2018年3月12日月曜日

2018.03.12 わが友に贈る

◇今週のことば
「3・16」の魂みなぎる
広布誓願の座談会を!
我らは宗教界の王者だ。
喜びと誇りに胸張り
楽しく語り合おう!
2018年3月12日

妙密上人御消息 P1238
『譬えば大医の一切の病の根源薬の浅深は弁へたれども故なく大事の薬をつかふ事なく病に随ふが如し』

【通解】
名医は一切の病の根源や薬の効能をわきまえていて、やたらと重病用の薬を使うことはしないで、病気によって薬を使い分ける。

〈寸鉄〉 2018年3月12日
「3・16」60周年を拡大で飾った青年部総会。広布のバトンは君らに厳たり
若い世代が生き生きとする学会こそ社会の希望—総長。頼もしき前進、益々
青年の活躍の陰には必ず育てた人がいる—恩師。創価の父母たちに最敬礼
感動呼ぶ障がい者五輪。人間の力はかくも偉大!我らも更なる限界突破へ
健康寿命、女性は愛知県が1位—日々の運動習慣が奏功。友の為に歩こう

☆中国文化大学国際フォーラムへの池田先生のメッセージ 2018年3月3日
◇中国思想に脈打つ共生の智慧に学べ
◇「大同」の大地に立てば「小異」も豊穣をもたらす
一、私たちが敬愛してやまない、貴・中国文化大学の創立者・張其�博士は、「人類の思想はすべてに努力して前進することを求めるものである」(張其�著『中華五千年史 孔子と現代』岡田武彦監訳・文言社)と宣言されました。
この張博士の励ましにお応えする意味からも、「平和・文化・教育」をテーマに掲げた今回のフォーラムが、人類の希望の前進を、さらに加速する契機となりゆくことを、私は心から願っております。
一、「平和・文化・教育」という命題に思いを致すとき、よみがえる語らいがあります。1974年、当時のソ連を初訪問して、コスイギン首相と会見した折のことです。
鋭い眼光で「あなたの根本的なイデオロギーは何ですか?」と尋ねる首相に、私は即答しました。「平和主義であり、文化主義であり、教育主義です。その根底は人間主義です」と。
深くうなずかれて「その思想を私たちソ連も実現すべきであると思います」と応じてくださった首相の顔を、懐かしく思い出します。
「平和・文化・教育」という、人類普遍の善性の次元を志向するならば、国家も、体制も、民族も、宗教も、文明さえも超えて、世界市民の対話を広げ、友情を結び、新たな価値を創造することができる。ここに、私の生涯を貫く大確信があります。
一、ここで、私たちは今再び、張其�博士が「中国古代のもっとも卓越した学説」(同)と述べられた、『礼記』礼運篇の「大同思想」を思い起こしたいと思うのであります。それは、自己と他者の差異へのこだわりを乗り越え、排他や対立を大きく見下ろして、互いに助け合い、平和の世界を創りゆかんとする潮流の源となってきました。
「大同」——この中国思想に脈打つおおらかな共生の智慧は、「生命の尊厳」という最も深く広い共通の大地を示唆してくれております。この生命の大地に立脚するならば、互いの「小異」は対立をもたらすものではなく、尊重し合い、学び合って、豊かさをもたらすものとなりましょう。
その豊饒な大地からは、多彩な「文化」の宝樹が林立します。そこに、「教育」という赫々たる太陽の慈光を注いでいく時に、青年の創造性の花園は生き生きと広がるに違いありません。そして、ここにこそ、「人類大同」という世界平和を推進する活力が湧き出ずるのではないでしょうか。

◇青年の開かれた心を
一、昨年、「核兵器禁止条約」が国連で採択され、尽力してきたICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞しました。私たちSGIも、ICANが発足した2007年から国際パートナーとして共に活動を進めてきました。その原動力となったのも、平和を願う青年たちの連帯であります。
核兵器の廃絶に挑戦を続ける「常に若々しいアプローチ」の源泉は、どこにあるか。
ICANのベアトリス・フィン事務局長は、青年たちが、さまざまな差異や違いを持ちながらも、「新しいアイデアをもたらし、新たな方法や技術に対して開かれた心を持っている」ことを強調されていました。
この世界の青年の「開かれた心」を大切にして、その計り知れない創造力が伸びやかに発揮できるよう、心を砕き手を打っていくのが、私たちの責務でありましょう。
一、そこで、私は仏法で説かれる「主師親の三徳」という視点から、「平和・文化・教育」の指標を実践的に捉えていきたいと思うのであります。

◇責任感・智慧・慈悲
この点については、インド文化国際アカデミーの理事長で、世界的な哲学者として名高いロケッシュ・チャンドラ博士との対談集(『東洋の哲学を語る』第三文明社)でも語り合いました。
もとより封建的な道徳の範疇などではなくして、人類が規範としていくべき徳目として明かされております。敷衍して申し上げるならば——
「主の徳」とは「人々の生命を守る」力であり、「平和」への責任感であります。
「師の徳」とは「人々を幸福へ導く」力であり、「教育」の智慧であります。
「親の徳」とは「人々を育み慈しむ」力であり、「文化」の慈悲であります。
この「責任感」と「智慧」と「慈悲」を兼ね備えた最高の人格が仏であり、この三徳を体現して社会で行動しゆくことが、仏法で説かれる菩薩の実像なのであります。それは、アメリカのコロンビア大学での講演でも申し上げた通り、21世紀の世界市民の条件にも合致しております。
さらに、仏法では、「主師親の三徳」を、それぞれ、わかりやすく「柱」「眼目」「大船」に譬えております。
それを踏まえ、私は、世界192カ国・地域の創価の青年たちに「地球民族の平和の柱たれ!」「生命尊厳の哲理の眼目たれ!」「人道勝利の栄光の大船たれ!」との指標を贈りました。
その先頭に立つのが、私が信頼してやまない台湾SGIの青年たちであります。今回の台湾東部地震に際して、尊き救援に尽力してきたことも伺っております。
一、ともあれ、混迷を深め、分断や対立の危機に直面する世界の希望は、青年の連帯であります。
若き世界市民のスクラムのさらなる拡大を願って、私自身、一生涯、「平和・文化・教育」の具体的な交流の道を開いていく決心であります。
不屈の信念の大詩人・白楽天は友情を詠い上げました。「賢に交わって 方に汲汲たり、直を友として 毎に偲偲たり(互いに賢者として交わって正に熱心に相手を学び、心の正直な友としていつも互いにはげましあった)」(岡村繁著『新釈漢文大系99 白氏文集3』明治書院、現代表記に改めた)と。
この詩さながらに、尊敬する張理事長をはじめ、先生方と結んできた、英知と誠実の友情を、私は次の世代へ伝え託していきたいと念願しております。
結びに、ご参加くださった皆さま方のますますのご健勝、さらに、貴・中国文化大学をはじめ各大学の無窮の発展と栄光、そして、愛する台湾の限りない安穏とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。謝謝!(中国語で「ありがとうございました!」)(大拍手)