水や山の事故に
十分注意しよう!
危険個所には近づかず
天候の変化にも留意を。
安全第一で充実の夏に!
中興入道消息 P1333
『去ぬる正嘉年中の大地震文永元年の大長星の時内外の智人其の故をうらなひしかどもなにのゆへいかなる事の出来すべしと申す事をしらざりしに、日蓮一切経蔵に入りて勘へたるに』
【通解】
去る正嘉元年の大地震や、文永元年の大彗星の時、内道、外道それぞれの智人達が、こうした異変の起こる理由を占ったが、なぜこうしたことが起きるのか、これから先、どのようになっていくのか、わからなかった。そのとき日蓮は、一切経蔵に入り、仏の諸説の上から異変の原因と未来を考察した。
〈寸鉄〉 2019年8月6日
広島原爆忌。核兵器巡る世界情勢は混沌。民衆の連帯で絶対悪の思潮拡大
東北の歌「青葉の誓い」発表の日。皆で歌声高く。新生の道、凱歌の人生を
信越師弟誓願の日。人材山脈は隆々。清新な息吹でわが人間革命の劇綴れ
御書「事事紙上に尽し難し早早見参を期す」。足を運んで友と心結ぶ日々に
児童虐待対応件数が過去最多と。通告の増加で。電話「189」の活用益々
☆希望ミーティング 充実の「未来部躍進月間」のために(上)
◇子どもたちに自信育む経験を 楽しい思い出を
〈出席者〉
高梨幹哉(教育本部長。元高校教諭)
川原恵子(教育本部女性部長。婦人部・主任女性部長)
斎藤実(人間教育実践記録センター部長。中学校校長)
山形陽子(女子青年教育者委員長。幼稚園教諭)
赤須清志(未来部長。アメリカ創価大学卒)
池田大作先生は今月の各部代表者会議へのメッセージで「この夏は、宝の未来部を一段と激励し、育成しよう」と呼び掛けた。充実の「未来部躍進月間」(8月31日まで)とするために、地域と家庭でできることはいったい何か。「希望ミーティング」と題し、教育本部と未来部の代表が語り合った。上下2回にわたり掲載する。
高梨 突然ですが、質問です。2020年に行われることといえば、何を思い浮かべますか?
川原 え? たぶん、多くの人は「東京オリンピック」を挙げるのでしょうけれど……。
斎藤 そうですよね。でも、教育界では、もっぱら「大学入試改革」が話題になっているんですよ。大学入試の象徴ともいうべき「センター試験」が2019年度をもって廃止されて、翌20年度から「大学入学共通テスト」(21年1月実施)に変わるんです。
山形 現行のセンター試験は全て"マークシート方式"ですが、共通テストでは、一部の教科で記述式問題が導入されると伺いました。「知識の量」だけではなく「思考力」「判断力」「表現力」が問われるようになるとか……。
赤須 教科でいうと、特に英語が大きく変わるみたいですね。これまでは「読む」「聞く」力を中心に求められてきましたが、「話す」「書く」技能も評価されることになったんです。だから、"最後のセンター試験"を受験する高校3年のある未来部員は、「浪人すると入試テストの方式が変わっちゃうから、何としても一回で合格しなきゃ!(苦笑い)」って、語っていました。
◇大学入試改革
高梨 大学入試改革は、「これからの時代に求められる力」を評価するために行われるものと言えるでしょう。「もっとたくさん勉強しなきゃいけないのか」等と、不安を覚える親御さんや未来部員もおられるかもしれません。けれど、むしろ、「暗記型の勉強が嫌いな子」だったり、「何か夢中になれるものを持っている子」「外遊びが大好きな子」だったりする方が、合格のチャンスが広がると語る教育関係者も少なくないんです。
◇表現することを楽しもう!
◇未来部員の努力と挑戦に意味付けの言葉をかけて
川原 安心しました(笑い)。未来部躍進月間では全未来部員が対象の「E—1グランプリ」(4人一組で英語の寸劇を行うもの)や、少年少女部の「きぼう作文コンクール」「少年少女希望絵画展」、中・高等部の「読書感想文コンクール」が行われますが、「話す力」「書く力」「表現力」といった、これからの時代に求められる力を磨く機会にもなりますね。
斎藤 そうなんです。それも、子どもたちが一人で行うものではなく、未来部担当者や教育本部のメンバーと交流しながら進めるものばかり。文部科学省は、「異世代間や同世代間で円滑な人間関係を築いていくための国語の運用能力(特に、話す力、聞く力など)」の必要性を訴えています。さまざまな世代が集まった創価家族が励まし合いながら推進する各種コンクールは、とても重要な意義を持つと思います。
山形 特にE—1グランプリは年々、挑戦者が増えていますね。今年は、さらに多くのメンバーに挑戦してもらえるよう、英語の課題文が短く平易な「E—1フェスティバル」も用意されました。
赤須 毎回、みんながそれぞれ「自分の力を表現すること」を楽しんでいる姿が、印象的なんですよ。高い英語力を追求する子だけではなく、「演技力」でキラリと光る子、斬新なアイデアを生み出す「発想力」を持つ子、衣装をつくることが大好きな子、とにかく元気で、チームのムードメーカーになれる子などなど……英語の得手不得手にかかわらず、「みんなが主役なんだ」という強い思いで互いの力を表現し合う——それがE—1グランプリなんだと思います。
高梨 英語では「表現する」という言葉を「エクスプレス(express)」といいますが、この綴りは「ex(外に)+press(押す)」という組み合わせで、「外に押し出す」という意味になるそうですね。池田先生はこのことを踏まえて、語られています。「押し出すためには、内面に"確たる自分"がなければならない。それは『信念』と言ってもいいし、『哲学』と言ってもいい。それを外へ押し出し、意見や対話を交わすことによって、内面がさらに開拓され、より境涯の高い自分が確立されていく」と。
