人間の成長に限界なし。
ゆえに失敗を恐れず
自身の最高峰へ挑もう!
強気に 大胆に
生涯青春の人生道を!
開目抄下 P231
『前生に法華経誹謗の罪なきもの今生に法華経を行ずこれを世間の失によせ或は罪なきをあだすれば忽に現罰あるか』
【通解】
過去世に法華経誹謗の罪がない者が、今生に法華経を行ずる。この人に対して、世間の罪に事寄せたり、あるいは何の罪もないのに迫害するならば、たちまちに現罰があるということか。
名字の言 担任の先生がくれたもの 2019年12月3日
数十年ぶりに開かれた高校の同窓会に行った。参加者は期せずして、同じものを持参していた。それは10円玉。卒業式の当日、担任教諭から「もう駄目だという時、諦める前に電話をしてほしい」と手渡されたものだ▼中には10円玉を忘れた人も……と思いきや、実は電話に使ったという。「電話があってもなくても、皆のことはいつも頭にあったよ」と白髪になった教諭。皆で集えたことを喜び合った▼自分の気持ちを素直に伝えられる機会を持つ人は、負けない。まして、それが毎日ともなれば。夫に先立たれ、子もなく1人で暮らす多宝会の婦人部員。「寂しくないよ。御本尊様と対話してるから」とほほ笑む。うれしいことがあれば「ありがとうございました」、困り事があれば「いやいや、弱りました」と報告し、題目をあげるという▼正直な気持ちのままで祈る大切さ。しかも、この"まま"は試練を避け、成長もない「そのまま」ではなく、自分らしく「ありのまま」に挑戦してこそ勝利の突破口は開かれる、と婦人の姿に教わった▼御書に「苦を苦と覚り、楽を楽と開き、苦しくても楽しくても南無妙法蓮華経と唱えきっていきなさい」(1143ページ、趣意)と。祈るとは自身を見つめ、対話し、磨き抜くこと。そこに本物の充実はある。(白)
寸鉄 2019年12月3日
青年が本年の目標完遂へ拡大に疾駆!誠実の対話は信頼が残る。堂々語れ
「一人もかけず仏に成る」御書。"絶対的幸福"開く信心なり。確信の祈りで
「ながら運転」が厳罰化。携帯使用等、一瞬の油断が命取り。絶対無事故を
電子レンジの火災多し—消防庁。使用中は目を離さず。説明書を再度確認
国際障害者デー。東京オリ・パラへ、バリアフリー進む。"心の障壁"も撤廃
☆インド・ゼビア大学の名誉博士号授与式から池田先生の謝辞 2019年11月25日
一、目覚ましい躍進を遂げゆく大国インドにあって、時代の最先端の教育を推進され、卓越した英知の逸材を陸続と育成される貴・名門ゼビア大学より、意義深き栄誉を賜り、心より感謝申し上げます。
栄えある「名誉サステイナビリティ経営学博士号」の称号を、私は同じ心で「持続可能な開発」のために行動しゆく、敬愛するインド創価学会をはじめ、世界192カ国・地域の宝友と共々に、謹んで拝受させていただきます。誠にありがとうございます。
◇もっと成し遂げられることがある
一、貴大学の崇高なる理念を学ばせていただく中で、私は創価教育の創始者である牧口常三郎先生の哲学との深い共鳴に感銘を禁じ得ないのであります。
貴大学は、ラテン語の「マジス」つまり「より、もっと、さらに」という精神における教育をモットーに掲げられています。
ウバリ副総長が明快に示されている通り、「今まで何かを成し遂げたとしても、もっと成し遂げられることがある」——ここに「マジス」の精神が脈打っています。
貴大学は、この息吹を満々とたたえて、インド最高峰と仰がれた経営学院の当時から"未来を啓発する学びや"として、前進また前進、成長また成長、挑戦また挑戦の知性のパイオニアを澎湃と送り出してこられました。
◇「マジス」と「価値創造」の精神
私たちの先師である牧口先生は、「マジス」の精神と相通ずる、「創価」すなわち、たゆみなき「価値創造」の教育を提唱しました。そして自ら平和の信念を体現し、第2次世界大戦中、日本の軍部政府の弾圧によって獄死を遂げるその時まで、法華経に説かれる「勇猛精進」を貫き通しております。獄死の一月前の最後の書簡にも、「カントの哲学を精読している」と記されておりました。
この「マジス」と「創価」の精神は、いずれも「持続可能性(サステイナビリティ)」を追求し、実現しゆく上で、大いなる希望の力となるのではないでしょうか。
