2016年4月9日土曜日

2016.04.09 わが友に贈る

宝の未来部の育成に
全力を挙げよう!
家族で会合に参加し
輝く金の思い出を。
幸福の大道を共に!

大白牛車御消息 P1584
『法性の空に自在にとびゆく車をこそ大白牛車とは申すなれ、我より後に来り給はん人人は此の車にめされて霊山へ御出で有るべく候、日蓮も同じ車に乗りて御迎いにまかり向ふべく候』

☆四季の語らい
迫害を誉れとして生き抜いていく−−そのくらいの「深い人生」「強い人生」を築かなくては、真の指導者の資格はない。

☆女性に贈ることば 四月九日
人間にとって、信用ほど大切なものはない。信用こそが最高の財産である。信用されない人は、いつしか、わびしい孤触の敗北者となっていく。

☆今日のことば365 四月九日
経験を総括し、次の発明、発見をしていくことだ
それが新しい時代を構築する決め手である

☆仏法の教え 健康な生き方のために
「昨日から急にトイレが近くなって、手洗いに行ってもすぐに出したくなります。出す時、痛いし、血液も出ているようなんです」
医師は検尿を顕微鏡でのぞき見ながら、「ああ、膿がいっぱい出ていますね。細菌も多いし赤血球も見えています。膀胱炎ですね」。泌尿器科の診察室でよく見られるやりとりです。
顕微鏡をのぞくと、膿と表現された白血球や細菌などが見えます。白血球は、敵が体内に侵入してきた時、それを撃退する働きをします。いわば膀胱を"戦場"として、細菌と白血球との"戦争"が起こっているのです。
こうして"戦場"になったことで、膀胱は荒れて真っ赤に腫れ上がり、少しの刺激にも敏感になって、少し尿がたまっても、すぐに手洗いに行きたいと感じます。
赤く腫れ上がった膀胱からは、出血して血尿が出る場合もあります。このようにして膀胱で起こっている細菌との"戦争"を膀胱炎といいます。
こうした敵との小競り合いは、いつも起きていますが、敵が少ないうちは症状が出ません。敵が多くなると、症状を伴った疾患と診断されます。
膀胱炎では、おりものが多い時や多くの細菌が入ってきた時、症状が出ます。また、水分を取らなかったり、排尿を我慢した時にも、細菌が増殖して症状が表れます。さらに、風邪をひいたり、無理をして疲れると抵抗力が弱まり、症状が出てきます。
こうした敵との戦いは全身で起こっていて、恒常的に自身の抵抗力で、病気になることを防いでいます。この、病気を防ぐ力を免疫機能(免疫力)といいます。

◇定期的な検診で早期にがんを発見
例えば、がん細胞は、私たちの体の中で毎日、4000個以上、つくられているとされ、これは免疫機能によって、日々、発見され、増殖する前に破壊されているといわれます。
しかし、がん細胞との初戦に敗れると、あっという間にがん細胞は増殖し、免疫力では抑えきれなくなり、やがて症状を伴うがんへと発展します。
早期発見・早期治療が、がん治療の鉄則ですので、定期的な検診で症状が出ないうちにがんを発見することが大切です。
と同時に、日常的に私たちにできることは、自身の免疫機能を高めることです。
これに関して、ある画期的な発表がありました。ロンドン大学の外科チームが、乳がん患者に病名を告げて手術し、その5年後の状態を調べたのです。
この研究の特徴的なところは、病名を告げた後の精神状態と、病気の予後との関係を探った点でした。
結果は、闘争心を持ってがんと闘い抜いた人や全く以前と変わらない生活を送った人は、5年後の再発率は低く、死亡率も低いというものでした。一方で、不安や恐怖を感じながら、毎日、おびえて生活を送った人たちは、再発率が高く、死亡率が高かったのです。
この研究をきっかけに、心の状態と免疫機能との関係について研究がなされ、心と体とは密接に結び付いていることが分かってきました。笑ったり、気持ちが明るかったり、前向き、意欲的な時に、免疫機能は高まるのです。

