2019年8月31日土曜日

2019.08.31 わが友に贈る

戸田先生「腹を決めて
勇ましく進め!」
わが一念が定まれば
必ず道は開かれる。
さあ勇猛精進の挑戦を!

御義口伝巻下 P780
『普とは諸法実相迹門の不変真如の理なり、賢とは智慧の義なり本門の随縁真如の智なり』

【通解】
(普賢菩薩の)「普」とは諸法実相を意味するから、迹門の不変真如の理を表す。「賢」とは智慧の義であるから、本門の随縁真如の智を表すのである。

〈寸鉄〉 2019年8月31日
本物の師子でなければ広宣流布はできない—恩師創価三代の魂継ぐ勇者に
学生部の日。民衆厳護が君達の使命なり。若鷲よ智勇兼備の翼で羽ばたけ
天才とは強い忍耐力を持つ者—文豪。困難は成長の好機。自分らしく挑戦
高校生の海外留学が過去最多に。国境超え友情結ぶ新時代。更に後押しを
夏の疲労が出る時期。食事・睡眠・運動が健康の源聡明な生活で充実の秋へ

☆勇気の旗高く 池田先生と和歌山 2019年8月19日
◇連続勝利の歴史を飾れ
池田先生が各地の友に寄せたスピーチや指針などを紹介する「勇気の旗高く」。今回は和歌山県を掲載する。

◇詩情薫る天地
紀伊山地の山々が県の面積の大半を占め、太平洋にも面する和歌山県。
白浜町にある関西研修道場は、風光明媚な景観が広がる。1988年(昭和63年)3月、同道場で行われた和歌山県総会で、池田先生は和歌山への思いを述べつつ、友の広布への献身をたたえた。

和歌山は、海も山も、自然そのものが"和歌"であり、美しき詩歌の天地である。
私にとっても、この地は、青春時代からの憧れの地であった。若き日の日記に、私は「あこがれの和歌山」との一言を記した。

この詩情薫る天地で、私は草創の同志と数々の金の思い出を刻んだ。記念のカメラにも納まり、また未来に思いをはせ、ともに語り合った。
二十八歳、二十九歳と、和歌山市と白浜を訪れて以来、私の訪問も、すでに約二十回。この間、苦も楽もともにしながら、黄金の日記をつづることができた。その黄金の歴史を共有した和歌山同志のことを、私は生涯、忘れないであろう。

皆さま方は日夜、広布のリーダーとして、懸命に民衆の嘆きに耳をかたむけ、その幸福を祈り、行動されている。
仏法の眼、生命の因果の眼から見るとき、いかなる栄誉の指導者よりも尊き存在であられる。
その無償にして、信念の行動に対して、御本仏の御称嘆はもとより、全宇宙の諸天善神が皆さま方を守りに守っていくことはまちがいない。
私も戦う。
指導者として、休みたくとも休むわけにはいかない。
止まりたくとも、走るのを止めるわけにはいかない。
その、広布への渾身の実践にこそ、大聖人の仏法の生きた脈動が、また魂があると信ずるからだ。

県総会の前日に開催された和歌山広布35周年の開幕を記念する研修会では、リーダーが"陰の人"に光を当てる大切さを訴えた。

広布の庭には、光の当たらぬ舞台でも、誇り高く黙々と活躍している人がいる。
たとえ、だれにほめられなくとも、ひたすら自らの使命の道に徹し、行動している人もいる。
そうした友を徹底して守り、支え、励ましていくことを、広布のリーダーは決して忘れてはならない。

◇高熱を押して
「和歌山の 友に 魂とどめむと 熱き生命の 舞の歴史は」——この和歌を池田先生が詠んだのは、69年(同44年)12月21日。和歌山県幹部会が行われた日である。
先生は高熱を押して、24分間に及ぶ烈々たる指導を。2003年(平成15年)の随筆で当時の模様をつづった。

和歌山訪問を前に、私は大阪で、四十度を超す熱を出してしまった。疲れに疲れきってしまった。
私の容体の連絡を受け、妻も急きょ駆けつけた。
体を診てくれた医者は、「熱が下がれば……」と口にしたものの、本心は、絶対に和歌山行きは中止すべきだと訴えていた。側近の幹部からも、断じて行かぬよう止められた。
私は、妻と二人きりになった時に言った。
「どうしても和歌山に行ってあげたい。途中で倒れれば本望だ」
暗々のうちに二人で納得し合った。行くことが決まったのだ。

遂に和歌山の同志と共に迎えることのできた、あの県立体育館での幹部会では、会場を揺るがせゆく、歓喜と勇気の漲る師子たちのシュプレヒコールが天まで轟き響いた。
「和歌山は、戦うぞ!」
「和歌山は、勝つぞ!」
誰も私の本当の病状など知らないはずだ。
私は嬉しかった。高熱を忘れて、同志の勇敢なる雄叫びに喜びもし、安心もした。
その会合の最後に、同志の求めに応じて学会歌の指揮を執った後、もうその体は自分のものではなかった。
宿舎に移り、汗ビッショリとなった下着を替え、ただちに医師に注射を打ってもらうと、ほんの少しだが、体が楽になった。
起き上がって、窓のカーテンを開けると、眼下に別世界の和歌浦湾があった。
海の彼方に煌めいていたのは、海南市の灯りであった。あの地でも、わが同志が、生き生きと不屈の活躍を続けているにちがいない。私は合掌し、人知れず友の幸福を祈った。

御書には「一は万が母といへり」(498ページ)と仰せである。
一人の勇気ある行動が次の一人の行動を呼び、遂には万人の勇気の行動となり、勝利を呼ぶのだ。
恐れなき和歌山の友よ、一人ももれなく幸福と栄光を勝ち取り、和歌山の連続勝利の歴史を、全世界の友のために築き飾っていっていただきたい。

◇日本一の人材城を
愛する和歌山の天地に永遠に崩れぬ人材の城を築くため、池田先生は励ましを重ねてきた。1996年(平成8年)3月、和歌山文化会館を初訪問した際には、次のように呼び掛けた。

私は、ずっと思ってきた。
「和歌山に住んでみたい。もし、東京から引っ越すとすれば和歌山を選ぶにちがいない」と。
和歌山で広布の指揮を執り、また詩をつくり、書きものをしたいと願ってきた。
『老人と海』などで有名なアメリカの文豪・ヘミングウェイも、紀州に憧れを抱いていたという。

二十一世紀へ、「理想の和歌山」をつくっていただきたい。日本一の偉大なる「人材の城」を残していただきたい。
広宣流布を進めた分だけ、自分が功徳を受け、永遠の財産を生命に積む。
立派な「人材の城」をつくった分だけ、自分の生命が堅牢な城のごとく強くなり、健康になる。
「責任」を自覚した分だけ、「喜び」もある。これが仏法の方程式である。

師の激励に応えようと、和歌山の友は勇んで前進してきた。先生は2000年(同12年)の随筆で、その姿に喝采を送る。

嵐と怒濤を切り抜け、暗雲を破り、学会創立五十五周年にあたる一九八五年(昭和六十年)の四月には、晴れ晴れと、あの日、あの時と同じ県立体育館で、勝ち誇った顔も明るく賑やかに、和歌山の青年平和文化祭が開かれた。
私が舞ったその場所で、今度は、凜々しき後継の若武者たちが雄渾なる乱舞を、そして、学会歌の大合唱をしてくれたのであった。
若々しく空に伸びゆく青年の姿が、私は何よりも嬉しい。君の心の中に、あなたの心の中に、不滅の勝利の舞が輝いているからだ。

晴れ渡る朝、友と歩んだ南紀・白浜海岸——。幾度、私は、金波、銀波がきらめく水平線の彼方に、広宣流布の栄光を見つめたことだろう。
和歌山は、私の胸に光り続ける、憧れの世界だ。
美しき紀の国・和歌山!
「木の国」の名のごとく、わが同志の心には、不動の信念の大樹がそびえる。
黒潮躍る光の国・和歌山!
恐れなき同志は、青き太平洋のごとく、悠然と、勇気と希望の大波を広げる。
私は、そんな和歌山の輝ける天地を愛する!

師が渾身の指揮を執ってから、今年は50周年の佳節。意義深き"創価勝利の年"の上半期、和歌山の友は「日本一」の対話拡大を成し遂げた。
「連戦連勝」の歴史に、新たな一ページが刻まれた。

2019年8月30日金曜日

2019.08.30 わが友に贈る

人間革命の信心だ。
わが胸中に希望の未来を
"なりたい自分"を
自由自在に描き出そう!
真剣な祈りを込めて!

南条兵衛七郎殿御書 P1497
『大悪魔は貴き僧となり父母兄弟等につきて人の後世をば障るなり、いかに申すとも法華経をすてよとたばかりげに候はんをば御用いあるべからず』

【通解】
大悪魔は貴き僧となり、父母・兄弟等にとりついて、人の後世を妨げるのである。どのように言っても、法華経を捨てよと欺こうとするのを用いてはならない。

〈寸鉄〉 2019年8月30日
青年研修会が開幕!65カ国・地域270人の若き主人公と共に我らも勇躍
列島に対話の花咲かせる座談会。体験あり決意あり。皆が輝く触発の会座
「仏種は縁に従って起る」御書。さあ友情拡大へ。小さな出会いが人生の宝に
苦難があって初めて我々の善は実となる—哲人。激闘が若人の人格を磨く
災害時の食料・日用品を備蓄する家庭半数以下。教訓胸に刻みチェック!

☆開学20周年へ 未来を開くアメリカ創価大学 第3回 "希望大陸"の人材たち
◇アフリカに昇る人間教育の太陽
「アフリカの奇跡」と呼ばれる急激な経済発展を遂げた東アフリカのルワンダ。
この国のある高校で今、アメリカ創価大学(SUA)が"話題"になっている。
首都キガリから南へ車で約1時間、ガショラという地域に立つ女子高校「ガショラ・ガールズ科学技術アカデミー」である。グローバルリーダーの育成を目指し、2011年に開校した進学校だ。
SUAでは現在、同校を卒業した3人の学生が学んでいる。
きっかけは5年ほど前にさかのぼる。同校の生徒がインターネット検索でSUAの存在を知り、受験を決意。だが、SUAという大学の名を知る教職員は一人もいなかった。そこで教職員の代表が、進学に値する大学かを見極めようと、SUAを視察。以来、充実した教育環境が整うSUAへの進学を生徒たちに熱心に勧めるようになった。
「高校の先生たちは、"平和を築く世界市民の育成"というSUAの理念に心から感動していました。私たちの高校と同じ理想がSUAにあると聞き、とても魅力を感じました」
3人のうちの一人、レベッカ・ウムトニさん(2年)は振り返る。
多数派民族のフツと少数派民族のツチなどが暮らすルワンダでは、1994年に民族紛争が勃発。フツの政府軍や民兵がツチの人々らを次々と殺害した。この「ルワンダ虐殺」の犠牲者は約3カ月間で80万から100万人といわれ、ウムトニさんの親族も巻き込まれた。
学校では、憎しみ合う民族同士が一緒に学んでいた。双方にトラウマがあり、虐殺の話になると皆が沈黙した。
「私たちの世代が分断を乗り越え、平和を築かなければならない——それをずっと考えてきました。SUAなら、そのために必要な知識、スキル、そして友情の大切さを学ぶことができると確信しました」とウムトニさんは力説する。
リンダ・ムテシさん(2年)も、平和への問題意識をもってSUAに入学した一人だ。
女子高校時代、国連の会議をシミュレーションする「模擬国連」に所属。ルワンダ虐殺の背景にある複雑な問題を知るにつれ、国際関係学に興味を抱いた。
ルワンダは多言語国家であり、現在の教育言語は英語である。高校で英語を中心に学んだムテシさんは、SUAの「外国語教育の重視」に強く引かれたという。
SUAでは、学生全員が日本語、中国語、スペイン語、フランス語のいずれかを学び、3年次に1学期間、その言語圏の地域に留学する。
ムテシさんは言う。「SUAでフランス語をマスターします。将来は外交官になり、祖国の発展に貢献したい」

◇創立者の心継ぎ
創立者の池田先生は、南アフリカのマンデラ元大統領をはじめ、アフリカを代表する名だたる識者たちと友好を深め、折々に「21世紀はアフリカの世紀」との信念を語ってきた。
SUAの卒業生の中には、この創立者の思いを受け継ぎ、アフリカ諸国で社会のために汗を流す友がいる。
ミツアキ・ヒライさん(5期)は、国連児童基金(ユニセフ)のジンバブエ事務所に勤める。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校で公衆衛生の修士号、ジョージ・ワシントン大学で博士号を取得。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)で2年半働いた後、今の仕事に就いた。
ジンバブエに派遣された直後の本年3月、サイクロン(強い熱帯低気圧)が発生。水没した被災地に足を運び、飲料水の確保・配給をサポートしてきた。
ヒライさんは学生時代、ウガンダやケニアでエイズ予防などのボランティア活動に取り組んだ経験がある。以来、「人間の幸せとは何か」を深く考えるようになったという。
水道も電気もないウガンダの農村では、ある家族が、一本のろうそくの火を囲んで夕食を取っていた。だがそこに、わびしさはかけらもなく、明るい笑い声に包まれていた。
ケニアでは小・中学校を巡り、病気予防の"手洗い運動"を広めた。どの地でも、身を乗り出して耳を傾け、積極的に発言する子どもたちがいた。学びへの意欲と感謝の心にあふれていた。
「現地の人々の誠実さ、明るさに、元気をもらう毎日です。"アフリカの世紀"とは、"アフリカの人々の人間性に学ぶ世紀"だと感じています」
今後は、地元のNGO(非政府組織)団体とも協力し、病院の水衛生の環境改善などに携わる予定だ。
「"健康は水から"です。アフリカの人々の大切な命を守れるよう努めていきます」

2016年、アフリカの移民と国内避難民の帰国や社会復帰をサポートする、欧州連合(EU)と国際移住機関(IOM)の共同プログラムが始動した。
SUA2期のミツエ・ペンブロークさんは同プログラムの職員。ケニア・ナイロビのオフィスを拠点に、アフリカ東部地域(ジブチ、エチオピア、スーダン、ソマリアなど)を担当する副コーディネーターとして、各地に避難していた人々を支援する。
1児の母でもあり、子育てと仕事の両立に奮闘する日々だ。
コロンビア大学でソーシャルワーク分野の修士号を取得後、NPO(非営利団体)でアフリカ・マラウイの教育・開発支援に従事した。その後、IOMの職員としてソマリア担当を経て、昨年から現職に就いた。
一方、IOMのソマリア担当の後任には、SUAの後輩であるユウコ・トミタさん(5期)が就任。日頃から連絡を取り、励まし合っている。
アフリカが抱える諸問題は、一朝一夕に解決できるものではない。厳しい現実を前に、"自分に何ができるのか"と失望する時もある。だが、そんな心を打ち破ってくれるのは、たくましく生きるアフリカの人々の姿だという。
「ソマリアでは、30年近くも内戦が続いています。頻繁にテロがあり、街が破壊されます。ですが翌日になると、多くの人が黙々と街の再建に汗を流します。皆、何があっても負けず、声を掛け合いながら忍耐強く進んでいます」
移民・国内避難民支援といっても、それぞれ状況が異なり、個別のニーズに即した対応が必要となる。ゆえにペンブロークさんは、可能な限りカウンセリングの時間を設け、一人一人に寄り添った支援を推進できるよう、責任ある立場で適切な手を打っている。
「池田先生は、本年のSGI提言の中でも、『人間中心の多国間主義』の人道支援を訴えています。先生の提言の実現に仕事で携わることができ、大きなやりがいを感じています。"アフリカの世紀"を開くため、同窓のメンバーと共に力を尽くしていきます」

◇マータイ棟
池田先生は2005年2月、アフリカ人女性初のノーベル平和賞受賞者であるケニアのワンガリ・マータイ博士を、東京の聖教新聞本社で歓迎した。
「15年前、この場所で私は『アフリカの人権の父』であるマンデラ氏を、多くの青年と共に、お迎えしました。きょうは、『アフリカの環境の母』であるマータイ博士を、多くの青年と共にお迎えすることができ、これほどの喜びの歴史はありません」
会見では、SUAにマータイ博士の名を冠した「イチジクの木」を植樹することを提案し、「将来、創価大学とアメリカ創価大学に訪問を」と念願した。
博士は2011年に逝去し、SUA訪問は実現していない。だが、開学10周年に当たるこの年、SUAに4階建ての新教育棟が完成し、「マータイ棟」と名付けられた。
「『マータイ棟』と刻まれた校舎を見て、私も親族もとても驚きました。SUAには『ガンジー棟』もあります。歴史的な偉人と並んで、ここまでアフリカの女性がたたえられていることに誇りを覚えました」
マータイ博士と同じケニア出身のエリザベス・ムトニさん(4年)は述懐する。
大学1年の時、SUA伝統の「インターナショナルフェスティバル」でショックを受けたことがある。世界の多様な文化のパフォーマンスや模擬店が並ぶ中、アフリカのものが一つもなかったのだ。
その後、SUAでアフリカ文化の価値を再発見することを目的としたクラブ団体「黒人学生ユニオン」を発足。定期的に集まりながら、アフリカの歴史や文化を学び合っている。
将来は、企業コンサルタントとなり、アフリカの起業家たちをサポートしたいというムトニさん。
「SUAほど、学生が主体となって学べる大学はありません」と笑顔を輝かせる。

SUAでは現在、世界各地から集った約400人が学んでいる。このうち15人が、ガーナ、ウガンダ、ルワンダ、エチオピア、ザンビア、ケニア、モロッコからのアフリカ人学生だ。
「21世紀はアフリカの世紀」との創立者の信念が脈打つSUAは、"希望大陸"の逸材たちが集まる新時代のキャンパスへと発展している。

2019年8月29日木曜日

2019.08.29 わが友に贈る

会場提供者のご家庭に
心から感謝と配慮を!
使用後の清掃や節電など
良識ある振る舞いで
人材育成の城を守ろう!

佐渡御書 P957
『畜生の心は弱きをおどし強きをおそる当世の学者等は畜生の如し』

【通解】
畜生の心は、弱い者を脅し、強い者を恐れる。いまの世の諸宗の学者どもは畜生のようである。

〈寸鉄〉 2019年8月29日
南米の最高学府から名誉博士号。「会長の思想こそ平和の文化築く力」総長
国際部の日。国境超えて語学と人格で友情結ぶ賢者よ!世界広布の先陣を
民衆救済の大聖人の情熱を読み取れ―恩師。さあ青年教学2級まで1カ月
乳幼児は脱水症状になりやすく。水分補給まめに。残暑の日々も警戒怠らず
国連「核実験に反対する国際デー」。廃絶は人類の悲願。市民社会の声更に

☆ロータスラウンジ 第8回 薬草喩品第五・授記品第六
◇授記の本意は仏と同じ生命の軌道を歩ませることにある
法華経について、皆で学び、深めよう――「ロータスラウンジ――法華経への旅」の第8回は、「薬草喩品第五」と「授記品第六」です(前回は7月30日付。原則、月1回掲載)。

■大要(薬草喩品)
「信解品第四」で、迦葉・須菩提・迦旃延・目犍連(目連)の四大声聞が、「長者窮子の譬え」を通して、釈尊の説法を領解したことを示しました。それを受けて、「薬草喩品第五」では、釈尊が「三草二木の譬え」を通し、仏の慈悲が平等であることを説き、妙法を信解した功徳を述べます。それでは、内容を追ってみましょう。

●シーン1
釈尊が、迦葉たち弟子に告げます。
「すばらしい、すばらしい。迦葉よ、善く仏の真実の功徳を説いた。全くその通りである」
釈尊は、弟子が領解した内容を認めます。
その上で、「仏は諸法の王であり、説く法は、皆を仏の智慧の境地に導くのである」と述べ、その意味を分かりやすく伝えるために、「三草二木の譬え」を語ります。

●シーン2
――三千大千世界(全宇宙)にある山や川、渓谷や大地に、多くの樹木や薬草が生えているとします。それらは、さまざまな種類があり、それぞれの名前や形も異なっています。
そのような所へ、厚い雲が空いっぱいに広がり、あまねく世界を覆い、雨が降り注ぎます。
その雨は、上・中・下(大・中・小)の薬草と、大小の樹木をあまねく潤します。
雨は一つの雲から平等に降り注ぎますが、草木は、それぞれの性質にしたがって生長し、異なった花を咲かせ、異なった実がなります。
同じ大地に生育し、同じ雨に潤されても、多くの草木にはそれぞれ差別があるのです――。

●シーン3
仏の説法も、この譬えと同じです。
仏がこの世に出現するのは、大雲が湧き起こるようなものです。
また、大音声をもって天界・人界・修羅界に至るまで、偏ることなく等しく法を説くのは、雲が空を覆い、平等に雨を降らせるようなものです。
大衆の中で、釈尊は次の言葉を唱えます。
「いまだ救われていない者は救っていこう。いまだ理解していない者には理解させよう。いまだ安穏でない者は安穏にしていこう。いまだ涅槃を得ていない者には涅槃を得させていこう」
さらに、「私は、一切知者(一切を知る者)・一切見者(一切を見通す者)・知道者(道を知る者)・開道者(道を開く者)・説道者(道を説く者)である」と述べます。
続いて釈尊は、大衆を前に「皆、法を聞くために集まりなさい」と、呼び掛けます。

●シーン4
仏は、機根や、修行に取り組む姿勢などを分別して、衆生に応じて法を説くのです。
その法を聞き終わった衆生は、「現世安穏、後生善処」の功徳を得ます。
つまり衆生は、それぞれの能力に応じて、仏の説く法を理解し、成仏の軌道に入ることができます。
それは、大きな雲が現れて雨を降らし、さまざまな草木を潤し、それぞれが特性に応じて成長するようなものです。
仏の説く教えは、一相一味(いかなる衆生も成仏させる功徳があること。一仏乗を表す)ですが、相手に応じて法を説き、最後には一切種智(仏の境地)に至らせます。
衆生は、法を聞き、受持し、読誦し、説の如く修行して得た功徳を、自ら知ることはできません。それは、さまざまな草木が、自らの形や性質を知らないようなものです。
同じように、仏が衆生の機根などに応じて法を説くことは、理解しがたいことですが、迦葉たちがそれを信じ、受持できたことは、まことに希有なことです。
最後に、「汝等が行ずる所は 是れ菩薩の道なり 漸漸に修学して 悉く当に成仏すべし」と、理解することではなく、自他共の幸福を実現する菩薩の道によって、仏に成ることができると記されています。

■大要(授記品)
四大声聞に、授記(未来に仏になれるとの記別を授ける)する様子が描かれています。

●シーン1
釈尊が大衆に告げます。
「我が弟子の迦葉は、未来世において、三百万億の諸仏に仕え、最後は仏になることができる」
そして、「仏としての名は『光明如来』。出現する国は『光徳』。時代は『大荘厳』である……」と、光明如来が住する国土や衆生の様子が描かれていきます。
そして、その国では、「魔や魔民がいても、皆、仏法を護るのである」と記されます。

●シーン2
迦葉への授記を見ていた目犍連・須菩提・迦旃延たちは、一心に合掌して、眼を離すことなく、釈尊を仰ぎ見ながら語ります。
「私たちを哀れだと思って、記別を授けてください」
そして、目犍連たちは、譬えによって、自分たちが覚りを求める思いを伝えます。
――授記を望む心は、飢えた国からやって来て、最高級の食事である「大王の膳」が目の前にあっても、疑って食べられないようなものです。王の許しがあれば安心して食べられるように、「声聞も成仏できる」という一仏乗の教えを聞いて納得したけれども、仏から明確な授記をしてもらえなければ、真の安心は得られません――と。

●シーン3
釈尊は、弟子たちの求道心を認め、授記を行います。
須菩提は、「有宝」という時代に「宝生」という国で「名相如来」という仏になる。迦旃延は、「閻浮那提金光如来」という仏になる。目犍連は、「喜満」という時代に「意楽」という国で「多摩羅跋栴檀香如来」という仏になる――。
偈文の末尾で「我及び汝等が 宿世の因縁 吾は今当に説くべし 汝等よ善く聴け」と、仏である私との過去世からの因縁を説くから、善く聴きなさいと述べます。

『法華経の智慧』から 絶えず仏界を強めていく
状況も違う、個性も違う、機根も違う具体的な一人一人を、どうすれば成仏させることができるか。個々の人間という「現実」から一歩も離れずに、成仏への道筋を明かすのが法華経です。
"一人を大切に"こそ、法華経の「人間主義」であり、「ヒューマニズム」なのです。それが「仏の心」です。"一切衆生の成仏"という法華経の根本目的も、"一人を大切に"から出発し、そこを徹底させる以外にないのです。

端的に言えば、成仏とは、一つの「ゴール」に至ることというよりも、絶えず仏界を強め続けていく「無上道の軌道」に入ることなのです。
法華経の迹門では、まだ歴劫修行の成仏観から出ていません。それで、「遠い未来に成仏する」という授記になる。しかし、その本意は、「仏と同じ道を歩ませること」にあるのです。仏が歩んだ「生命の軌道」「絶対的幸福へのレール」に確かに乗ったよ、と保証するのが授記です。
「色相荘厳の仏に成る」という爾前迹門の成仏ではない。仏が歩んだのと同じ「軌道」を歩み続けること自体が成仏なのです。
(普及版〈上〉「薬草喩品」「授記品」)

◇一人を大切に 分け隔てない仏の慈悲
「薬草喩品」に出てくる有名な「三草二木の譬え」は、衆生の多様性と同時に、仏の慈悲の平等性が強調されています。
仏は、一切衆生を仏子として、自身と同じ仏の境涯に高めようとしています。
同品には、「我は一切を観ること 普く皆平等にして 彼此 愛憎の心有ること無し 我に貪著無く 亦限礙無し 恒に一切の為に 平等に法を説く 一人の為にするが如く 衆多も亦然なり」(法華経250ページ)と記されています。
いかなる人に対しても差別する心なく平等に、多くの人がいても、目の前の"一人"のために法を説くのです。
ここで大事なことは、"衆生に差異がない"のではありません。"仏が衆生を差別しない"のです。仏法は多様性を尊重しているのです。
違いを最大に生かし、どこまでも一人一人の個性を伸ばしていくのが仏の慈悲なのです。

2019年8月28日水曜日

2019.08.28 わが友に贈る

男子部大学校生よ!
折伏こそ最も尊い実践。
「耳にふるる者は
既に仏になるべき」
友のために語り切ろう!