そこには、「人間」の生命それ自体が具える限りない可能性への信頼があり、自負があり、誇りがあるからであります。
◇「手遅れにならないうちに!」
一、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」においても、前文に続いて高らかに謳い上げられているのは、まさしく「人間」という一項目であります。
私は、「ローマクラブ」の創立者アウレリオ・ペッチェイ博士との語らいを思い起こします。
世界の地球の環境破壊や資源の枯渇、人口増加などの危機にいちはやく警鐘を打ち鳴らされた博士と共に、私は「手遅れにならないうちに」との願いを込めて、35年前に対談集を発刊いたしました。
◇ローマクラブ創立者・ペッチェイ博士 「未開発で未使用の莫大な資源がわれわれの内部に」
地球的問題群の深刻な現実を憂慮されつつも、博士は悠然と、また厳然と指摘されました。
「これまで探索されたことすらない未開発で未使用の能力という、莫大な富がわれわれ自身の内部にある」
「これこそはまさに驚くべき資源であり、再生も拡大も可能な資源」である、と。
ゆえに、人間の内なる変革——「人間革命」によってこそ、人類は必ずや無限の可能性を開き、希望の未来を創ることができる。これが私たちの結論でありました。
その原動力こそが、教育の聖業でありましょう。
◇「誰一人取り残さない社会」は人のために尽くす人材の育成から
一、思えば、人類の教師・釈尊は、万人の生命に最極の智慧が秘められていることを明かし、その智慧を一人も漏れなく開き、示し、悟らしめ、入らしめようと、まさに至高の人間教育を実践されました。
この釈尊の心を受け継ぐ求道者たちが起こす「衆生無辺誓願度(一切の衆生を幸福へ導く)」という誓いは、「持続可能な開発目標(SDGs)」の理念である「誰一人取り残さない」の理念とも一致します。
そしてそれは、「人々が素晴らしい人生を歩み、世界の光となれるように」というビジョンに立った貴大学の教育と、見事に響き合っているのであります。
貴大学では、ウバリ副総長が強調されているように、「人のために尽くす人材の育成」さらに「人道的な社会の創造に貢献する教育」に力を注がれております。
ここに「持続可能な開発」へ連動していく教育の模範を、私は見る思いがいたします。
◇アショーカ大王の「人間革命」
一、歴史をさかのぼれば、貴大学が聳える、ここオディシャ州の州都・ブバネーシュワルは、宝の遺跡が幾重にも広がる悠久の古都であります。
近郊には、「ナーランダ大学」「タキシラ大学」と並び称せられる名高き「プシュパギリ大学」があったとされます。近年の有力な研究では、あのアショーカ大王によって創立されたとも考えられております。
紀元前3世紀、アショーカ大王の「人間革命」の転機となった「カリンガの戦い」の舞台も、ここオディシャ州のダウリであります。
あまりにも残酷な戦争への悔恨にさいなまれた大王は、「軍事力による征服」から「法(ダルマ)による統治」へ転換を果たしていきました。
大王は「生命尊厳」のヒューマニズムを具現化して、福祉や環境保護、女性への奉仕、信教の自由の保護、格差の是正、他国との文化交流等々、画期的な貢献を残しております。
そこに、現代の「持続可能な開発」への大いなる示唆を見いだすのは、私一人ではないでありましょう。
ここダウリの天地の岩に厳然と刻まれたアショーカ大王の法勅には、「一切世間の利益のために努力するように」しかも「最上の努力」を、との一節があります(塚本啓祥著『アショーカ王碑文』第三文明社)。
◇持続可能な地球の創造へさらに挑戦を!
幾千年を超えた、この魂の呼び掛けに応え、私たちは、共に共々に手を携えながら、「より、もっと、さらに」との「マジス」の心で、持続可能な地球社会の創造へ、「最上の努力」を尽くしていこうではありませんか!
最後に、わが命の母校たる貴大学のいよいよの発展と、ご臨席の方々のますますのご健勝を心からお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。(大拍手)