◇見えない一面
川原 仏法の「桜梅桃李」の法理も、それぞれの個性を表現する素晴らしさを説いたものですね。桜や梅など、それぞれの花に美しさや輝きがあるように、人間もまた、ありのままの姿で自分らしく輝いていけばいい——と。各種コンクールに臨む皆さんには、ぜひ、この信念と哲学を持って、伸び伸びと「自分らしさ」を表現することを楽しんでいただきたいと、願わずにはいられません。
斎藤 ええ。子どもがどんな場面で輝くかは、一面的に見ているだけだと分かりません。私は中学校校長として懇談などを通し、できるだけ全ての生徒と直接的な関わりを持つようにしています。授業中の姿だけ見ていたら気付けないことに、気付かされるんですよね。それも真面目な話ではなく"雑談"の中で。学習状況等が芳しくないと聞いていた生徒たちの中に、サッカーや野球は大好きだという子たちがいて、彼らが出場する試合を見に行ったこともあります。別人のような、と言ったら失礼ですが、生き生きと走り回り、大きな声を出す彼らの姿に驚きました。
赤須 未来部員への訪問激励にも通じますね。学会の会合だけでは見えない一面を見るには、訪問激励が一番だと思います。また、未来部担当者の方々の中には、未来部員が好きなゲームやスポーツを一緒にやりながらおしゃべりしたり、ラーメンを一緒に食べながら話を聞いたりと、「いつもと違う雰囲気」をつくろうと創意工夫をされている人も多くおられます。
山形 素敵ですね。「遊ぶ」とか「食べる」とか、そういうことって、実はとても大事だと思うんです。これはあくまで幼稚園教諭としての立場から感じることなんですが、子どもたちの生活は「遊ぶこと」「食べること」が中心です。遊びたいから遊ぶ。食べたいから食べる。誰も「遊ばなきゃ!」と思って、遊ぶ子はいません(笑い)。公園で虫を探すとか、ボール遊びとか、全部「自発的」です。子どもが自発的にやっていることを大人が止めるのではなく、「楽しいね」「おいしいね」と共感したり、「すごいね」「そんなこともできるの?」と褒めたりすることで、子どもたちの目は輝きます。いろんなことに「気付き」や「学び」を得ながら、どんどん成長していくんですよ。
高梨 脳科学の分野でも人間は「うれしい」「ワクワクする」といった感覚を味わっている時、ドーパミンが脳内で分泌され、脳が活性化するともいわれていますしね。私たち教育本部も、未来部育成の支援に当たっては「どうすれば子どもが喜ぶか。楽しめるか」という視点を大事にしています。そしてもう一つ大事な視点は、勉強にしても、信心にしても、「何のため」にするのかということでしょう。それも大人が「押し付ける」のではなく、その子にとって「何のため」になるのかを、「一緒に考えていく」ことが重要です。
斎藤 外国語を学ぶことについて「『なぜ語学を学ぶのか』という『哲学』をしっかりと持つべきです」と、池田先生が語られていたことを思い出しました。「『言葉』は大きな力を持っています。仏典には、『言葉とは心の思いを響かせて声に表したものである』(御書563ページ、通解)と説かれています。言葉は『心』です。言葉のやりとりは、『心のやりとり』ともなります。多くの語学を身につければ、それだけ世界の人々と『心』を通わせることもできます」と。
赤須 実際にSGIは192カ国・地域に広がっています。それは未来部員にとって「同じ信仰を持った友達が世界中にいる」とも言えるのではないでしょうか。また世界の人口は約73億人といわれていますが、そのうち英語を実用レベルで使用している人の数は、約15億人いるそうです。英語を話せれば、それだけの人たちと心を通わせることができるかもしれない——そう思うと、ワクワクしてきますよね。
◇創価家族と
斎藤 語学に限ったことではありません。子どもたちが今、努力していることや挑戦していることは、何のためになるのか、どんな大きな意味を持つのか——それを周囲の大人が具体的な言葉にして、「意味付け」「価値付け」を積極的に行えるといいですね。そうすれば子どもたちの意欲も高まり、「自分は、すごいことをやっているんだ」という自己肯定感も育まれていきます。
高梨 そうですね。例えば褒める際は、勉強にせよスポーツにせよ、「結果」よりも「過程」を、つまり頑張った「心」に、価値や意味を見いだしたいものです。子どもは、それがうれしい。努力する「習慣」も身に付くでしょう。池田先生は「もっている力を出しきる『くせ』をつければ、どんどん『力』が出てくるのです。そういう『くせ』をつければ、自分の『使命』も、やがてわかってくる」と教えてくださいました。
川原 学会の世界って、未来部員が頑張ったら、壮年・婦人も青年部のお兄さん・お姉さんも、みんな喜んで褒めてくれますよね。どんなささいなことでも、「こんなに頑張ったなんてえらいね!」「そんな視点を持てるなんてすごい!」って、そりゃあもう、すごい勢いで(笑い)。例え失敗したとしても「必ず意味がある。この経験は、もっと大きな自分になるためのものだよ」とか、「人の痛みが分かる優しい人になって、たくさんの人に勇気を送っていく使命があるんだよ」って、励ましてくれるじゃないですか。
山形 私も、そんな創価家族に育てていただいた一人です。大人にとって、夏は、子どもたちと触れ合える時間が増える季節だからこそ、そうした豊かな関わりを、たくさん重ねていきたいものですね。