は、災害の時には不眠不休で救援に奔走しました。常にわが身を顧みず「どげしちょうや?」と仲間を案じ、「さあ、やらこいな!」。と励ましていました。
妻が知る島根県吉賀町のある母も、がんなど三つの大病を克服した体験を生かし、在宅介護のへルパーとして活躍されています。社会福祉協議会が運営する「ふれあいサロン」の中心者としても、地域に笑顔を広げる日々です。
「大好きな、大好きなこの天地で、人々のために尽くすことが、私の使命です」と。
'今、「国民総幸福量(GNH)」が注目されています。浜田市と石州和紙の技術交流を結ぶブータン王国が提唱した指標です。その根底には、「幸福な社会は皆で一緒に築くもの」との信念があります。
山陰は、高齢化や人口減少などの難問に粘り強く挑んできました。だからこそ、互いに力を合わせて、明るく充実した人生を生き抜く知恵が光っています。
ボランティア参加の活動者率では、鳥取と島根が日本最上位です。百歳以上の長寿者の数は、島根が全国一です。「日本一の田舎づくり計画」(島根)、「支え愛」体制づくり(鳥取)などの施策も注目されます。
山陰の豊かな共生の心こそ、次代へ受け継ぎたい日本の宝です。
島根県津和野町出身の文豪・森鴎外は叫びました。「命ある限り、失ってはならないもの、それは希望である」と。
高名な経済学者が、山陰の小中学生の瞳の輝きに感嘆されていました。私も同じ思いを抱いてきました。この清清しい若き命に、未来の希望はあります。
人の幸福感は、隣人や友人に、さざ波のように伝わることが、最近の医学の研究でも裏付けられています。
試練の冬にも負けない山陰の友から、希望の花、幸福の花が、一輪また一輪、咲き広がっていくことを、私は確信してやみません。
(2012年4月23日掲載)