2019年8月4日日曜日

2019.08.04 わが友に贈る

夏は信心継承の好機!
わが家の広布史を
子や孫に伝えよう。
和やかな語らいから
共々に成長と躍進を!

四条金吾殿女房御返事 P1135
『又三十三のやくは転じて三十三のさいはひとならせ給うべし、七難即滅七福即生とは是なり、年はわかうなり福はかさなり候べし』

【通解】
三十三の厄はかえって三十三の幸福となるでありましょう。「七難即滅・七福即生」というのはこのことです。年は若くなり、福運は重なっていくことでしょう。

〈寸鉄〉 2019年8月4日
『新・人間革命』は読むほどに語りたくなる—博士青年よ学べ。対話の糧と
「従藍而青」が創価教育の特色—牧口先生。後継を自分以上に!激励重ねて
旧友との再会等、記憶をたどる機会で脳は活性化と。価値的な友好期間を
各地でお盆の渋滞予測。行動はゆとり持って。焦りや疲れは事故の因ゆえ
特殊詐欺、銀行カードの不正入手が主流と。厳重管理。暗証番号伝えるな

☆人生の価値はここに 創価大学同窓の友を訪ねて 第4回 鳥取
◇わが郷里に新たな「希望」を
新元号「令和」の発表以来、「万葉集」に注目が集まっている。
万葉集4516首を締めくくる最後の歌が詠まれた地は鳥取であった。今から1260年前の正月、因幡国司として鳥取に赴任していた大伴家持が、因幡国の役人が集う新年の宴席で詠んだものだという。
「新しき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重け吉事」
——年の始めの今日降るこの雪が積もるように、今年も良いことが重なってほしい——と。
鳥取は雪の多い地域だ。大学受験シーズンといえば冬の真っただ中。山本幸司さん(33期、経営学部卒)は、創価大学の受験を目前に控えていた2003年の新年、雪をも溶かすほどの情熱を燃やし、正月返上で猛勉強を重ねていた。
人付き合いが大の苦手だった青春時代。「人と深く関わらない方がいい。傷つくこともないから」と思っていた。大学進学など夢にも思わなかった。だが高校に入った頃、創大に進学した鳥取の先輩が自宅を訪ねてくれるようになる。
「創大に行こう。絶対に成長できる。心から信頼し合える友ができる」。そう熱く語ってくれた。
「こんな自分だから」と諦めていた山本さんを、「そんな君だからこそ」と信じ、励まし続けてくれた。心に火が付いた。受験勉強の出遅れを取り戻すように、机に向かった。
春が来た。夢にまで見た創大の入学式。創立者・池田大作先生は呼び掛けた。「頭を上げて、胸を張り、堂々と、生き生きと、人生を楽しんで、勝ち切っていただきたい」
4年間の学生生活で、どれほど多くの学友に恵まれたか。鳥取の先輩たちの言葉に、間違いはなかった。
卒業後、郷里に恩返しがしたいとUターン。地方銀行に就職した。仕事の厳しさに、心が折れそうになったことは数知れず。そのたびに創立者の励ましの言葉を胸の中で繰り返し、頭を上げた。「絶対勝つ」と。
倉吉市や松江市などへの転勤を経て、鳥取市へ。多くの資格試験にも合格し、毎年のように成績優秀者として表彰されるまでに。
課題が尽きることはないが、日に日に新たに、挑戦の心は増していく。「創大時代に築いた土台があったればこそ」。自分の人生を変えてくれた先輩たちに、学友に、そして創立者に、感謝は尽きない。

「山光水色 藍よりも青し」(山の光と水の色が照り映えて、藍よりも青く美しい)——唐の詩人・李白が詠んだこの詩を、かつて創大創立者は、鳥取・島根の山陰地方の景色の美しさと重ねたことがある。山陰を「山光」と呼ぼうと創立者が提案したのは、35年前の1984年だった。
郷里の鳥取市で小学校教員を務める西尾文枝さん(37期、教育学部卒)は、そんな豊かな自然の中で育ったこと、創立者の人柄を熱を込めて語る祖父や両親に育てられたことを、誇りに思っている。
人間教育の真髄を学ぼうと、創大の門をたたいた。迎えた入学式。初めて目の当たりにする創立者。全身を耳にする思いで創立者の祝辞を聞いていた、その時——壇上の創立者がふと、西尾さんの隣にいた新入生に声を掛けた。
「体調は大丈夫かい? そこに座っている、メガネを掛けた子……」
西尾さんは驚いて、隣の学生の横顔を見た。緊張をしていたのだろうか。確かに、入学式典の開始前から表情が固かったかもしれない。しかし創立者の温かな配慮と励ましやユーモアを交えたスピーチに、次第に笑顔が増えていった。
その時の光景と感動を、西尾さんは忘れない。
「たくさんの人たちを前にして、池田先生はどこまでも『一人』と向き合い、『一人』と語らい、『一人』と心を通わせておられたんです」
創価大学教職大学院を経て教壇に立ってから現在に至るまで、「創立者に学んだ心」を体現しようと奮闘してきた。決して器用なわけではない。それこそ文字通り「体当たり」である。
毎朝、登校してきた児童一人一人の顔を見て、名前を呼び、笑顔であいさつすること。休み時間になれば汗だくになって一緒に遊ぶこと。児童のノートに一冊一冊、丹念に目を通し、一筆に心を込めること……。「私とみんな」の関係ではなく「私とあなた」の関係であろうと、常に心を砕いてきた。卒業する児童やその保護者から「西尾先生と会えて良かった」とつづられた手紙を受け取るたび、「私の方こそ……」と、胸に熱いものが込み上げる。
暗いニュースが続いている昨今。だからこそ子どもたちを、希望で照らしたいと願う。わが古里を「山光」とたたえ、その地に生きる人々の心に光をともしてくれた創立者のように。