2015年9月6日日曜日

2015.09.05 わが友に贈る

苦しい時ほど
勇気の信心で進め!
「変毒為薬」の仏法だ。
最大の困難は
最高の価値に変わる!

顕立正意抄 P537
『我弟子等の中にも信心薄淡き者は臨終の時阿鼻獄の相を現ず可し其の時我を恨む可からず』

◇人生の座標
自分の国の本当の姿というのは、中にいただけでは十分に見えない。むしろ、その枠を出て世界から眺めてこそ、実像が見えてくるものである。
自分たちの国を外から見ること。「世界の中の日本」というものを実感としてつかむこと。とかく島国根性といわれる日本にあっては、とりわけ大事な観点ではあるまいか。日本でも仕事や観光で海外を旅行する人が多くなってきたが、世界の中の日本という観点に立っての見聞を広めていくことこそが必要であろう。

☆こころに響く言葉
教育の主体は"感化"

私は教育、特に人間教育の主体を成すものは「感化」でなければならないと思う。
特に家庭における教育は、何よりこの感化が、最大事の要件である。

☆世界青年サミット公開フォーラム SGI会長のメッセージ
永遠の平和原点の天地である、ここ広島での「核兵器廃絶のための世界青年サミット」に際し、参画をさせていただいたSGIを代表して、メッセージを贈らせていただきます。
まず、広島市と長崎市をはじめ、多くの市民社会団体の皆さま方の尊きご尽力に厚く感謝申し上げます。
原爆投下から70年となる節目に、核時代に終止符を打つためのサミットを被爆地で開催することは、私の強い念願でもありました。
平和のために真摯に行動する世界の青年リーダーが、広島・長崎の方々と手を携え、核兵器の廃絶に向けて新たなビジョンを探究しゆく挑戦には、いかなる会議にもまして燃え上がる大情熱があります。
断固として揺るがぬ信念があります。
行き詰まりなく広がりゆく英知があります。
幾重にも意義深く、誇り高き世界青年サミットの大成功を、私は心からお祈り申し上げます。

青年は不屈の創造です。青年は無限の連帯です。青年は永遠の蘇生です。
その青年と共に、未来への鑑として、心に刻みたい歴史があります。
それは、核兵器の残酷さと非人道性を、その姿をもって世界の人々に伝えてきた「原爆ドーム」についてです。
今年で建設100周年を迎え、先月まで広島平和記念資料館で、その軌跡をたどる展示が行われ、大きな反響を呼びました。
1915年(大正4年)8月、広島県の産業を振興するための物産陳列館としてオープンし、市民からは眩い「白亜の摩天楼」と讃えられたといいます。
しかし、その誕生の時から、すでに戦争が暗い影を落としていました。
当時、水を背景にした美しい建物を手がけることで知られた、建築家のヤン・レツル氏が、県知事の要請を受けて設計に当たりました。
ところが、着工の年(1914年)に第1次世界大戦が勃発。オーストリア国籍だったレツル氏は"敵国人"とみなされ、行動の自由を失い、晴れの竣工式にさえ招かれることはありませんでした。
さらに開館後、美術展や音楽会なども開催され、「文化の拠点」として親しまれたのも束の間、日中戦争が始まると、催しの内容も次第に戦時色の濃いものとなっていきました。
やがて、レツル氏がデザインした門扉も金属類回収令によって供出を余儀なくされ、すべての展示室も、戦時行政のための事務室として転用されるに至ったのであります。
そして、開館から30年後の8月6日の朝、爆心地より北西約160メートルの距離で、爆風と熱戦の直撃を受けたのです。

この原爆ドームという建物の歴史だけを顧みても、どれだけ戦争が、人間と人間とを分断し、人間の尊厳性を否定し、社会を「文化」から「軍事」の方向へと突き動かしてしまうか、その非人道性が浮かび上がってきます。
民衆を否応なく巻き込み、一人一人のかけがえのない命を失わせ、生き残った人たちにも拭いがたい苦しみと不幸をもたらすのが、戦争です。
ましていわんや、核兵器は、数え切れない人々の命を一瞬にして奪い去り、長い歳月をかけて築かれてきた社会の営みを街並みごと破壊し尽くします。
そればかりか、その後も、被爆によって受けた言い知れぬ苦悩を背負わせ、生涯にわたって尊厳を傷つけてやまない、究極の非人道性を帯びた"絶対悪"にほかなりません。
そうした二度と思い出したくもない記憶を呼び起こしてまで、被爆者の方々は血涙の証言を続けてくださっております。
「同じ苦しみを絶対に誰にも味わわせたくない」との崇高なる魂の叫びが源流となって、世界で今、いかなる場合でも核兵器は絶対に使用されてはならないとする声が高まってきました。
核兵器の非人道性に鑑み、禁止や廃絶に向けた行動を誓う「人道の誓約」への賛同国も、114カ国にまで拡大しています。
市民社会や各国の間で広がる"国境を超えた誓いと連帯"を礎として、原爆投下から70年を機に、「核兵器のない世界」を実現するための具体的な取り組みを、何としても生み出していかねばなりません。
その流れを創り出す上で決定的に重要なのが、世界各地から参集された皆さま方、若い世代の役割であります。
アレンダヴィ国連事務総長青少年問題特使が、先日の国連青少年デー(8月12日)に寄せて「若者は未来のリーダーであるばかりでなく、今日のリーダーでもある」と強調された通り、青年の熱と力にこそ、現実を取り巻く困難の壁を突破し、新しい時代を切り開く希望が宿っているからです。

今回のサミットには、核実験の被害に見舞われた国などからも、代表が参加されています。核兵器はたとえ使用されなくても、核兵器による軍備を維持するだけで、取り返しのつかない惨禍をもたらすものです。
その意味で、核兵器廃絶への取り組みは、「戦争のない世界」を築く上で欠かせないだけではありません。
それは、核兵器を"必要悪"とみなす思想の根源にあるものと真正面から対峙し、さまざまな形で世界に拡散する「非人道化」の動きを食い止める戦いにもつながると、私は確信してやみません。
すなわち、「目的のためには手段を選ばない」「他国の民衆の犠牲の上に自国の繁栄を追い求める」「将来への影響を顧みず、行動をとり続ける」といった非人道的な行為を防止し、すべての人々が平和的に生き、共に尊厳を輝かすことのできる地球社会を築くための挑戦であります。

長年、原爆の悲劇を語り継いでこられた、広島の被爆二世の母は言われました。"「一人一人の生命の中に、幸福を築いていく」——ここから世界平和へ向けて出発していくしかない"と。
人類の未来は、自他共に生命の讃歌を謳い上げ、幸福と平和の大道を勝ち開いていく、若い皆さま方の世代に脈打つ「誓い」の深さで決まります。
今回のサミットが、青年のグローバルな連帯をさらに力強く拡大し、時代変革の潮流を高めゆく新たな出発点となることを念願して、私のメッセージとさせていただきます。