"一身の安堵を思うなら
四表の静謐を祈るべき"
分断の時代を超えて
全民衆を結びゆく
立正安国の対話を共に!
四信五品抄 P342
『問う汝が弟子一分の解無くして但一口に南無妙法蓮華経と称する其の位如何、答う此の人は但四味三教の極位並びに爾前の円人に超過するのみに非ず将た又真言等の諸宗の元祖畏厳恩蔵宣摩導等に勝出すること百千万億倍なり、請う国中の諸人我が末弟等を軽ずる事勿れ』
【通解】
質問する。あなたの弟子が、すこしの理解もなく、ただ一回だけ声を出して南無妙法蓮華経と唱えた場合、その人の修行段階はどのようなものなのか。
答える、この人は、単に四味・三教の最後の修行段階の者や、爾前の円教の人を超えるだけでなく、さらには真言宗などの様々な宗派の開祖である善無畏・智儼・慈恩大師・吉蔵・道宣・達磨・善導らよりも勝れること百千万億である。是非とも、日本国中の人々よ、私の弟子たちを軽んじるべきではない。
名字の言 日々の信心の実践が最高の供養に 2022年2月16日
沖縄には正月が3回あるといわれる。元日、旧暦の正月、そして先祖や故人を供養するグソー(後生)の正月だ。旧暦の1月16日に行うことから"ジュウルクニチー(十六日祭)"とも呼ばれ、今年はきょうがその日に当たる▼幼い頃に母を失い、18歳で入会した沖縄の男子部員。祈る中、念願の正社員となり、信仰の確信を得て学会活動に励む。だが程なく父も病で他界した▼同志から励ましを受け、彼は亡き両親への報恩を誓い立ち上がる。育ての親である叔母へ感謝を込め、仏法対話を重ねた。かつては周囲に心を閉ざしていたおいが、試練に負けず力強く生きている。その姿に感動した叔母は進んで学会に入会した▼日蓮大聖人は、亡き親のために毎日、自我偈を読誦し追善回向する門下を「これこそ実の孝養にては候なれ」(新1427・全1051)とたたえられた。"常盆""常彼岸"とする仏法では、日々の信心の実践が最高の供養と説く▼池田先生は、勇気ある信心の人は「亡くなった家族をも、皆、成仏させることができる」と。広布に尽くす福徳は先祖代々、子孫末代までも包み込み、縁する友を照らす光となる。自他共の幸福を目指す「人間革命」の生き方の中に、追善回向の本義はある。
寸鉄 2022年2月16日
大聖人御聖誕満800年の日に心新た。世界の同志と広布即平和の大道を勇躍
千葉の日。源流の誇りは友の胸に赤々。有縁の地から勝利の旭日昇る拡大
折伏する人には偉大な生命力が湧く—戸田先生。君の歓喜が突破口を開く
6割が暗証番号使い回し—調査。被害遭う危険が増。人ごとと思わず対策
冬は頭痛が起こりやすい時期—医師。適度な運動、睡眠、食事が鍵。聡明に
〈社説〉 2022・2・16 きょう大聖人 御聖誕満800年
◇誓願の御生涯を鑑に勝利劇を
今年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。鎌倉幕府の執権・北条義時の一代記を描いている。
彼の晩年、後鳥羽上皇は幕府を朝廷の支配下に置くべく、義時追討の命を下す。「承久の乱」(1221年)である。
これに対抗した幕府側が激戦を制し、後鳥羽上皇ら乱の首謀者は配流されるという衝撃の結末を迎える。
貴族による支配から武士による支配へ。歴史の大転換が起こった。
この翌年の貞応元年(=承久4年〈1222年〉)2月16日、日蓮大聖人は御聖誕された。きょうで満800年を迎える。
「大白蓮華」2月号では、この佳節を記念する新連載「日蓮大聖人——誓願と大慈悲の御生涯」が始まった。
読者からはさっそく、「妻と毎日、御書の拝読に挑戦しています。連載を読み、今まで以上に、御書や大聖人の御生涯を学んでいこうと決意しています」「大聖人が仏法の研さんを始められたのは今の中学・高校生の年齢。まさに"青年の心意気"で時代を見つめ、妙法の智慧を開かれたことでしょう」など、喜びと求道心あふれる声が寄せられている。
