2019年8月10日土曜日

2019.08.08 わが友に贈る

小さなことからでよい。
「何か一つやり遂げる」。
それが確かな自信に。
未来の自分を思い描き
今日も偉大な一歩を!

松野殿御返事 P1389
『四の巻には仏を一中劫罵るよりも末代の法華経の行者を悪む罪深しと説かれたり、七の巻には行者を軽しめし人人千劫阿鼻地獄に入ると説き給へり』

【通解】
法華経の第四の巻・法師品第十には、仏を一中劫の長い間罵る罪よりも、末代の法華経の行者を悪み敵対する罪はなお深いと説かれている。第七の巻・不軽品第二十には、法華経の行者を軽んじた人々は、千劫という長い間阿鼻地獄に入ると説かれている。

〈寸鉄〉 2019年8月8日
青年教学2級の申し込み12日まで。最高峰の哲理を学ぶ喜び、あの友にも
東京・荒川広布原点の日。常勝不敗の王者よ!人材育成と拡大の先駆を頼む
「飲食節ならざる故に病む」御書。バランス良い食生活を。これ健康の基本
資産等聞く電話、3カ月で3万5千件。強盗などの兆候。安易に答えるな
夏休みは子のSNS被害に注意。携帯利用の規則作りを。家庭で話し合い

☆御書と歩む� 第83回 無事故こそ幸福の基盤
『鎌倉より事故なく御下りの由承り候いてうれしさ申す計りなし』(蒙古使御書、1472ページ)

◇通解
鎌倉から事故なく国に戻られたことをお聞きし、うれしさは申し上げようもない。

◇同志への指針
門下の道中の無事まで案じ見守ってくださる。これが御本仏のお心である。
無事故こそ幸福の基盤だ。油断は大敵である。事故を絶対に起こさない、断じて巻き込まれないと一念を定め、強盛に祈り抜くのだ。
朝夕の張りのある勤行を基本に、「百千万億倍の用心」を忘れまい。自他共に日々、無事安穏を勝ち取り、健やかな充実と和楽の夏に!

☆人生の価値はここに 創価大学同窓の友を訪ねて 第5回 山梨
◇古里に築く"人材の城"
山梨県出身の文豪・山本周五郎にこんなエピソードがある。周五郎が知人と一緒に歩いていた時のこと。山すそを巻いている長い歳月を経た石垣を指さし、それを黙々と築いた人々に思いをはせ、言ったという。
「こんな石垣はどこにでもある、と君は思うだろう」「だが、名利をもとめない縁の下の力持ちたちの努力によってこの世の中が維持されていることが、むしろ多いのだ、わたしは石垣をみるのが好きだ」(木村久邇典著『人間 山本周五郎』小峯書店)
創価大学創立者・池田先生のまなざしも、常に"石垣を築く人々"に注がれてきた。人は石垣、人は城。人づくりの根幹たる教育こそ「私の人生における最後の事業」とも語っている。
山梨県の最南端・南部町で小学校教諭を務める佐野亜由美さん(15期、経営学部卒)にとっても、教職は、労苦と葛藤を経てつかみ取った"天職"ともいうべきものだった。「創大に入学していなければ、今の自分はありません」
栃木・小山市の両親は、病や経済苦と闘う中で必死に入学金を工面して、「池田先生のもとで学んできなさい」と背中を押してくれた。「これほどまで」と驚くほど創立者からの励ましに包まれた学生時代。在学中だけではない。卒業後、証券会社や小山市役所など職を転々とする中、苦手な仕事に疲れ果て、「もうだめだ」と思った時、15期生の卒業文集をあらためて手に取ったという創立者から"頑張るんだよ"との伝言が届いたこともある。
創大通信教育部に学び、小学校教員免許を取得。静岡での勤務を経て、結婚を機に夫の実家のある山梨・南部町へと移り住んだ。
現在、教壇に立つ小学校は明治から続く伝統校。富士の山を仰ぎながら、純粋な子どもたちと共に成長の節を刻む。一学年の人数は数人という小規模校だからこそ「子どもたちとは、まるで本物の家族のよう」。
今年度での廃校が決まっているが、子どもたちとの心の絆は強まるばかり。創大創立者が、今なお卒業生の一人一人に心を砕き、励ましを送り続けていることを思えば、勇気が湧く。黙々と、朗らかに、佐野さんは、この愛する里に"人材の城"を築いている。
◆◇◆
創価大学は「自分の殻を破れた場所だった」と、知見明子さん(43期、文学部卒)は言う。大月市出身。地元の中学校を卒業後、東京・小平市の創価高校を経て創大に進学した。
"殻"とは、いつも他の誰かと自分を比べ、「私なんて」と卑下してしまう心のこと。創大の先輩や友人たちは「そんなあなたにしか、励ませない人がいる。あなただからこそ勇気や元気を送れる人がいる」と語り、知見さんが無意識のうちに閉ざしていた心のドアを、優しく強くノックし続けてくれた。創立者の池田先生が「たとえ諸君が、自分で自分をだめだと思っても、私はそうは思わない。全員が使命の人であることを疑わない」と呼び掛け続けてくれるその真心を、肌で感じた日々だった。
背伸びをせず、ありのままの自分で、心を開き、目の前の一人と向き合う。それを実践する勇気と、相手と心を通わせることができた時の喜びを、創大生活でつかんだ。現在、山梨の地方銀行に勤務。甲州市の営業担当として、さまざまな世代や職業の人々と接する中で、学生時代に得たものの大きさとありがたさを噛み締める。
銀行の仕事は"勉強の連続"だ。取得しなければならない資格も多い。心身をすり減らすような毎日にあって、朗らかな笑顔と声を失わないでいられるのも、励まし合える学友の存在が大きい。職場の上司は「何があっても君なら大丈夫」と太鼓判を押す。職場の推薦で昨年度の電話応対コンクール山梨県大会にも出場し、奨励賞を受賞した。
悩みは尽きない。「労苦と使命の中にのみ 人生の価値は生まれる」との指針を今、社会で、わが身で、体現できるかどうか。殻を破る挑戦もまた、終わることがない。