法蓮抄 P1041
『仏は二百五十戒を持ち三千の威儀をととのへ給いしかば諸の天人これを渇仰し四衆これを恭敬す』

【通解】
釈尊は、正しい戒律を持ち、立派な威儀を整えておられたので、諸々の天人が仰ぎ、皆が敬った。

〈寸鉄〉 2019年8月28日
池田会長の哲学には人と社会を幸福に変える力が—博士。弟子が継承・実践
さあ後半戦をダッシュ!まず幹部が率先して挑戦将の姿から波動が広がる
「未来に仏果を成就せん事疑有るべからず」御書確信の祈りで今日を勝て
東京・葛飾「広布師弟原点の日」。師の激闘に続け!励ましの声掛けを隅々に
昼間の飲酒運転事故の割合高し。「ちょっとだけ」の慢心排せ。注意喚起を

☆9月29日実施「青年部教学試験2級」研さんのために
◇行学錬磨に徹し 人間革命の大道を歩もう
9月29日(日)に実施される「青年部教学試験2級」に向けて、各地で活発な研さんが進められている。ここでは、青年部各部の教学室編として、出題範囲の御書の背景・大意や学習のポイントについて取り上げる。

◇開目抄 民衆救済の大願を示す
「開目抄」は文永9年(1272年)2月、流罪中の佐渡から、四条金吾に託して門下一同に与えられた書である。
前年に竜の口の法難に遭われた日蓮大聖人は、続いて佐渡に流罪された。当時、門下の人々も所領没収や追放などの迫害を受けており、退転する者が続出していた。
大聖人が法華経の行者であるなら、なぜ諸天善神の加護がないのか——世間の人々や門下たちが抱く、こうした疑問や批判に対して答えられたのが、本抄である。
大聖人は、法華経の経文通りに正しく実践すれば「三類の強敵」が競い起こるというのが仏の教えであり、その通りの難に遭っている大聖人が真の法華経の行者であることを示されている。さらに、不惜身命の実践を貫く大聖人こそ、「主師親の三徳」を具えた存在、すなわち末法の御本仏であることを明らかにされた。
「開目抄」は50段にわたる長編の重書であるため、全体の流れを常に念頭に置きながら、各段の内容を学ぶことが重要である。
第1段で人々が尊敬すべきものとして「主師親の三徳」が示され、第6段では「一念三千の法門は但法華経の本門・寿量品の文の底にしづめたり」(御書189ページ)と述べ、法華経の本門寿量品の文の底に秘沈されている一念三千の法門こそが成仏の根本因となる法であることを明らかにされる。また、第16段で「本門にいたりて始成正覚をやぶれば四教の果をやぶる……真の十界互具・百界千如・一念三千なるべし」(同197ページ)と、重要な本因本果の法門を示された。
第20段では、大聖人の御在世当時に人々が苦しんでいた元凶は、謗法の諸宗にあり、民衆を苦しめる悪侶・悪知識の存在であることを見抜かれ、「日本国に此れをしれる者は但日蓮一人なり」(同200ページ)と仰せである。そして大聖人が一人、諸悪と戦い、数々の大難を受けてきたことを述べ、第22段で「されば日蓮が法華経の智解は天台・伝教には千万が一分も及ぶ事なけれども難を忍び慈悲のすぐれたる事は・をそれをも・いだきぬべし」(同202ページ)と、大慈悲で法華経を弘められ、難を忍んでこられた御境涯を示された。
その後、世間や門下の疑いへの答えとして、法華経の経文を通して自身が法華経の行者であるかを検証されていく。「六難九易」を説いた宝塔品、悪人成仏や女人成仏を説いた提婆達多品を取り上げられる。そして、竜の口の法難で発迹顕本された大聖人が、勧持品の二十行の偈に説かれる「三類の強敵」を現実に呼び起こした事実を通し、大聖人こそ末法の法華経の行者であることを明らかにされた。
また、法華経の行者を迫害する者に現罰がない理由を3点にわたって確認した上で、第45段では「詮ずるところは天もすて給え諸難にもあえ身命を期とせん……我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ等とちかいし願やぶるべからず」(同232ページ)と、諸天の加護の有無に関係なく、不惜身命で法華経を実践し、一切衆生を救っていく誓願を述べられた。
そして末法の法華経の行者の功徳として「転重軽受」の法門を述べ、「我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし……つたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし」(同234ページ)と、不退の信心を堅持していくことが成仏の要諦であると弟子たちに教えられている。さらに、折伏こそ末法の時に適った実践であると示され、第50段で「日蓮は日本国の諸人にしうし父母(主師親)なり」(同237ページ)と宣言して本抄を結ばれている。

◇一生成仏抄 唱題行の意義を明らかに
「一生成仏抄」は、執筆の年次や宛先などは定かではないが、建長7年(1255年)に著され、富木常忍に与えられたと伝えられる。
題号の「一生成仏」とは、凡夫が一生のうちに成仏するということ。本抄では、一生成仏の要諦である「唱題行」の意義について、法理と実践の両面から明らかにされる。
日蓮大聖人は冒頭で、南無妙法蓮華経の題目を唱えることが、最高の悟りの境地を得る直道であることを教えられる。しかし、第3章で「但し妙法蓮華経と唱へ持つと云うとも若し己心の外に法ありと思はば全く妙法にあらずそ法なり」(御書383ページ)と、自身の生命の外に法があると思えば、それは妙法ではないと戒められる。そして、一生成仏を実現していく上で重要なのは、妙法蓮華経が己心の法であると確信する深き信心であると述べられる。
第4章では、「依正不二」の原理を通して、自身を取り巻く環境の善し悪しも、住んでいる私たち自身の「心の善悪」で決まることを示される。そして、迷いの生命を悟りの生命に転換する実践の方法を、"鏡を磨く"譬えを用いて分かりやすく教えられる。この生命錬磨の修行の要諦を「深く信心を発して日夜朝暮に又懈らず磨くべし何様にしてか磨くべき只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを是をみがくとは云うなり」(同384ページ)と述べられている。

◇聖人御難事 「師子王の心」で戦い抜く
「聖人御難事」は「熱原の法難」の渦中、弘安2年(1279年)10月に身延で認められ、門下一同に与えられた。当時、駿河国の富士地域で多くの農民門下が誕生。その勢いを恐れた僧らが迫害を企て、20人が不当に捕らえられる。その門下たちが恫喝により退転を迫られている最中、大聖人は本抄を著された。この時、門下の中心者3人が処刑されたが、捕らえられた全員が不退転を貫いた。
第1章で「仏は四十余年・天台大師は三十余年・伝教大師は二十余年に出世の本懐を遂げ給う……余は二十七年なり其の間の大難は各各かつしろしめせり」(御書1189ページ)と述べ、不惜身命の信心を貫く農民門下の出現によって「民衆仏法」が確立し、立宗27年目で「出世の本懐」を遂げたことを明かされる。
第3章では、立宗以来の大難を挙げ、「仏滅後二千二百三十余年が間・一閻浮提の内に仏の御言を助けたる人・但日蓮一人なり」(同1190ページ)と、経文通りの大難を受けたのは大聖人お一人であることを示される。
そして第5章で、迫害と戦う門下に「各各師子王の心を取り出して・いかに人をどすともをづる事なかれ……日蓮が一門は師子の吼るなり」(同ページ)と、何ものにも負けない「師子王の心」を取り出せば必ず乗り越えられると励まされる。そして、「月月・日日につより給へ・すこしもたゆむ心あらば魔たよりをうべし」(同ページ)と強盛な信心の大切さを教えられている。

◇日顕宗を破す 御文を通して破折
日蓮大聖人直結の仏意仏勅の教団である創価学会を破壊しようと企てた日顕らは、「法華経の敵」にほかならない。大聖人は「いかなる大善をつくり法華経を千万部読み書写し一念三千の観道を得たる人なりとも法華経の敵をだにも・せめざれば得道ありがたし」(御書1494ページ)と喝破されている。広布後継の青年部は、日顕宗の大罪と邪義を、御文を通して破折する力を身に付けたい。

◇学習にあたって
今回の出題範囲となる御書3編については「御書本文」が出題範囲であり、教材に掲載されている通解や解説は、御文の理解を深めるための手掛かりである。これまで、「教学部任用試験」「青年部教学試験3級」をマーク方式で受験した方も少なくないが、今回の試験は記述式で行われる。その意味でも、実際に"書いて覚える"ことが大切であり、御文を声に出して読み返すなど、御書本文をしっかりと心に刻んでいきたい。
※聖教新聞社公式ウェブサイト「SEIKYO online(セイキョウオンライン)」では、研さんに役立つ情報をまとめた特設ページを開設しています。

◇出題範囲
「開目抄」(全編)
「一生成仏抄」(全編)
「聖人御難事」(全編)
日顕宗を破す
※「開目抄」の解説は『世界広布の翼を広げて 教学研鑽のために——開目抄』(本社刊)に収録。それ以外は「大白蓮華」8月号に掲載されています。

2019年8月27日火曜日

2019.08.27 わが友に贈る

夏の疲れが出る頃。
規則正しい生活こそ
健康・長寿の秘訣だ。
熱中症への警戒怠らず
賢明に体調を整えよう!

松野殿御返事 P1381
『末世には狗犬の僧尼は恒沙の如しと仏は説かせ給いて候なり、文の意は末世の僧比丘尼は名聞名利に著し上には袈裟衣を著たれば形は僧比丘尼に似たれども内心には邪見の剣を提げて我が出入する檀那の所へ余の僧尼をよせじと無量の讒言を致す、余の僧尼を寄せずして檀那を惜まん事譬えば犬が前に人の家に至て物を得て食ふが、後に犬の来るを見ていがみほへ食合が如くなるべしと云う心なり、是くの如きの僧尼は皆皆悪道に堕すべきなり』

【通解】
末世においては、犬のような僧や尼は、恒河の沙ほどたくさん出現する、と仏は説かれている。この文の意味は、末世の、僧や尼は名聞名利に執着し、外には袈裟・衣を着ているので、姿かたちは僧や尼に似ているけれども、内心には、邪見の剣を携え、
自分の出入する檀那のところへは、他の僧尼をよせつけまいとして、檀那を独占しようとするさまは、譬えていえば犬が人の家で餌にありついて食べているところへ、あとから他の犬が来るのを見て、いがみ吠え、噛み合いのけんかをするようなものだ、という意味である。このような僧尼は、当然全て悪道に堕ちるのである。

〈寸鉄〉 2019年8月27日
「ここさながら宝塔の住処」御書。地区が我が使命の舞台。座談会から出発
総秋田女性の日。安心と喜び多き広布の人材城。さあ励まし対話の好機!
信心さえあれば悉く功徳なのだよ—恩師。苦難をも偉大な人間革命の糧に
高齢者宅訪れ言葉巧みに銀行カードを偽物と替える詐欺増と。声掛け強く
防災対策、子との話し合い不足8割。災害は突然。集合場所や連絡先確認を

☆生命の凱歌のシンフォニーを人間教育の励ましで 2019年8月24日
池田先生の謝辞(代読)
互いに学び触発し合う対話の大河を滔々と!
地球社会に創造的英知を拡大
アマゾナス連邦大学に流れ通う「困難に挑む精神」こそ希望

一、我らの地球の呼吸を支え、いのちを育む生命の宝庫アマゾンには、ひときわ輝き光る地上の星があります。すなわち、英知の大明星たる貴・アマゾナス連邦大学であります。
この貴大学より、本日ここに、最高に栄えある名誉博士号を賜りました。
この栄誉を、60星霜にわたり苦楽を共にしてきたブラジルSGIの宝友たちと分かち合わせていただけますことは、私の人生における、この上ない喜びであり、誇りであります。
先生方、誠に誠にありがとうございます。
ブラジル初の高等教育機関を淵源とし、栄光の創立110周年を飾られた貴大学の理念と歴史に学びつつ、ここに集われた青年たちと共々に、次代を創りゆくリーダー像を、3点、確認し合いたいと思うのであります。

◇"壁の内側"の学識を地域社会と民衆へ
一、第一に、「地球の遺産を守り生かす価値創造者たれ!」ということです。
壮麗な森林に包まれた貴大学のゲートには、大学名の下に「私たちの最大の遺産」と刻まれております。
「最大の遺産」とは、まさしく、何物にも代え難いアマゾンの大自然でありましょう。そしてまた、その生態系の保護に尽くされるとともに、アマゾン社会に多彩な共生の広場を創出し、民衆の生活水準の向上に尽力されている貴大学そのものが、かけがえのない遺産なのであります。
光栄にも、本年4月、貴大学と私たちのアマゾン創価研究所が共同で、「可能な解決策を語る——環境教育・都市開発・持続可能性」をテーマにセミナーを開催いたしました。さらに貴大学と協力して、原生植物の再生と生産のために、樹木の種子を採取し保存する「種子銀行」の取り組みにも参画させていただいております。
シルビオ・マリオ・プガ・フェヘイラ総長は常々、大学は"壁の内側"で発展させた学識を地域社会へ持ち運んで、民衆の生活と人生に恩恵をもたらすべきである。そこにこそ、大学の根幹の使命があると主張されております。
私は心からの賛同を禁じ得ません。第2次世界大戦中、平和の信念に殉じた牧口常三郎先生以来、私たちも「自他共に智慧と慈悲があることこそ真の喜びなり」と定めてきたからであります。
ここアマゾンをはじめブラジルでも、尊き父母たちが、良き国民、良き市民として、地域に社会に貢献し、喜びあふれる智慧と慈悲の連帯を広げてきました。そして、その志を受け継ぐ頼もしき世界市民たちが、今、陸続と育っております。貴大学を中心として、「生命の家」であり、「地球の遺産」であるアマゾンを厳然と守り抜き、より豊かにして未来の人類に伝え託しゆくために、私たちも一段と献身していく決心であります。

◇対立を止揚する「共通の熱意」
一、第二に申し上げたいのは、「人類の融合を広げゆく対話の開拓者たれ!」ということであります。
貴大学の校章には、ソリモンエス川とネグロ川が合流し、大アマゾン川となる壮大な起点が描かれています。
黄土色のソリモンエス川と、黒色のネグロ川は、水温、流速などの違いにより、時に十数キロにわたって2色のまま混じることなく流れ続け、そして遂にはダイナミックに融合していきます。
その雄大な光景を映像で拝見し、私は感嘆を込めて心に期したことがあります。
それは、私たちもたゆまぬ対話の継続によって、あらゆる差異も互いに尊重しつつ、民衆の幸福のため、世界の平和のため、人類の融合の潮流を高めていくのだということであります。
かの「世界人権宣言」の採択に奔走されたブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁が、採択への苦闘を語ってくださったことが思い起こされます。
草案を巡っては、東西両陣営の論争が紛糾し、激突が幾度となく繰り返されました。
しかし、そうした難局にあっても、人類の崇高な偉業を成し遂げんとする「共通の熱意」に立って、粘り強く対話を重ねることによって、やがて対立は解消され、止揚されていったというのであります。
貴大学は、教育の目的として「いかなる差別もなく、文化的創造と内省的思考の発達を刺激する」と高らかに掲げておられます。
この「文化的創造」を尽きることなく推進し、「内省的思考」を限りなく深化させゆく力もまた、「対話」の精神ではないでしょうか。
私たちは、対話という大河を、いよいよ滔々と流れ通わせ、多種多様な個性から学び合い、触発し合いながら、地球社会の創造的英知を大海原のごとく広げていきたいと思うのであります。

◇我らは一つの「兄弟姉妹村」
一、第三に、「あえて困難に挑みゆく不屈の挑戦者たれ!」と申し上げたい。
創立以来、貴大学に受け継がれる学風は何か。それは、草創の礎を築いたエウラリオ・シャベス先生が示された「困難に挑む精神」であります。
貴大学の医学部では、30年にわたって、農村地帯でのインターンシップを行い、医療の状況と住民の健康の向上に多大な貢献を果たしてこられました。先日も、アマゾナス州議会の特別議会で満腔の感謝を込めて表彰されたと伺いました(大拍手)。
偉大な使命のため、あえて困難に挑む精神こそ、希望の太陽でありましょう。
私が対談集を発刊した貴国の大天文学者ロナウド・モウラン博士が、アマゾンの森林で体験した日食の思い出を語ってくださったことがあります。
日食が始まると、鳥たちの鳴き声が一切止み、森は息を殺して何かを待つように、沈黙を守り続けます。そして、太陽が再び姿を現すや、夜明けが来たかのように、鳥たちが一斉に飛び立ち、森林は、その素晴らしさを取り戻しました。それは、言葉で言い表すことのできない「生命のシンフォニー」であったと言われるのであります。私たちは、人間教育の励ましの力で、一人一人の若き生命に不屈の挑戦の魂を太陽のごとく昇らせてまいりたい。
そして、ここアマゾンから「生命の凱歌のシンフォニー」を地球上に響かせていこうではありませんか!
その決意を、貴大学出身の詩心の地理学者マルシア・ワイナ・カンベバ先生の詩に託し、私の御礼とさせていただきます。
「ここにアマゾンの全民族が "我らは一国の代表"として その誇りも高く乱舞し 大いなる慶事を行うのだ。
そして胸中の歌を轟かせよ 我らは一つの兄弟姉妹村なのだ!」
愛するアマゾナス連邦大学、万歳! アマゾン、万歳! ブラジル、万歳! 永遠無窮の栄光あれ!
ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で「大変に、ありがとうございました!」)(大拍手)

2019年8月26日月曜日

2019.08.26 わが友に贈る

◇今週のことば
我らの座談会の
明るさと温かさこそ
人間復興の力である。
「常により合いて」
幸の仏縁を朗らかに!
2019年8月26日

撰時抄 P265
『教主釈尊記して云く末代悪世に法華経を弘通するものを悪口罵詈等せん人は我を一劫が間あだせん者の罪にも百千万億倍すぎたるべしととかせ給へり』

【通解】
教主釈尊が記して言うには、「末法の悪世に法華経を弘通する人を悪口罵詈等する者は、仏を一劫という長い間、あだむ者の罪よりも、百千万億倍以上の罪を得る」と、説いておられるのである。

〈寸鉄〉 2019年8月26日
平和守る理想に立つ学会の青年こそ社会の希望—識者。人類結ぶ対話更に
「北陸の日」35周年。さあ先駆の拡大を!同志の胸に師弟誓願の炎は赤々と
御書「仏の如くに法華経の行者を敬う可し」。讃え励まし。団結固く出発!
人を感動させようとするならまず自分が感動せよ—画家。率先の将と輝け
20代半数、SNSで面識ない人と連絡取り合った経験。ここに犯罪の火種

☆四季の励まし 未来部の成長を世界が待つ 2019年8月18日
未来部の一人一人こそが、
全宇宙にも等しい
尊極の宝の生命そのものである。
どれほど素晴らしい智慧を持ち、
才能を持っていることか。
使命のない子など
一人としていない。

たとえ、君が、貴女が、
自信を持てなくても、
私は皆さんを信じます。
皆さんの無限の可能性を信じます。
皆さんの無敵の勇気を信じます。
「できない」理由を探すよりも、
「できる」と決めて、
努力した方が絶対にいい。
仮に思った通りの結果が
出なかったとしても、
努力したことは、必ず生きる。

お父さん、お母さんに
楽をさせてあげるんだ。
立派になって喜んでもらうんだ——
そう決意できる人は強い。
親孝行をしようという心が、
自分自身を成長させるのです。
皆さんは、ご両親に感謝の言葉を
伝えていける人であってほしい。
劇を演じるようなつもりで、
心の思いを言葉にしていくのです。
皆さんの真心の言葉が、
どれほどうれしいか。
どうか、聡明で朗らかな家庭を
つくっていってください。

尊き宝の君たちよ!
ぼくの開いた平和の道、
友情の道を、さらに大きく広げ、
この地上から、貧困を、飢餓を、
差別を、戦争を、あらゆる悲惨を、
必ずや根絶してくれたまえ。
そのために、強くあれ!
勇敢であれ! 聡明であれ!
自分を鍛え、挑戦し、
貪欲に学ぶのだ。
君たちの成長を、
胸を躍らせながら、
ぼくは待っている。
世界が待っている。

上へ上へと伸びる木々。夏の太陽に照らされ、辺り一面の緑が光り輝いていた。今月上旬、池田大作先生が長野研修道場を訪問した折、シャッターを切った。
草木が成長するには、水や空気、日光や土壌など、さまざまな条件が必要となる。人間も同じだろう。
アメリカの哲学者デューイは、子どもの成長における大人の関わり方について言った。「成長は片手間に仕上げられるようなものではない。それは絶え間なく未来に進んで行く過程なのである」(松野安男訳『民主主義と教育』岩波文庫)
子どもを育てることは未来をつくること。後継の育成に携わる各部の友の使命は深く、大きい。
今月31日まで「未来部躍進月間」。皆で力を合わせ、宝の未来部に励ましを送っていこう。

2019年8月25日日曜日

2019.08.25 わが友に贈る

「さいわいを万里の
外よりあつむべし」
協力な磁石のごとく
福徳を集める信心だ。
深き祈りと確信で前へ!

四菩薩造立抄 P989
『私ならざる法門を僻案せん人は偏に天魔波旬の其の身に入り替りて人をして自身ともに無間大城に堕つべきにて候つたなしつたなし』

【通解】
大事な法門を曲げて考える人はひとえに天魔波旬がその身に入り替わって、他人と自身とともに無間大城に堕ちてしまうのである。愚かなことである。

〈寸鉄〉 2019年8月25日
欧州で教学研修会。世界同時の大哲学運動。生命尊厳の時代建設へ我らも
「竹の節を一つ破ぬれば余の節亦破るるが如し」御書。幹部率先で拡大へ
生きるとは目標へ向かって歩くこと—哲人。己の目標定めて後半戦へ出発
きょう創価大学・女子短大で見学会。人間教育の学舎から英才よ羽ばたけ
親と会話する子どもほど意思疎通の能力高いと。家庭での触れ合い大切に

☆随筆「人間革命」光あれ 師弟の道 生命錬磨の夏 2019年8月23日
「鉄は炎打てば剣となる」
苦闘も宝にわが使命を開きゆけ
「8・24」—原点の誓いを生涯貫く!

師・戸田城聖先生から私は折々に「この御聖訓を心肝に染めよ」と峻厳な指導を頂いてきた。
その御文の一つが、「法華経の行者は信心に退転無く身に詐親無く・一切法華経に其の身を任せて金言の如く修行せば、慥に後生は申すに及ばず今生も息災延命にして勝妙の大果報を得・広宣流布大願をも成就す可きなり」(御書一三五七ページ)である。
入信より七十二星霜、戸田先生の直弟子として私は、この仰せのままに走り抜いてきた。
不二の同志と共々に、「世界広宣流布」の大願成就へ前進してきたことは、何ものにも代え難い誇りである。
そして尊き共戦の学会家族が「息災延命」の福徳に包まれ、一人残らず「勝妙の大果報」を勝ち得ていくことが、変わらざる祈りなのだ。

◇埼玉へ長野へと
紺碧の夏空が広がった今月上旬、埼玉の研修道場へ足を運んだ。
埼玉の天地はいずこも懐かしい。あの友この友の顔が、溢れるように浮かんでくる。
埼玉といえば「鉄桶の団結」である。わが同志は、このモットーを掲げて半世紀、いつも一丸となって正義の大行進を続けてきた。
この道場で、「破邪顕正」の精神の真髄を語り合ったことも蘇る。
研修道場のある日高市は、かつて鎌倉と上州、信濃を結ぶ街道が通っていた。それは、まさに、日蓮大聖人が佐渡へ向かう際に歩かれた道であり、佐渡流罪が赦免された後、堂々と凱旋された縁の道である。
私は歴史の街道の近傍を北上し、長野研修道場も訪問した。
地元の同志の皆様が丹精された緑や花々で美しく輝き、「園林諸堂閣 種種宝荘厳 宝樹多花菓 衆生所遊楽」との法華経寿量品の経文さながらの宝城である。
日本そして世界の求道のリーダーが共に学び、語り、力を蓄え、未来の栄光の因を積んできた。
生命の錬磨は、我らの勝利の揺籃である。
道場には、創価の三色旗が翩翻とひるがえっている。
毎朝、掲揚してくれる青年役員は、掲げた旗に敬礼をする伝統がある。誰が見ていなくても諸天が見ている。神々しい劇を創り、師弟の勝利の旗を打ち立てるのだ、との心意気からである。
研修道場を支えてくださる皆様と挨拶を交わし、妻と共に深い感謝の思いを伝えた。
この道場への初訪問から四十年。青年部の時からの成長と活躍を、ずっと見守ってきた友も多い。一緒に歴史を創ってきた陰徳陽報の笑顔が本当に頼もしかった。
大聖人は、心を鍛え、生命を鍛える大切さを、門下に教えられた。
「きた(鍛)はぬ・かね(金)は・さかんなる火に入るればと(疾)くと(蕩)け候」「剣なんどは大火に入るれども暫くはとけず是きたへたる故なり」(同一一六九ページ)
まさしく、宝剣のごとく心を鍛え抜いた人間ほど強いものはない。
「鉄は炎打てば剣となる」(同九五八ページ)との御聖訓通り、強靱な生命を築くための仏道修行であり、学会活動である。

◇「水滸会」の薫陶
わが学会は、先師・牧口常三郎先生以来、炎暑の夏、各人が研鑽の汗を流し、生命を鍛え、さらなる成長を期してきた。
戸田先生のもと、研修を重ねた水滸会の定例会では、古今の名作を学び合うのが常であった。
その教材として英国の作家デフォーの小説『ロビンソン・クルーソー』が取り上げられたことがある。船が難破して、無人島に一人漂着したロビンソンが、二十八年余にわたり懸命に生き抜いた冒険物語である。
今年は、この本の発刊から三百周年となる。
一日一日、生き延びるためのロビンソンの挑戦・苦闘と対照しながら、恩師が過酷な自らの獄中体験を語ってくださったことも忘れられない。
実はデフォー自身も、人生の辛酸をなめた。
時の政府によって獄に囚われ、当時の刑罰の一つ、「晒し台」に三日続けて立たされたという。
ところが彼は、その大苦境をも風刺詩にして、民衆に真実を伝える好機に変えた。
「皆に伝えるがいい、彼〔デフォー〕は大胆すぎて、/それで本当のことを言った」と訴えるこの詩は、民衆の心をつかんだ。「晒し台」では石などを投げつけられる代わりに、何と花束を捧げられたという。痛快な逆転劇である。
戸田先生は、私たちが受持した大仏法は、いかなる宿命も転換していける人間革命の宗教なりと力説され、「青年は勇気を持て」「希望を持て」と励ましてくださった。
今、あまりに大変な状況下にあって、自分では"もうだめだ"と思ったとしても、断じて終わりではない。苦しい経験も含め、全てに意味があるのだ。かけがえのない宝となり、使命へと変わる時が必ず来るのだ。
苦難や葛藤があっても、絶対に屈しない負けじ魂の信心を磨き抜くのが、創価の薫陶である。


八月十七日、言論の戦友たる文芸部が結成五十周年の佳節を刻んだ。
私自身、ペンを握る者として一文芸部員の自覚で戦ってきたつもりだ。
我、生涯、誉れの文芸部員なり!
文芸部には、この志を同じくして戦う闘士が大勢いる。九十歳を超えて、生き生きと日々の感動を綴り、社会に正義の声を放つ多宝の友もいる。
人間の無限の可能性を、そして創価の師弟の真実を、誇り高く表現しゆく文の戦士がいる。
病気や障がいにも負けず、その試練を人間勝利の珠玉の作品に昇華しゆく勇者もいる。
若き日の誓いを胸に、不朽の創作をと、執念の精進と挑戦を重ねる賢者もいる——。
生き抜く民衆のど真ん中で、胸を張って奮闘する文芸部員が、私は大好きだ。一人ひとりが新たな文芸復興の先駆者として、後継を育て、民衆凱歌の旗を掲げゆかれることを期待してやまない。

◇聖教の光広げて
私の入信記念日の八月二十四日が、「聖教新聞創刊原点の日」であり、「壮年部の日」となっていることも、奇しき宿縁である。
先日、ブラジル・アマゾンの支部長の尊い体験の報告を受けた。
壮年部の王城会として会館厳護に当たるとともに、週刊の「ブラジル・セイキョウ」の配達にも奮闘する。入会まもない頃、奥様の"説得"で配達を担い始めた。毎週、片道三十キロの道のりを自転車で走り、熱帯地域のスコールで新聞が濡れないよう特製のビニールに包む工夫をし、一軒一軒に届けてくれているのだ。
自転車のパンクなどにもめげず、使命の配達を貫く闘魂が、ブラジル中に拡大の波動を起こしているとの喜びの報告であった。
聖教新聞ならびに世界の姉妹紙誌を支えてくださっている全ての宝友に感謝は尽きない。
世界聖教会館の完成に当たり、恩師の悲願の通り、日本中、世界中に、我らの聖教の光をいやまして広げていきたいと、強盛に祈念している。

◇「人を敬う」実践
地域に根差した座談会と、世界を結ぶ聖教新聞で、私たちは生命の絆を強め、荘厳にして壮大なる人間革命の絵巻を織り成していくのだ。
御年百七歳の"広布の母"が、ある座談会に出席された様子を、感銘深くお聞きした。
——この人生の大先輩が語る一言一言を、参加者は皆、耳をそばだてて聴いた。話が終盤にさしかかると、青年への期待を尋ねる声が上がった。
すると、多宝の母は、最前列に座る、ひ孫ほどの女子部の乙女を見つめながら、ゆっくり立ち上がり、長い間、お辞儀をされたのだ。一度、二度、そして三度と——。
言葉ではない。その振る舞いで全てを語られていたのである。
青年には無限の可能性がある。未来を担う偉大な力を持っている。その尊い生命を心から敬っていくのだ。これが仏法のまなざしであり、人材育成の根本精神であろう。
大聖人は、「不軽菩薩の人を敬いしは・いかなる事ぞ教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」(御書一一七四ページ)と仰せである。
創価の父母こそ、この御指南を受け継ぎ、現実の上で「人を敬う」不軽の実践者であると、私は誇り高く叫びたい。

今年も、創価大学で、未来部の夏季研修会が有意義に行われた。希望の未来を開く後継の友が成長し、躍動する姿ほど嬉しいものはない。
欧州でも、アメリカでも、異体同心の創価の世界市民たちが教学研修会に勇んで集われている。
今月末から来月にかけては、学生部の教学実力試験や青年部の教学試験二級が行われる。
さらに、雄々しき男子部の大学校生大会も、全国各地で開かれる。
「一閻浮提第一の御本尊を信じさせ給へ」「行学の二道をはげみ候べし、行学た(絶)へなば仏法はあるべからず、我もいたし人をも教化候へ」(同一三六一ページ)
戸田先生が十九歳の私に教えてくださった通り、ここに「正しい人生の道」があり、最高の「幸福勝利の道」がある。
この「正しい人生の道」を、朗らかに歩み、一人また一人へ自信満々と伝えゆこうではないか!