混乱する秩序、頻発する自然災害……。激動する社会を見つめながら、「日本第一の智者となし給え」(新1206・全893)との誓願を立て、研さんと修行の道に入られた大聖人。
やがて祈りの中で、「明星のごとくなる大宝珠」(同)という智慧を得られる。
池田先生は、「民衆を根本から救いたいとの大誓願を持ち、必死に求道され、開覚されたのです」「つねに『誓願』があって『悟り』がある。立宗後も、大難を超えられながら誓願を貫くことによって、悟りを深められ、ついには発迹顕本されて、末法の御本仏の御境地を顕されていくのです」と講義されている。
「大白蓮華」新連載に、「『一人の人間』が、偉大な仏の境涯を開いていけることを証明されたのが、日蓮大聖人の御生涯です」と。
命に及ぶ迫害をも勝ち越え、民衆救済の大誓願を貫かれた御一生は、"人間とはかくも偉大なり"との証明であり、それを現代に示してきたのが大聖人に直結する創価の師弟にほかならない。
さあ、「二月闘争」も後半戦。大聖人の御生涯に学び、鑑としながら、わが舞台で、人間革命の勝利劇をつづっていこう。
☆勇気の源泉——創立者が語った指針 苦難の時こそ希望を燃やして——池田先生が贈る詩心の大国・モンゴルの箴言
●2000年5月 創価教育同窓の集い
〈創価大学が初の卒業生を輩出してから25年となる2000年5月5日、同大学で「創価教育同窓の集い」が開かれた。席上、創立者の池田先生に対し、モンゴル文学大学(当時)から「名誉学長」の称号が贈られた。池田先生はスピーチの中で、詩情豊かなモンゴルの言葉を紹介しつつ、母校に集った同窓生を心から歓迎した〉
草原のモンゴルは「詩心の大国」であります。
貴国で最も有名な国民詩人ナツァグドルジは、謳っています。
「人間の精神は自由なものだ! これを迫害し、束縛することは断じて許せぬ」と。
これが大詩人の「確信の叫び」であります。
また、モンゴルの「ことわざ」は、大変にわかりやすく、真理をついたものが多い。いくつかを紹介させていただきます。
「ひとりでいる虎よりも、集まって枝にとまっているカササギの方が強い」と。
どんなに力を持っていても、一人だけでは偉大なことは成し得ない。大切なのは団結です。
同じく「一本の木だけでは、燃料にならない。一人の人間だけでは、家にならない」と。
力を合わせることです。自分勝手に一人よがりで生きるのは、みじめであり、敗北の人生となってしまう。堂々と人間の中で、語り合い、ぶつかり合い、励まし合い、切磋琢磨し合ってこそ成長するのです。それが人間です。
さらに、こうも言われています。
「一日で知り合いになり、千日の友情を続ける」
「甘えを学ぶより困難を学べ」
「もので身を飾るより、学問で身を飾れ」
「真剣に努力し続けるならば、運命はあなたに味方する」と。
仏法の英知にも通じる人生の哲学が光っています。
さらに、いわく。
「徳の高い人は何十万年も長生きする」
「干ばつのときに春のすばらしさを知り、困難にあったときに真の友情を知る」
「苦難に陥ったときに、友の真価がわかる」
「苦労を味わったことのある人は、『幸福とは何か』を知っている」と。
どれも、有名な貴国のことわざです。
貴モンゴル文学大学のある女子学生は、愛するお父さんの言葉をこう詩に詠んでおります。
「ふるさとの石を、大切に持って行きたまえ! そうすれば、いずこにあっても、ふるさとの山や河が、汝を尊敬し、汝を見守るであろう!」と。美しい心の言葉であります。
私は、ドイツの印象派の詩人・フライシュレンの詩の一節を諸君に捧げたい。
「心に太陽を持て、
あらしが吹こうが、雪が降ろうが、
空は雲に閉ざされ、
地上は争いに満たされようが!
心に太陽を持て、
そうすれば、なんでも来るがよい!
どんなに暗い日でも、
あふれる光で明るく照らされる!」(高橋健二編『ドイツの名詩名句鑑賞』郁文堂)
偉大なる創価同窓の皆さん!