◇人の力になることで人が自らの支えに
しかし、心は常に変化します。ふとした縁に触れて、不安や恐怖が頭をもたげるのも、人の常です。
そこで、もう一つ大切になるのが「支援ネットワーク」です。これは、自身の支えとなる人間関係のことです。自身が大変な時に人が心配をして励ましてくれることは、病と向き合っていく上でも大きな力になります。
では、どうすれば多くの人を自分の支援ネットワークにすることができるのでしょうか。それは、やはり日頃から自分が人の心配をして励ましを送り、他人の力になることなのだと思います。
日蓮大聖人は『譬へば人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし』(P1598)と仰せになっています。人のための振る舞いは、同時に自分自身のためにもなるものです。
私は多くの方々の病気の相談に関わってきました。どの方も抱えきれない不安を胸に相談に来られます。そんな時、まずお話しするのは、病気になったことには必ず意味があるということです。
例えば大聖人は、ご主人が病気を患う門下に『病によりて道心はをこり候なり』(P1480)と励まされ、病をきっかけとして、より信心を深める生き方を教えられています。

◇元気になって人々に恩返し
病気になることが、そのままマイナスなのではありません。病に直面しても、それをきっかけとして、自らの人生をより意味あるものにできるかどうかこそが問われるのです。
さらに、私は相談を受ける中で、医療の現場では主治医が"主役"なのではなく、病に苦しんでいる患者さんこそが"主役"であると語っています。患者さんの意識を、運命に身を任せるしかない状態から、運命を切り開く主体者だと自覚する状態へと変えていくためです。これは、もちろん主治医の言うことを聞かないという意味ではありません。要は、主治医さえも自身の支援ネットワークの一員にするということです。
その上で、一日一日、一瞬一瞬を何のために生きるのか。こうした人生の目的や"原点"となることを、相手が再確認できるように話を伺います。
とはいえ、病気になると、どうしても弱気になるのも事実です。その結果、自分だけが苦しい、不幸だと思いがちです。いわば、命が狭まっていきます。
しかし、"自身は独りぼっち"ではありません。自分のことを心配してくれる人が周囲にいる場合は多くあります。そうした人々の存在が見えてくると、その人たちも、悩みや苦しみを抱えながら、人を支えようとしていることがわかってきます。すると、何としても病気を乗り越えて恩返しをしたいと、前向きになることができるのではないでしょうか。
私も、これまで支えてくれた同志の方々への感謝は尽きません。この感謝を胸に、これからも患者さんをはじめとする多くの人々のために力を尽くす人生をと決意しています。

泌尿器科医 山川弦一郎
やまかわ・げんいちろう 山口市内の泌尿器科医院で院長を務める。泌尿器科専門医。医学博士。59歳。1976年(昭和51年)入会。山口池田総県副総県長。中国方面ドクター部書記長。

〈コラム〉 病に勝つと決める
病気になると、不安になり、思い悩むことが、誰しもあるでしょう。
日蓮大聖人は、病に悩む門下に何通も励ましのお手紙を送られています。その中に、こういう一節があります。
"あなたもまた、御信心は月が満月になり、潮の満ちてくるようにいよいよ強盛ですから、どうして病が癒えず、寿命が延びないことがあろうかと強い思いをもって、御身を大切にし、心の中であれこれ嘆かないことです"(P975、趣旨)
ここでは、強盛な信心が病苦を乗り越える根本の力であると励まされるとともに、あれこれ嘆かないことを強調されています。
そして、大聖人は続けて、"我らは仏になることは絶対に疑いないとお思いになれば、何の嘆きがあるでしょうか"(P976、趣旨)と述べられています。必ず病苦に打ち勝ってみせると心を定める大切さを示された仰せとも拝されます。
"必ず病を乗り越える"と決めて病気と闘う姿勢が、病苦に打ち勝つためにも、やはり不可欠なのです。