我 唱え
 他をも勧ん
  随喜して
 無上の思出
   青春讃歌を

2019年8月24日土曜日

2019.08.24 わが友に贈る

本紙の発展を支える
全ての皆様に最敬礼!
聖教の永遠の使命は
「人間の機関紙」なり。
希望の哲学を社会へ!

兵衛志殿御返事 P1091
『千年のかるかやも一時にはひとなる百年の功も一言にやぶれ候は法のことわりなり』

【通解】
千年も生い茂ったかるかやでも、火がつけば一時に灰となってしまい、百年もかかって立てた功績もわずか一言でやぶれてしまうことは、法の道理です。

〈寸鉄〉 2019年8月24日
池田先生の入信記念日。72年にわたる妙法流布の激闘に感謝。我も続かん
「壮年部の日」。頼もしき黄金柱立てば皆が安心。9月の幹部会へ勇躍前進
仏法は「煩悩即菩提」だ!苦難越えて幸福境涯が。師子吼の題目で勝ち進め
ゲリラ豪雨等、天気の急変に注意。「前前の用心」で外出前には予報確認を
呼吸器感染症が流行の兆し。乳児は特に注意。家族全員で手洗い・嗽を励行

☆創大通教・学光祭への池田先生のメッセージ 2019年8月21日
◇探究心をみなぎらせ報恩の人生を勝ち抜け
わが敬愛する通教生の皆さん、猛暑の中、気高き学究の挑戦、誠に御苦労さまです。
皆さんの学びは、人類最高峰の知性たちとの時空を超えた語らいであり、打ち合いでもありましょう。大文豪トルストイが学光の皆さんに語り掛けるエールが、私には聞こえる思いがいたします。
すなわち、「光とは、輝くからこそ光なのである」と。
人間の生命を、明るく強く豊かに輝かせゆく光——それこそ、「学び続ける心」なのであります。
私も、この年代になってなお、恩師のもとで、若き日に"労学一体"で積み重ねた「学の光」が、消えることがありません。
さまざまに創意工夫して研鑽されゆく皆さんの「学の光」こそ、使命ある一生を、また一家眷属の未来を、さらに地域社会の明日を、赫々と包み照らしていくことは、絶対に間違いありません。
"東洋のレオナルド・ダ・ヴィンチ"と讃えられた、万能の碩学・饒宗頤先生は、90代に入られてからも、生き生きと創造を続けられました。その源泉は、報恩の心であると、饒先生は語られました。すなわち、
——私は、自らを育んでくれた「地(郷土)」への恩、現代という「時」への恩、そして出会った方々、つまり「人」への恩があります。その恩に報いるためにも、今の自分にとどまっているわけにはいかないのです——と。
どうか、わが通教生の皆さんも、旺盛な探究心を、さらにみずみずしく漲らせて、最も崇高な報恩の人生を勝ち抜く英知を磨き上げていってください。そして、どこよりも仲良く、どこよりも麗しい、世界市民のスクラムたる創価の通教家族は、一つ一つの縁を大切に生かし、励まし合いながら、いかなる苦難も断じて勝ち越えていっていただきたいのであります。
饒先生の晩年のテーマは、「創価」の「創」(創る)の一文字でありました。
さあ、我ら通教生も、今ここから、「学は光なり」と胸を張って、新たな価値の創造へ、いよいよ進み抜いていこうではありませんか!
送り出してくれたご家族の方々にも、くれぐれもよろしくお伝えください。
これからも私は、わが不二の光の友の健康と幸福、そして勝利を祈り続けてまいります。皆、お元気で!(大拍手)

2019.08.23 わが友に贈る

新しい出会いは
新しい成長への扉だ。
他者に学ぶ姿勢が
人生を豊かにする。
誠実に友情を結ぼう!

乙御前御消息 P1220
『是は御ために申すぞ古への御心ざし申す計りなし其よりも今一重強盛に御志あるべし、其の時は弥弥十羅刹女の御まほりもつよかるべしとおぼすべし』

【通解】
これは、あなたのために言うのです。あなたの前々からのお志の深さについては、言い尽くせません。しかし、それよりもなおいっそう、強盛に信心をしていきなさい。その時は、いよいよ、(諸天善神である)十羅刹女の守りも強くなると思いなさい。

〈寸鉄〉 2019年8月23日
未来部員が「E―1GP」に奮闘。語学は世界への旅券。各部一体で大応援
「頭を使え、智慧を出せ」戸田先生。後半戦の出発へ。幹部は準備を入念に
勝利は勇敢な者に微笑む―飛行士。男子部大学校生よ語れ!弘教の先駆を
熱中症の搬送者、いまだ多し。厳しき残暑続く。深き祈り根本に体調管理
介護現場で働く人2割が60歳以上と。安心の幸齢社会へ。公明党よ旗振れ

☆扉をひらく 第4回 ノーベル物理学賞受賞者 香港中文大学・高錕学長
◇「知識」を幸福への「知恵」に
◇「価値創造」の橋を架けよ
この一瞬一瞬にも、膨大な情報が飛び交うデジタル社会。今や地球の反対側にいる人とも、いつでも電話やメールでのやり取りが可能となった。
こうした今の"当たり前"を支える技術こそ、秒速約30万キロという光の速さを利用して情報を伝達する「光ファイバー通信」だ。パソコンや携帯電話から発信された情報は、水深8000メートルに及ぶ海底ケーブルの光ファイバーを通し、世界各地を瞬時に結ぶ。
この光ファイバー通信の実用化に大きく貢献し、2009年、ノーベル物理学賞に輝いたのが、高錕(チャールズ・カオ)氏である。
中国・上海に生まれ、14歳の時に香港へ移住。イギリスに留学し、卒業後は同国の通信会社へ。研究者として奔走する中、1987年に香港中文大学の第3代学長に抜てきされる。以来9年間、同大学の運営に力を尽くした。
そんな高氏が池田先生と出会いを結んだのは90年代――。同大学を世界に通用する学府へ発展させようと、東奔西走していた時であった。

春らんまんの創価大学。色とりどりの草花が風にそよいでいた。
「ようこそ!」
91年4月5日、創立者の池田先生が高学長を迎えた。
香港中文大学は、創大が初めて学術交流協定を結んだ大学である。池田先生は歴代学長と親交を結び、大学の使命や教育論を語り合ってきた。この日の会談も、話題はいつしか文明論に。
科学技術が著しく発展する時代を、いかに生きるか。先生が力を込める。
「たしかに情報と知識は、あふれんばかりにあります。しかし、人間がその分、賢くなったとはいえない。ここに現代の大学教育の課題もあります。知識をどう『知恵の開発』に結びつけるか。専門化し、細分化した『知識』と『知識』に橋を架け、人間の幸福のために、どう関連づけ、生かしていくか。そうした価値創造への知恵と信念をもった『創造的人間』の育成を、"創価教育"は目指しています」
深くうなずく高学長。創価教育の理念に共感を示し、こう言った。
「技術者や科学者は、自分の研究が、人間の生活・人生に、どんな影響を与えるかという責任を自覚すべきであり、また自覚せざるをえない時代になっています」
技術の急速な発展や社会的変化の中で、「人間の幸福」という根本の目的を見失い、人間を手段化してはならない――二人の意見は一致した。
会談では、高学長から、これまでの教育交流に加え、文化交流も進めていきたいとの提案も。先生は「"美"は人の魂を高め、"芸術"は人の心を感動で結びます」と賛意を示した。
この時の約束は、94年、香港中文大学文物館での「東京富士美術館所蔵 日本美術名宝展」に結実している。同展は、戦後のアジア初となる本格的な日本美術展としても注目を浴びた。
高学長は折に触れて、語っている。
「交通や産業、情報が世界を狭くはしても、民族と民族、人と人を結ぶものは、文化交流であり、教育交流です。この信念のもと多彩な活動を展開する創価の皆さまに対し、最大の敬意を表したい」
◇ 
「湾岸戦争の勃発で明け、ソ連邦の消滅で幕を閉じた昨年は、世界史が、文字どおり、地殻変動ともいうべき大揺れを演じた一年でありました」
92年1月30日、香港中文大学の会議場に池田先生の力強い声が響いた。
この日、先生は同大学初となる「最高客員教授」称号を授与され、記念のスピーチを行っている。イデオロギーが猛威を振るう国際情勢にあって、平和を築くために何が必要か――。
先生は、香港中文大学のモットーである『論語』の「博文約礼」――博く学べ、しかし博識をもって満足せず、礼すなわち実行によって知識をまとめていくことが大切である――に触れ、中国には、常に「人間」を基軸にした発想があると指摘する。
そして、中国古来、最高の徳目の指標である「中道」「中庸」に論及。同国に脈打つ"自律の精神性"こそ、新たな世紀への鍵であると訴えた。
"中国思想の精髄"を示したスピーチに、聴衆は総立ちの拍手で応えている。
同年12月、池田先生の大学講演や提言を収めた中国語版の書籍『世界市民的展望』が、香港最大手の出版社である三聯書店から発刊された。高学長は8ページにわたる序文を寄せている。
同書には、香港中文大学での講演も収録。高学長は「中国思想と現代文明への深い見解に、私たちは共鳴し、自己を見つめ直そう」と記している。
そう賛辞を寄せた高学長自身、常に自分を律し、「中道」の精神を体現した人物だった。
ある時、香港中文大学での行事で、大学運営に不満をもつ学生が突然、壇上に上がり、高学長からマイクを奪って持論を述べるという一幕があった。
騒然とする中で、記者が駆け寄る。「先ほどの学生に、どのような処分が下されますか?」。すると学長は、驚いた様子で問い返した。「なぜ学生を罰する必要があるんでしょうか」
どこまでも学生を第一に考え、愛情をもって接してきた高学長。自らポケットマネーをはたき、人知れず、貧しい学生たちを援助していた。「私は理想主義で、周りからは"世間知らず"と批判されているかもしれません。ですが、これが私の性分なのです。世間知らずということへの反論は、私が、単純に誠実であるということです」
「私は鎧を身にまとっています。誠実を貫くという厳しい自己規律によって、いつも安らかに眠り、自由に意見を述べてきました」
冷静沈着。腰が低く、気さくに声を掛ける――高学長の温かな微笑みを、当時の学生は今も忘れない。
池田先生と高学長が出会いを結んだ91年を境に、香港中文大学は飛躍的な発展を遂げていく。
高学長は、エンジニア学部や教育学部などを次々と新設。研究と教育の強化を両輪とし、学生はもちろん、教職員たちも張り合いをもって成長していけるようにと、あらゆる手を打った。
現在、大学の学生数は当時の倍以上に増加。世界大学ランキングでアジア9位、コミュニケーション・メディアの分野で世界15位に位置している。
今も創大との学術交流が盛んに行われ、留学生たちが深い友情を育む。
高学長が退任する際、大学の教職員たちは、「高学長が、私たちの大学を"世界の大学"へと変えてくれました」と、別れを惜しんだ。
◇ 
現代社会に不可欠な光ファイバーの通信技術。だが高学長は、同技術の特許を取得しなかった。
ある時、周囲から「特許が無くて後悔はないですか」と問われ、「全くありません」と笑顔を見せた。
高学長が願っていたのは「私の幸せ」ではなく、「私たちの幸せ」であった。常々、「世界中の人々が無料でインターネットを使えるようにすることが、私の夢なのです」と語っている。
理想を掲げ、行動し続けた高学長。その根本には未来への確信があった。
「世界の変化は、ますます速く、大きくなっています。ですが、私たちが心を合わせた先には、必ずや素晴らしいドラマが待ち受けているのです」

こう・こん 1933年、中国・上海生まれ。電気工学者。英語名はチャールズ・カオ。ロンドン大学を卒業後、英国の通信会社で研究・開発に従事。66年に光ファイバー通信に関する論文を発表し、実用化の基礎を築いた。87年、香港中文大学の第3代学長に就任し、同大学の教育改革に貢献。その後、アメリカのソフトウエア会社の最高経営責任者などを歴任。2009年、光ファイバー通信の発展への貢献がたたえられ、ノーベル物理学賞を受賞した。昨年9月、84歳で死去。

2019年8月22日木曜日

2019.08.22 わが友に贈る

「健康」こそ
幸福の人生の土台だ。
適切な食事・睡眠など
リズム正しい生活で
体調管理を万全に!

経王殿御返事 P1124
『師子王は前三後一と申してありの子を取らんとするにも又たけきものを取らんとする時もいきをひを出す事はただをなじき事なり』

【通解】
師子王は前三後一といって、蟻を取ろうとする時にも、また、猛々しいものを取ろうとする時も、全力で飛びかかることは、まったく同じである。

〈寸鉄〉 2019年8月22日
人生の重要な精神は全て『新・人間革命』に—識者。大いなる希望の指標の書
未来部育む21世紀使命会真心の激励が若木の滋養に。使命は大。福徳は燦然
御書「題目を唱え奉る音は十方世界に」。広布の為の祈りは必ず諸天動かす
衛生的な水得られず毎日6千人の子供が死亡と。水守る取り組みを世界で
あおり運転には速やかに110番を—警察庁。ドアや窓は開けず。断じて追放

☆新時代を築く 「地涌」の若人を澎湃と! 2019年8月14日
「一切の諸人之を見聞し志有らん人人は互に之を語れ」(御書967ページ)
この御本仏のお心に直結し、仏法の真髄を学び語る会座が、学会の会合である。ここから幸福も和楽も地涌の友も無限に広がるのだ。
戸田先生に私が初めてお会いしたのも、東京・大田の座談会であった。2回目の終戦記念日の前夜、昭和22年8月14日である。
先生は一回一回の座談会に周到に準備して臨まれた。新来者である私のことも、実は事前に地元の方から聞かれていたようだ。
旧知のごとく「いくつになったね」と問われ、「青年らしく勉強し、勇敢に実践してみたまえ!」と語り掛けてくださった。
先生を信じて、「広布」即「平和」の道へと踏み出し、きょうで満72年となる。
* * *
恩師との共戦の歴史を偲びつつ、8月上旬、埼玉と長野に足を運んだ。
4日には、各地で行われている創価ファミリー大会を見守りながら、埼玉・日高の研修道場へ向かった。
久方ぶりに訪ねた師弟城は真心で整備され、庭には初代の「大望」、二代の「慈悲」、三代の「団結」の書を刻んだ石碑が置かれている。
その通りに「鉄桶の埼玉」「模範の関東」は、大きく仲良く慈しみ合って、見事に勝ち進んでくれている。
展示されていた所沢での世界平和文化祭(昭和57年9月)の写真も懐かしく妻と見つめた。雨にも負けず青春の勝利舞を繰り広げた若人たちは、立派に生い立ち活躍している。
折しも8月14日は「関東の日」、また「関西・師弟原点の日」。大関東、大関西をはじめ全同志の健康と無事安穏、大福運と常勝を祈りに祈っている。
* * *
長野研修道場は、初訪問から40年である。「人間革命」の希望の電源地となってきた。わが信越家族は、陰徳陽報の実証を示し、堂々たる人材山脈を築き上げている。地域社会の友好と信頼の深まりも目を見張るばかりだ。
広島と長崎の「原爆投下の日」(8月6日、8月9日)には、全ての原爆犠牲者と戦没者の方々の追善法要を懇ろに道場で行い、平和への誓いを新たにした。
* * *
あの東日本大震災から8年5カ月。猛暑の中、復興の加速へ、尊い汗を流す東北の宝友の苦労が胸に迫る。
恩師は草創の仙台支部を大きく3点、讃えられた。
�学会精神が燃えている
�励ましに満ちている
�うちとけた団結がある
拡大への不変の指針だ。
一段と強く明るく温かな励ましで、澎湃と「地より湧き出でんとする」青年群を呼び覚まそうではないか!
「二人・三人・百人と次第に唱へつたふるなり、未来も又しかるべし」(同1360ページ)との「地涌の義」のままに。

☆御書と歩む� 第85回 永遠の幸福の軌道を
『此の経を持つ人人は他人なれども同じ霊山へまいりあはせ給うなり、いかにいはんや故聖霊も殿も同じく法華経を信じさせ給へば・同じところに生れさせ給うべし』(上野殿御返事、1508ページ)

◇通解
この法華経を受持する人々は、他人であっても同じ霊山に参られて、また会うことができる。まして亡き聖霊も、あなたも、同じく法華経を信じられているので、同じ所にお生まれになるであろう。

◇同志への指針
「霊山」とは別世界ではない。一生成仏の信心を貫いた人が等しく到達できる、宇宙大の仏界の境涯である。そこでは、家族も同志も師弟も巡りあえる。
妙法で結ばれた絆は永遠だ。題目を唱えるわが胸に、故人の生命は一体である。使命と福運を受け継ぐ、後継の陣列が広がることが成仏の証しなのだ。希望に燃えて、広布の大道をいざや前進!

2019年8月21日水曜日

2019.08.21 わが友に贈る

愚痴は福運を消し
感謝の唱題は幸を築く。
「心こそ大切なれ」
報恩と随喜の一念が
大きく境涯を開く!

衆生身心御書 P1590
『法華経と申すは随自意と申して仏の御心をとかせ給う、仏の御心はよき心なるゆへにたといしらざる人も此の経をよみたてまつれば利益はかりなし』

【通解】
法華経という経は随自意といって、仏の御心を説かれたものである。仏の御心はもとより素晴らしい心であるから、たとえ法華経の理を知らない人であっても、この経を読み奉れば利益は計り知れない。

〈寸鉄〉 2019年8月21日
創大通教生の「学光祭」。生涯学びの人生は尊し。宝の学友と共に向上の夏
「法華経は日輪のごとし」御書。苦闘の友よ頑張れ。闇を晴らす強盛な祈りを
信用の根本は約束を守ること—戸田先生。幹部は有言実行貫く誠実の人に
災害時の家族の連絡先を把握している子ども22%気になった時に即、確認
海や川での水難事故に注意を。危険な場所には近づかない—互いに声掛け

☆創大・夏期スクーリング開講式への池田先生のメッセージ 2019年8月12日
◇通教生が社会に放つ「学の光」が人類の未来を照らす
我らの夏期スクーリングは、創価教育の真髄光る学びの園です。
猛暑の中、日本全国から、さらに海外20カ国・地域からも、よくぞよくぞ参加してくださいました。
ここに集われること自体が、大変な戦いであったことでしょう。
「学は光」との精神を体現する皆さん方を、私は最大にたたえ、ねぎらい、応援団長との思いで、健康と無事故を祈り、見守ってまいります。
教員の先生方、また職員の方々、わが命、わが宝、わが誇りのスクーリング生を、どうか、よろしくお願いいたします。
先月、九州の70代のある通教生の方から、闘病などの苦難を勝ち越え、無事、卒業のめどが立ちましたという、うれしい報告をうかがいました。
その中には、「学ぶことで心が耕され、鍛えられ、これまで味わったことのない幸福感を得ることができました。まさに新しい人生を与えられたのと同じです」と記され、次は資格取得を目指し、「青少年の育成に関わることを目標に、さらに勉学に励んでいきます」と意気軒高につづられていました。
「学び続ける人」は、常に若々しい。「学び続ける人」は、決して行き詰まらない。「学び続ける人」は、必ずや栄光の道を勝ち開くことができる。
まさに、「人生100年時代」を迎えた現代にあって、ますます、どれだけ深く生きるか、どれだけ心豊かに生きるかが問われてくるでありましょう。
その重要なカギは、たゆまぬ学びの挑戦と連帯をいかに築くかにあるのではないでしょうか。
創価教育の父である牧口常三郎先生と戸田城聖先生も、先駆的に通信教育に取り組まれ、学びの機会を広げていかれました。
戸田先生は、常々、「教育は、知識のみではなく、長い人生を、生き生きと生き抜いていく力を育むことが大切である」と語られていたのであります。
この夏期スクーリングで学ばれた皆さん方が、いよいよ生き生きと生き抜いていく力を強く光らせながら、気高くも尊き大勝利の軌跡を無限に描かれていくことを、私は念願してやみません。
私の胸からは、あの大歴史学者トインビー博士が、最晩年まで、ラテン語の「ラボレムス」——「さあ、仕事を続けよう」をモットーとして、毎朝9時には必ず机に向かわれていた姿が離れることはありません。「世の人々のためになれば」と一日また一日、尊き探求を貫かれていたのであります。
自分の心次第で、自在に有意義な時間をつくり出すことができるというのが、偉大な先哲たちの結論です。
どうか、最高に有意義な学びと友情の原点を、仲良く励まし合い、刻んでいってください。暑い日が続くので、休憩や睡眠を上手に取りながら、楽しく聡明に、心身ともに、より健やかになる日々を送っていってください。
皆さんが社会に放つ「学の光」こそ、人類の未来を照らす希望の光です。
わが世界一の創大通教生、万歳!(大拍手)

2019年8月20日火曜日

2019.08.20 わが友に贈る

「蘭室の友に交りて
麻畝の性と成る」
学会は善知識の集いだ。
どんな悩みも相談できる
信心の先輩をつくろう!

高橋殿御返事 P1467
『同じ米穀なれども謗法の者をやしなうは仏種をたつ命をついで弥弥強盛の敵人となる、又命をたすけて終に法華経を引き入るべき故か』

【通解】
同じ米であっても謗法の者を養うのは、仏の命を断つ命を継承させ、更に強盛な敵人とする。それともまた命を永らえさせて、最終的に法華経に引き入れるためであろうか。

〈寸鉄〉 2019年8月20日
人類が池田博士の哲学を学べば世界平和は実現—総長。後継の青年が宣揚
「革命は小事にあらざるも小事より発生す」哲人人間革命の一歩を今日も
折伏をなす者は偉大な生命力で困難に打ち勝つ—恩師。青年よ挑戦王たれ
広島土砂災害5年。教訓忘れず自助・共助・公助で支え合う安心の列島に
百日咳の患者、既に1万人超。乳児は重症化も。予防接種と早めの受診を

☆SUA入学レセプションへの池田先生のメッセージ 2019年8月11日
◇「何のため」の原点を忘れるな! 不屈の努力で壁を破れ
◇デューイ博士「一人の人間が成し遂げたことがそれに続く人々の出発点となる」
一、人類の「希望の太陽」と輝く19期生の皆さん、また大学院に進学される皆さん、晴れの入学、本当におめでとう!
最優秀の宝の英才を、わがアメリカ創価大学(SUA)へ送り出してくださったご家族の方々にも、心より感謝申し上げます。
創立者として、愛するSUAの学生の健康・無事故と幸福・成長、そして栄光・勝利を祈らない日は、一日としてありません。皆さんの学生生活が有意義で、喜びに満ちた充実の日々となるよう、最大に見守り続けていく決心です。
薫陶してくださる教員の先生方、お世話になる職員の皆さん、頼もしきSUAの先輩方、どうか、よろしくお願いします。

国境は見えない
一、今日は、これから始まる皆さんの新たな挑戦に、まず「不屈の心を燃やす向学の青春を!」とエールを送りたい。
私が1974年9月にロシア(当時はソ連)を初めて訪れてから、45年を迎えます。
当時は、東西冷戦の最中で、中国への訪問(74年5月)に続いてイデオロギーや社会体制の異なる国へ行くことに、強い反対の声もありました。
しかし私は、胸襟を開いて語り合えば、同じ人間として必ず分かり合えると確信していました。そして、その信条のままに多くの方々と友情を結び、モスクワ大学をはじめ学術機関との教育交流、また文化交流を進めてきました。
その大切な友人の一人が、宇宙飛行士として活躍されたアレクサンドル・セレブロフ博士です。
博士は、宇宙から見れば、地球は小さな存在で、国境線は一切、見えないと言われました。ゆえに宇宙という大きな視点に立った時、人間は誰もが宇宙船「地球号」の乗客であり、あらゆる差異を超えて協力できるはずだと確認し合ったのです。
わがSUAは、まさしく世界中から英知の若人が集う「地球の縮図」です。このキャンパスの伝統である「心通う対話」「切磋琢磨の友情」こそが、分断や対立を克服し、共生と平和の社会を築きゆく原動力となることは間違いありません。いうなれば、宇宙船「地球号」の希望のリーダーシップを育む学びやなのであります。

昨日よりも前へ
一、セレブロフ博士は、4回の宇宙飛行、10回の船外活動に成功しています。その準備は毎回が困難の連続であり、宇宙では命に及ぶ危機を幾度も乗り越えてこられました。
博士は語られています。"誰もが本来、極限状態に耐えられる素養を持っている。だが、その素養とは、何の形もない粘土のようなものにすぎない。それを形へとつくり上げていくのは、一人一人の「努力」である"——と。
そして博士は"「何のため」との目的観を持った時、人間は厳しい試練に耐え、それを乗り越えるための強靱な精神力を引き出すことができる"と強調されているのであります。
偉大な青春の使命の飛翔も、また同じでありましょう。明確な「目的」を掲げ、そして不断の「努力」を貫けば、破れない壁などない。わが無限の可能性を、必ず解き放っていくことができるのです。
大事なことは、自分に勝つことです。昨日の自分より、一歩でも二歩でも、前に進むことです。皆さんは、不屈の「負けじ魂」を赤々と燃やしながら、愛する父母のため、友のため、そして世界の民衆のために、向学と成長の勝利の軌道を歩み抜いていっていただきたいのであります。

「平和の世紀」を
一、次に、「平和の信念を生命深く打ち立てよ!」と申し上げたい。
平和貢献の人材育成を目指す英知の学府として、今、SUAは、世界の心ある識者から深く信頼され、さらなる発展へ、大きな期待を集めています。
今、キャンパスでは、「科学棟」建設の槌音が響き、明年の「生命科学」コースの開設の準備も順調に進んでいます。
20世紀を代表する大科学者であり、私が共に「生命の世紀」への展望を語り合ったライナス・ポーリング博士も、こうしたSUAの躍進の姿を、心から喜んでくださっていると確信します。
博士ご夫妻のお名前は、教室棟の一つにも冠せられています。博士は、自らの研究に取り組むだけでなく、より多くの人々の幸福を願い、核兵器の廃絶へ、世界平和の創出へと行動を起こされました。それゆえに、さまざまな圧迫も受けました。しかし、困難をものともせず、平和への信念を貫き通されながら、史上唯一、単独で二つのノーベル賞(化学賞・平和賞)を贈られております。
博士は言われました。博士が私たちに託してくださった信条です。
「世界には軍事力や核爆弾という悪の力よりも更に偉大な力がある。善の力、道徳や、ヒューマニズムの力である。私は人間の精神の力を信じる」(丹羽小弥太訳『ノーモアウォー』講談社)と。
一人の人間が持つ力が、どれほど偉大であるか。なかんずく、志を同じくする若人が連帯するならば、必ず世界を変革していくことができる。一昨年、国連での歴史的な「核兵器禁止条約」の採択を後押ししたのも、青年をはじめとする市民社会の声と力でありました。
残念なことに、世界には、いまだ争いや暴力が後を絶たず、生命の軽視や、偏見と差別は根強く残っています。
こうした混迷の時代であるからこそ、「平和の世紀」「生命尊厳の世紀」の創造を目指し、挑戦しゆくSUAの使命は、いよいよ大きいのであります。
何のためにこの大学に集い、学問を探究しゆくのか——。わがアメリカ創大生は、常にこの原点に立ち返りながら、わが知性と人格を磨きに磨き、鍛えに鍛え抜いていってください。
そして、多彩な国と地域から学生が集うキャンパスで、縁も深き友と語らい、異なる文化や価値観を心広々と呼吸しながら、人類の未来を照らしゆく平和の文化を、思う存分に創造していってください。
一、最後に、創価教育の父である牧口常三郎先生が敬愛してやまなかった、アメリカの哲学者ジョン・デューイ博士の言葉を贈り、私のメッセージといたします。
「一人の人間が、或は、一群の人々がなし遂げたことが、それに続く人々にとっての、足場となり、出発点となる」(岸本英夫訳『誰れでもの信仰』春秋社、現代表記に改めた)
大切な、大切な皆さんの前途が、限りなき希望の光で包まれゆくことを祈ります。
どうか皆さん、お元気で! 今日は本当におめでとう!(大拍手)

