2017年11月11日土曜日

2017.11.11 わが友に贈る

弘教に挑む若き友を
皆で応援しよう!
広宣流布の未来は
「人材」で決まる。
青年こそ創価の宝だ!

御義口伝巻下 P762
『功徳とは六根清浄の果報なり、所詮今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者は六根清浄なり、されば妙法蓮華経の法の師と成つて大なる徳有るなり、功は幸と云う事なり又は悪を滅するを功と云い善を生ずるを徳と云うなり、功徳とは即身成仏なり又六根清浄なり』

☆女性に贈ることば 十一月十一日
夫婦の関係は、家族の人間関係の基本です。軸であり、柱です。
夫婦のあり方が、子どもの成長にも大きな影響を及ぼします。
子どもの成長は、夫婦の向上です。
子どもの幸福は、夫婦の勝利です。

☆今日のことば365 十一月十一日
人間は、生地のままに生きることがもっとも楽しいものだ。偽ったり、飾ったりしようとすると、そこにいきおい無理が生ずる。どんなに高位高官につき、栄よう栄華をきわめても、虚飾がある限り、絶対に心からの幸福は味わえぬ。

☆明日を求めて 池田先生の対話録�第44回 アメリカの細菌学者 ルネ・デュボス博士 2017年10月28日
◇意志の力が未来を変える わが信念の灯火を次代へ
細菌学の権威として名高い米国のルネ・デュボス博士夫妻が、東京の聖教新聞本社を訪問したのは1973年11月28日、師走の訪れを感じさせる寒夜だった。前月に勃発した第4次中東戦争によって、世界が石油危機の不安に覆われていた時期である。
米国の名門ロックフェラー大学の医学研究所教授を務めた博士。世界を一新させた抗生物質の先駆的研究者であり、人間と自然環境の調和を鋭く主張した碩学としても知られる。著書『人間であるために』が69年度のピュリツァー賞に輝くなど、その社会的活動に注目が集まっていた。
73年の来日はNHKの招へいによるもので、同局では「ルネ・デュボスの思想」と題するシリーズ番組が放映されている。日本での多忙な行程の中、博士は池田先生との会見を切望した。
だが、両者の出会いを最も待ち望んでいた人物こそ、英国の歴史学者アーノルド・J・トインビー博士だったであろう。
会見に先立つこと半年前(73年5月19日)、トインビー博士から先生に1枚のメモが託された。2年越しに及んだトインビー・池田対談の終了直後のことである。
「お忙しいでしょうが、お会いしていただいても、決して時間の無駄にはならない私の友人の名を記しておきました」「あなたが、世界に対話の旋風を巻き起こしていくことを、私は、強く念願しています」
メモには、7人の世界的な学識者の名が書かれてあった。その一人が、デュボス博士だったのである。

夜の帳に聖教新聞本社が包まれた午後8時ごろ、デュボス博士と先生の会談は始まった。
72歳の博士は、旅の疲れを感じさせない血色の良い笑みをたたえていた。ゆっくりとした手ぶりを交えつつ、「精神においては、すっかり日本人になりました」と、滞在した京都の印象などを楽しそうに語った。
話題が教育論に移ると、博士の表情は曇った。「現今の大学教育は、機構があまりに物質的で、人間的環境に欠けている。自分がいかに生きるかの認識を学生に与えていないのです」
ゆえに、博士は、当時開学まもない創価大学が「人間教育の最高学府」を標榜している点や、先生が語る人間教育の構想について、深い共感と期待を寄せた。
「青年へのメッセージを」との先生の要請に応え、博士は16世紀のフランスの文人ラブレーの箴言として「まず最初に何になりたいのか、何でありたいのかを明確に決めよ。そうすれば他は天より授けられるであろう」を挙げ、こう付言した。「しかし、授けられた可能性の中から正しく選択するのは、その人自身の問題です」
人生は「選択」の連続だ。進む道を決めるのは自分自身であり、その選択が「未来」を変える。ゆえに、「いかに生きるか」の価値基準をもつことが重要になる。
「人間は、人間性を向上させる進歩した選択を通して自分自身をつくりあげるのである」(『人間であるために』)。これが、博士の揺るがぬ信条であった。
限りない可能性を秘めた未来に眼を開き、人間の利己的な利害を超えた新しい世界をいかにして創造していくか。博士は未来の運命を変えうる人間の力を信じた。
「人間の将来というものは、どうしても避けられない宿命に結びつけられているわけではない」「人間と、その住む環境に起こる事柄は、かなりの程度まで人間の想像力と意志の力によって条件づけられている」(『生命の灯』)
そして、科学が社会にもたらす最大の貢献とは、人類に宇宙と人間の本性についての知識を与えるとともに、人間が自らの運命を決め、目標に達する最良の方法を学び取れるよう助けることであると確信していたのである。
博士が、世界的に有名な標語「シンク・グローバリー、アクト・ローカリー(地球的に考え、地域で行動する)」を発案し、地球環境の保護に心血を注いだことも、こうした信念を源とする。
いかにして環境問題を解決に導くか。博士は以前から、その方途として"人間性の回復"を強調してきた。人間が「自然の征服」という考えにとらわれている限り、世界の変革はない。真の変革のためには、自然と人間とを調和させる「新しい社会的宗教」が必要である——と。先生との会見でも、博士は"偉大な未来宗教の出現こそ人類の危機を救う唯一の鍵である"との信念を語っている。
先生は、生命(正報)と環境(依報)は不可分と説く「依正不二」の原理を紹介し、トインビー博士とも一致をみた論題について、博士にこう語った。
「仏法は中道主義です。中道とは人間主義であり、生命主義であります。21世紀は『生命の世紀』としていかなければなりません」
デュボス博士は温顔をほころばせ、深くうなずいた。

会談の2カ月後、先生のもとに博士から新著『内なる神』が届けられた。本の扉には、博士のサインとともに、先生へのメッセージがしたためられていた。「本書の最後の一行に『ものごとのなりゆきは運命ではない』とあるのは、私が日蓮仏法の教理を人文主義的、科学的に表現したものです」
さらに、添えられた手紙には、「本書の精神は"人間革命"というあなたの思想と、必ずや一致するものと思う」と記されていた。
人間の変革は運命をも超越し、自然との調和と人類の真の繁栄をもたらす——両者が共有した理想の未来は、一朝一夕に築かれるものではない。
博士はつづっている。
「個々の人間の力が限られており、その貢献がささやかであり、その生きた期間が短いものであっても、私たちの努力は決して無駄ではない。なぜなら、リレー競争のなかの走者のように、私たちは生命の灯を次々と手渡してゆくからである」(『生命の灯』)
いかに社会が混沌とし、先の見えない時代になったとしても、理想の世界の実現を目指して、わが信念の灯火を次代へとつなげゆく勇者の力走がある限り、未来は、必ず開けていく。

ルネ・デュボス 1901年2月20日、フランス生まれ。38年にアメリカに帰化。ロックフェラー大学教授、ハーバード大学教授、ニューヨーク州立大学教授、アメリカ細菌学会会長等を歴任。「抗生物質時代」を築いた碩学として知られ、「細菌生態学」の分野などで数多くの業績を挙げた。医学者、文明批評家、環境学者などとしても活躍。『健康という幻想』(田多井吉之介訳/紀伊國屋書店)、『人間と適応』(木原弘二訳/みすず書房)など邦訳された著書も多数。『人間であるために』は69年度のピュリツァー賞を受賞した。1982年2月20日、81歳で死去。