2019年8月20日火曜日

2019.08.20 わが友に贈る

「蘭室の友に交りて
麻畝の性と成る」
学会は善知識の集いだ。
どんな悩みも相談できる
信心の先輩をつくろう!

高橋殿御返事 P1467
『同じ米穀なれども謗法の者をやしなうは仏種をたつ命をついで弥弥強盛の敵人となる、又命をたすけて終に法華経を引き入るべき故か』

【通解】
同じ米であっても謗法の者を養うのは、仏の命を断つ命を継承させ、更に強盛な敵人とする。それともまた命を永らえさせて、最終的に法華経に引き入れるためであろうか。

〈寸鉄〉 2019年8月20日
人類が池田博士の哲学を学べば世界平和は実現—総長。後継の青年が宣揚
「革命は小事にあらざるも小事より発生す」哲人人間革命の一歩を今日も
折伏をなす者は偉大な生命力で困難に打ち勝つ—恩師。青年よ挑戦王たれ
広島土砂災害5年。教訓忘れず自助・共助・公助で支え合う安心の列島に
百日咳の患者、既に1万人超。乳児は重症化も。予防接種と早めの受診を

☆SUA入学レセプションへの池田先生のメッセージ 2019年8月11日
◇「何のため」の原点を忘れるな! 不屈の努力で壁を破れ
◇デューイ博士「一人の人間が成し遂げたことがそれに続く人々の出発点となる」
一、人類の「希望の太陽」と輝く19期生の皆さん、また大学院に進学される皆さん、晴れの入学、本当におめでとう!
最優秀の宝の英才を、わがアメリカ創価大学(SUA)へ送り出してくださったご家族の方々にも、心より感謝申し上げます。
創立者として、愛するSUAの学生の健康・無事故と幸福・成長、そして栄光・勝利を祈らない日は、一日としてありません。皆さんの学生生活が有意義で、喜びに満ちた充実の日々となるよう、最大に見守り続けていく決心です。
薫陶してくださる教員の先生方、お世話になる職員の皆さん、頼もしきSUAの先輩方、どうか、よろしくお願いします。

国境は見えない
一、今日は、これから始まる皆さんの新たな挑戦に、まず「不屈の心を燃やす向学の青春を!」とエールを送りたい。
私が1974年9月にロシア(当時はソ連)を初めて訪れてから、45年を迎えます。
当時は、東西冷戦の最中で、中国への訪問(74年5月)に続いてイデオロギーや社会体制の異なる国へ行くことに、強い反対の声もありました。
しかし私は、胸襟を開いて語り合えば、同じ人間として必ず分かり合えると確信していました。そして、その信条のままに多くの方々と友情を結び、モスクワ大学をはじめ学術機関との教育交流、また文化交流を進めてきました。
その大切な友人の一人が、宇宙飛行士として活躍されたアレクサンドル・セレブロフ博士です。
博士は、宇宙から見れば、地球は小さな存在で、国境線は一切、見えないと言われました。ゆえに宇宙という大きな視点に立った時、人間は誰もが宇宙船「地球号」の乗客であり、あらゆる差異を超えて協力できるはずだと確認し合ったのです。
わがSUAは、まさしく世界中から英知の若人が集う「地球の縮図」です。このキャンパスの伝統である「心通う対話」「切磋琢磨の友情」こそが、分断や対立を克服し、共生と平和の社会を築きゆく原動力となることは間違いありません。いうなれば、宇宙船「地球号」の希望のリーダーシップを育む学びやなのであります。

昨日よりも前へ
一、セレブロフ博士は、4回の宇宙飛行、10回の船外活動に成功しています。その準備は毎回が困難の連続であり、宇宙では命に及ぶ危機を幾度も乗り越えてこられました。
博士は語られています。"誰もが本来、極限状態に耐えられる素養を持っている。だが、その素養とは、何の形もない粘土のようなものにすぎない。それを形へとつくり上げていくのは、一人一人の「努力」である"——と。
そして博士は"「何のため」との目的観を持った時、人間は厳しい試練に耐え、それを乗り越えるための強靱な精神力を引き出すことができる"と強調されているのであります。
偉大な青春の使命の飛翔も、また同じでありましょう。明確な「目的」を掲げ、そして不断の「努力」を貫けば、破れない壁などない。わが無限の可能性を、必ず解き放っていくことができるのです。
大事なことは、自分に勝つことです。昨日の自分より、一歩でも二歩でも、前に進むことです。皆さんは、不屈の「負けじ魂」を赤々と燃やしながら、愛する父母のため、友のため、そして世界の民衆のために、向学と成長の勝利の軌道を歩み抜いていっていただきたいのであります。

「平和の世紀」を
一、次に、「平和の信念を生命深く打ち立てよ!」と申し上げたい。
平和貢献の人材育成を目指す英知の学府として、今、SUAは、世界の心ある識者から深く信頼され、さらなる発展へ、大きな期待を集めています。
今、キャンパスでは、「科学棟」建設の槌音が響き、明年の「生命科学」コースの開設の準備も順調に進んでいます。
20世紀を代表する大科学者であり、私が共に「生命の世紀」への展望を語り合ったライナス・ポーリング博士も、こうしたSUAの躍進の姿を、心から喜んでくださっていると確信します。
博士ご夫妻のお名前は、教室棟の一つにも冠せられています。博士は、自らの研究に取り組むだけでなく、より多くの人々の幸福を願い、核兵器の廃絶へ、世界平和の創出へと行動を起こされました。それゆえに、さまざまな圧迫も受けました。しかし、困難をものともせず、平和への信念を貫き通されながら、史上唯一、単独で二つのノーベル賞(化学賞・平和賞)を贈られております。
博士は言われました。博士が私たちに託してくださった信条です。
「世界には軍事力や核爆弾という悪の力よりも更に偉大な力がある。善の力、道徳や、ヒューマニズムの力である。私は人間の精神の力を信じる」(丹羽小弥太訳『ノーモアウォー』講談社)と。
一人の人間が持つ力が、どれほど偉大であるか。なかんずく、志を同じくする若人が連帯するならば、必ず世界を変革していくことができる。一昨年、国連での歴史的な「核兵器禁止条約」の採択を後押ししたのも、青年をはじめとする市民社会の声と力でありました。
残念なことに、世界には、いまだ争いや暴力が後を絶たず、生命の軽視や、偏見と差別は根強く残っています。
こうした混迷の時代であるからこそ、「平和の世紀」「生命尊厳の世紀」の創造を目指し、挑戦しゆくSUAの使命は、いよいよ大きいのであります。
何のためにこの大学に集い、学問を探究しゆくのか——。わがアメリカ創大生は、常にこの原点に立ち返りながら、わが知性と人格を磨きに磨き、鍛えに鍛え抜いていってください。
そして、多彩な国と地域から学生が集うキャンパスで、縁も深き友と語らい、異なる文化や価値観を心広々と呼吸しながら、人類の未来を照らしゆく平和の文化を、思う存分に創造していってください。
一、最後に、創価教育の父である牧口常三郎先生が敬愛してやまなかった、アメリカの哲学者ジョン・デューイ博士の言葉を贈り、私のメッセージといたします。
「一人の人間が、或は、一群の人々がなし遂げたことが、それに続く人々にとっての、足場となり、出発点となる」(岸本英夫訳『誰れでもの信仰』春秋社、現代表記に改めた)
大切な、大切な皆さんの前途が、限りなき希望の光で包まれゆくことを祈ります。
どうか皆さん、お元気で! 今日は本当におめでとう!(大拍手)