2019年8月19日月曜日

2019.08.19 わが友に贈る

◇今週のことば
「一日の命」は
全宇宙の財宝にも勝る。
勝負は朝の勤行だ。
きょうも題目の獅子吼で
充実の「心の財」を!
2019年8月19日

持妙法華問答抄 P465
『持たるる法だに第一ならば持つ人随つて第一なるべし、然らば則ち其の人を毀るは其の法を毀るなり』

【通解】
持たれる法さえ第一ならば、持つ人もまた第一なのである。そうであれば、その人を毀るのは、その法を毀ることである。

〈寸鉄〉 2019年8月19日
「信心にあかなくして所願を成就し給へ」御書。広布の同志と日々、前進。
教学2級試験へ研さん進む。行学錬磨の尊き青春。皆で求道の若人にエール
国連・世界人道デー。平和と幸福の連帯拡大を。われらは草の根の対話で
信号機のない横断歩道での事故増加。車の一時不停止等で。規則順守徹底
猛暑等による脱水症状で心筋梗塞のリスク増と。小まめな水分補給で予防

☆私がつくる平和の文化 第8回 「平和の文化」を育む教育
インタビュー 昭和女子大学理事長・総長 坂東眞理子さん
「私がつくる平和の文化」第8回のテーマは「『平和の文化』を育む教育」。登場していただくのは、『女性の品格』などの著者で、昭和女子大学理事長・総長の坂東眞理子さんです。教育を通じて「平和の文化」を育むため、一人一人に何ができるかを聞きました。(構成=小野顕一、歌橋智也)

——「平和の文化」を広げるには、あらゆる場での「教育」が重要です。

坂東 おっしゃる通りです。意見が対立した時、自分とは違う意見にも耳を傾ける。暴力を使わずに対話で乗り越えていく。そうした能力を、子ども時代から家庭や学校の中で育てていくことは本当に大切です。それが、ひいては戦争を防ぐことにも繋がります。
日頃から、「あなたはそう思っても、○○ちゃんはこう思っているよ。どうしたらいいんだろうね」と、親が一緒に考えてあげる。例えばテレビでいじめのニュースを見た時は、「周りの人は、何をしてあげられるだろうね?」と語り合いながら、"これでいいのかな?"と自分の問題として捉えられるようにすることが大切だと思います。

——親子の関わりの中で非暴力の土台を築くのですね。

坂東 ただ、今の時代、こうした関わりを親だけに期待するのは困難です。かつては祖父母、ご近所との関わりも深く、コミュニティーが機能していましたが、現代は親子が孤立しがちです。子育てに行き詰まり、親が子どもを虐待してしまう事件も増えています。家庭内の暴力をなくすには、周りの目やサポートが必要なのです。
だから私は、子育て中の親御さんによく、上手に助けを求める「求援力」が必要だよと語っています。親が助けを求める姿を見せていれば、子どもも「苦しかったら我慢しなくていいんだ」と安心するはずです。

——地域には、どのような関わりが求められますか。

坂東 「あの人、孤立しているんじゃないかな」と気付く感度。他人の痛みに「共感」できる能力。今の社会は、この「共感力」が一層必要になっていると思います。
地縁や血縁が弱くなっている現在、私は、心の通う新しい人間関係を、意識してつくれるといいなと思っています。それを「志縁」と呼んでいます。「支援」の意味も込めています。
地域の団体や同郷の集まりなど、大人たちが職場や社会の肩書を気にせず、「困った時はお互いさま」と思える居心地のいい場所、緩やかなネットワークです。そこに子どもたちも連れてくる。親が複数の居場所を持っていれば、子どもの世界も広がる。小さいうちから、いろいろな考え方を持っている大人と接する機会もできます。
創価学会の皆さんは、新しい「志縁」の場をつくり、互いに愛情をもって接しておられます。ぜひ温かいコミュニティーを育てていただけるよう期待しています。

——最近、70代にエールを送る本を出版されました。

坂東 今、私は自分の同年代に、「褒める力で社会を変えよう」と呼び掛けています。褒めることにはお金が掛かりません(笑い)。そして、孫のいない高齢者も多いので、周りにいる「他人の孫=他孫(たまご)さんを育てましょう」と。
最初は「あの子、元気にしているな」と気に掛ける。そのうち顔と名前が一致し、柔らかい人間関係ができる。その子たちを愛情をもって見守り、もし一生懸命やっているところを見つけたら、褒めてあげる。第三者の大人の言葉は子どもに自信を与えます。

——何歳になっても、人を育てることに貢献できるということですね。

坂東 そのためにも、一生涯、自ら学び続けることが大切です。日本人は「勉強」というと、「就職の役に立つから」「資格を得るため」と、実利を追うためのものと考えてしまう。しかし、学習することの一番の目的は、「なるほど、そういう世界や、考え方もあったんだ」と、自分の視野を広げることではないでしょうか。そこから、違った価値観を持っている人のことも包容できるようになる。「平和の文化」に繋がっていくのです。

●一歩踏み出す勇気を

——今後、社会はますます多様になります。大切なことは?

坂東 人と人、国と国にもいえることですが、相手の文化や価値観を知り、尊重することです。無理に相手に合わせる必要はありません。こういうことを大事にしているんだなと、自分と異なる考えを受け入れる。それが共生社会を築くポイントです。
もう一つは「自分で考える力」です。社会に出れば答えが一つということはありません。多様な世の中になれば、いろんな考えの人と出会うでしょう。だから、常に一つの考えに縛られず、「これもありかな?」と模索し続けてほしい。また、自発的に「もっといいやり方はないか」と考え、提案する力を身に付けることだと思います。

——「平和の文化」を育むため、私たちが心掛けるべきことは何でしょうか。

坂東 人の生き方として、ただ他人に迷惑を掛けず、マイナスをつくらなければいい——それだけで完結する人生は、寂しいと思います。
「頼まれてもいないのに」「別に私がしなくても……」ではなく、ささやかでもいい、何かプラスになること、誰かの役に立つことができないか。そう思って周囲を見渡せば、さまざまな困難に向き合っている方たちが大勢います。勇気を出して直接触れ合えば、必ず手応えがあり、「他人ごと」が「自分ごと」になるはずです。
人間は、常に少し難しい目標を設定し、挑戦することで、生涯、成長できます。失敗するのが怖いからと、100ある力のうち70、80くらいで良しとしたら、使わない筋肉がどんどん衰えていくように、頑張る力も衰えていきます。だから常に、自分がハッと気が付くような経験に挑戦することが大事です。
一人一人が利他の心を持って、「一歩踏み出す」ことだと思います。

ばんどう・まりこ 昭和女子大学理事長・総長。富山県生まれ。東京大学を卒業後、1969年、総理府(現・内閣府)に入省。内閣総理大臣官房参事官、豪ブリスベン総領事、内閣府男女共同参画局長などを歴任。2004年に昭和女子大学女性文化研究所長となり、同大の学長を経て、現職。『女性の品格』『親の品格』『70歳のたしなみ』など著書多数。 

池田先生の指針から
学ぶことは、生きることです。
生きることは、学ぶことです。
そこに、生命の成長があり、人生の幸福があります。
あえていえば、「人は、自らを教育するために生まれてきた」のです。
(「わが教育者に贈る」第3回 地域社会に教育の陽光を〈下〉から)

教育は、「すべての暴力」を封じこめる英知の開発でなければならない。
人間と自然の「かけがえのなさ」を、頭で、心で、肌で、全身でつかんでいる人間を育てなければならない。
そういう教育こそが、平和への根本軌道を建設する「文明の大闘争」ではないだろうか。
(『希望の世紀へ 教育の光』から)

人の「痛み」を想像する
教育者として「平和の文化」を育む青年を取材しました。

「平和って、人を思いやることから始まると思うんです」
そう語るのは、栃木県大田原市内で小学校の教員を務める加納照久さん。加納さんの一家では、祖父・十三男さん(故人)や祖母・寿美子さんの戦争体験が、孫の照久さんまで三代にわたって語り継がれてきた。
「特に祖父は、一家団らんで戦争のドラマを見た時など、『実際はもっと悲惨だ。戦争はきれいごとじゃないぞ』と、実体験を通して語ってくれました」
幼い加納さんは、祖父の膝の上で話を聞き、日常的に平和が語られる輪の中で育った。ゆえに、「戦争も平和も、どこか遠くにあるのではなく、人がつくり出すもの、と思うようになりました」。
大学に進学した加納さんは、卒業論文のテーマを寿美子さんの戦争体験にした。「祖母の経験を残さなければと思ったのです」
寿美子さんは14歳から学徒動員され、「風船爆弾」の工場で働いた。
風船爆弾とは、和紙で造った気球に爆弾をつるし、敵地まで飛ばして投下する秘密兵器だった。寿美子さんたちはそれが兵器だとは知らされず、国の役に立つものだと信じ、毎日90センチ四方の和紙を糊で貼り合わせる作業に徹した。検査は厳しく、何度も怒られたが、重労働にも耐えた。1945年8月15日、敗戦を告げる玉音放送を聞いた——。
純粋な少女たちを兵器造りに駆り立て、かけがえのない青春を奪った戦争。当時を振り返って寿美子さんは語った。「勉強したくてもできなかったことが、一番悔しかったの」
その言葉を聞いて加納さんは思った。「今は自由で恵まれた時代になった。自分の生き方を選べるからこそ"何のために生きるか"が大事だ」
教員になった今、その思いを子どもたちに伝えようと、世界各地の紛争や自然災害、国内の出来事など、さまざまなニュースを題材に語り合っている。その時、こう呼び掛けている。
「そこにいる人たちの日常がどうなってしまうか、想像してほしい」
先日は高齢者の起こす交通事故について考えた。「被害に遭った人の気持ちになって」「みんなのおじいちゃん、おばあちゃんも運転するよね。今、車がなくなったら生活はどうなる?」
一つの出来事を自分のことに置き換える。人の痛みを想像し、当事者意識を持つ。そうすれば、物事の見方は深まっていくと加納さんは考える。「たとえ経験していなくても、真剣に思いを寄せれば自分の血肉になる。そうした生き方が平和をつくると思うんです」

2019年8月18日日曜日

2019.08.18 わが友に贈る

労苦と使命の中にのみ
人生の価値は生まれる。
苦難が人間を鍛え
努力が未来を切り開く。
わが栄光の劇を綴ろう!

御義口伝巻下 P754
『又云く無も有も生も死も若退も若出も在世も滅後も悉く皆本有常住の振舞なり』

【通解】
またいわく、無有生死若退若出等と経文にあるが、無も有も、生も死も、若退も若出も、また在世も滅後も悉く本有常住の振舞いなのである。

〈寸鉄〉 2019年8月18日
総本部で『新・人間革命』名場面展。脱稿1年。師弟の新たな共戦譜ここから
永遠の生命から見れば今の苦しみは瞬間だ—恩師強盛な祈りで宿命に挑め
栃木県青年部の日。敢闘精神漲る後継は陸続と。君らの勝利が地域の希望
スマホの使い過ぎで認知機能は低下—脳神経科学者。賢く使用。功罪忘れず
東京五輪の閉会式、長崎原爆の日に。核なき世界へ連帯築く平和の祭典に

☆勇気の旗高く 池田先生と長崎 2019年8月5日
◇平和の鐘を打ち鳴らせ
池田先生が各地の友に寄せたスピーチや指針などを紹介する「勇気の旗高く」。今回は長崎県を掲載する。

◇誰よりも幸福に
1945年(昭和20年)8月9日、長崎に投下された原子爆弾は、7万3884人もの人々の命を奪った。
池田先生が長崎を初訪問したのは、恩師・戸田先生が逝去した年である58年(同33年)。当時の思いを長編詩に記している。

恩師逝去の年
菊花の十一月
私は
師の心を わが心として
この大地に
平和の火をともさんと
初の支部結成式に臨んだ
そして
長崎の天地に涌き出でた
一万余の友の
前途を祝しつつ
万感の思いをこめて
私は語った——
黒き被爆の大地に
平和の真の楽土を!

もっとも不幸に
泣いた人こそ
もっとも幸福になりゆく
権利がある
被爆の苦汁をなめた
長崎の友は
平和の尊さを誰よりも知る

それゆえに
あなたたちには
この街を この天地を
どこよりも平和な
どこよりも幸せな
国土と変えゆく
使命があるのだ

平和は
決して
与えられるものではない
自らの意志で
自らの手で
額に汗し 語り 動き
岩盤を
こぶしで砕くが思いで
戦い 勝ち取るものだ

この長編詩が詠まれたのは88年(同63年)10月2日。学会の「世界平和の日」である。60年(同35年)のこの日、先生はアメリカ・ハワイを目指し、初の海外指導に出発した。その後の先生の平和行動は、いつも長崎への思いと共にあった。

私は走った
世界の国々を
巡っては
心と心の橋を架け
友誼と信頼の
道を開き
文化の交流の
水路をつくるために

ああ 友よ
長崎の友よ
わが心の平和図には
常に長崎があり
あなたたちの雄姿をば
思いえがいて
私は 平和旅を続けた

古来、海外との"玄関口"であった長崎。江戸時代には鎖国政策を進める幕府のもと、直轄の貿易地として出島がつくられ、オランダや中国との交易で栄えた。先生は、75年(同50年)の第1回長崎県大会に寄せたメッセージで、長崎の歴史や地理を通し、友の深い使命を語っている。

長崎は江戸の封建時代にも町人の天下でありました。この点でも、まさに近代の先駆けをなした地ということができます。
権力を拒否し、庶民が主人公という輝かしい伝統、そして"文化の溶鉱炉"として外国文化を理解し、受け入れ、同化し、独特の文化を創り上げていった力は、長崎の創価学会にも脈々と受け継がれ、発展させられていることと信じます。
静かな入り江の懐深く抱かれ、湾の入口の島々が天然の防波堤となっている長崎は、自然の良港であり、人々の憩いの地でもあるわけです。
今日ここに集われた皆さん方は、この恵まれた自然にも優って、迷い悩む庶民の心を温かく皆さん方自身の懐深く抱き、平和と人間の防波堤となってください。
それには、一人ひとりを大切にする運動を続け、誠実な創価学会、愛される創価学会を築き上げることです。

朗々たる唱題の声こそ、現代の危機を救い、平和を呼び、幸福の確立へ至る"一声"であります。
私は、その一声が長崎の地から、市民の総和として広く沸き上がることを信じて疑いません。

覚悟の人は強い
82年(同57年)5月26日の長崎県幹部会では、池田先生が作詞・作曲に携わった県歌「平和の鐘」が発表された。席上、先生はリーダーの姿勢について語った。

後輩の人々がよく戦っておられることをよく知ってあげることである。真剣に、地道に、無名の人々が活躍していることを見つけ、認め、包容し、ほめたたえていくことが、幹部の最大の要件であることを忘れてはならない。
御書に「ほめられぬれば我が身の損ずるをも・かへりみず、そしられぬる時は又我が身のやぶるるをも・しらず、ふるまふ事は凡夫のことはざなり」(1360ページ)とある如く、凡夫である我々は、互いにこの一点を鋭く、かつ正しく見極めながらの激励がまことに重要であることを知らねばならない。

誓いを持つ人生は深く、充実がある。覚悟を決めた人ほど強いものはない。「後漢書」に「志有れば事竟に成る」とある通りである。
また、真剣な人ほど人をして感動せしむるものはない。確信と希望にあふるる指導ほど人々を感動させ、自信に満ち満ちた信心と人生を歩みゆかせる原動力となるものはない。
信心の指導は峻厳たりとも、春風のごとき人間性をもった包容力ある人には、人々は安心してついていくものだ。

23日から5日間にわたる激励行の焦点は「青年」だった。初日には、諫早文化会館の敷地にある「長崎池田青年塾」で青年たちを激励。最終日の27日には、九州男子部の愛唱歌「火の国『青葉の誓い』」の発表会が開かれた。その時の模様が、99年の随筆に記されている。

私が長崎入りした初日、青年たちが、九州男子部の愛唱歌をつくりたいと、原案をもってきてくれた。
"大楠公"などの歌に込められた父子の心を、後継の決意を表現したいというのだ。
私は応援を約束し、滞在中、時間をこじあけるように、四度五度と推敲を重ねていった。ある時は「青年塾」の一室で朱筆をとり、ある時は大村湾に沈む夕日を眺めながら、不滅の光の言葉を探した。
長崎の県歌「平和の鐘」が、一足早く発表となり、九州男子部の歌が完成したのは、最終日の朝である。それを、凜々しき九州男児たちが歌ってくれた。
火の国・「青葉の誓い」の誕生であった。

♪厳父は覚悟の 旅に発つ

生い立て君よ 民守れ
   …… ……
火の国我らの 旗光り
広布の山の 先駆たり
友よいざ征け 黎明だ
ああ青葉の誓い 忘れまじ
夜明けの世紀だ 黎明だ
ああ青葉の誓い 忘れまじ

多くの若人が傷つき、空しく青春を彷徨する時代にあって、今、情熱の血潮たぎる青春を生き抜く、誓いの歌が誕生した。

友情結ぶ対話を
いかにして真の平和を築くか。先生は、2012年の随筆で、被爆体験を語り伝える長崎の壮年を紹介しつつ、こう述べている。

「恒久の平和は脅迫によってではなく、相互の信頼を招く真摯な努力によってのみ、もたらされるものです」とは、大科学者アインシュタインの言葉である。
平和への直道である対話を実らせるには、信頼を築いていくことだ。友情を結び、育んでいくことだ。
そのためには——
相手の話を「聞く」。
相手を「敬う」。
相手から「学ぶ」。
これが、価値ある対話の鉄則である。
御聖訓には、「教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」(御書1174ページ)と仰せである。私たちの誠実と真剣な行動によってこそ、平和の思潮の水かさも増していくのだ。

誠実な振る舞いと勇気の対話で、人間の絆は強くなる。長崎の友は、きょうも心豊かに友情の連帯を広げ、平和への確かな道を歩む。

2019年8月17日土曜日

2019.08.17 わが友に贈る

猛暑に厳重注意!
�適切な湿度・室温調整
�適度な水分・塩分補給
�日中の外出は控える
熱中症対策を十分に!

上野殿御返事 P1558
『かつへて食をねがひ渇して水をしたうがごとく恋いて人を見たきがごとく病にくすりをたのむがごとく、みめかたちよき人べにしろいものをつくるがごとく法華経には信心をいたさせ給へ、さなくしては後悔あるべし』

【通解】
飢えたときに食べ物を求め、のどが渇いたときに水をほしがるように、恋しい人にあいたいと思うように、病気になって薬を頼りにするように、きれいな人が紅や白粉をつけるのと同じように、法華経に信心していきなさい。そうでないと後悔することになります。

〈寸鉄〉 2019年8月17日
「御書を心肝に染め」と日興上人。日々、一節でも一行でも繙けば勇気百倍
文芸部結成50周年。破邪顕正の言論勇者よ。ペンの力で偉大な民衆城護れ
人生の価値は闘争の過程に—印首相。無上の輝きを放つ広布誓願の菩薩行
子供座席、正しく使う人は4割と。取り付け方法確認を。子の命守るため
大学生の6割「戦争体験を直接聞いた事がない」。悲惨な記憶を未来へ必ず

☆池田華陽会御書30編に学ぶ 開目抄(下) 2019年8月10日
◇勝利の要諦は"不退の信心"に 誓いを貫いてこそ「真の弟子」
今月は、「開目抄」の後半を学びます。
池田先生は、本抄を拝してつづられました。
「弟子が偉大な広布の人生を歩んでいくことを、師匠は願い続けています。弟子の成長こそが、師匠の楽しみであり、本懐なのです。(中略)かつて私は未来を担う若人に、一首の和歌を詠みました。この和歌を、今再び、全世界の同志にあらためて贈ります。
この世にて/師弟に勝る ものはなし/君よ忘るな 勝利の絆を」
"偉大な師匠に続きゆく!"との、師弟不二の誓いを光らせ、行学錬磨の夏を溌剌と前進していきましょう。(拝読範囲は、御書203ページ15行目〜本抄末尾です)

◇本抄について
本抄は、日蓮大聖人が流罪地の佐渡に到着した直後から構想・執筆され、文永9年(1272年)2月、四条金吾に託して門下一同に与えられました。
題号の「開目」とは「目を開く」ことであり、末法の一切衆生に対して、人々を不幸に陥れる思想への執着を打ち破り、真の法華経の行者、すなわち大聖人に「目を開け」との呼び掛けと拝されます。
当時、大聖人一門には激しい弾圧が加えられ、退転する門下が続出しました。
本抄で大聖人は、当時、人々から寄せられた"大聖人が法華経の行者であるなら、なぜ諸天の加護がないのか"との疑問に対し、経文通りに実践すれば、三類の強敵の出現は必然であり、その通りの難に遭っている大聖人こそ、真の法華経の行者であると示されます。
そして、大難を覚悟で妙法弘通を貫く大聖人が、一切衆生にとって「主師親の三徳」を具えた末法の御本仏であることを明かされていきます。

◇御文
『我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし、天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事をなげかざれ、我が弟子に朝夕教えしかども・疑いを・をこして皆すてけんつたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし』(御書234ページ7行目〜9行目)

◇通解
私ならびに私の弟子は、諸難があっても、疑う心がなければ、自然に仏界に至ることができる。
諸天の加護がないからといって疑ってはいけない。現世が安穏でないことを嘆いてはいけない。
私の弟子に朝夕、このことを教えてきたけれども、疑いを起こして皆、信心を捨ててしまったようである。
拙い者の習性として、約束したことをいざという時には忘れてしまうものである。

◇解説
掲げた御文の直前で、大聖人は、ある貧しい女性が、溺れながらもわが子を最後まで離さなかった功徳で、梵天に生まれ変わったという「貧女の譬え」を引き、妙法を受持し抜くことで、求めずとも必ず成仏に至ることを明かされます。
続く「我並びに我が弟子」で始まる一節は、"大聖人と同じ不惜身命の決意と実践で、妙法流布に生き抜こう"との、門下に対する呼び掛けと拝されます。
法華経には、"正法を弘通すれば必ず難が起こる"と説かれています。
一方で、妙法を弘通する人は諸天善神に守護され、今世で安穏な境涯になることも説かれています。
当時の大聖人門下の中に、"妙法を弘通する自分たちが現世安穏ではないのはなぜか"と疑問を抱く人々がいました。
大聖人は本抄で、法華経の行者としての御自身の御境地を、「詮ずるところは天もすて給え諸難にもあえ身命を期とせん」(御書232ページ)と明かされます。
身命をなげうつ覚悟で、一切衆生の幸福のために戦う大聖人にとって、もはや諸天の加護の有無は重要ではありません。
よって、"難が起こった時に、「諸天の加護がない」「現世が安穏でない」と嘆き、妙法を疑ってはならない"と戒められているのです。
信心を疑い、生命が無明に覆われてしまえば、成仏への道は閉ざされ、妙法の無限の力を発揮することはできません。
そこで重要なのが、広宣流布への「大願」であり、その実現のための不惜身命の「覚悟」です。
大聖人は、法華経の行者には必ず難があること、その時こそ強盛な信心を貫くべきであることを、門下に繰り返し教えられました。
しかし実際には、多くの門下が疑いを起こして退転したのです。そのことを、「つたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし」と仰せになっています。
苦難に直面した時に、師弟不二の不退の信心で立ち向かえるか——ここに成仏、すなわち人生勝利の要諦があります。
行学の実践に励む私たちは、「まことの時」に誓いを貫く「真の弟子」へ成長していきましょう。

★池田先生の講義から
苦難は、人間を強くします。
大難は、信心を鍛えます。
難に挑戦して信心を鍛え抜けば、我が己心に「仏界」を現していくことができる。
大難が襲ってきても「師子王の心」で戦い続ける人は、必ず「仏」になれる。(『開目抄講義』下巻)
◇ ◆ ◇
"我が弟子たちよ、師と同じように立ち上がれ!"
"師子王の子らしく、疑いと嘆きを打ち破れ!"
"まことの時に信心を忘れる愚者になってはならない!"
「大聖人とともに」と、師と同じ決意で立ち上がり、広宣流布に邁進してこそ真の弟子です。誰人であろうと、大聖人と同じ心に立ち「日蓮が一門」(御書1360ページ)となった時、実は、すでに成仏への道は広々と開かれているのです。(中略)
自分と同じく万人を「偉大な人間」にする。それが仏教の本質です。
ゆえに仏教は、どこまでも師と同じ心で戦いゆく弟子の育成が眼目となる。
仏教は、「師弟の宗教」にほかならないのです。(同)

研さんのために
○…『開目抄講義』上・下巻(聖教新聞社)
○…『勝利の経典「御書」に学ぶ』第21巻(同)

2019年8月16日金曜日

2019.08.16 わが友に贈る

地域の安全の基盤作りは
日頃の声掛けから!
たった一言でもいい。
近隣との挨拶を重ねて
安心のネットワークを!

