2015年2月14日土曜日

2015.02.13 わが友に贈る

「体験」が光る!
「哲学」が輝く!
創価の座談会は
希望と勇気の光源だ。
共感の語らい広げよう!

西山殿御返事 P1474
『夫れ雪至つて白ければそむるにそめられず漆至つてくろければしろくなる事なし、此れよりうつりやすきは人の心なり、善悪にそめられ候、真言禅念仏宗等の邪悪の者にそめられぬれば必ず地獄にをつ、法華経にそめられ奉れば必ず仏になる』

◇人生の座標
親が貧しいから、親が無学だから、夫婦げんかがあるから−−「だから自分は不幸だ」。そうではない。「だからこそ、人間らしい世界であり、人間らしい自分になれるのだ」。こう思ってもらいたい。

☆100文字の幸福抄
「母への感謝」を忘れた時、
人は傲慢になる。
大切な「何か」を見失ってしまう。
そのままではやがて、
不幸の方向へと進んでいくことになる。
「母への感謝」をもち続ける人は、
正しく、心豊かな人生を歩んでいける。

☆第40回「SGIの日」記念提言 「人道の世紀へ誓いの連帯」(下)�
◇被災地・仙台での国連防災世界会議
二つめの提案として、多くの難民を受け入れている地域で、難民のエンパワーメント(内発的な力の開花)に、近隣諸国が共同で取り組む仕組みを整備することを呼び掛けたい。
近年、紛争や内戦に加えて、災害や異常気象などによって、大勢の人々が難民状態に置かれる事態が相次いでいます。
この問題をめぐって私が注目するのは、明年にイスタンブールで開催される「世界人道サミット」に向け、各地域で行われてきた準備会合での議論です。
「世界人道サミット」は、紛争や貧困をはじめ、災害や異常気象などが引き起こす、さまざまな人道的危機に対し、国際社会が一致して立ち向かうための方策を探るもので、昨年7月に東京で行われた準備会合では、災害への対応が焦点となりました。
そこで終始強調されたのは、人道支援活動の中心に「被災した人々」を据え、人々へのエンパワーメントをより強めて「尊厳ある暮らし」ができるようにする取り組みです。
この観点は、災害に見舞われた地域の復興を目指す上で、私どもSGIが最も重視してきたものでもありました。深い苦しみに直面した人であればこそ、同じような苦しみを抱える人の"かけがえのない心の支え"となり、前に進もうとする力を共にわき出すことができるからです。
東日本大震災から4年となる本年3月には、仙台で第3回国連防災世界会議が行われます。
SGIでも、会議の関連行事として、「北東アジアの連帯によるレジリエンスの強化」をテーマにした会議を開催します。
「レジリエンス」とは、災害に伴う被害の拡大を防ぎ、復興を後押しする「社会の回復力」ともいうべきものですが、この分野でどのような協力を深めていけるのか、日本と中国と韓国の市民社会の代表が集い、その可能性を追求することになっています。
また、東北青年部の主催で「防災・復興における青年力」をめぐるシンポジウムを行うほか、宗教団体の復興支援のあり方に関する「信仰を基盤とした組織の役割」の討議にも参加する予定です。
いずれの会議でも、「エンパワーメントの強化」を通じて、一人一人の人間、特に被災した人々がレジリエンスの担い手となることに焦点が当てられますが、このテーマは、「長期化難民」が増加する中、難民の尊厳と人権の問題を考える上でも、同じく重要になってくると考えます。
人道的危機においては、紛争や災害といった原因の違いがあっても、慣れ親しんできた家を追われ、人生と生活の足場を失った苦しみ自体に変わりはなく、何よりも大切なことは「一人一人が生きる希望を取り戻すことができるかどうか」にあるからです。
難民の8割以上を途上国が受け入れる中、この「長期化難民」の問題に関して注目されるのがアフリカの取り組みです。
AU(アフリカ連合)やECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)(注5)を通し、難民問題への地域協力が模索され、枠組みづくりが進んできました。
なかでも興味深いのは、アフリカでは庇護国での難民の長期滞在が一般的となる中、「事実上の統合」が進んできたケースもあると、専門家が指摘している点です。
「事実上の統合」には、�強制送還の恐れがない、�キャンプなどに住むことが強要されない、�援助に頼らず、生計を立てることができる、�教育、職業訓練、医療などにアクセスできる、�冠婚葬祭などを通じて受け入れ地域との社会的ネットワークがある、といった特徴がありますが、アフリカのいくつかの農村部でその特徴がみられるというのです。
またECOWASでは、2008年の閣僚理事会で、加盟国の市民と域内の難民を平等に扱うことが提言され、ナイジェリアなどに滞在する難民は、出身国から旅券の発行を受けられることになりました。その結果、難民は移住労働者としての新しい地位を得ることができ、正式に庇護国で定住する道が開かれたという事例もあります。

