「行動」を受け継ぎ
「未来」を開く。
それが真の後継だ。
青年よ 勇気の旗高く
新たな拡大の波動を!
上野殿御返事 P1557
『とにかくに法華経に身をまかせ信ぜさせ給へ、殿一人にかぎるべからず信心をすすめ給いて過去の父母等をすくわせ給へ』
☆四季の語らい
多くの人々の意見に、ともかく耳を傾けることである。すべてを実行できるかどうかは別にして、「耳を傾ける」誠実さに、指導者の真価が光る。
☆女性に贈ることば 四月二十七日
平凡なるよき市民、よき隣人として、誰からも信頼され、荒れすさんだ友の心を浄化していく、地域、職場の良心となってほしい。
☆今日のことば365 四月二十七日
なんといっても大事なことは、幅広く、本を読み、人生の正しい生き方を、知ることです。小説でも、伝記でも、けっこうです。あるいは、思想、哲学の書でも、いいと思います。自分が、読みたいと思う本、友だちや、先生が、すすめてくれる本を、どしどし読むのです。
☆仏法の教え 故人との別れ� 2016年4月23日
◇広布に生き抜いた人生は所願満足
連載「生老病死を見つめて」では、創価学会員が信心を根本に、生老病死という「四苦」を乗り越えてつかんだ信仰の確信と仏法の哲理をルポ形式で紹介する。「故人との別れ」の第3回は、広布に生き抜いた同志の姿を通して、真の充実の人生について考察する。
◇1740人の友人葬を担当
世界的なジャズ・ピアニストであり、SGIメンバーのハービー・ハンコックさんは、1985年、飛行機事故で最愛の妹を亡くした。その時の模様を、『ジャズと仏法、そして人生を語る』の中で語っている。
——母親の悲しみを案じながらハンコックさんが駆けつけてみると、30人近くの人が集まっていた。惨事で亡くなったにもかかわらず、明るい雰囲気で、皆が故人を偲び、その人生を讃えていた。そして母親も一緒になって、題目を唱えたという——。
池田SGI会長は、そのことについて次のように語っている。
「気高き妹さんの人生の大勝利の象徴ですね。多くの方々から惜しまれ、偲ばれることは、それ自体が『成仏』の目に見える証拠と言えます。そのことは、おのずとご家族に感得されていくものでしょう。これは、学会の友人葬で感銘を広げている清々しい光景でもあります」
広布に生き抜いて最期を迎えた同志の葬儀には、悲しみの中にも荘厳さがあり、時に感動さえ感じる。
仮に不慮の事故や突然の死であっても、「寂光の往生を遂げ須臾の間に」(御書574ページ)と日蓮大聖人が仰せのように、すぐに広宣流布の陣列に戻ってくることは間違いない。
何より、妙法に殉じた同志の"生きざま"は不滅の光を放ち、多くの人々の心に刻まれている。
1000人以上の「友人葬」の導師を務めた壮年が神奈川にいると聞き、先月、横須賀市を訪れた。
「昨年11月まで総県儀典部長を務め、これまでに1740人の友人葬を担当してきました。今も個人的な依頼などで、月に数回は友人葬の導師を行っています」
角田佳穂さん(84)=方面参事、横須賀正義県主事=は、笑顔で語る。91年(平成3年)から葬儀で導師を務め、一人一人を真心込めて送ってきた。
「友人葬には、未入会の家族や地域の友人など、多くの方が参列します。友人葬は『学会理解の輪を広げる最前線』との意識を持って取り組んできました。
葬儀の前には、必ず遺族や友人から故人の来し方を聞き、私のあいさつで触れるようにしています。遺族の心に寄り添いながら、故人の苦難の人生や勝利のドラマ、人柄などを伝えています」
◇他者への奉仕と貢献に徹する
長年、同志との"別れの場"に立ち会ってきた角田さんが、実感していること——。
それは、学会員の絆のありがたさであり、広布に戦い切った人生の荘厳さである。
「『生老病死』や『愛別離苦』という人生の根源的苦悩に直面した友が、再び前を向いて進んでいけるのも、学会という組織があるからです。学会員の同苦と励ましが、どれほど多くの人々の心に希望の灯をともしているか計り知れません」
角田さん自身も24歳で入会して以来、多くの同志から励ましを受けてきた。学会と共に人生を歩んできたからこそ、"今の自分"があると確信している。
84歳になり、学会員だけでなく多くの友人や知人との別れも経験するようになった。華やかな人生のように見えても、苦悩を抱え、孤独な人もいる。社会的に成功を収めていても、幸福につながっているとは限らない。
その点、良き友に恵まれた学会員としての人生には、常に励ましがあり、希望がある。人生最期の時に「満足した人生だった」と言えるかどうか——。その一瞬は、自身が何のために生き、何をなしてきたのかという来し方と表裏一体だと角田さんは考える。
記者が「これまでで印象深い葬儀は?」と尋ねると、角田さんは幾つかの事例を挙げた上で、こう答えた。
「亡くなった人の人生を振り返ると、皆、"生きた証し"や"人生の軌跡"があります。私が担当した友人葬にも1740通りのドラマがありました。
世間的には無名でも、学会には『庶民の王者』ともいうべき、他者への奉仕と貢献に徹し抜いてきた同志が大勢います。自他共の幸福を目指して、愚直に信仰を貫いた同志の姿は本当に素晴らしいと思います」
◇充実の「生」と安らぎの「死」
御書には、広宣流布に徹した人の成仏について、『喜ばしいことに、一仏二仏ではなく、また百仏二百仏でなく千仏までも来迎し手を取ってくださるとは、歓喜の涙を抑え難い』(P1337、通解)と記されている。
最後まで戦い、生き抜いた先には、必ず安らぎの「死」が訪れることを大聖人は断言されている。
角田さんは先日の友人葬でも、この点を強く実感したという。
89歳で亡くなった壮年は、長年、夫妻で純真な信仰を貫いてきた。17年前に妻を亡くしたが、悲しみにも負けずに前進してきた。
「奥さんが亡くなった後、男性は初めて海外旅行に出掛け、知人らとアメリカ創価大学(SUA)や、池田SGI会長が2度講演したハーバード大学などを訪問しました。
その素晴らしさに感銘を受けた男性は帰国後、"来世は必ずSUAやハーバードで学び、医師になろう"と決意。80歳を超えてからラジオで英語を学び始め、かなり上達したそうです。
最後まで挑戦の心を持ち、本人は今世で戦い切って、来世へ希望の旅立ちをしたのだと確信しました」
実際、学会には高齢になっても挑戦の心を持ち、はつらつと活動に励む同志が数多くいる。また、病気などで体は不自由になっても、心は負けずに奮闘している友も多い。常に前進し、成長しようという姿自体が、周囲に希望を送っている。
角田さんは語る。
「人間は年を重ねる中で老いや病に直面し、次第に体が弱くなったり、気力が衰えてきたりします。しかし仏法では、どのような状況でも生き抜き、自身の使命を果たしていくことを教えています。広布のために戦い抜いた先にある死は、荘厳で満ち足りている——。友人葬は、その事実を証明している場でもあるのです」