四条金吾殿御返事 P1143
『苦をば苦とさとり楽をば楽とひらき苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとなへゐさせ給へ、これあに自受法楽にあらずや、いよいよ強盛の信力をいたし給へ』

【通解】
苦を苦と悟り、楽を楽と開き、苦楽ともに思い合わせて南無妙法蓮華経と唱えきっていきなさい。これこそ、自受法楽ではないですか。ますます強盛な信心をしていきなさい。

〈寸鉄〉 2019年8月16日
青年部が戦没者法要。全ての犠牲者の冥福を祈念恒久平和建設の誓い新た
回向とは己の功徳善根を回らし向けること。広布の同志の題目が真の追善
良き友に守られた人生は負けない—恩師。学会は信心錬磨の善知識の連帯
創価班・牙城会・白蓮G新時代1期生が対話に先駆!壁破る挑戦で原点を
7月の暑さ過去最高、世界で緊急の環境対策を—国連総長。皆が意識革命

☆御書と歩む� 第84回 創価家族の黄金の夏に
『今法華経の時こそ女人成仏の時・悲母の成仏も顕われ・達多の悪人成仏の時・慈父の成仏も顕わるれ、此の経は内典の孝経なり』(開目抄、223ページ)

◇通解
今、法華経の時こそ女人成仏の時であり、悲母の成仏も顕れる。提婆達多の悪人成仏の時、慈父の成仏も顕れる。この法華経は内典の孝経である。

◇同志への指針
妙法こそ、父母はじめ全ての眷属を成仏へ導ける究極の孝養の力だ。何があっても、題目が響く家庭は、必ず永遠の幸福と安穏に包まれる。
伝統の「未来部躍進月間」。親から子、祖父母から孫へ、先輩から後輩へ、信心の喜びと感動を深める黄金の夏に!
笑顔光る創価家族は、地域社会を照らす希望の灯台だ。「一家和楽」から「世界平和」も広がるのだ。

☆8月度座談会拝読御書 崇峻天皇御書(三種財宝御書)
◇「振る舞い」こそが仏法の真髄 自他共の仏性を薫発
◇拝読御文
『一代の肝心は法華経・法華経の修行の肝心は不軽品にて候なり、不軽菩薩の人を敬いしは・いかなる事ぞ教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ』御書全集 1174ページ14行目〜15行目

◇本抄について
本抄は、建治3年(1277年)9月11日、日蓮大聖人が56歳の時、身延で認められ、鎌倉の四条金吾に与えられたお手紙です。
別名を「三種財宝御書」といいます。
本抄が送られる直前、金吾は、桑ケ谷問答を巡る讒言を信じた主君の江間氏から、"法華経の信仰を捨てると約束する起請文(誓約書)を書かなければ、所領を没収する"と迫られますが、不退転の決意を固めます。
その覚悟を知った大聖人は、金吾に代わって自ら、江間氏への陳状(弁明書)を認められました(頼基陳状)。
金吾は、主君から疎まれ、周囲からも圧迫され、絶体絶命の窮地にありました。
ところが、主君が疫病に倒れ、医術の心得のある金吾が治療に当たることになり、信頼回復の好機を得ることができたのです。その報告に対する返信が本抄です。
短気で一時の感情に流されやすい金吾に対し、思慮深く、誠実に振る舞うよう教えられています。
最初に、金吾が信心に励むことができるのも、江間氏の恩によるものであり、金吾が積んだ功徳は主君にまで及んでいくとの道理を示されます。
さらに、「内薫外護」の法理を通し、強盛な信心に諸天の加護が必ず現れることを教え、正邪は必ず明確になると述べられます。
「竜の口の法難」で、生死を共にしようとした金吾の信心をたたえ、周囲に信頼を広げるとともに、信心に励み、「心の財」を積むことが、人生にとって最も大切であると強調されます。
そして、崇峻天皇の故事などを引き、人間としての賢明な「振る舞い」こそ、仏法が教えようとした結論であると諭されています。

◇不軽の実践
「不軽品」とは、「法華経常不軽菩薩品第20」のことで、不軽菩薩の修行の様子を描き、釈尊滅後の弘通の在り方が説かれています。
不軽菩薩は、どんなに迫害にあっても、礼拝行を続けました。決して人を軽んじることがなかったので、不軽菩薩といいます。釈尊の過去世での修行の姿であると説かれています。
不軽菩薩が礼拝の時、唱えていたのが、「二十四文字の法華経」といわれる「我深敬汝等、不敢軽慢。所以者何、汝等皆行菩薩道、当得作仏」(我は深く汝等を敬い、敢えて軽慢せず。所以は何ん、汝等は皆菩薩の道を行じて、当に作仏することを得べければなり〈法華経557ページ〉)です。
仏になれることを信じられない人たちは、礼拝する不軽菩薩に暴言を吐き、杖で打ち、石などを投げて迫害しました。それでも不軽菩薩は礼拝を続け、六根清浄(生命の浄化)の功徳を得て成仏しました。
つまり、自他共の仏性を信じる振る舞いに徹することが、私たちにとっても六根清浄、人間革命の修行となるのです。
「仏性を信じる」と言っても、実際の行動に表れなければ、本当の意味での信じることにはつながりません。相手の仏性を礼拝するとは、粘り強く、誠実に、そして真剣に関わっていくことです。
不軽菩薩の実践は、自他共の幸福を開く菩薩の道なのです。
「絶対に分かってくれない」「反発するだろう」と相手を決め付けて、対話を諦めてしまうことは、相手の仏性を信じ切れないだけでなく、自分自身の仏性を閉ざすことにも通じます。
相手の幸福を願い、祈り、行動することは、そのまま自身の仏性を薫発することになるのです。

◇仏縁を結ぶ
不軽菩薩は、迫害を受けても、なぜ礼拝行を続けたのでしょうか。
それは、妙法を聞いたことで、相手は三毒の心を起こし、法を説く人を迫害しますが、同時に仏法を聞くことによって、仏縁が結ばれ、その人の生命に仏種が植えられるからです。
どんなに反対し、反発する人であっても、妙法を説くことによって必ず救っていくことができるのです。
「御義口伝」に不軽菩薩の礼拝について、「而強毒之するは慈悲より起れり」(御書769ページ)と記されています。
「而強毒之」は「而も強いて之を毒す」と読み下します。正法を聞くのを嫌う人に対しても、あえて法を説いて仏縁を結ぶことをいいます。
どんな相手であっても、真摯に、仏法を語っていく行動は、慈悲の表れにほかなりません。
嫌がるから対話しない。反対するから話をしない——それは無慈悲に通じてしまいます。
どこまでも慈悲の発露として、仏法を語っていくのであって、相手を打ち負かすためではありません。
もちろん、相手が話も聞かず、悪口までしてきたら、誰でも悪感情になるものです。
しかし不軽の実践は、こうした感情に左右される自身の小さな境涯を打ち破る修行なのです。
先ほどの「御義口伝」の続きに、「仏心とは大慈悲心是なり」(同ページ)とあります。どんな相手にも、分け隔て無く仏縁を結んでいくことです。
また、相手の反応に一喜一憂する必要などありません。どこまでも慈悲の心で、勇気をもって仏法を語り抜いていくことが大切なのです。

◇故事に込めた思い
今回の拝読箇所の直前に、軽率な言動で身を滅ぼしてしまった崇峻天皇の故事がつづられています。
四条金吾が、うかつな行動を取らないように戒める意味があったのでしょう。
御書では、大要、次のように記されています。
——崇峻天皇は、聖徳太子の伯父です。聖徳太子は、天皇に相を見るように命じられますが、三度にわたって辞退しました。それでも見るように言われるので、太子は天皇に、「人に殺される相をお持ちです」と申し上げました。
天皇は顔色を変え、「どんな証拠があるのか」と問います。太子は「眼に赤い筋があるのは、人に恨まれる相です」と答えました。
天皇は難を逃れる方法を教えよと命じます。
太子は、「仏法で獲得すべき六つの徳目の一つである忍辱(さまざまな侮辱を耐え忍ぶ)を実践すれば逃れられるでしょう」と進言します。
天皇は、しばらくは忍辱を貫きました。しかし、ある日、捕らえられたイノシシの子の眼に、髪をとめるための棒をズブズブと突き刺し、「いつの日か、憎いやつに、こうしてやる」と話してしまったのです。
側にいた太子は、"天皇は必ず人に恨まれる"と思い、失言が仇にならないよう、天皇の言葉を聞いた人たちに贈り物をしました。
しかし、蘇我馬子に伝わり、馬子は"自分が殺される"と思って、天皇を殺してしまいました——。
感情的になって、相手を憎むことは、そのまま自分の生命を害することになると教えられています。

★池田先生の指針から/「人を敬う」のは折伏と同じ
不軽菩薩の「人を敬う振る舞い」とは、「成仏の根本因」です。一個の人間が成仏していくために不可欠な実践なのです。この「人の振る舞い」を説かなければ、万人の成仏も画餅に帰します。ゆえに、「教主釈尊の出世の本懐」であると言われているのです。
日蓮大聖人御自身の実践もまた「人を敬う振る舞い」で貫かれていました。いかなる悪世にあっても、妙法への信を起こし、貫いていく人の心には、必ず仏性が薫発します。その人の人間としての振る舞いには、必ず「人を敬う」という根本的な実践哲学の智慧が脈打っているのです。(『勝利の経典「御書」に学ぶ』第4巻「崇峻天皇御書」)
◇ ◆ ◇
不軽菩薩の「人を敬う」実践というのは、実は「折伏」と同じです。わが恩師・戸田城聖先生は、常々、私たち学会員に、「悩みがあるならば、折伏をするのだ!」「折伏の中で自身の宿命転換もできるのだ!」と教えられました。
折伏とは、相手を論破するとか、打ち負かすことではありません。誰もが仏性を具えた尊極の存在であり、その「自他共の」尊厳性に目覚めよという励ましであり、呼びかけです。不軽菩薩の振る舞いそのものです。それは、自身の「諦め」「無力感」などの無明の氷壁を破る戦いでもあります。他者の誰かを折伏しつつも、実は、自分自身の無明、煩悩を折伏しているのです。だから、悩みに負けない、強い自分になれる。自身の境涯の変革も宿命転換も、断固と成し遂げていけるのです。
その意味で、折伏の本義とは、自身の"臆病や怠惰、迷いの心を折り伏す"ことであり、それが、自他共の"無明を折り伏す"ことになるとも言えるでしょう。仏法対話とは、"自分が覚ってから他人に教えよう"というものではありません。自分はまだ修行の途上であっても、師匠の教える通りに、自分から他者に関わり、他者に呼びかけていくのです。(「大白蓮華」2018年9月号掲載の「世界を照らす 太陽の仏法」)

参考文献
○…『勝利の経典「御書」に学ぶ』第4巻(聖教新聞社)

2019年8月15日木曜日

2019.08.15 わが友に贈る

一番苦しんだ人が
一番幸せになる。
それが仏法の精神だ。
無限の希望を湧き出し
誓いの前進を共々に!

守護国家論 P68
『此の文の如くならば在家の諸人別の智行無しと雖も謗法の者を対治する功徳に依つて生死を離る可きなり』

【通解】
この文のようであれば、在家の人々は特別の智慧と修行がなくても、謗法の者を対治する功徳に依って生死の苦海を離れることができるのである。

〈寸鉄〉 2019年8月15日
終戦の日。不戦の世紀へ人々の心に崩れぬ平和の砦を!我らの対話拡大で
御書「事故なく鎌倉に御帰り候事悦びいくそばくぞ」。交通混雑も安全第一
未入会の家族を大切に。身近な人の理解で広布は伸展。感謝伝えゆく夏に
大雨による浸水や土砂災害などに警戒。公的情報もとに行動を。油断せず
学会の墓園来園者が7千万人を突破。一方、宗門は衰亡。正邪は歴然たり

☆中等部夏季研修会への池田先生のメッセージ 2019年8月9日
◇「勇気」「挑戦」「祈り」を合言葉に夢と友情の大冒険へ!
世界へ未来へ羽ばたく中等部の皆さん、意義深き夏季研修会の開催、誠におめでとう!
一緒に尊い歴史をつくってくれる担当者・ご家族の方々も、本当にありがとうございます!
真心で迎えてくれる創価大学の先輩方にも深く感謝します。皆、猛暑の中、ご苦労様です!
8月は、私が恩師・戸田城聖先生と初めてお会いした月です。「生涯、師匠と共に正義の道を! 平和の道を!」と誓ったそのままに、きょうまで72年間、走り抜いてきました。
この「創価正義の師弟のバトン」、そして「絶対勝利の信心のバトン」を託しゆくのが、愛する皆さん一人一人です。ここで、共々に、未来を開く三つの「C」を確認し合いたい。
まず一つ目は「Courage」。すなわち「勇気」です。青春また人生を勝ち抜いていく力は、環境や才能ではない。「よし、やってみよう!」「当たって砕けろ!」という勇気です。
早起きするのも勇気。あと5分、勉強するのも勇気。友人に声を掛けるのも勇気です。
日蓮大聖人は「各各師子王の心を取り出して」(御書1190ページ)と仰せです。「師子王の心」という最高の勇気は、もともと皆さんに備わっている。その勇気を取り出していけるのが、信心なのです。
二つ目は「Challenge」。つまり「挑戦」です。青春に悩みや苦難は付きものです。誰でも失敗して、くじけそうになる時もある。しかし、真の失敗とは「失敗を恐れて挑戦しないこと」です。信仰者とは、1度倒れても、2度、3度と立ち上がる「挑戦者」の異名なのです。
大きな目標に向かって、どんな困難も、たくましく朗らかに笑い飛ばしながら、挑戦また挑戦を重ねる中でこそ、人間としての本当の強さも、深い思いやりも磨かれていきます。
そして三つ目は「Chant」。これは「祈り」です。まさしく「題目を唱えること」です。
御書には、唱題の力を譬えて、「籠の中の鳥が鳴けば、空を飛ぶ鳥が呼ばれて集まるようなものである。空飛ぶ鳥が集まれば、籠の中の鳥も出ようとするようなものである」(557ページ、通解)と説かれています。
皆さんの生命には無限の可能性がある。鳥の鳴き声が喜びを広げ、仲間を呼び寄せるように、題目を唱えれば、おのずと生命の最高の力が呼び覚まされます。そして宇宙の善の力も揺り動かすことができます。ゆえに題目の人に、勝ち越えられない試練はありません。
ここ創価大学・女子短期大学には、女性で初めてノーベル賞を受賞した大科学者のキュリー夫人の像があります。キュリー夫人は「たいせつなのは、忍耐力と、なにより自信を持つこと」であり、人生には「けっして枯れることのない、好奇心にも似た冒険心」が必要であると語っています(エーヴ・キュリー著『キュリー夫人伝』河野万里子訳、白水社)。
中等部の皆さんこそ、これからの21世紀の全てを走り抜き、さらに22世紀の黎明へ、「世界広布のバトン」をつなぎゆく、偉大なる「正義の走者」です。
「Courage(勇気)」「Challenge(挑戦)」「Chant(祈り)」の三つの「C」を合言葉に、さあきょうから、私と共に、世界の同志と共に、大いなる夢と友情の大冒険へ出発しよう!
わが信頼してやまぬ後継の中等部に、健康あれ、希望あれ、勝利あれ! みんな、元気で!(大拍手)

2019年8月14日水曜日

2019.08.14 わが友に贈る

何の多延の人生か。
自らの使命を胸に問い
自覚した人は強い。
「私はこう生きる!」と
誓いを貫く信仰者たれ!

上野尼御前御返事 P1576
『やすやすとあわせ給うべき事候、釈迦仏を御使としてりやうぜん浄土へまいりあわせ給へ、若有聞法者無一不成仏と申して大地はささばはづるとも日月は地に堕ち給うともしをはみちひぬ世はありとも花はなつにならずとも南無妙法蓮華経と申す女人のをもう子にあわずという事はなしととかれて候ぞ、いそぎいそぎつとめさせ給へつとめさせ給へ』

【通解】
(亡くなられたご子息に)やすやすとお会いになる方法があるのです。釈迦仏を御使いとして、霊山浄土へ参り、会われるがよいでしょう。
(法華経方便品第二に)「若し法を聞く者あらば、一人として成仏せずということ無けん」と言って、大地をさして外れることがあっても、日月は地に落ちられても、潮の干満がなくなる時代はあっても、花は夏に実にならなくても、南無妙法蓮華経と唱える女性が、愛しく思う子に会えないということはない、と説かれているのです。急いで急いで唱題にお勤めなさい、お勤めなさい。

〈寸鉄〉 2019年8月14日
戸田先生と池田先生の出会いの日。不二の絆こそ勝利の本因。青年よ継げ
関西・師弟原点の日。常勝の共戦譜は世界の憧れ。歴史開く新たな一頁頼む
民音、東京富士美の夏休み企画好評。親子で一流に触れる好機。共に成長
台風の進路情報に注意。「自分は大丈夫」の油断禁物。無冠の友も無理せず
脳梗塞は夏に多発。飲酒や炎暑での脱水がリスク高めると。小まめに給水

☆四季の励まし 悩みに負けない生命力を 2019年8月4日
人生の目的は何か。
「勝利者」になること、
「幸福」になることだ。
では「幸福」とは何か。
その中身は「充実」である。
では「充実」とは何か。
「苦難」と戦うことだ。
苦難がなければ充実はない。
充実がなければ幸福ではない。
何の苦労もない幸福など、
どこにもない。

信心したからといって、
悩みの「汚泥」が
なくなるわけではない。
「悩みに負けない生命力」が出る
ということだ。
むしろ、
悩みをいっぱいもっていくことだ。
それらの悩みに
どれだけ挑戦できるかを
楽しみにできるような
境涯になることである。

大いなる境涯の人は幸福である。
広々とした心で、
毎日を生きぬいていける。
強き境涯の人は幸せである。
苦しみにも負けることなく、
悠々と一生を楽しんでいける。
清らかな境涯の人は幸せである。
その人のまわりには、
常に爽やかな喜びが広がっていく。

希望に満ちて、
自己の課題に
挑戦している人は強い。
どんな困難に直面しても、
希望を失わないことだ。
希望の火が消えない限り、
やがて、いかなる闇をも
燃やし尽くすことができる。
いのちある限り、希望はあり、
希望ある限り、道は開ける。
その強靱な
"希望の一念"を育む根源の力が、
信仰なのである。
信仰こそ"永遠の希望"である。

夏の暑さの中、凜と咲く蓮の花。その気高い美しさに心が洗われる——本年6月、池田大作先生が都内でカメラに収めた。
法華経では、白蓮華が泥水の中にあっても美しい花を咲かせるように、末法濁世にあっても、決して世法に染まることのない清らかな「地涌の菩薩」の姿を、「如蓮華在水(蓮華の水に在るが如し)」と譬えている。
かつて池田先生はつづった。「どんなに厳しい現実の悩みや、人生の宿命に直面しても、白蓮が泥沼の中から尊貴な大輪の花を薫らせていくように、必ず必ず最高無上の幸福の花を咲き誇らせていける」と。私たちも自身の悩みに負けず、幸福の大輪を咲かせていきたい。

2019年8月13日火曜日

2019.08.13 わが友に贈る

新聞休刊日

南条兵衛七郎殿御書 P1494
『いかなる大善をつくり法華経を千万部読み書写し一念三千の観道を得たる人なりとも法華経の敵をだにもせめざれば得道ありがたし』

【通解】
どのような大善をつくり、法華経を千万部も読み、書写し、一念三千の観念観法の道を得た人であっても、法華経の敵を責めなければ、それだけで成仏はないのである。

☆未来部夏季研修会への池田先生のメッセージ 2019年8月6日
◇無限の「智慧」「勇気」「生命力」で人間革命の一番星と光れ
従藍而青の鳳雛たちが日本中から凜々しく舞い集う夏季研修会、まことにおめでとう!
暑い中、遠いところ、わが創価大学にようこそ!
尊き皆さん全員の名前を御宝前にお供えして、私は一人一人に題目を送りました。皆さんは私の命です。学会の宝です。人類の希望なのです。
いつもいつも温かく励ましてくれる担当者の皆さん方、大変にお世話になります。熱烈に歓迎してくれる創価大学の先輩方も、本当にありがとう!
さて、人類が初めて月へ着陸したのは、50年前の7月でした。有名な「アポロ計画」です。私は、その中心者の一人であったジャストロウ博士とも語り合いました。
壮大な宇宙の探究に挑む博士は「まだまだ、分からないことがあります」と、私に仏法の宇宙観・生命観などを次々に質問されました。ああ、この旺盛な好奇心、探究心こそが、博士を世界的な大学者に育んだのだと、私は直感しました。
わが創価学会は「学会」という名前の通り「学ぶ会」です。生命尊厳の究極の哲理を学び、実践し、偉大な価値を創造していく学会です。
なかんずく、若い皆さんは、何でも吸収しようという「学ぶ姿勢」を大切にしてください。英知を磨いて、誤った知識や邪な情報は鋭く見破り、正義と真実をとことん追求していってほしいのです。
宇宙飛行士たちとの語らいでも、皆が仏法の深き洞察に共鳴されます。その一点は、「人間の生命には、宇宙をも包みゆく限りない可能性がある」ということです。
日蓮大聖人は「日月・衆星も己心にあり」(御書1473ページ)、すなわち「太陽も、月も、星々も、全てがわが心に収まっている」と仰せです。
私たちが唱える南無妙法蓮華経の題目は、わが心から無限の智慧と勇気と生命力を解き放つ鍵です。勤行を通して、小宇宙である自分自身を大宇宙の最高にして最強のリズムに合致させていけるのです。唱題の人には、断じて行き詰まりはありません。
御書に「題目を唱える声は十方世界(大宇宙)で届かぬ所はない」(同808ページ、通解)と説かれているように、題目の師子吼を轟かせれば、どんな環境も希望の方向へ、善の方向へ、勝利の方向へ必ず揺り動かすことができます。
ゆえに、何があっても題目に挑戦しながら家庭で学校で、地域で社会で、「人間革命の一番星」と勝ち光っていってください。
先日、私と妻の大切な友人である詩人のワイダー博士が聖教新聞に声を寄せてくださいました。対話には人と人を深く結び付ける力がある。相手を知り、お互いを分かち合っていく対話を通じてこそ、「平和の文化」を築くことができる——と。
不思議な縁で結ばれた地涌の同志と思う存分語り合い、有意義な研修会としてください。かけがえのない君たち鳳雛が青春の翼を強く大きく鍛え、新時代の大鳳として飛翔しゆく栄光凱歌の未来を、私は何よりの楽しみとして祈り、見守っていきます。
帰ったら、送り出してくれたご家族と地域の方々に笑顔で感謝を伝えてください(大拍手)。

2019年8月12日月曜日

2019.08.12 わが友に贈る

◇今週のことば
妙法は「生死の大海」を
渡りゆける大船なり。
一家眷属を包み守り
常楽我浄の旅を永遠に!
題目に勝る追善なし。
2019年8月12日

経王殿御返事 P1124
『日蓮がたましひをすみにそめながしてかきて候ぞ信じさせ給へ』

【通解】
(この御本尊は)日蓮が魂を墨に染めながして書き認めたのである。信じていきなさい。

〈寸鉄〉 2019年8月12日
創大夏期スクーリングが開講。生きるとは学ぶこと。向学の人に栄冠必ず
「教育原点の日」。子らの幸福のために!献身の汗流す教育本部の友に深謝
盤石な家庭の建設が社会の繁栄に不可欠—恩師。楽しく語らい和楽の礎を
冷房なしの車内、たった15分で命の危険レベル。幼児やペットの放置厳禁
国連「国際青少年デー」。激励と触発で地域の宝を育成。希望の未来そこに

☆創価池田女子大学入学式への池田先生ご夫妻のメッセージ 2019年8月2日
◇英知と創造の翼を大きく広げよ! 若き女性の成長と活躍こそ自他共の幸福を築きゆく力
一、今、新入生の皆さんの前には、無限の可能性を解き放つ青春の探究と向上の道、そして社会も世界も照らしゆく友情と平和の道が開かれています。
未来への希望に輝く晴れの入学式、誠におめでとうございます!
ご家族の方々にも、心よりお祝いを申し上げます。
私の不二の人間教育の同志であり、女性教育の卓越した先駆者であるクマナン議長が、創価池田女子大学を創立されて、20年目を迎えられます。
人間性あふれる価値創造の教育を通して、素晴らしき人材群を育み、目を見張る躍進を遂げてこられた歩みは、インドはもとより、世界の教育界から、高く評価されております。
これも全て、敬愛してやまないクマナン議長、またサムシャット学長はじめ、教職員の先生方の長年にわたる努力のたまものであり、心から感謝と讃嘆を申し上げます。
一、意義深き佳節に入学された新入生の皆さんが、生涯の宝と輝きゆく向学の青春の一日一日を、楽しく朗らかに勝ち取られゆくことを妻と祈りつつ、エールを送ります。
それは、「自他共の幸福を築く英知を輝かせよ」ということです。
40年前(1979年)、私は、ジャワハルラル・ネルー大学の副総長であったコチェリル・ラーマン・ナラヤナン氏と、忘れ得ぬ出会いを刻みました。
大学構内をご案内いただきながら、副総長が語られた言葉がよみがえります。「学生たちには、学べない境遇のインドの民衆のために尽くしてほしいというのが、私の願いです」と。
私は深い感銘を覚えました。創価大学を創立した私の信念も、「大学とは、大学に行きたくても行けなかった人たちに尽くすためにある」ということだったからです。
学問は、人間を幸福にする光です。太陽の光が分け隔てなく万物に降り注がれるように、学問の光は、惜しみなく世を照らします。英知の光は、分かち合えば合うほど、いよいよ価値創造の輝きを増していきます。そして、この人間主義の英知の光源こそ、皆さん方の創価池田女子大学なのです。
ナラヤナン副総長は、お会いして18年後の1997年に、貴国の大統領となられました。その就任の演説で、高らかに宣言されました。「私には国父マハトマ・ガンジーの声が聞こえます。ガンジーの悲願は『全ての人々の瞳から涙をぬぐい去りたい』でした」と。
世界には今も分断や憎悪が渦巻いており、民衆の悲痛な涙も消えていません。
しかし、だからこそ、皆さんは、このマハトマ・ガンジーをはじめとするインドの先哲方の悲願を受け継ぎ、英知と創造の翼を大きく広げながら、慈愛の大光で地球社会を照らす女性リーダーへと成長していっていただきたいのであります。
一、先日、世界12カ国の紛争地で、赤十字国際委員会の看護師として命を賭して医療活動に献身され、歴史的な人道支援のコンサート「ライブ・エイド」のきっかけをつくったことでも知られるバーチンガー博士が創価大学を訪問されました。その際、博士は、若き女性たちの活躍に期待を寄せながら、「女性のもつソフトパワーには、無限の可能性がある」と語られました。
博士が大切にしている生命哲学に、「清らかな国土といっても、汚れた国土といっても、国土が二つ別々にあるのではない。そこに住む私たちの心の善悪によって違いが現れる」とあります。
そして、「全て私たちの心から始まる」「世界をより良い方向へと変えていきたいのなら、まず自分自身の人生をより良い方向へと変えることです」と訴えておられるのであります。 
賢く美しく心豊かな若き皆さんの成長こそが、家族の喜びとなり、地域社会の発展の力となり、さらには人類の平和への確かな前進となるのです。
これから、さまざまな壁や悩みに遭遇することもあるでしょう。しかし、貴大学には、何ものにも負けない勇気を育む精神の大地があります。縁深き宝の学友たちと励まし合い、支え合いながら、不屈の楽観主義で、全てを朗らかに乗り越えていってください。
私と妻は、かけがえのない皆さん一人一人の健康と充実と栄光を、真剣に祈り抜いてまいります。
一、最後に、皆さんの新たな「学びの旅路」の出発に当たり、古代南インドの大詩人・ティルヴァッルヴァルの箴言を贈ります。
「おじけることなく、倦まず弛まず努力する人は、運命さえも背後に押しやる」「得難き好機を得たなら、時をおかずなし難きことをなせ」(高橋孝信訳注『ティルックラル』平凡社)
世界の知性の旭日・創価池田女子大学、万歳!(大拍手)

2019年8月11日日曜日

2019.08.11 わが友に贈る

夏の地域行事で
創価の同志が活躍。
皆様の地道な奮闘こそ
仏法の偉大さの証明だ。
本当にありがとう!