◇より人間的な顔を世界に与える
ナイジェリアの作家で、私が友情を結んだウォレ・ショインカ氏の言葉に、「ほかの人の身になって想像力を働かせることが正義の基本」(「読売新聞」1995年11月29日付)とあります。
アフリカでは、古くから人々の交流が盛んで、異なる文化を持つ人々を寛大に受け入れる慣習があるといわれますが、その精神が息づいたアプローチに、私は、難民問題の解決を考える上での新しい地平をみる思いがするのです。
振り返れば、55年前に国連本部を初訪問した折、独立まもないアフリカの国々の代表が清新な息吹で討議に参加している姿をみて、「21世紀は、アフリカの世紀になる」と確信したことを思い出します。
マンデラ元大統領の人権闘争や環境運動家のワンガリ・マータイ博士の植樹運動をはじめ、人類が希求する「平和と人道の21世紀」を先取りするような偉大な挑戦は、アフリカから起こってきました。
同じく、困難に直面しながらも、地域での協力を模索し、難民問題への対応を積み上げてきたアフリカの経験も、新しい国際目標の挑戦を始めようとしている国連への、「世界にもっと人間的な顔を与えるという贈り物」(スティーヴ・ビコ『俺は書きたいことを書く』)となるのではないでしょうか。
多くの難民を受け入れているアジア太平洋地域や、シリアの内戦で難民が急増する中東などでも、アフリカの事例などを参考にしつつ、「難民の人権を守るための地域協力」を充実させることを提案したい。
例えば、難民の受け入れ国に対して、近隣国が協力する形でエンパワーメントの強化を担い、受け入れ国の青年や女性も一緒に教育支援や就労支援などを受けられる仕組みを設け、「域内市民への共同エンパワーメント」として推進していってはどうか。
その機会を通じて、難民と受け入れ国の人々との個人的な絆を強めることが、難民支援における大きな支えとなり、地域全体のレジリエンスの強化にもつながると考えるのです。

◇155カ国・地域が賛同した共同声明
第二の柱は、「核兵器のない世界」を実現するための"行動の共有"です。
国連の創設に伴い、最初に取り組むべき課題として提起されたテーマは何か。それは、総会の第1号決議として採択された核兵器の問題にほかなりません。
国連憲章が検討されていた段階では、核兵器の存在は公になっていなかったため、軍縮よりも安全保障に議論が集中しました。
しかし、憲章の採択から1カ月余り後、広島と長崎に原子爆弾が投下され、世界中に衝撃が広がる中、国連でも早急な対応を求める声が高まったのです。
決議は、「原子爆弾を他の大量破壊兵器とともに国家の軍備から撤廃する」との明確な表現をもって、例外のない完全廃棄を求めたものでした。
その呼び掛けは、冷戦対立の激化で立ち消えそうになりながらも、朝鮮戦争での核兵器使用を思いとどまらせる上で影響を及ぼしたといわれる「ストックホルム・アピール」の署名運動や、東西対立を超えて集まった科学者らによって1957年に結成されたパグウォッシュ会議が提起した内容などが基礎となり、核兵器を規制する条約づくりを求める機運が次第に高まるようになりました。
こうした市民社会での機運の高まりと、核戦争が瀬戸際まで迫った62年のキューバ危機などの教訓も相まって、ようやく70年に発効をみたのが核拡散防止条約(NPT)でした。
そこで核軍縮の誠実な追求が約束され、国連創設以来の未完のプロジェクトがNPTに託されたものの、発効から45年となる現在も廃絶は達成されず、核軍縮は停滞したままです。
しかし現在、「核兵器のない世界」を求める動きが新しい形で広がりをみせており、昨年10月には「核兵器の人道的影響に関する共同声明」に155カ国・地域が賛同しました。
国連加盟国の約8割にあたる国が、いかなる状況下でも核兵器が使用されないことを求める、共通の意思を明確に示したのです。

◇3回の国際会議で検証された内容
また、2013年3月にノルウェーのオスロで、最初の「核兵器の人道的影響に関する国際会議」が開催されて以来、オーストリアのウィーンで先月に行われた会議まで3回にわたり、核兵器の使用がもたらす人道的影響についての検証が続けられてきました。
一連の会議で浮き彫りになった事実の中で、被害を受ける人間の側から見て、特に重要と思われるのは、以下の3点です。
�いかなる国も国際機関も、核爆発によって引き起こされた直接的被害に適切に対処し、被災者を救援するのは困難であること。
�核爆発の影響は国境内に押しとどめることは不可能で、深刻で長期的な被害をもたらし、人類の生存さえ脅かしかねないこと。
�間接的な影響で社会開発が阻害され、環境も悪化するために、貧しく弱い立場に置かれた人々が最も深刻な被害を受けること。
ウィーン会議では、初めて参加したアメリカとイギリスからも、非人道性をめぐるさまざまな議論が行われてきたことを理解するとの立場が示されました。
核兵器の使用がどれだけ深刻な事態を引き起こすのかという実態の検証は、保有国にとっても向き合わざるを得ない重みを持っているといえましょう。
ただし、そこからどう前に進めば良いのかは、意見が分かれています。
会議の参加国の大半が"壊滅的結果を回避する唯一の保証は、核兵器の廃絶しかない"との認識を示す一方で、保有国とその同盟国の間では"核拡散が進む中では核抑止政策を続けつつ、段階的に措置を積み上げる形で核兵器のない世界を目指すべきである"との考えが根強いからです。
では、国連創設以来の未完のプロジェクトの達成に向け、どのように"行動の共有"を形づくっていけば良いのか。
まず、双方を隔てる溝は深いように見えて、実は同じ岩盤でつながっている——つまり、共同声明への賛否とは別に、「核兵器の使用がもたらす壊滅的結果とその影響」に懸念を抱く点では変わりはないことを、出発点に据えることが大切だと考えます。
その上で肝心なのは、取り返しのつかない惨害が"自国や同盟国"に及ぶことだけを防ぐのではなく、"すべての国"で生じないようにするために、どのような新しい構想が必要かを見つめ直すことです。