大いなる理想が
大いなる自分を築く。
わが青春の誓いに
断じて生き抜け!
その人が真の勝利者だ。
上野殿御返事 P1537
『欲界第六天の魔王無量の眷属を具足してうち下り、摩竭提国の提婆阿闍世六大臣等の身に入りかはりしかば形は人なれども力は第六天の力なり』
☆四季の語らい
リーダーに、自らの「人間としての生き方」を常に問いかけ、向上していこう、成長していこうという息吹があるかどうかである。その求道心がリーダーにあれば、全体が躍動していく。
☆女性に贈ることば 四月二十八日
前を見よ
後ろを見るな
前には
希望と勝利と栄光の人生がある
☆今日のことば365 四月二十八日
程度の違いこそあっても、人間であれば、だれだって、過ちをおかしたらり、失敗したりするものです。
そして、そうした失敗を通じ、人間は、経験という、最高の人生の財産を、自分のものとし、いっそう強い、人間になっていくことができるのです。
☆仏法の教え 周公旦の教え 2016年4月24日
◇相手を敬い、真心を尽くす
むかし、中国・周の国に、伯禽という人がいました。伯禽は、周がおさめる魯という小さな国へ行って、そこをまとめるよう、命じられます。しかし、自分にできるかどうか不安です。
「困ったなぁ。私にはそんな力はないし、魯の人々にバカにされて、泣く泣く帰ってくることになるんじゃないだろうか……」
伯禽は、そう思っていました。
ある人は「人の上に立つ立場になるんだ、椅子に座ってふんぞり返っていればいいのさ」と、言います。
また、ある人は「小さい国といえども、あなたが国のあるじとなるのだ。下の者をこき使えばいいじゃないか」と、言いました。
伯禽は悩みます。
椅子に座ってふんぞり返っていたり、下の者を、こき使ったりしていて、本当にいいのでしょうか。
3日後には、魯の国へ行かなければいけません。どうしましょう。
伯禽が街をトボトボと肩を落として歩いていると、友人に呼び止められました。
「なにをそんなに悩んでいるんだい」
「もうすぐ私は魯へ行かなければいけないのだが、私には国をまとめる力なんてないんだ」
「何を言ってるんだよ。そんなことなら、君のお父さんに聞けばいいじゃないか。君のお父さんは周という大きな国を立派にまとめているじゃないか?」
「父が?」
伯禽は、友人に問い返しました。
「そうだよ」
「父は王さまを助ける補佐役だよ。主君ではないよ」
補佐役というのは、今で言えば、副リーダーのことです。本当のリーダーの陰でリーダーを支えている人です。
友人は重ねて言います。
「周の国をさらに大きくしたのも、周の人々が幸せに暮らしているのも、すべて君のお父さんのおかげじゃないか」
伯禽の父親は「周公旦」と呼ばれ、人々から尊敬され慕われていました。
いよいよ明日、伯禽が魯の国へ旅立つという夜のことです。
「お父さん。国をまとめるには、どうすればいいんでしょうか?」
伯禽は意を決して聞きました。
「国をまとめ人々を幸せにするのは、自分ひとりでできる仕事ではない。知恵と力と志のある人を集めなければいけない」
周公旦は言います。
「どうすれば、そういう人たちを集めることができますか?」
伯禽は「教えてください」と、深く頭を下げました。
「私はいままで、相手が自分より身分の低い者であっても、まごころをこめて謙虚に接してきた。ある日、私が風呂に入っていると、3人の客が次々とたずねてきた。私はそのたびに髪をしぼり、風呂からあがって客に会った。また別の日には、食事中に3人の客がたずねてきたことがあった。私は3度とも食べ物を吐き出し、口のなかをきれいにして客に会ったのだ」
「そうだったんですか」
「私は、こころをつくして人に会い、人材を逃さないようにと、心掛けてきた。お前も、この教えを忘れるでないぞ。決して、おごるな。決して、いばるな。そして、まごころをこめて人々につくしていけ! いいな!」
周公旦は強い声で言いました。
「ありがとうございます。私は教えを決して忘れません」
伯禽は誓い、晴れ晴れとした気持ちで魯へ旅立ちました。
そして、伯禽は父の教えを立派に守り、人々をしあわせにしました。
◇おうちの方へ
今回の物語で取り上げた周公旦は、中国・周代の政治家で、『史記』などに記されています。
周公旦は殷の紂王を倒して周王朝を開いた武王の弟で、王の名補佐役として活躍しました。また、武王の死後は幼い成王を助けて、周王朝の基礎を築きました。
社会の道徳を慣習化した「礼」を社会秩序の基盤としたので、孔子等の儒者から、尊敬されたといわれています。
日蓮大聖人は四条金吾に与えられた「崇峻天皇御書」で、四条金吾が短気をおこすことを戒められて、『周公旦と申せし人は沐する時は三度握り食する時は三度はき給いき』(P1174)と、謙虚な姿勢で学ぶ重要性を教えられています。