四信五品抄 P342
『罰を以て徳を推するに我が門人等は福過十号疑い無き者なり』

【通解】
一国の仏罰の厳しさをもって、われらの功徳の大きさを推察すれば、わが門下の人々が「十の尊称をもっておられる仏を供養するよりも、はるかに勝る福徳」を得ることは疑いない。

〈寸鉄〉 2019年8月11日
米創大に19期生が入学。君よ創立者の平和の闘魂を継げ!世界市民と育て
栄光の「11・18」まで100日。一人一人の勝利が創価の勝利。今日も挑戦の一歩
岩手・大槌町が震災記録誌刊行。あの日から8年5カ月。教訓を未来まで
山の事故は9割が下山中に発生と。油断排し絶対無事故で。きょう山の日
御書「まことならぬ事を供養すれば大悪」。お盆に蠢く日顕宗は毅然と撃退

☆勇気の旗高く 池田先生と高知 2019年8月2日
◇「大勇」の信心に立て
池田先生が各地の友に寄せたスピーチや指針などを紹介する「勇気の旗高く」。今回は高知県を掲載する。

◇広布回天の出発を
幕末から明治にかけて、近代日本を切り開いた偉人を、数多く輩出した高知県。
池田先生は、1955年(昭和30年)1月に、戸田先生と一緒に高知を初訪問。師弟同道の広布旅は、大阪、宮城、北海道に次いで4カ所目であった。
2001年(平成13年)の随筆で、当時の様子を振り返っている。

その日は、皆が待ちに待った、高知地区の記念の総会が活気に満ち満ちながら、開催されたのである。
この晴れの総会で、私は学会歌の指揮をとるように言われた。それは、戸田先生自ら直々に、私を指名されたのであった。
"四国の友よ、勇敢に立ち上がれ!"と、私は渾身の指揮をとって、皆を励ました。皆、喜んでくださった。
やがて、戸田先生の講演となった。
先生は、板垣退助や中江兆民など高知が生んだ自由民権の先人たちが、フランスの思想家ルソーを学んで、政治革命をめざした歴史を語られ、強く、強く訴えられた。
「今日の新しい時代の平和革命は、日蓮大聖人の思想を実践する以外にない。
高知の地から、新たな平和革命のうねりを頼む!」

1990年(同2年)11月の訪問の折、池田先生は、坂本龍馬の像を見学。高知文化会館で行われた第1回四国総会において、偉人たちを育んだ土壌に言及した。

土佐の海は雄大である。ロマンがある。この土佐の大海原は、坂本龍馬たちの青春の魂を、壮大なる新世界へと広げた。また、その潮騒は、明治維新という近代日本への歴史回天の大波を力強く育んできた。

私は戸田先生の訪問の折、お供をして、この地に法戦の第一歩を刻んでいる。高知は、ことのほか忘れがたい、大好きな天地である。
戸田先生は、龍馬について、よく私ども青年に語ってくださった。この高知から、歴史回天への船出をした龍馬。それは、日本の新しい夜明けを告げる、青春の旅立ちだった。どうか、今度は皆さま方が、人類史に希望の夜明けを開く新しき広布回天の出発をしていただきたい。

◇流れる水のごとく
高知県民は気骨があり、勝ち気で、容易には自説を曲げない気質ともいわれる。
その県民性を深く理解していた池田先生は、「水の信心」と「団結の高知」との指針を贈った。1972年(昭和47年)6月20日、「高知の日」の淵源である、記念撮影会の席上でのことだ。
6年後の12月、先生は8日間にわたって高知に滞在。二つの指針に、新たに「功徳の高知」を加えた。この高知訪問について、先生は1999年(平成11年)の随筆につづっている。

私の、この一九七八年(昭和五十三年)の高知指導は、滞在も七泊八日となり、(中略)記念の勤行会や幹部会だけでも十回以上にわたった。
満潮の潮のごとく、嬉々として集まる情熱が噴き出し、その希望と抱負に満ちた同志の生命の輝きは、決して忘れることはできない。
皆、質素であるが、尊き広布の英雄たちである。
折から行われた教学の初級試験の当日も、私は、自ら試験会場を回って激励もした。

相手が一人であれ、何百人、何千人であれ、可能な限り、直接、会って語る。
誠意を尽くして激励する。
それが、真のリーダーの責務であろう。
戦う人には勇気の風を。
悩める友には希望の光を。
そして、求道の闘士には、歓喜と満足を送るのだ。
民衆のなかへ!
人間のなかへ!
これが、私の信念であり、行動の原理である。
ここにしか、生きた、熱き血の通った人間主義はないと信ずるからだ。

この訪問中、私が強調したのは、「"水の信心"を貫いてほしい」ということであった。御聖訓にいわく。
「今の時・法華経を信ずる人あり・或は火のごとく信ずる人もあり・或は水のごとく信ずる人もあり、(中略)水のごとくと申すは・いつも・たいせず信ずるなり」(御書1544ページ)
持続は力である。
持続の行動こそ、歴史を根底から動かす。
楽聖ベートーベンも、病に苦しみながら、必死に創作に挑んでいた四十代の半ば、「ほんとうに点滴石をうがつ。実際、ほんとうに点滴石をうがつ」(小松雄一郎訳)と書いた。
流れる水のごとく、何があっても、弛まず、断固と前進する闘争のなかにこそ、信仰と人生と革命の勝利がある。

◇「朗らか王」たれ
高知では草創期から、宗門の悪侶らが衣の権威を振りかざしていた。しかし高知の友は、度重なる師の激励を胸に、敢然と戦い抜いてきた。
1990年(平成2年)の高知指導において、池田先生は、高知の友をたたえ、呼び掛けた。

人生は"強く"また"強く"生きることである。"前に"また"前に"進み続けることである。頭を上げて、堂々と生きる人は幸福である。その人に、人生は道をあける。魔も逃げていく。
かつて、この高知においても、ご存じのとおり、仏子への迫害の嵐が吹き荒れた。悪侶のために、どれほど皆がいじめられたことか。多くの人が涙を流し、私はその訴えを聞いた。この事実は一生涯、私たちの胸から離れないであろう。
二度と、こうした不幸の歴史を繰り返してはならない。鋭く真実を見抜き、強く護法のために戦わねばならない。「大勇」の信心に、乗り越えられぬ山はなく、打ち破れない壁はない。
これからも広宣流布の途上には、どんな難があるかわからない。しかし、何ものも恐れることはない。「法華経の兵法」に勝るものはないからである。
正義を正義として、真実を真実として、勇敢に叫びきっていくことである。沈黙する必要はない。へつらう必要も絶対にない。

"朗らかに"人生を生きぬいていただきたい。簡単なようで、じつはそこに信心の一つの要諦がある。幸福を呼び寄せる大切な秘訣がある。
"朗らか"のなかには、強さがある。賢明さがある。豊かな心情もある。"芯"の通った人格の輝きもある。
幸・不幸を決めるのは、環境ではない。人間である。自分自身の境涯である。
弱き人は、幸福そのもののような環境でも「不幸」を感じる場合がある。
強き人は、不幸そのもののような悩みの境遇のなかから、金剛のごとき「幸福」を打ち鍛え、つくり出すことができる。
そして信仰とは、最高に"強く"生きぬくことである。悩みも圧迫もすべてをはね返し、ねじり伏せ、わが「精神の王国」には一歩たりとも寄せつけない。
すべてを希望へのたきぎとし、幸福へのエネルギーとしていける——それが王者である。「朗らか王」である。

創立90周年の明2020年は、池田先生の高知初訪問65周年の佳節である。
「世界広布の魁」の誇りに燃え、"高知新時代"の黎明を告げる人材城の構築へ、友の新たな前進が始まる。

2019年8月10日土曜日

2019.08.08 わが友に贈る

小さなことからでよい。
「何か一つやり遂げる」。
それが確かな自信に。
未来の自分を思い描き
今日も偉大な一歩を!

松野殿御返事 P1389
『四の巻には仏を一中劫罵るよりも末代の法華経の行者を悪む罪深しと説かれたり、七の巻には行者を軽しめし人人千劫阿鼻地獄に入ると説き給へり』

【通解】
法華経の第四の巻・法師品第十には、仏を一中劫の長い間罵る罪よりも、末代の法華経の行者を悪み敵対する罪はなお深いと説かれている。第七の巻・不軽品第二十には、法華経の行者を軽んじた人々は、千劫という長い間阿鼻地獄に入ると説かれている。

〈寸鉄〉 2019年8月8日
青年教学2級の申し込み12日まで。最高峰の哲理を学ぶ喜び、あの友にも
東京・荒川広布原点の日。常勝不敗の王者よ!人材育成と拡大の先駆を頼む
「飲食節ならざる故に病む」御書。バランス良い食生活を。これ健康の基本
資産等聞く電話、3カ月で3万5千件。強盗などの兆候。安易に答えるな
夏休みは子のSNS被害に注意。携帯利用の規則作りを。家庭で話し合い

☆御書と歩む� 第83回 無事故こそ幸福の基盤
『鎌倉より事故なく御下りの由承り候いてうれしさ申す計りなし』(蒙古使御書、1472ページ)

◇通解
鎌倉から事故なく国に戻られたことをお聞きし、うれしさは申し上げようもない。

◇同志への指針
門下の道中の無事まで案じ見守ってくださる。これが御本仏のお心である。
無事故こそ幸福の基盤だ。油断は大敵である。事故を絶対に起こさない、断じて巻き込まれないと一念を定め、強盛に祈り抜くのだ。
朝夕の張りのある勤行を基本に、「百千万億倍の用心」を忘れまい。自他共に日々、無事安穏を勝ち取り、健やかな充実と和楽の夏に!

☆人生の価値はここに 創価大学同窓の友を訪ねて 第5回 山梨
◇古里に築く"人材の城"
山梨県出身の文豪・山本周五郎にこんなエピソードがある。周五郎が知人と一緒に歩いていた時のこと。山すそを巻いている長い歳月を経た石垣を指さし、それを黙々と築いた人々に思いをはせ、言ったという。
「こんな石垣はどこにでもある、と君は思うだろう」「だが、名利をもとめない縁の下の力持ちたちの努力によってこの世の中が維持されていることが、むしろ多いのだ、わたしは石垣をみるのが好きだ」(木村久邇典著『人間 山本周五郎』小峯書店)
創価大学創立者・池田先生のまなざしも、常に"石垣を築く人々"に注がれてきた。人は石垣、人は城。人づくりの根幹たる教育こそ「私の人生における最後の事業」とも語っている。
山梨県の最南端・南部町で小学校教諭を務める佐野亜由美さん(15期、経営学部卒)にとっても、教職は、労苦と葛藤を経てつかみ取った"天職"ともいうべきものだった。「創大に入学していなければ、今の自分はありません」
栃木・小山市の両親は、病や経済苦と闘う中で必死に入学金を工面して、「池田先生のもとで学んできなさい」と背中を押してくれた。「これほどまで」と驚くほど創立者からの励ましに包まれた学生時代。在学中だけではない。卒業後、証券会社や小山市役所など職を転々とする中、苦手な仕事に疲れ果て、「もうだめだ」と思った時、15期生の卒業文集をあらためて手に取ったという創立者から"頑張るんだよ"との伝言が届いたこともある。
創大通信教育部に学び、小学校教員免許を取得。静岡での勤務を経て、結婚を機に夫の実家のある山梨・南部町へと移り住んだ。
現在、教壇に立つ小学校は明治から続く伝統校。富士の山を仰ぎながら、純粋な子どもたちと共に成長の節を刻む。一学年の人数は数人という小規模校だからこそ「子どもたちとは、まるで本物の家族のよう」。
今年度での廃校が決まっているが、子どもたちとの心の絆は強まるばかり。創大創立者が、今なお卒業生の一人一人に心を砕き、励ましを送り続けていることを思えば、勇気が湧く。黙々と、朗らかに、佐野さんは、この愛する里に"人材の城"を築いている。
◆◇◆
創価大学は「自分の殻を破れた場所だった」と、知見明子さん(43期、文学部卒)は言う。大月市出身。地元の中学校を卒業後、東京・小平市の創価高校を経て創大に進学した。
"殻"とは、いつも他の誰かと自分を比べ、「私なんて」と卑下してしまう心のこと。創大の先輩や友人たちは「そんなあなたにしか、励ませない人がいる。あなただからこそ勇気や元気を送れる人がいる」と語り、知見さんが無意識のうちに閉ざしていた心のドアを、優しく強くノックし続けてくれた。創立者の池田先生が「たとえ諸君が、自分で自分をだめだと思っても、私はそうは思わない。全員が使命の人であることを疑わない」と呼び掛け続けてくれるその真心を、肌で感じた日々だった。
背伸びをせず、ありのままの自分で、心を開き、目の前の一人と向き合う。それを実践する勇気と、相手と心を通わせることができた時の喜びを、創大生活でつかんだ。現在、山梨の地方銀行に勤務。甲州市の営業担当として、さまざまな世代や職業の人々と接する中で、学生時代に得たものの大きさとありがたさを噛み締める。
銀行の仕事は"勉強の連続"だ。取得しなければならない資格も多い。心身をすり減らすような毎日にあって、朗らかな笑顔と声を失わないでいられるのも、励まし合える学友の存在が大きい。職場の上司は「何があっても君なら大丈夫」と太鼓判を押す。職場の推薦で昨年度の電話応対コンクール山梨県大会にも出場し、奨励賞を受賞した。
悩みは尽きない。「労苦と使命の中にのみ 人生の価値は生まれる」との指針を今、社会で、わが身で、体現できるかどうか。殻を破る挑戦もまた、終わることがない。

今月22日、山梨県のFMラジオ番組から、女性リポーターの弾む声が電波に乗って届いた。「私は今、体験型宿泊施設『みのぶ自然の里』に来ています」
"夏のお勧めエリア"を紹介するコーナー。リポーターからマイクを向けられたのは、この施設に勤務する井上仁人さん(35期、文学部卒)である。
「キャッチコピーは"子どもを大人に、大人を子どもにさせる宿"。四季折々の自然を感じながら、大人は子どものように時間を忘れて夢中になって遊び、子どもは体験を通して大きく成長できるきっかけを得られます」
火起こしから始めるバーベキュー、芝の斜面をソリで滑る芝すべり、竹細工、農業体験、昆虫探し、キャンプなど盛りだくさん。夜は満天の星を仰ぎ、朝は芝生や草の葉を潤す露のきらめきに息をのむ。
生まれて初めての経験を得た時の、子どもたちの目の輝きといったらない。保護者や引率の教員など、大人たちも新たな気付きと活力を得て笑顔になる。それこそが井上さんの生きがいでもある。
不登校気味だった高校時代。生きる気力すら失いかけた。そんな時、郷里の甲府市から創価大学に進んだ先輩などに勧められ、夏のオープンキャンパスに足を運ぶ。学生や教職員の熱意と輝きに心を揺さぶられ、「ここなら人生の活路を開けると思ったんです」。
サッカー部で青春の汗を流し、生涯の友情を得た。時に自分を厳しく叱ってくれる学友や先輩のありがたさ、そしてどんな時も自分を信じ励まし続けてくれる創立者の慈愛に、何度、涙したことだろう。
ひとたびは教職の道を志すも、卒業後、縁あって群馬の「国立赤城青少年交流の家」に勤務。自然体験を通して不登校の子どもたちが「生きる力」を取り戻していく姿に感動し、現職へと続く道を選んだ。現在、山梨県キャンプ協会の事務局長も務める。
自然という舞台で未知の課題を前にした時、子どもも大人も真剣な目つきになる瞬間がある。それこそが飛躍的な成長を遂げるための"スイッチ"だという。その一瞬を見逃さず、井上さんは笑顔で声を掛ける。「大丈夫! 必ずできます」
可能性を信じ抜く強い思いは、必ず相手の心に届く——それこそが、創大で培った確信である。

2019.08.09 わが友に贈る

親戚や友人と
旧友を温める絶好の時!
相手を思いやる心と
誠実な振る舞いで
実り多き友好期間に!

王日女殿御返事 P1263
『仏は真に尊くして物によらず、昔の得勝童子は沙の餅を仏に供養し奉りて阿育大王と生れて一閻浮提の主たりき、貧女の我がかしらをおろして油と成せしが須弥山を吹きぬきし風も此の火をけさず』

【通解】
仏はまことに尊く、供養の品物で真心を測ることはない。昔、得勝童子は砂の餅を仏に供養して阿育大王と生まれ、全世界の王となった。
ある貧しい女性が自分の髪を剃って、その代価で油を求め、灯を供養したところ、須弥山を吹き抜いた強い風も、この灯を消すことはなかった。

〈寸鉄〉 2019年8月9日
「長崎原爆の日」。民衆の力で核兵器なき世界へ。青年を先頭に連帯を拡大
SGIの皆様と会う度に歓喜が湧き啓発を受ける—教育者。希望送る太陽
全国の受験生よ頑張れ!努力と執念の"金の汗"は青春の宝。夢へ羽ばたけ
時間を浪費すれば人生は短い—哲人。充実の夏はまず「朝に勝つ」ことから
公立小・中学校で教員不足が深刻と。社会の根幹揺るがす課題。対策急げ

☆セルジペ連邦大学「名誉博士号」授与式での池田先生の謝辞 2019年8月3日
共生の大地に幸福の花、英知の花を
教育こそ勝利を築く力
たゆまぬ「学びの心」が人生を豊かに

一、貴セルジペ州が生んだ、偉大なる詩人がおります。ブラジル文学アカデミーの名誉ある先哲で、本年、生誕180周年を迎えたトビアス・バヘットであります。
大いなる魂の飛翔を謳い上げた詩人の"心の翼"は何であったか。それは「感謝」であります。「感謝の心は永遠不滅の美徳である」と、彼は語りました。
本日、貴国の最高峰の科学と教育の殿堂・貴セルジペ連邦大学から賜りました栄えある名誉学位を、私は満腔の感謝を込めて拝受させていただきます。
そして、この誇り高き栄誉を、貴国の模範の良き市民として献身する北東地域をはじめ、ブラジルSGIの宝友、また、貴国からお迎えしている最優秀の留学生の英才をはじめ、世界の創価の青年たちと分かち合わせていただきたいと思っております。
誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。

◇自分らしく輝く
一、ここで、貴大学の栄光の足跡に学びながら、尊敬する先生方とご一緒に、また、わが後継の若人たちと共々に新たな開拓に進みゆく真情を、3点、申し上げたいと思います。
第一に、「よどみなき成長」の人華の園を、ということであります。
「よどみなき成長」とは、貴大学の校章にラテン語で掲げられたスローガンに他なりません。そして、その先頭に立って、牽引されているのがアンジェロ・ロベルト・アントニオリ総長であります。
総長は薬学の世界的な大家であられ、先住民が継承してきた貴重な「薬草」の知恵なども、生き生きと現代に生かされていることを、私は感銘深く伺いました。
「薬草」といえば、大乗仏典の精髄である法華経には「薬草喩品」という章があります。多様な薬草や薬木は、平等に大地に降り注ぐ慈雨に浴して、それぞれに育っていきます。同じように、人間もまた、生命尊厳の慈悲の哲理に則って、人種や民族、国籍や階層など、あらゆる差異を超えて、一人一人が「人華」という、かけがえのない幸福の花、英知の花、人間性の花を多彩に咲き薫らせていくという共生の世界が示されているのであります。
この「薬草喩品」の「人華」のビジョンを通しつつ、私は、アフリカの人権の闘士・マンデラ大統領とも、人間教育の持つ平等と尊厳の力を語り合いました。
若き生命が「よどみなき成長」を遂げて、「人華」を爛漫と咲かせゆくために、何が大切か。
私は、総長の座右の銘に共鳴を禁じ得ません。それは、「傲慢さは不条理を増長させる。謙虚さは道理と人生の最高潮に導く」という言葉であります。
傲慢に心を閉ざしてしまえば、成長は止まります。
どこまでも謙虚な開かれた心で、たゆまず学び合う。そこにこそ、皆が自分らしく生命を開花させ、人々のため、社会のために"良薬"を実らせる花園が広がるのではないでしょうか。

◇困難に屈するな
一、第二に申し上げたいのは、「生活の大地」に不屈の勝利劇を、ということであります。
総長は常々、実験室や教室で行われる学問は、人々の生活を良くするためという目的に向けられるべきであると強調されています。
その通りに、貴大学は、貴国の北東地域にあって、「知識の発信の源泉」となり、州の発展と人々の生活向上に重要な役割を担ってこられました。
とともに、総長が何よりの喜びとされているのは、薫陶した教え子たち一人一人のサクセスストーリーを見守ることであります。そして、そのために、「謙虚さ」と併せて「執念」を教え、「常に戦い、絶対にあきらめないこと」を打ち込まれているのであります。
私が対談したブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁も力説されていました。
「教育なしには、人間生活の目的であり、社会の最も堅固な基盤である人格を豊かにすることはできません。教育は、進歩のための第一前提であるのです」と。
まさしく、人間教育の真剣な打ち合いこそ、人格を鍛え、磨き、高め、生活と社会の大地に不屈の勝利劇を広げゆく原動力でありましょう。
わが「創価教育」も、創始者であり、平和の信念に殉じた牧口常三郎先生以来、一貫して、いかなる現実の困難にも屈せず、民衆の幸福の価値を創造し、希望と勝利の活路を切り開く人格を育んできました。
この夏も、通信教育部のスクーリングが、世界から労学一体の尊き向学の友を迎えて行われます。また深く地域から愛され、広く市民の方々から親しまれている伝統の夏季大学講座も有意義に開かれます。
猛暑の中、健康第一、無事故第一で、楽しく啓発に富む「学は光」の広場となることを、そして、一人一人の新たな勝利劇の出発となるよう、私は創立者として真剣に祈っております。

◇地球守る人材を
一、第三に、「持続可能な開発」へ若き世界市民の連帯を、と申し上げたい。
思えば、「誰も置き去りにしない」と国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、2012年、貴国のリオデジャネイロで開催された会議(リオ+20)で提唱されたものです。
その源流たる貴国にあって、北東地域の18大学の柱として、貴大学が「持続可能な開発」に素晴らしい貢献を果たすとともに、地球環境と生命を守る人材育成に尽力されていることは、よく伺っております。
わが創価大学も、国連アカデミック・インパクトの一員として積極果敢に挑戦しております。共生創造理工学科の最先端の取り組みも、海外研修の活発な展開も目を見張ります。
さらに、あの未曽有の東日本大震災から立ち上がられた東北の方々と連帯する「復興インターンシップ(就業体験)」も、かけがえのない学びとなっております。
また、ブラジルの「アマゾン創価研究所」でも、自然と人類の共生の心を育む「環境教育」に力を入れていることは、ご存じの通りであります。
ともあれ、貴国の麗しき詩心の女性コラ・コラリーナは叫びました。「私は人間の連帯を信じる。私は現在の過ちと苦悶は乗り越えられると信じる」と。
なかんずく何よりも強く、何よりも朗らかな、若き世界市民の連帯を、貴大学と力を合わせ、いやまして築き広げていこうではありませんか!
今日は、うれしいことに、わが創大の世界市民の連帯の中核と光る貴国の留学生も大勢、列席してくれております。その友と一緒に、大文化人リベイロ博士のブラジル讃歌を宣言し、私の御礼とさせていただきます。
「最高の人間性を掲げるゆえ最良の文明。地球の最も美しき、そして輝かしき地域にあって、全ての人種と異文化との共生に心を開くゆえ最も寛大な文明——ブラジルよ」と。
愛する心の母校・セルジペ連邦大学に栄光あれ! 
愛するブラジルに永遠無窮の隆盛あれ!
ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で「大変に、ありがとうございました!」)(大拍手)

2019.08.10 わが友に贈る

皆に喜んでもらおうと
陰で汗を流す人が偉い。
家族・親族・地域のため
心を砕くその行動に
感謝の言葉で応えよう!

新池御書 P1441
『人の子として我が親を殺したらんものの我に物をえさせんに是を取るべきや、いかなる智者聖人も無間地獄を遁るべからず、又それにも近づくべからず与同罪恐るべし恐るべし』

【通解】
人の子として、自分の親を殺した者が自分に物を与えようとしたとき、これを受け取ることができようか。
謗法を犯せばどのような智者や聖人でも無間地獄を逃れることはできない。また、それに近づいてもならない。与同罪を恐れるべきである。

〈寸鉄〉 2019年8月10日
「礼儀いささか・をろかに思うべからず」御書。爽やかな振舞で友情を拡大
学会の墓園で諸精霊追善法要。広布の歩みが最高の追善。後継の誓い新た
子どもの本当の名前は何か。それは未来—文豪。担当者の献身ありて盤石
各地で帰省ラッシュ。運転時のイライラは事故の元。無理せず安全第一で
がんの5年生存率が改善—調査。早期発見が鍵。公明よ命を守る対策更に

☆地域を歩く 東京・檜原村 2019年7月30日
◇東京にある"秘境"
今、世界の熱い視線が集まる東京には、急峻な山々に囲まれた"秘境"がある。
人口2200人の檜原村。本州における東京唯一の村だ。
JR五日市線の終点・武蔵五日市駅から、車で檜原街道を西へ約15分。村に入ってすぐの渓谷沿いに、村のシンボルともいえる、民家の形をした総ヒノキ作りの公衆トイレが姿を現す。さらに進むと、沿道の茂みから野生の猿が出迎えてくれた。
村観光の定番は滝巡り。浅間尾根を挟むようにして流れる北秋川と南秋川には、幾つもの滝が点在する。東京でただ一つの「日本の滝百選」に選ばれた「払沢の滝」は、人気の観光スポット。「檜原都民の森」にある全長1キロの「大滝の路」は、リラックス効果が立証された「森林セラピーロード」として都内初の認定を受けている。
村の魅力は、こうした「自然の豊かさ」だけでなく、「居住環境の先進性」にもある。
檜原村は西多摩地域でいち早く光ファイバーを導入し、通信インフラを充実させた。下水道は山奥まで整備され、斜面の山道にもマンホールがある。
役場など村内数カ所には、電気自動車の充電スタンドや、太陽光で携帯電話を充電できる独立電源システム(自立型ソーラースタンド)がある。これにはWi—Fi中継機が付属し、夜間はLED照明が点灯する。
「自然」と「先進性」の両方が息づく、この東京の村で、桧原常勝支部のメンバーたちは、さらなる活力を村にもたらしている。その源は、揺るぎない「地域貢献の志」である。

◇村こそ"改革の先進地" 共生の新しいモデルを
「皆さんの"足を支える仕事"です。誠心誠意、働かせてもらっています」
檜原村出身の峰岸明雄支部長は、妻の佐代子さん(婦人部副本部長)と共に自動車の整備・修理業を営む。車社会の村では、家族全員がそれぞれ車を持つ世帯も多い。
信心の原点は青春時代。かつて村で唯一の創価班メンバーとして、立川文化会館で任務に就いていた折、会館を訪れた池田先生から「皆さん、本当にありがとう。よく頑張ってくれているね」と声を掛けられた。その後、村外で暮らした時期もあったが、"村の発展のために生きたい"と20年前に帰郷した。週末には2時間以上かけて山奥まで通い、訪問激励に家々を回っている。
峰岸さんの母・奈津子さん(支部副婦人部長)は、檜原村広布の功労者。村の女性で初めて運転免許を取得し、山野を駆け巡ってきた。
「一人で車に乗ることは、ほとんどなかったよ。いつも隣に近所の人を乗せて、買い物も通院も、全部、手伝ってきました」
5人の子を育て、村のガラス工場で65歳まで働いた。老人会の会長なども歴任してきた。「なっちゃんがいれば、村は安心」と周囲から慕われ、何人もの友人が入会。当初は信心に反対だった夫も、20年越しの対話が実り、信心を始めた。
現在、元気はつらつの88歳。畑で採れた野菜を近所に配り、楽しく対話に歩く。「休んではいられません。"人のためになろう"ってのが信心ですから」

コンニャクは檜原村の名産品の一つ。井上文喜さん(副本陣長)は、地場産業が貴重な村にあって、コンニャク製造会社「井上食品」の2代目社長を務める。
こだわりは「バッタ練り製法」。すりつぶしたコンニャク芋を、独特なひねりのある羽が付いた練り機で、バッタン、バッタンと丹念にかき回す。「昔ながらの手法です。手間暇をかけた分、いい味が出ます」
幼少時代、闘病する母のためになればと父が信心を始めた。すると母の健康が回復。生命力を強める信心の力を目の当たりにした。井上さんは18歳で入会し、やがて父の仕事を継いだ。
販路を全国へ拡大し、二十数年前に工場をリニューアル。新たに「見学室」を設けると、小学校の社会科の教科書でも取り上げられ、村外の児童が課外授業で訪れるようになった。
井上さんは現在、「人里もみじの里」委員会の会長でもあり、この6年間で7000本のもみじを山に植えた。毎秋主催する「もみじ祭り」は、今では3000人が参加するまでに発展している。
「100年後には、立派な紅葉が見られるようになります。子どもたちへの贈り物です」

夜は満天の星がまたたく檜原村。ある壮年部メンバーたちは、月に2回ほど"夜カフェ"と称した懇談会を開き、励まし合っている。
参加者の一人は、2年前に入会した中村邦彦さん。特に大きな悩みがあったわけではない。「みんな本当の家族のように温かい。学会のアットホームなところに魅力を感じまして」
4歳の時に東京・大田区から村へ移住。同級生の大半は、村外へ越していった。
「地域がしてくれることを待つ」のではなく、「地域のためにできることを探す」という学会の哲学に感銘し、「以前は村を出たいと思っていましたが、今は村で暮らす意義を感じています」。
一方、"夜カフェ"の主催者である山�誠さん(本陣長)は、東京・立川市の出身。結婚を機に入会し、子育てのために妻の実家がある檜原村へ移住した。息子の優人さんは、学会員の輪の中で元気に育ち、創価大学を卒業。広布後継の人材に育っている。
山�さんは、中村さんと決意し合う。「夜カフェを、たくさんのメンバーでにぎわう団らんの場にしたい。皆で団結し、村のために頑張ります」

1982年(昭和57年)5月31日、池田先生は檜原村を訪問。広布功労者の川杉重雄さん(故人)が、南秋川の渓谷沿いに建てた家に足を運んだ。
清流の涼やかな音が聞こえてくる室内。先生は勤行を行い、「檜原村の広布を祈ったよ」と語った。後に、この家は「川杉栄光会館」となり、支部の会場として使われている。
「あの日から、村のメンバーの心に火が付きました。聖教新聞の購読推進にも力を注ぎ、今では村の半分以上の人が聖教の購読経験を持つほど、理解が広がりました」
重雄さんの息子である地区部長の忠愛さんは、草創の先輩たちの奮闘を追想する。
かつては学会と地域の間に心の垣根があったが、今や学会員は、清掃や草刈りなどの地域活動に率先し、伝統の獅子舞の祭りでは踊り手を担う友もいる。
川杉さんは、不動産経営に従事する傍ら、10年前から畑仕事を始めた。野菜を手に、対話を広げる日々だ。

檜原村で育った小室多恵子支部婦人部長。「支部の焦点は青年育成です。壮年部・婦人部で力を合わせ、青年たちを全力で励ましたい」と意気込む。
そうした支部のホープと輝く一人が飯岡学さん(男子部部長)。多くのファミリー層が暮らす村営住宅へ、7年前に移住した。共働きで4人の子どもを育てるため、妻の実家の近くで生活することを選んだ。
勤め先は村外。長時間の車通勤など、多くの課題がある。だが23歳で入会した時から、"地域の役に立つ人生を"と池田先生に誓ってきた。
仕事と家事、子育てに全力投球の毎日にあって、日頃から「困ったことはない?」と家を訪ね、声を掛けてくれる学会の先輩たち。その思いに応えたいと、飯岡さん自身、時間をつくっては部員の激励に歩く。地域の消防団員としても汗を流す。
「地域おこしのために移住してきた青年も増えています。若い力を合わせて、村を発展させたいと決意しています」

かつて檜原村の多くの人々が、「村出身」であることに引け目を感じていたという。
坂本義次村長は、「だからこそ、村の発展は"意識改革"から始まります」と強調してやまない。
「"東京にある檜原村"ではなく、"檜原村が東京にある"。言い方一つですが、そうやって村民が誇りを持つことが一番大事だと思うんです。課題が多い地域ほど、新しい改革のモデルを発信できる先進地。発想の転換です。常に"半歩先を行く村"を目指しています」
近年は、次々と村営住宅を建設。さらに、充実した子育て支援政策に力を入れている。
檜原村は高齢化が著しく進む一方で、昨年の合計特殊出生率は、島嶼部を除く東京都内の区市町村トップに当たる1・71。他の地方自治体が視察に来るまでになった。
長年、地域の福祉向上に尽くす学会員の姿を見つめてきた坂本村長。村のさらなる発展へ、こう期待をにじませる。
「創価学会の素晴らしいところは、人と人を結ぶ連帯を世界中に築かれている点です。どんどん地域の中へ入り、村の活性化のために活躍してほしい」
地域貢献の強き思いが光る檜原村——。ここから、東京の新しい未来が育まれていく。

◎7日深夜から大阪に行って来ました。名古屋よりも大阪の方が運転注意!!

