新池御書 P1440
『雪山の寒苦鳥は寒苦にせめられて夜明なば栖つくらんと鳴くといへども日出でぬれば朝日のあたたかなるに眠り忘れて又栖をつくらずして一生虚く鳴くことをう一切衆生も亦復是くの如し地獄に堕ちて炎にむせぶ時は願くは今度人間に生れて諸事を閣ひて三宝を供養し後世菩提をたすからんと願へどもたまたま人間に来る時は名聞名利の風はげしく仏道修行の灯は消えやすし』
◇四季の語らい
人生の戦いは、最後の最後まで、自分自身との戦いである。恐ろしいのは自分自身の臆病の心である。「自分には、できない。だめだ」と臆病になってしまうか。それとも「自分は強いんだ。もっと強くなれるんだ」と信じて、挑んでいくか。自分自身の心一つで、運命は大きく変わる。
◇今日のことば365
私には、菊つくりの経験はない。しかし丹精こめて、見事な大輪を咲かせる心境は理解できるような気がする。
私にとって最大の楽しみは、手塩にかけた青年たちが、立派に成長していくのを見守ることだ。
★雪山の寒苦鳥
昔、インドの雪深い山に鳥のつがいが住んでいました。昼は太陽の光が当たるので、山でも暖かくなります。鳥たちは陽気に浮かれて、のんきに遊んでしまいます。ところが、夜になると昼とは打って変わって厳しい寒さが鳥たちを襲います。昼間、楽しく遊びほうけてしまったことを激しく悔います。メスは「寒くて死んでしまうわ」と一晩中、泣き叫びます。オスは「夜が明けたら、巣を作ろう」と固く決意し、妻を懸命になだめるのでした。そのような苦しい思いをしながらも、夜が明けて暖かくなると、昨夜の決意をすっかり忘れてしまい、また昼間一日中遊びほうけてしまうのです。鳥たちは、夜は寒さに苦しみ、昼は遊びほうけることを繰り返していきました。そして、ついに巣を作ることなく、むなしく一生を終えました。
【戒め】
女性は現状を嘆き、男性は将来の希望を夢見て、それでも現実を変えることをしない
私たちに則して言えば、決意し発心しても、2〜3日で忘れてしまい、仏道修行を怠る。大切なのは、決意して、その決意をどれだけ持続できるかです。また、日々、新たに発心し、決意して、実践し続けることが肝要です。
その「持続」と「日々発心」、つまり、"水の如き信心"を堅持して参りましょう!
2008年10月14日火曜日
2008.10.14 わが友に贈る
新聞休刊日