全国各地から、そして海外からも、はるばると、ようこそ母校に帰ってきてくださいました。本当に私はうれしい。
私の創立した学舎に集ってくださった皆さまです。今や、世界中で活躍しておられます。
私は、教育の大切さを、しみじみと感じます。創立者として、本当に幸福です。
◇勝つための人生
〈続いて池田先生は、モンゴル文学大学ツェンドアヨーシ学長(当時)が書いた小説に触れ、力強くエールを送った〉
学長が執筆された有名な小説があります。
それは、一人の賢い英雄が、モンゴルの大自然の脅威や戦争の危機など、あらゆる試練に勇敢に立ち向かう。そして、生き生きと「智慧」を発揮して、すべてを朗らかに打開しながら、人々を救い、平和に貢献していくという、まことに痛快きわまりないドラマであります。
貴国の箴言には、「希望があれば窮しない」——絶対に行き詰まらない、「力があれば屈しない」——絶対に負けない、とあります。
いかなる圧迫があろうとも、それ以上に、自分が希望を燃え上がらせ、自分が力をつけ、自分が強くなればよい。その人が真実の勝利者であります。
私も40年間、この「師子王の心」で戦い、勝ってきました。
あらゆる迫害も、陰険な策謀も、すべて打ち破り、堂々と乗り越えてきました。
私は「師子」です。皆さんも「師子」であっていただきたい。
わが創価同窓の諸君も、私に続いて、一人ももれなく、今世のそれぞれの立場の大闘争を、断じて勝ちぬいていっていただきたい。負ければ悲惨です。負ければ哀れです。
「勝つための人生」であり、「勝つための学問」であり、「勝つための信仰」なのです。皆さん全員が、一人も残らず、「私は勝った!」と言える人生であっていただきたい。
私の母もまた、ニッコリと微笑んで、「私の人生は勝ったよ」と。それが最期の言葉でありました。
人生の最終章が、どうかで、人生の勝敗は決まる。ゆえに諸君は、「創価同窓生として、私は勝った!」と言い切れる尊き一生を送っていただきたいのであります。
◇平和を守る連帯を
〈池田先生は、来賓として出席した詩人のドルマー氏の詩を紹介。同窓の友に向け、苦難を恐れず進みゆこうと呼び掛けた〉
(ドルマー)先生の有名な詩である「青き惑星」には、こう謳われております。
「わが花の惑星よ!
君(=地球)は
生きとし生けるものを繋ぐ
命の血脈なり(中略)
戦禍によって
この宝石を
蹂躙させてなるものか!
この世界は
賢者たちこそが
守っていくことができる」
まことに壮麗な「平和の讃歌」であります。
私たちは、先生方とともに、美しい地球を守りゆく、この「賢者のネットワーク」を、雄大に広げていきたいのであります。
私はかつて、フランスの文豪、アンドレ・マルロー氏と対談し、ご自宅にも伺いました。対談は一冊の本(『人間革命と人間の条件』)になりました。
氏の言葉に「精神のもつあらゆる価値の中でもっとも実り多きものは、一体感と勇気です」(ピエール・ガラント『アンドレ・マルロー』斎藤正直訳、早川書房)とあります。
また、ルネサンスの巨人、ダ・ヴィンチの名言には「大きな障害にぶつかればぶつかるほど強さをます」(『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』下、杉浦明平訳、岩波文庫)と。
次元は異なりますが、日蓮大聖人も、御自身を迫害しぬいた平左衛門尉らを「善知識」と、とらえておられた。障害が大きければ大きいほど、強くなる——私も、そのように生きてきました。
諸君も生涯、そうであっていただきたい。
さらに、古代ローマの哲人皇帝、マルクス・アウレリウスは言いました。
「人生は戦いであり、旅のやどりであり、死後の名声は忘却にすぎない。しからば我々を導きうるものはなんであろうか。一つ、ただ一つ、哲学である」(マルクス・アウレーリウス『自省録』神谷美恵子訳、岩波文庫)
偉大な人間は、地位や名声ではなく、「人間にとっての本当の価値」を探究する。
そして、この「哲学」の究極が、偉大な仏法なのであります。
創価同窓、万歳!
バヤルララー! バヤルララー! バヤルララー!(モンゴル語で「ありがとうございました」)