2019年8月7日水曜日

2019.08.07 わが友に贈る

地道な努力なくして
偉大な人間革命はない。
"足下に泉あり"
自らの課題に向かって
一つ一つ勝ち超えよう!

富木殿御消息 P949
『余人の中せんと候人候はば申させ給えと候、貴辺より仰を蒙り候へ、御指合にて候はば他処へ申すべく候』

【通解】
余人の中で引き受けようという人がいたら、その人にお願い申しあげたい。貴辺が引き受けてくれまいか、御返事をいただきたい。もしあなたにさしさわりがあれば、他の人に申しつけよう。

☆先生の指導
御書を拝すると、大聖人は、会場の提供者に、それはそれは、こまやかな配慮をされている。
ある会合を開く際、門下の都合が悪くなった。この門下が会場を担当していたと思われる。
それを聞かれた大聖人は、弟子の富木常忍にあてて、「(都合が悪くなった門下から)どなたか引き受けようという方がいれば、お願いしていただきたいとのことです。
あなたの都合はどうか、ご返事をください。(もしあなたに)お差し障りがあれば、他の人にお願いしましよう」と丁重に、心を砕いて依頼されている。
大聖人が御自ら、これほど、細かく気を配られた。私たちは、この大聖人の御心を深く拝して、会場を提供してくださる同志の方々に、真心と礼儀を尽くしていかねばならない。

〈寸鉄〉 2019年8月7日
池田博士の粘り強い平和行動が新たな地平開いた—総長。人間主義の旭日
自分と同じくらい人を大事にできたら人材は出る—恩師。激励の手緩めず
「法華経の題目は一切経の神・一切経の眼目なり」御聖訓。唱題の人は無敵
帰省・行楽のシーズン。長距離運転に焦りや疲れは禁物。余裕ある計画で
夏風邪に注意。嗽・手洗い・冷房の温度調整など賢く。油断なく炎暑対策を

☆希望ミーティング 充実の「未来部躍進月間」のために(下)
◇子どもと一緒に「知る」「感じる」「考える」夏に
家庭教育懇談会から「安心」広げ
〈出席者〉
高梨幹哉(教育本部長。元高校教諭)
川原恵子(教育本部女性部長。婦人部・主任女性部長)
斎藤実(人間教育実践記録センター部長。中学校校長)
山形陽子(女子青年教育者委員長。幼稚園教諭)
赤須清志(未来部長。アメリカ創価大学卒)

高梨 充実の「未来部躍進月間」とするために——教育本部と未来部の代表が語り合う「希望ミーティング」�では、主に学会の組織として、創価家族として未来部員とどう関わっていくかについて意見を交換しました。今回は、それぞれの家庭における関わりを巡って話を進めましょう。

川原 学会のお父さん・お母さん方は普段、とても忙しい分、この夏はぜひ、ゆっくりとお子さんと向き合う時間をつくってほしいですね。

斎藤 「子どもと一緒に」という点が、とても重要ではないでしょうか。池田先生が、語られていたことがあります。「夏休みは勉強も大事だが、家の手伝いなどに挑戦するのも大事なことだ。『あれもしよう』『これもしよう』と計画しても、計画倒れに終わることも多い。『何か一つ』やり抜くことが、子どもの自信につながる。夏休みに家族で旅行して、思い出をつくるのもよいことだが、親子でいっしょに何かに挑戦するのも尊い思い出になる」と。

◇読書に挑戦!
赤須 私は「読書」をお勧めします。自分の家族の話になってしまって恐縮なのですが……。自分の幼少期の記憶に一番残っていることは、母が毎晩のように「絵本の読み聞かせ」をしてくれた姿なんです。おかげで、本がとても好きになりまして。小学校に進んでからも母に連れられて、2人の弟も一緒に、近所の図書館に通い詰めました。自転車のカゴいっぱいに本を積んで、「早く家に帰って読みたいね」と笑顔で語り合った光景は忘れません。小学校時代に6000冊の本を読んだことは、大きな自信にもなりました。私は塾に通ったことは一度もないまま大学に進学したのですが、幼少期の読書経験が「学びの土台」となったように思います。

山形 お母さんご自身が本が好きで、一緒に読書に励んでおられた姿に、感銘を覚えます。やっぱり「本を読みなさい」「勉強しなさい」と口で言うよりも、親御さんが自らの姿で示すことが大切ですね。イソップ物語の「カニの親子」という寓話を思い出しました。カニのお母さんが子ガニに「どうしてお前は、そんなふうに横歩きばかりしているの。ちゃんと前に向かって歩きなさい」と注意すると、子ガニが「じゃあ、お母さんがまず、真っすぐ歩いてみてよ」と、返すという……。

川原 とても耳が痛い物語です(苦笑い)。親が思う以上に、子どもは親の背中をよく見ているんですよね。かといって「まず私がやらなきゃ!」と、背伸びをする必要はありません。「これを機に私も一緒に楽しもう! 成長しよう!」くらいの気持ちで、肩の力を抜いた方が、子どもたちも「楽しそうだな」「自分もやってみようかな」と、思うはずです。次元は異なりますが、信心の継承にも通じるのではないでしょうか。私も子育て真っ最中だった頃、学会活動から帰宅した時に心掛けていたことは、笑顔で「楽しかったこと」「感動したこと」を子どもたちに伝えることでした。

◇自然体験こそ
斎藤 夏休みならではという意味では、キャンプなどの自然体験の機会を、家族で持つこともいいでしょう。宿泊する時間がとれなくても、ぜひ、自然と触れ合うひとときを持ってほしいですね。森を散策したり、虫や魚を捕まえたり、満天の星を見つめたり、たき火をしたり……。日常生活では巡り合えない経験を通して、子どもたちの好奇心は刺激されます。思わぬアクシデントもあるでしょう。それでも頭を使い、試行錯誤を繰り返していくことで、子どもの「思考力」「判断力」も育まれます。小学校高学年から中学校にかけて学力が上がっていく子の話を聞くと、「小さい頃、家族でよくキャンプに行っていた」「自然の中で思い切り遊んでいた」と語る子が少なくありません。

赤須 「思考力」「判断力」は、2020年度の大学入試改革を通して、ますます求められてくる力でしたね。ともすれば私たち大人は「学ぶ」というと、何かしらの物事を「知る」ことに重きを置きがちです。もちろん、それも大事でしょう。けれど、今の子どもたちがそれ以上に必要としていることは、「遊び」や「自然体験」を通して得られる感動であったり、気付きであったりするのではないでしょうか。

山形 私も、そう思います。友達と遊んだり、自然の中で体を動かしたりした経験が豊かな子ほど、自分の思いや考えを「表現する力」も、豊かになるように感じています。

高梨 そうですね。自然に触れるという観点で思い出すのは、アメリカの著名な生物学者レイチェル・カーソンの言葉です。彼女は「知る」こと以上に「感じる」ことの重要性を訴えていました。少し長くなりますが引用させてください。
「たとえば、子どもといっしょに空を見あげてみましょう。そこには夜明けや黄昏の美しさがあり、流れる雲、夜空にまたたく星があります。子どもといっしょに風の音をきくこともできます。それが森を吹き渡るごうごうという声であろうと、家のひさしや、アパートの角でヒューヒューという風のコーラスであろうと。そうした音に耳をかたむけているうちに、あなたの心は不思議に解き放たれていくでしょう」
「台所の窓辺の小さな植木鉢にまかれた一粒の種子さえも、芽をだし成長していく植物の神秘について、子どもといっしょにじっくり考える機会をあたえてくれるでしょう」(上遠恵子訳『センス・オブ・ワンダー』佑学社)

川原 忙しい毎日であっても、心にほんの少しでもみずみずしさを持って身の回りの風景と接すれば、もっと、子どもたちと感動を分かち合えるのかもしれません。御書に「餓鬼は恒河(ガンジス川)を火と見る。人は水、天人は甘露と見る。水は一つのものであるが、果報にしたがって見方はそれぞれ別なのである」(1050ページ、通解)とありますが、私たちの信心も、自らの境涯を高めることによって、物事の捉え方・感じ方を豊かにしていく実践だともいえるでしょう。

◇相談できる場
赤須 未来部育成といっても、根本は自身の境涯革命なんですね。その上で担当者の方々からは、「現代の子どもたちと関わっていく上での具体的なアドバイスがほしい」といった声も、よく聞かれます。

山形 親御さんも同じです。子育てに関する知識はインターネットや本などにあふれてはいるのですが、どれも一般論に終始している場合が多いというか、「私が今、わが子のことで悩んでいる問題への答えではない」というか……。

川原 親御さん自身の気持ちが、いっぱいいっぱいで、子どもと向き合う心の余裕が持てず、誰かに相談するという発想までに至らない——というケースも少なくないように思います。

高梨 親御さんたちのそばに、未来部担当の方々が活動するその地域に、「子育て」や「未来部育成」の悩みについて、何でも語り合い、励まし合える「安心の場」が、今ほど求められている時はありません。地元の学会組織のリーダーの理解のもと、未来本部と教育本部が連携して行う「家庭教育懇談会」(通称「家庭コン」)を開催する意義も、そこにあります。

斎藤 神奈川のある地域では圏ごとに「家庭コン責任者」を設け、かれこれ15年にわたって開催し続けていると聞きました。その結果、大学進学者が飛躍的に増加し、アメリカ創価大学に進学したメンバーもいるそうです。何よりも、親御さんたちが目に見えて元気になり、「よし! 子育ても、学会活動も、また頑張ろう!」と心が軽くなって帰宅できることが「家庭コン」の魅力だと、その地域のリーダーは語っていました。

川原 「家庭コン」は、地区婦人部長さんや支部婦人部長さんなど、「正役職」の方々からも、とても好評です。いつも同志を支え励ます側なので、誰かに相談したり、質問したりする機会が、とても貴重なんですよ。だからといって、決して一方通行ではありません。悩みを打ち明け合うことで、どうすればいいかを互いに考え、共に学び、励まし合う——それが「家庭コン」です。

赤須 文部科学省が打ち出した新しい学習指導要領には、自ら問題を見つけて解決する力を育成する「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)が、導入されていますね。東西の創価高校でも、文部科学省の教育事業「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」の取り組みの中で、この"深い学び"を実践しています。「家庭コン」は、私たち大人にとっての「学びの場」であると同時に、エンパワーメント(内発的な力の開花)を促す場ともいえるのではないでしょうか。

高梨 池田先生は「創価学会の『学会』というのも『学ぶ会』です。『学ぼう』という心で、みんな集っているんです」と語られています。宝の子どもたちのため、私たち大人が子育ての知恵を学び合い、励まし合う——この学会の良き伝統を、風土を、今夏の未来部躍進月間を通して、一層、輝かせていきましょう!

2019年8月6日火曜日

2019.08.06 わが友に贈る

水や山の事故に
十分注意しよう!
危険個所には近づかず
天候の変化にも留意を。
安全第一で充実の夏に!

中興入道消息 P1333
『去ぬる正嘉年中の大地震文永元年の大長星の時内外の智人其の故をうらなひしかどもなにのゆへいかなる事の出来すべしと申す事をしらざりしに、日蓮一切経蔵に入りて勘へたるに』

【通解】
去る正嘉元年の大地震や、文永元年の大彗星の時、内道、外道それぞれの智人達が、こうした異変の起こる理由を占ったが、なぜこうしたことが起きるのか、これから先、どのようになっていくのか、わからなかった。そのとき日蓮は、一切経蔵に入り、仏の諸説の上から異変の原因と未来を考察した。

〈寸鉄〉 2019年8月6日
広島原爆忌。核兵器巡る世界情勢は混沌。民衆の連帯で絶対悪の思潮拡大
東北の歌「青葉の誓い」発表の日。皆で歌声高く。新生の道、凱歌の人生を
信越師弟誓願の日。人材山脈は隆々。清新な息吹でわが人間革命の劇綴れ
御書「事事紙上に尽し難し早早見参を期す」。足を運んで友と心結ぶ日々に
児童虐待対応件数が過去最多と。通告の増加で。電話「189」の活用益々

☆希望ミーティング 充実の「未来部躍進月間」のために(上)
◇子どもたちに自信育む経験を 楽しい思い出を
〈出席者〉
高梨幹哉(教育本部長。元高校教諭)
川原恵子(教育本部女性部長。婦人部・主任女性部長)
斎藤実(人間教育実践記録センター部長。中学校校長)
山形陽子(女子青年教育者委員長。幼稚園教諭)
赤須清志(未来部長。アメリカ創価大学卒)

池田大作先生は今月の各部代表者会議へのメッセージで「この夏は、宝の未来部を一段と激励し、育成しよう」と呼び掛けた。充実の「未来部躍進月間」(8月31日まで)とするために、地域と家庭でできることはいったい何か。「希望ミーティング」と題し、教育本部と未来部の代表が語り合った。上下2回にわたり掲載する。

高梨 突然ですが、質問です。2020年に行われることといえば、何を思い浮かべますか?

川原 え? たぶん、多くの人は「東京オリンピック」を挙げるのでしょうけれど……。

斎藤 そうですよね。でも、教育界では、もっぱら「大学入試改革」が話題になっているんですよ。大学入試の象徴ともいうべき「センター試験」が2019年度をもって廃止されて、翌20年度から「大学入学共通テスト」(21年1月実施)に変わるんです。

山形 現行のセンター試験は全て"マークシート方式"ですが、共通テストでは、一部の教科で記述式問題が導入されると伺いました。「知識の量」だけではなく「思考力」「判断力」「表現力」が問われるようになるとか……。

赤須 教科でいうと、特に英語が大きく変わるみたいですね。これまでは「読む」「聞く」力を中心に求められてきましたが、「話す」「書く」技能も評価されることになったんです。だから、"最後のセンター試験"を受験する高校3年のある未来部員は、「浪人すると入試テストの方式が変わっちゃうから、何としても一回で合格しなきゃ!(苦笑い)」って、語っていました。

◇大学入試改革
高梨 大学入試改革は、「これからの時代に求められる力」を評価するために行われるものと言えるでしょう。「もっとたくさん勉強しなきゃいけないのか」等と、不安を覚える親御さんや未来部員もおられるかもしれません。けれど、むしろ、「暗記型の勉強が嫌いな子」だったり、「何か夢中になれるものを持っている子」「外遊びが大好きな子」だったりする方が、合格のチャンスが広がると語る教育関係者も少なくないんです。

◇表現することを楽しもう!
◇未来部員の努力と挑戦に意味付けの言葉をかけて
川原 安心しました(笑い)。未来部躍進月間では全未来部員が対象の「E—1グランプリ」(4人一組で英語の寸劇を行うもの)や、少年少女部の「きぼう作文コンクール」「少年少女希望絵画展」、中・高等部の「読書感想文コンクール」が行われますが、「話す力」「書く力」「表現力」といった、これからの時代に求められる力を磨く機会にもなりますね。

斎藤 そうなんです。それも、子どもたちが一人で行うものではなく、未来部担当者や教育本部のメンバーと交流しながら進めるものばかり。文部科学省は、「異世代間や同世代間で円滑な人間関係を築いていくための国語の運用能力(特に、話す力、聞く力など)」の必要性を訴えています。さまざまな世代が集まった創価家族が励まし合いながら推進する各種コンクールは、とても重要な意義を持つと思います。

山形 特にE—1グランプリは年々、挑戦者が増えていますね。今年は、さらに多くのメンバーに挑戦してもらえるよう、英語の課題文が短く平易な「E—1フェスティバル」も用意されました。

赤須 毎回、みんながそれぞれ「自分の力を表現すること」を楽しんでいる姿が、印象的なんですよ。高い英語力を追求する子だけではなく、「演技力」でキラリと光る子、斬新なアイデアを生み出す「発想力」を持つ子、衣装をつくることが大好きな子、とにかく元気で、チームのムードメーカーになれる子などなど……英語の得手不得手にかかわらず、「みんなが主役なんだ」という強い思いで互いの力を表現し合う——それがE—1グランプリなんだと思います。

高梨 英語では「表現する」という言葉を「エクスプレス(express)」といいますが、この綴りは「ex(外に)+press(押す)」という組み合わせで、「外に押し出す」という意味になるそうですね。池田先生はこのことを踏まえて、語られています。「押し出すためには、内面に"確たる自分"がなければならない。それは『信念』と言ってもいいし、『哲学』と言ってもいい。それを外へ押し出し、意見や対話を交わすことによって、内面がさらに開拓され、より境涯の高い自分が確立されていく」と。

◇見えない一面
川原 仏法の「桜梅桃李」の法理も、それぞれの個性を表現する素晴らしさを説いたものですね。桜や梅など、それぞれの花に美しさや輝きがあるように、人間もまた、ありのままの姿で自分らしく輝いていけばいい——と。各種コンクールに臨む皆さんには、ぜひ、この信念と哲学を持って、伸び伸びと「自分らしさ」を表現することを楽しんでいただきたいと、願わずにはいられません。

斎藤 ええ。子どもがどんな場面で輝くかは、一面的に見ているだけだと分かりません。私は中学校校長として懇談などを通し、できるだけ全ての生徒と直接的な関わりを持つようにしています。授業中の姿だけ見ていたら気付けないことに、気付かされるんですよね。それも真面目な話ではなく"雑談"の中で。学習状況等が芳しくないと聞いていた生徒たちの中に、サッカーや野球は大好きだという子たちがいて、彼らが出場する試合を見に行ったこともあります。別人のような、と言ったら失礼ですが、生き生きと走り回り、大きな声を出す彼らの姿に驚きました。

赤須 未来部員への訪問激励にも通じますね。学会の会合だけでは見えない一面を見るには、訪問激励が一番だと思います。また、未来部担当者の方々の中には、未来部員が好きなゲームやスポーツを一緒にやりながらおしゃべりしたり、ラーメンを一緒に食べながら話を聞いたりと、「いつもと違う雰囲気」をつくろうと創意工夫をされている人も多くおられます。

山形 素敵ですね。「遊ぶ」とか「食べる」とか、そういうことって、実はとても大事だと思うんです。これはあくまで幼稚園教諭としての立場から感じることなんですが、子どもたちの生活は「遊ぶこと」「食べること」が中心です。遊びたいから遊ぶ。食べたいから食べる。誰も「遊ばなきゃ!」と思って、遊ぶ子はいません(笑い)。公園で虫を探すとか、ボール遊びとか、全部「自発的」です。子どもが自発的にやっていることを大人が止めるのではなく、「楽しいね」「おいしいね」と共感したり、「すごいね」「そんなこともできるの?」と褒めたりすることで、子どもたちの目は輝きます。いろんなことに「気付き」や「学び」を得ながら、どんどん成長していくんですよ。

高梨 脳科学の分野でも人間は「うれしい」「ワクワクする」といった感覚を味わっている時、ドーパミンが脳内で分泌され、脳が活性化するともいわれていますしね。私たち教育本部も、未来部育成の支援に当たっては「どうすれば子どもが喜ぶか。楽しめるか」という視点を大事にしています。そしてもう一つ大事な視点は、勉強にしても、信心にしても、「何のため」にするのかということでしょう。それも大人が「押し付ける」のではなく、その子にとって「何のため」になるのかを、「一緒に考えていく」ことが重要です。

斎藤 外国語を学ぶことについて「『なぜ語学を学ぶのか』という『哲学』をしっかりと持つべきです」と、池田先生が語られていたことを思い出しました。「『言葉』は大きな力を持っています。仏典には、『言葉とは心の思いを響かせて声に表したものである』(御書563ページ、通解)と説かれています。言葉は『心』です。言葉のやりとりは、『心のやりとり』ともなります。多くの語学を身につければ、それだけ世界の人々と『心』を通わせることもできます」と。

赤須 実際にSGIは192カ国・地域に広がっています。それは未来部員にとって「同じ信仰を持った友達が世界中にいる」とも言えるのではないでしょうか。また世界の人口は約73億人といわれていますが、そのうち英語を実用レベルで使用している人の数は、約15億人いるそうです。英語を話せれば、それだけの人たちと心を通わせることができるかもしれない——そう思うと、ワクワクしてきますよね。

◇創価家族と
斎藤 語学に限ったことではありません。子どもたちが今、努力していることや挑戦していることは、何のためになるのか、どんな大きな意味を持つのか——それを周囲の大人が具体的な言葉にして、「意味付け」「価値付け」を積極的に行えるといいですね。そうすれば子どもたちの意欲も高まり、「自分は、すごいことをやっているんだ」という自己肯定感も育まれていきます。

高梨 そうですね。例えば褒める際は、勉強にせよスポーツにせよ、「結果」よりも「過程」を、つまり頑張った「心」に、価値や意味を見いだしたいものです。子どもは、それがうれしい。努力する「習慣」も身に付くでしょう。池田先生は「もっている力を出しきる『くせ』をつければ、どんどん『力』が出てくるのです。そういう『くせ』をつければ、自分の『使命』も、やがてわかってくる」と教えてくださいました。

川原 学会の世界って、未来部員が頑張ったら、壮年・婦人も青年部のお兄さん・お姉さんも、みんな喜んで褒めてくれますよね。どんなささいなことでも、「こんなに頑張ったなんてえらいね!」「そんな視点を持てるなんてすごい!」って、そりゃあもう、すごい勢いで(笑い)。例え失敗したとしても「必ず意味がある。この経験は、もっと大きな自分になるためのものだよ」とか、「人の痛みが分かる優しい人になって、たくさんの人に勇気を送っていく使命があるんだよ」って、励ましてくれるじゃないですか。

山形 私も、そんな創価家族に育てていただいた一人です。大人にとって、夏は、子どもたちと触れ合える時間が増える季節だからこそ、そうした豊かな関わりを、たくさん重ねていきたいものですね。

2019年8月5日月曜日

2019.08.05 わが友に贈る

◇今週のことば
「無冠の友」の金の汗に
皆で心から感謝!
無事故・健康を祈ります。
希望の泉の聖教と共に
我らは価値の創造を!
2019年8月5日

立正安国論 P30
『早く天下の静謐を思わば須く国中の謗法を断つべし』

【通解】
一刻も早く天下の泰平を願うならば、まず何よりも国中の謗法を断絶すべきである。

〈寸鉄〉 2019年8月5日
「仏法は体のごとし世間はかげのごとし」御書。朝の清々しい勤行から出発
音楽隊、鼓笛隊よ猛暑の中もありがとう!爽快な若人の行進に地域も喝采
広島青年部「平和誓願の日」。核廃絶の潮流を我らの手で!不戦の魂は脈々
「まず始める」がやる気を引き出す秘訣と。成長の夏!さあ行学錬磨に挑戦
人々の絆の大切さ伝える聖教の使命は重大—作家人間主義の論調をさらに

☆勇気の旗高く 池田先生と福島 2019年7月26日
◇人材の「宝の山」を築け
池田先生が各地の友に寄せたスピーチや指針などを紹介する「勇気の旗高く」。今回は福島県を掲載する。

◇東北発展の要
日本第3の面積を誇る福島県。南は関東、北は宮城県と山形県、西は新潟県と接し、豊かな自然に恵まれている。1995年6月、東北代表協議会に出席した池田先生は、"東北発展のカギをにぎるのが福島"と強調した。

「福島」とは、つくづく、良い名前である。
"福の島"——それは、"福運の島""福徳の島""幸福の島"とも読める。山があり、緑があり、海がある。どれをとっても、一流の趣を感じる。
また、将来の東北にあっても、福島は首都圏と結ぶ"要衝の地"として、大きな可能性が指摘されている。
二十一世紀は「東北の時代」である。その発展のカギをにぎるのが福島とされているのである。

福島、なかんずく会津の地には「人を育てよう」という精神が脈打っている。古来、教育に尽くした会津人は多い。
江戸時代の会津の藩校「日新館」は、全国三百藩中でもトップクラスの学校であったと評価されている。
この「日新館」には、吉田松陰(1830—59年)も二十一歳の折、はるばる訪れている。
松陰は、東北が日本の将来にとって重要な地域であることを見抜いていた。会津藩も訪れ、人々と語らった印象を「文武の士が多いので大変有意義だった」と、松陰は記している。
会津は、確固たる人間を生み出してきた国土である。世界に通じる「信念の人」「知性の人」も多く出している。

この誉れ高き福島の天地に、私どもの力で、人材の「宝の山」を堂々と築いてまいりたい。
心こそ大切である。人材を見つけよう、人材を育てようという心が「宝の山」を築く土台となる。
若い人を育てれば、自分も若くなる。学会員のために尽くせば、自分が幸福になる。
「心」である。「心」で決まる。

◇生命力を満々と
本年は、10・30「福島の日」50周年の佳節を迎える。池田先生は、この淵源となった福島総合本部幹部会で、「希望に燃えて」「経済力」「生命力」との三つを示し、激励した。

申し上げたいのは"希望に満ちた人生"であってほしい、また"希望に満ちた信心"であってほしいということです。自身の生活を革命していくのが人生ではないかと思います。いわんや、更に偉大な革命を成し遂げて厳然たる証拠を示していくのが、真実の信仰ではないでしょうか。
それを退廃的になったり、意固地になって、人生を惰性に終わらせるようなことがあっては断じてならない。大切な一生というものを、紙くずのようにむだにしてはいけない。最大・最高に幸せを満喫し、それを我が人生のうえに証明していかなければならない。そのために希望に燃える人生、信心を続けていかねばならないことを、まず申し上げたいのです。

次に"生命力の福島"であってもらいたい。生命力が一切の本源力です。それは、力強い題目で、御本尊に真っ正面からぶつかっていくことです。

御本尊にビーンと響くような勤行であり、唱題でなくてはいけません。声がリンリンと響くような唱題です。だれが聞いても「いいなあ」と思い、信心に反対している人が聞いても、たとえ、それが小さな声でも「ああ、いいなあ、さわやかである」というような勤行であり、唱題でなければいけない。そこに初めて、たくましい生命力が生まれてくるのです。

◇負けない強さこそ
1984年5月13日、福島市の信夫ケ丘競技場に3万人が集って行われた第1回「福島青年平和文化祭」。池田先生は、99年の随筆でこの文化祭に触れ、苦難に屈しない福島健児の魂をたたえた。

鉛色の空から、我慢しきれないように、絹糸の雨が落ちてきた。しかも、日中というのに、三月下旬の寒さであった。
私は皆様の健康を考え、開会を早めてもらった。
しかし、戦い抜いた青年たちの魂の底からの大音響は、雨のなか、フィールドいっぱいに轟き、その躍動する生命は燃え、舞っていた。
なかでも、五段円塔を中心にして、そこから左右に人間ブリッジを渡すという、"五段円塔ブリッジ"は圧巻であった。
雨に濡れながらの、凜々しき騎士たちの一人ひとりに、私は"王の冠"を載せてあげたかった。
私は、声高らかに謳った。
——君たちの顔は、清らかであった。
君たちは、光の満ち満ちた、新しい生命の若き天使である。
その生命が幸福であることには間違いない、と。

私は、一人の幹部に言った。
「雨が降ったからこそ、すばらしき思い出となった。苦難と苦戦のなかに、偉大な思い出ができるものだ。この思い出が勝利の源泉になるのだ」と。
もちろん、皆は晴天を祈りに祈ってきたのであり、晴れるに越したことはない。
しかし、青年たちの情熱は、この試練の雨さえも、揺るぎなき信仰のドラマを演出する、意義深き銀の慈雨に変えたではないか!
あの日、あの時、冷たい雨に堂々と胸を張った、愛する福島同志の晴れわたる勝ち鬨は、今も私の心に響いている。
苦難に遭うことが、不幸なのではない。苦難に負けることが不幸なのだ。
ゆえに、何ものにも負けない強さこそが、信心の極意であり、永遠の勝利と幸福の土台となるのだ。

さらに先生は、破邪顕正の重要性を訴えつつ、東北の未来をリードする福島の使命に万感の期待を寄せた。

仏法は、永遠に仏と魔の闘争である。
断固として、邪悪を破り、民衆の連帯の痛快なる万歳を叫びきっていく時代を、勇敢に開いていくことが「東北革命」である。その推進力こそ、わが「人材の福島」の闘士の粘り強き行動なのである。
蓮祖は仰せである。
「(法華弘通の法戦の)その時、いち早く先陣を切る者は、三世十方の仏を供養するのと同じ功徳を必ず得るだろう」
(「其の時先さきをしてあらん者は三世十方の仏を供養する功徳を得べし」〈御書1415ページ〉)
福島は、東北の「先駆」の法城だ。
さあ、出発しよう! 広宣流布という平和の大遠征へ!
我らが携えるものは、勇気、勇気、そして勇気である。
美しき福島研修道場が立つ猪苗代湖の銀の鏡は、福島の友の笑顔を映し、今日も輝いている。

2019年8月4日日曜日

2019.08.04 わが友に贈る

夏は信心継承の好機!
わが家の広布史を
子や孫に伝えよう。
和やかな語らいから
共々に成長と躍進を!