今月22日、山梨県のFMラジオ番組から、女性リポーターの弾む声が電波に乗って届いた。「私は今、体験型宿泊施設『みのぶ自然の里』に来ています」
"夏のお勧めエリア"を紹介するコーナー。リポーターからマイクを向けられたのは、この施設に勤務する井上仁人さん(35期、文学部卒)である。
「キャッチコピーは"子どもを大人に、大人を子どもにさせる宿"。四季折々の自然を感じながら、大人は子どものように時間を忘れて夢中になって遊び、子どもは体験を通して大きく成長できるきっかけを得られます」
火起こしから始めるバーベキュー、芝の斜面をソリで滑る芝すべり、竹細工、農業体験、昆虫探し、キャンプなど盛りだくさん。夜は満天の星を仰ぎ、朝は芝生や草の葉を潤す露のきらめきに息をのむ。
生まれて初めての経験を得た時の、子どもたちの目の輝きといったらない。保護者や引率の教員など、大人たちも新たな気付きと活力を得て笑顔になる。それこそが井上さんの生きがいでもある。
不登校気味だった高校時代。生きる気力すら失いかけた。そんな時、郷里の甲府市から創価大学に進んだ先輩などに勧められ、夏のオープンキャンパスに足を運ぶ。学生や教職員の熱意と輝きに心を揺さぶられ、「ここなら人生の活路を開けると思ったんです」。
サッカー部で青春の汗を流し、生涯の友情を得た。時に自分を厳しく叱ってくれる学友や先輩のありがたさ、そしてどんな時も自分を信じ励まし続けてくれる創立者の慈愛に、何度、涙したことだろう。
ひとたびは教職の道を志すも、卒業後、縁あって群馬の「国立赤城青少年交流の家」に勤務。自然体験を通して不登校の子どもたちが「生きる力」を取り戻していく姿に感動し、現職へと続く道を選んだ。現在、山梨県キャンプ協会の事務局長も務める。
自然という舞台で未知の課題を前にした時、子どもも大人も真剣な目つきになる瞬間がある。それこそが飛躍的な成長を遂げるための"スイッチ"だという。その一瞬を見逃さず、井上さんは笑顔で声を掛ける。「大丈夫! 必ずできます」
可能性を信じ抜く強い思いは、必ず相手の心に届く——それこそが、創大で培った確信である。