四条金吾殿女房御返事 P1135
『又三十三のやくは転じて三十三のさいはひとならせ給うべし、七難即滅七福即生とは是なり、年はわかうなり福はかさなり候べし』

【通解】
三十三の厄はかえって三十三の幸福となるでありましょう。「七難即滅・七福即生」というのはこのことです。年は若くなり、福運は重なっていくことでしょう。

〈寸鉄〉 2019年8月4日
『新・人間革命』は読むほどに語りたくなる—博士青年よ学べ。対話の糧と
「従藍而青」が創価教育の特色—牧口先生。後継を自分以上に!激励重ねて
旧友との再会等、記憶をたどる機会で脳は活性化と。価値的な友好期間を
各地でお盆の渋滞予測。行動はゆとり持って。焦りや疲れは事故の因ゆえ
特殊詐欺、銀行カードの不正入手が主流と。厳重管理。暗証番号伝えるな

☆人生の価値はここに 創価大学同窓の友を訪ねて 第4回 鳥取
◇わが郷里に新たな「希望」を
新元号「令和」の発表以来、「万葉集」に注目が集まっている。
万葉集4516首を締めくくる最後の歌が詠まれた地は鳥取であった。今から1260年前の正月、因幡国司として鳥取に赴任していた大伴家持が、因幡国の役人が集う新年の宴席で詠んだものだという。
「新しき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重け吉事」
——年の始めの今日降るこの雪が積もるように、今年も良いことが重なってほしい——と。
鳥取は雪の多い地域だ。大学受験シーズンといえば冬の真っただ中。山本幸司さん(33期、経営学部卒)は、創価大学の受験を目前に控えていた2003年の新年、雪をも溶かすほどの情熱を燃やし、正月返上で猛勉強を重ねていた。
人付き合いが大の苦手だった青春時代。「人と深く関わらない方がいい。傷つくこともないから」と思っていた。大学進学など夢にも思わなかった。だが高校に入った頃、創大に進学した鳥取の先輩が自宅を訪ねてくれるようになる。
「創大に行こう。絶対に成長できる。心から信頼し合える友ができる」。そう熱く語ってくれた。
「こんな自分だから」と諦めていた山本さんを、「そんな君だからこそ」と信じ、励まし続けてくれた。心に火が付いた。受験勉強の出遅れを取り戻すように、机に向かった。
春が来た。夢にまで見た創大の入学式。創立者・池田大作先生は呼び掛けた。「頭を上げて、胸を張り、堂々と、生き生きと、人生を楽しんで、勝ち切っていただきたい」
4年間の学生生活で、どれほど多くの学友に恵まれたか。鳥取の先輩たちの言葉に、間違いはなかった。
卒業後、郷里に恩返しがしたいとUターン。地方銀行に就職した。仕事の厳しさに、心が折れそうになったことは数知れず。そのたびに創立者の励ましの言葉を胸の中で繰り返し、頭を上げた。「絶対勝つ」と。
倉吉市や松江市などへの転勤を経て、鳥取市へ。多くの資格試験にも合格し、毎年のように成績優秀者として表彰されるまでに。
課題が尽きることはないが、日に日に新たに、挑戦の心は増していく。「創大時代に築いた土台があったればこそ」。自分の人生を変えてくれた先輩たちに、学友に、そして創立者に、感謝は尽きない。

「山光水色 藍よりも青し」(山の光と水の色が照り映えて、藍よりも青く美しい)——唐の詩人・李白が詠んだこの詩を、かつて創大創立者は、鳥取・島根の山陰地方の景色の美しさと重ねたことがある。山陰を「山光」と呼ぼうと創立者が提案したのは、35年前の1984年だった。
郷里の鳥取市で小学校教員を務める西尾文枝さん(37期、教育学部卒)は、そんな豊かな自然の中で育ったこと、創立者の人柄を熱を込めて語る祖父や両親に育てられたことを、誇りに思っている。
人間教育の真髄を学ぼうと、創大の門をたたいた。迎えた入学式。初めて目の当たりにする創立者。全身を耳にする思いで創立者の祝辞を聞いていた、その時——壇上の創立者がふと、西尾さんの隣にいた新入生に声を掛けた。
「体調は大丈夫かい? そこに座っている、メガネを掛けた子……」
西尾さんは驚いて、隣の学生の横顔を見た。緊張をしていたのだろうか。確かに、入学式典の開始前から表情が固かったかもしれない。しかし創立者の温かな配慮と励ましやユーモアを交えたスピーチに、次第に笑顔が増えていった。
その時の光景と感動を、西尾さんは忘れない。
「たくさんの人たちを前にして、池田先生はどこまでも『一人』と向き合い、『一人』と語らい、『一人』と心を通わせておられたんです」
創価大学教職大学院を経て教壇に立ってから現在に至るまで、「創立者に学んだ心」を体現しようと奮闘してきた。決して器用なわけではない。それこそ文字通り「体当たり」である。
毎朝、登校してきた児童一人一人の顔を見て、名前を呼び、笑顔であいさつすること。休み時間になれば汗だくになって一緒に遊ぶこと。児童のノートに一冊一冊、丹念に目を通し、一筆に心を込めること……。「私とみんな」の関係ではなく「私とあなた」の関係であろうと、常に心を砕いてきた。卒業する児童やその保護者から「西尾先生と会えて良かった」とつづられた手紙を受け取るたび、「私の方こそ……」と、胸に熱いものが込み上げる。
暗いニュースが続いている昨今。だからこそ子どもたちを、希望で照らしたいと願う。わが古里を「山光」とたたえ、その地に生きる人々の心に光をともしてくれた創立者のように。

2019年8月3日土曜日

2019.08.03 わが友に贈る

昨日の自分を超え
今日の自分に勝つ。
地道な積み重ねが
偉大な人生をつくる。
朗らかな挑戦の日々を!

一代五時鶏図 P631
『有縁の者何ぞ来らざるを得ん譬えば百川の海に潮す応須が如し縁に牽れて応生すること亦復是くの如し』

【通解】
縁ある者がどうして(同じ仏の世界に)生まれて来ない事があろうか。たとえば、百の川がすべて海に集まり注ぐようなものである。
縁にひかれて、(同じ仏の世界に必ず)生まれてくることもまた、同じ原理である。

〈寸鉄〉 2019年8月3日
SGIの青年がいれば世界は変えられる—博士。師の哲学と行動継ぐ誉れ
自分自身を信じれば進む道が見えてくる—文豪。使命のない人はいない!
「父母の恩のおもき事は大海のごとし」御書。親孝行の夏に。成長が恩返し
携帯電池の発火事故が増加と。膨張、発熱、異臭など異変あれば即使用中止
最低賃金900円台。引き上げ額も最大に。公明よ氷河期世代の支援等も更に

☆人生の価値はここに 創価大学同窓の友を訪ねて 第3回 栃木
◇この一生を輝かせるため
栃木駅の北口広場に立つ文学碑に、こんな言葉が刻まれている。「たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか」
栃木出身の作家・山本有三の小説『路傍の石』の一節である。向学心に燃えた有三は、郷里の父母のもとを離れ、東京の大学へと進んだ。この小説の主人公であり、貧しい生まれの少年・吾一もまた、古里を後にして東京で働きながら学ぶ生活を目指していく。
一度きりの人生。自分はどう生きるのか。小山市の戸澤峻さん(37期、文学部卒)がこの問いと向き合うようになったのは、創価大学に進学してからだった。
大手ハウスメーカーの営業マン。誰とでもすぐに打ち解け合える物腰の柔らかさと、顧客の要望を真摯に汲み取る誠実さに定評がある。しかし「もともとは、人と深く付き合うことを避ける性格だったんです」。
祖父や両親からの強い勧めで創大へ。滝山寮に入寮した。生活を共にした仲間たちは個性的で、出身地も実に多彩。最初は彼らの勢いに圧倒されたが、積極的に対話の場が設けられる毎日を過ごすうち、「他者の人生の物語を分かち合う」喜びを知っていく。1年生の寮生をサポートする"残寮生"が深夜に一人、机の明かりをともして勉学に励んでいた背中にも、どれほど触発を受けたか。
創立者・池田大作先生から受けた励ましは、数知れず。「みんなが喜ぶなら、私は何でもしてあげたいんだ」——そう折々に語り、行動する創立者の姿から、「人生の価値」とは「人の喜びのために生きること」から生まれると学んだ。
現在の仕事においてもその信念は変わらない。「お客さまが、どんな人生の物語を生きたいと願われているか」。その思いに耳を傾ける。就職2年目にして、北関東エリアの営業成績優秀者として表彰されたことも。住宅を購入した夫婦が後日、生まれたわが子の健やかな成長に目を細めながら、「戸澤さんに相談してよかった」と言ってくれたことが忘れられない。
課題は多い。悩みも尽きない。それでも「何のため」との問いへの答えが、揺らぐことはない。
◆◇◆
良き出会いは、人生を彩る宝であろう。
創立者・池田先生が折に触れて振り返る、小学校時代の出会いがある。5、6年生の時の担任だった恩師・檜山浩平先生だ。檜山先生は栃木の出身だった。
「お世話になった教師の励ましを、人は、一生涯、忘れないものだ」と、創立者は語っている。
竹中美枝子さん(14期、教育学部卒)が郷里の日光市で小学校教員になった理由も、「私がたくさんの宝の出会いに恵まれて育ったから、その恩返しを」との願いからだったという。
小学6年生の時に父を亡くす。笑顔を絶やさず、快く創大に送り出してくれた母に感謝は尽きない。地域の壮年・婦人や"お兄さん・お姉さん"たちも、わが事のように喜んでくれた。
人間教育とは何か。創立者の心を学び求め続けた4年間は、自分の無力さを痛感して悩み続けた4年間でもあった。それでも創立者から幾度となく励ましを受けるたび、感じたことがある。「池田先生は、何があっても一人の可能性を信じ抜く人なんだ」
教壇に立ってからも悩みや葛藤の連続だった。創立者が示した"全生徒、全教職員、全保護者から信頼される教員に"との指針を、朝な夕なと心に刻む毎日。児童の表情の微妙な変化から、いじめの芽を早い段階で見つけ、摘んだことがある。いじめに悩んだ児童とその母親が、卒業式の日に「竹中先生のおかげで学校が楽しくなりました」と手紙を渡してくれたことも、忘れ得ぬ思い出だ。後年、成人した教え子が近況をうれしそうに報告しに来てくれたこともあった。
現在、教頭として後進の育成にも励みつつ、人間教育に献身する。「今、縁している人たちはもちろん、これまで出会った全ての子どもたちと保護者の方々が皆、幸せな人生を歩めるように」と祈りながら。

那須塩原市に立つアウトレットモールの一角に、ゴルフウエアとグッズを販売する店舗がある。
明るい内装。愛くるしいキャラクターがあしらわれた商品の数々。「いらっしゃいませ!」と張りのある声で迎えてくれたのは、店長の矢島秀浩さん(21期、経営学部卒)である。
約150店舗がしのぎを削るモール内で、第3位の業績を出したこともある人気店。"なくてはならない店舗"であるために、商品の品質の高さはもちろん、「また来たくなる居心地の良さ」が求められる。話すと元気になる。矢島さんはそんな人だ。「あなたに会いに来たよ」と、来店する人も少なくない。海外の観光客が後日、購入したゴルフウエアを身にまとい、写真を送ってくれたことも。
矢島さんの"人間力"は創大の硬式野球部時代に磨かれたものだ。
投手としての腕を買われて創大へ進学したものの、けがにも泣かされ、3年目まで鳴かず飛ばず。ベンチにすら入れなかった。だが「人間野球」とのモットーは、逆境の中でこそ輝きを増す。岸監督や仲間たち、そして創立者の励ましに支えられて「それでも前を向く強さ」を培った。
4年生でエースナンバーを背負い、マウンドへ。東京新大学野球連盟のリーグ戦で春秋連覇を果たし、最優秀投手にも選ばれた。
その後、社会人野球でも活躍。営業職や事務職として働いた時期もある。慣れない仕事に挫折の連続。その経験も「人間修行」の機会に変えた。
現在の仕事も一日一日、勝つか負けるかの真剣勝負だ。その緊張感は、一試合一試合、ピッチャーマウンドに立つ感覚にも通じる。だが押しつぶされることはない。創大野球部時代、心から信頼する仲間たちの存在を背中に感じつつ、思い切り腕を振った充実の日々を思い出す。今は、妻・麻衣子さんや最高のスタッフと共に店舗に立つ毎日だ。
人生という「一度きりの大試合」に勝つために、創立者との誓いを胸に。

2019年8月2日金曜日

2019.08.02 わが友に贈る

芸術は心を豊かにする。
書籍・絵画・音楽など
古今東西の名作に親しむ
ひとときを作ろう。
精神に潤いと触発を!

四条金吾殿御返事 P1192
『はげみをなして強盛に信力をいだし給うべし、すぎし存命不思議とおもはせ給へ、なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ給うべし』

【通解】
いっそう自分自身を励まして、強盛な信力を出していきなさい。先日、命を永らえたのは、まったく御本尊の不思議な功力であると思いなさい。どのような兵法よりも、法華経の兵法を用いていきなさい。

〈寸鉄〉 2019年8月2日
全員が責任者の覚悟で—恩師。青年よ広布の責任担う心意気で戦いに挑戦
平均寿命、平成30年間で5歳長く。生きがい光る多宝会は長寿社会の希望
食べ残し等の「食品ロス」対策広がる。家庭で工夫重ねれば食費の軽減にも
「水の週間」。人体の6割、地球表面の7割が水と。資源の貴さを考える好機
飲酒の場が増える季節。飲んだら乗らない!小さな油断排して絶対無事故

☆人生の価値はここに 創価大学同窓の友を訪ねて 第2回 岩手
◇成すべきことを成す
詩人の高村光太郎は「岩手の人沈深牛の如し」と詠んだ。
冷静沈着、寡黙でおとなしいさまは牛のようだ——と。周囲がどうであろうと決して慌てふためくことはない。最後には、成すべきことを成し遂げるのが岩手人であると、高村は同じ詩でたたえている(尾崎喜八編『高村光太郎詩集』彌生書房)。
簗田雅伸さん(7期、経済学部卒)は、まさにそんな人だろう。本年4月、県内に本社を持つ情報処理サービス会社の代表取締役社長に就任した。「先代は、ぐいぐいとみんなを引っ張る、スピーディーなリーダータイプ。私は、その全く正反対の人間なんです」
盛岡生まれで4人兄弟の3番目。両親は家計の苦しさを言葉に出さず、快く創価大学に送り出してくれた。卒業後、「郷土で実証を示そう」と誓うも、転職を繰り返す。創大同期生の活躍の様子が次々と耳に入ってきたが右往左往したことはなく、むしろ大きな励みになったという。28歳の時に面接を受けた職場が、現在務める会社である。
コンピューターは全くの門外漢。だが任された仕事は「営業」だった。企業へのパソコンの普及があまり進んでいない時代である。業務システム構築の必要性を伝えることは困難を極めた。そこで生きたのは、創大時代、さまざまな出身地の学友たちと対話を重ねた経験だった。知識を蓄えた上で、どうすれば分かりやすく伝えられるか、顧客に喜んでもらえるかを思索した。その視点から出発すると、顧客のニーズを自然とつかめるようになった。
一歩ずつ実績を重ね、信頼を広げていくうちに、気付けば「還暦を迎えていました」。簗田さんは亥年の「年男」。牛のような堅実さを持つ一方、これと決めたら一瀉千里に走り抜く猪突猛進タイプでもある。デジタル時代の今だからこそ「人間の心を大切に」との信念は、決してブレない。
社員を尊敬し、その成長と幸福に尽くす。リーダーとは皆に献身する人——創大創立者・池田先生から学んだ「将軍学」だ。舵取りを任された会社は、顧客からの高い評価を得て発展を続けている。

◆◇◆
郷里の岩手に弁護士事務所を設けることは、創大在学時代からの念願だった。小野寺泰明さん(35期、法学部卒)がその思いを一段と強くしたのは、東日本大震災の時である。
当時は、創大法科大学院生として司法試験に向けた勉強の真っ最中。盛岡の実家に被害はなかったが、テレビに映る岩手の惨状を見るたび気がはやった。「早く古里に尽くす弁護士に」と。
2012年9月、試験に合格。仙台の法律事務所で経験を積み、14年7月に盛岡で独立を果たす。
甚大な津波被害のあった宮古市や大槌町に毎月赴いて、被災者の法律相談に乗った。沿岸部の弁護士だけでは人数が足りない状況だったのである。被災した自宅と再建した自宅の二重ローン、所有者不明の土地を巡る問題、遺産相続……。相談者の表情には、さまざまな感情が色濃く影を落としていた。
応対する小野寺さんも、葛藤を抱いていた。「震災発生時、岩手にいなかった自分に、この方々の気持ちが分かるのだろうか」と。そのたびに創立者が折々に語った「だれにも、その人にしか果たせない使命があります」との言葉を思い起こした。
目の前の被災者に寄り添える弁護士は、自分しかいない——小野寺さんは「その責任と使命を果たそう」と覚悟を決めた。相手の心の声に耳を傾け、その苦悩を少しでも分かち合おうと努めるなかで、次第に、相談者の安堵の笑顔が増えていった。
一人を大切に——その姿勢は今も変わらない。事務所に相談に来ること自体にハードルの高さを感じる高齢者などのために、自ら足を運ぶことも少なくない。事務作業を担う妻・明美さん(33期、教育学部卒)のサポートがあるからこそ、できることでもある。
課題は多い。悩みも尽きない。だが「自分には創立者との誓いがある」。
創大進学を志望する子どもたちへの励ましにも尽くす日々。後輩たちのために道を開くことで、郷里に恩返しをと決めている。

生まれも育ちも東京・新宿区。「ビルに囲まれた生活だったのが、今は豊かな自然に癒やされる毎日」と、鈴木彰真さん(32期、工学部卒)はほほ笑む。工学博士号を持つ講師として岩手県内の大学で教壇に立つ。
小学校から大学院まで創価一貫教育。高校時代、博士として活躍する卒業生の存在を知り、「自分も世界に貢献できる博士に」との夢を抱く。
創大進学後、勉学にいそしむ傍ら、パイオニア吹奏楽団の活動に青春の全てをぶつけた。全国大会では銀賞を受賞。何よりの思い出は、海外の来客を迎えた記念行事で演奏の機会に恵まれたことだという。
舞台下のオーケストラピットから、創立者の振る舞いを目の当たりにした。世界一流の識者の心をつかんで離さない人格と知性の輝き、学生をわが子以上に愛してやまない慈父のような温かさ、その全てが「最高の人間教育でした」。
大学院修了後、2011年に創価大学の博士号を取得。創大工学部で助教を務める。13年秋から現職に。壁にぶつかるたび、「英知を磨くは何のため」との指針を確認した。社会の役に立ちたい。家族、教授、学友、そして創立者の恩に報いたい——必死の思いと努力が実を結び始めた。
現在、自動車事故防止を支援するため、シートの下部を振動させることで事故の危険がどの方向から迫ってくるかを運転手に知らせるシステムを構築中だ。
また、一般的なガイドブックやインターネットサイトでは見つけづらい、マイナーなローカルフードを検索するシステムの開発にも携わる。「例えば、岩手県には『ひっつみ』(小麦粉を用いた汁物の郷土料理)等、おいしいものがいっぱいあるんです」。こうした研究を通して、岩手に尽くしたいと願う。
先月30日から今月4日には、イタリア・ローマで行われた国際学会で研究成果を発表した。少年時代からの夢の実現へ、英知に磨きをかける日々は続く。

2019年8月1日木曜日

2019.08.01 わが友に贈る

笑顔は心の扉を開く鍵。
縁する全ての人々に
さわやかな微笑みを。
夏空に向かって凛と咲く
ヒマワリのように!

開目抄下 P236
『若し善比丘法を壊る者を見て置いて呵責し駈遣し挙処せずんば当に知るべし是の人は仏法の中の怨なり』

【通解】
もし仏法者が、法を破る者を見ながら、そのまま放置して、相手の非を厳しく責めず、追い払わず、はっきり罪を挙げて処断しないのであれば、まさに知るべきである。この仏法者は、仏法の中の怨敵である。

〈寸鉄〉 2019年8月1日
夏8月。旧友との語らい、新しい友との出会い重ね宝の価値生む友好期間に
創価大学通教生、頑張れ。気高き「学は光」の挑戦者求道と成長の生涯尊し!
食品衛生月間。小まめな手洗い、十分な加熱調理で食中毒防止。油断せず
熱中症の搬送者、相次ぐ。室内でも夜間でも発症。空調の活用等で賢く対策
10代・20代が「受け子」の特殊詐欺多し。簡単・高収入等騙り勧誘。皆で注意

☆大白蓮華2019年8月号 妙覚の山の高みへ共々に
恩師・戸田情勢先生にお会いして、広宣流布の山へ挑み始めた、あの暑い夏の日より七十二年となる。
私の心には苦楽を分かち、逆巻く激流も険難の烈風も勝ち超えてきた共戦のあの友この友の顔が輝いている。
我らの誇りである、かけがえのない多宝の長者たちに、日蓮大聖人は何と語りかけてくださるであろうか。
「日蓮こいしく・をはせば常に出ずる日 ゆうべに・いづる月をがませ給え、いつとなく日月にかげをうかべる身なり、又後生には霊山浄土に・まいりあひ・まひらせん」(P1325)との仰せが胸に迫ってならない。
広布に生き抜いてきた宝寿の生命は、太陽や月という天の明鏡に師弟の絆を映しつつ、永遠に御本仏とご一緒に、常楽我浄の晴れやかな旅を続けられるのである。
この御文を頂いたのは、佐渡の年配の国府尼である。
大聖人は、蒙古の襲来に騒然とする世にあって、後継の子もなく、老いの行く末を案じていた夫妻を励まされた。
「いづくも定めなし、仏になる事こそ つゐのすみかにては候いしと・をもひ切らせ給うべし」(P1323)
人生の総決算に問われるのは、「蔵の財」でも「身の財」でもない。いかなる「心の財」を積んできたかである。
老いの悩みや不安は、誰人も避けられない。しかし、妙法と共に、学会と共に地涌の菩薩の行動を重ねてきた錦宝の父母たちは、「一生成仏」の境涯を勝ち開き、すでに絶対的幸福の軌道に人つている。ここにこそ、何もの
にも壊されない「つゐのすみか」があるのだ。
そして、これこそ未来の世代へ託しゆく最極の「心の財」なのだ。
恩師は「全人類の人格を最高の価値に引き上げたい」と願われた。それは生老病死の苦悩の打開に他ならない。
御書には、妙法を唱え切って「妙覚の山に走り登り四方を御覧ぜよ」(P1388)と説かれている。
空前の長寿社会。正しき信仰を貫く人生が、どれほど充実し、素晴らしき寂光の高みに至るか。我ら創価家族は、いよいよ清々しく希望の道を世界へ示しゆくのだ。

生命の
 勝ち閧あげて
  不二の旅
 労苦も功徳と
  仏の我らは

☆8月のオススメVOD
★未来部躍進月間
●未来に羽ばたく君へ 池田先生と未来部
【応援! 宝の未来部】1978年に誕生した未来部歌「正義の走者」。この歌への思いを語った池田先生の当時の貴重な音声を収録している。先生が未来部員と触れ合う映像も紹介。「なぜ勉強が大切なのか」「学会活動の意味は」「両親への接し方」など、未来部世代の疑問や悩みに答える(番組コード=HA01、12分)。

●信心は自分のために
【池田先生のスピーチ】負けない人に、親孝行の賢明な人にと語った1999年5月の未来部総会でのスピーチ。信仰の実践は自分自身が向上するためであり、それがそのまま社会と世界のためになっていくと力説。「何があっても明るく強く生き抜け!」と期待を寄せる(AG02、6分)。

●青春対話・希望対話
【応援! 宝の未来部】「青春対話 21世紀の主役に語る」は、『青春対話』をアニメ形式で紹介。性格、進路、努力の大切さなどをテーマに、未来部員が『青春対話』を手に取りたくなるように構成されている(HA02、11分)。
「希望対話 21世紀を生きる君たちへ」では、『希望対話』の内容を「勉強」「いじめ」などのテーマ別に説明。「他人に勝つ」ことより、「今までの自分に勝つ」生き方を勧め、諦めないで、努力を続けることの大切さを訴える(HA03、12分)。

★広布史
●師から弟子へ 「御義口伝講義」に学ぶ
【広布史】1962年8月31日、日蓮大聖人の教えの真髄である相伝書「御義口伝」の講義が未来を託す学生部を対象に始まった。広布と社会の第一線で活躍する人材を育てたいとの師の心に応え、受講者も必死になって学んだ。当時の関係者の証言から、講義の意義と内容を明かす(CA09、16分)。

☆8月のオススメVOD
★未来部躍進月間
●未来に羽ばたく君へ 池田先生と未来部
【応援! 宝の未来部】1978年に誕生した未来部歌「正義の走者」。この歌への思いを語った池田先生の当時の貴重な音声を収録している。先生が未来部員と触れ合う映像も紹介。「なぜ勉強が大切なのか」「学会活動の意味は」「両親への接し方」など、未来部世代の疑問や悩みに答える(番組コード=HA01、12分)。

●信心は自分のために
【池田先生のスピーチ】負けない人に、親孝行の賢明な人にと語った1999年5月の未来部総会でのスピーチ。信仰の実践は自分自身が向上するためであり、それがそのまま社会と世界のためになっていくと力説。「何があっても明るく強く生き抜け!」と期待を寄せる(AG02、6分)。

●青春対話・希望対話
【応援! 宝の未来部】「青春対話 21世紀の主役に語る」は、『青春対話』をアニメ形式で紹介。性格、進路、努力の大切さなどをテーマに、未来部員が『青春対話』を手に取りたくなるように構成されている(HA02、11分)。
「希望対話 21世紀を生きる君たちへ」では、『希望対話』の内容を「勉強」「いじめ」などのテーマ別に説明。「他人に勝つ」ことより、「今までの自分に勝つ」生き方を勧め、諦めないで、努力を続けることの大切さを訴える(HA03、12分)。

★広布史
●師から弟子へ 「御義口伝講義」に学ぶ
【広布史】1962年8月31日、日蓮大聖人の教えの真髄である相伝書「御義口伝」の講義が未来を託す学生部を対象に始まった。広布と社会の第一線で活躍する人材を育てたいとの師の心に応え、受講者も必死になって学んだ。当時の関係者の証言から、講義の意義と内容を明かす(CA09、16分)。