全員が宝の人材だ。
「新しい人」が伸びれば
「新しい力」が生まれる。
一人一人に励ましを送り
皆が躍動する前進を!
阿仏房尼御前御返事 P1308
『法華経に云く「恐畏の世に於て能く須臾も説く」云云、悪世末法の時三毒強盛の悪人等集りて候時正法を暫時も信じ持ちたらん者をば天人供養あるべしと云う経文なり』
【通解】
法華経の見宝塔品には「恐畏の世(くいのよ=濁悪恐怖の世)において、よくわずかの間でも説く」とある。これは悪世末法の時、三毒強盛(貪り・瞋り・癡かの心が強く盛んなこと)の悪人たちが集まっている時に、正法をわずかの間でも信じ持つ者を、天人が供養するであろうという経文である。
名字の言 ダチョウは人類を救う? 2022年2月2日
2月2日は「世界ダチョウの日」。ダチョウの魅力を普及させるため、飛ばない鳥類の中で唯一、足の指が2本という特徴から、この日に制定された▼ダチョウ研究で名高い塚本康浩氏は"ダチョウは人類を救う"と述べる。脳が小さく自分の家族すら識別できないダチョウは、一方で並外れた免疫力を持つ。その抗体を応用し、世界各地の感染症や新型コロナウイルスの感染予防に活用しようとする研究が進められている▼氏は小学生の頃、吃音で不登校となる。字を書くのも苦手だった。獣医師を志した原点は、その時期にあるという。多くの鳥と戯れた時間や愛鳥の死が、後の研究の基礎となった。吃音を克服し、博士号を取得した氏は、テレビ出演などを通してダチョウの魅力を発信する▼誰しも得手不得手がある。苦手なことも、克服しようと努力することで、自身の新たな力が引き出される。ゆえに、大切なことは成長の歩みを止めないこと。その一歩一歩の積み重ねによって、全てが生かされるようになる▼法華経信解品に「無上の宝聚は 求めざるに自ずから得たり」(妙法蓮華経並開結224ページ)と。自らの生命は最も尊い宝だ。その宝を磨き、光り輝かせていくのが、私たちの信仰である。
寸鉄 2022年2月2日
御書「法は重ければ必ず弘まるべし」。創価の師弟の闘争で妙法は192カ国へ(新1691・全1221)
一つ一つが自分を変える挑戦—戸田先生。喜び勇み戦った分、大きく成長
名誉とは失敗しない事ではなく何度も立ち上がる事—哲人。青年よ勇敢に
コロナ関連のネット詐欺に注意。接種時期に合わせ増加傾向。前々の用心
火災が頻発。可燃物整理や火の元の始末、再確認。油断の火種を共に絶とう
〈社説〉 2022・2・2 連載「My Homeroom」
◇「支えるよ」とのメッセージを
文部科学省は、2020年度に不登校だった小中学生が19万人超に上ったとの調査結果を発表した。この数は8年連続の増加であり、統計開始以来、最多となった。
背景には新型コロナウイルスの感染拡大も影響しているとみられる。長期にわたる休校や、各種行事の中止など、先の見えない不安と無力感が教室に漂う。同調査によると、不登校の要因で最も多いのは、「無気力、不安」であった。生活環境の変化の中でストレスを感じ、学校に行く気力をそがれた子どもたちも多かったのだろう。
そうした社会背景の中で、本紙で連載中の「My Homeroom〜不登校だった私〜」に、多くの反響が寄せられている。連載では、学校に行けなくなった友が創価家族の励ましや池田先生の言葉に触れる中で蘇生し、信仰を通して使命の道へ挑戦を開始するドラマを紹介。どの体験にも共通するのは、子どもの可能性を信じ励まし、その開花を根気強く待ち続ける人の存在があることだ。
読者から「不登校のわが子と読み、勇気をもらいました」「同じような境遇で共感できる」といった声を寄せていただいた。中には、まさに今、学校に行けていない高校生から「池田先生の言葉に涙が止まりませんでした」との声も。不登校の要因も多岐にわたり、複雑化している子どもたちの心に、師の温かな励ましが確かに届いていることを実感する。
第6回では、不登校を乗り越えて高等専修学校の教員として活躍する友が紹介された。その学校の理事長は、悩みを抱える子どもに周囲の大人が、「必ず支えるよ」とメッセージを発信し続けていくことの重要性を語っていた(理事長の声は電子版のみ掲載)。
「あの人を励ましたい」「幸せにしたい」と、悩める友に寄り添い同苦してきたのが創価学会だ。そうした真心は必ず、子どもたちの前進の力になると確信したい。
池田先生は「青春に、取り返しのつかないことなど絶対にない。『君には、できない』と決めつける権利など、だれにもない。そんな権利は、自分にだってない」と語っている。
どんな状況でも、必ず乗り越えられると信じ抜く。そして、粘り強く励まし続ける。そうした温かい創価家族の安心の絆の中で、未来の宝を育んでいきたい。
☆「SGIの日」記念提言の40年の軌跡〈上〉
1983年から池田先生が40年間にわたって発表してきた、毎年の「SGIの日」記念提言のタイトルと主な提案を、上・下2回に分けて紹介します。
◆1983年
「平和と軍縮への新たな提言」
・「核戦争防止センター」の設置
・軍事費を凍結するための国際会議を
◆1984年
「『世界不戦』への広大なる流れを」
・宇宙空間での武力行使などを禁止
・「世界不戦宣言」を国連で決議
◆1985年
「世界へ世紀へ平和の波を」
・米ソ首脳会談で核軍拡競争を停止
・韓国と北朝鮮の首脳会談の開催
◆1986年
「恒久平和へ対話の大道を」
・核兵器の削減と核実験の全面禁止
・アジア・太平洋平和文化機構の設置
◆1987年
「『民衆の世紀』へ平和の光彩」
・「国連世界市民教育の10年」の設定
・「国際軍縮年」の制定
◆1988年
「平和の鼓動 文化の虹」
・「平和と軍縮の10年」の設定
・「世界市民憲章」の制定
◆1989年
「新たなるグローバリズムの曙」
・国連に「紛争防止センター」を設置
・NGO平和サミットの開催
◆1990年
「希望の世紀へ 『民主』の凱歌」
・国連で「世界不戦会議」を開催
・「国連教育協力隊」の創設
◆1991年
「大いなる人間世紀の夜明け」
・「環境安全保障理事会」の新設
・国連改革を巡る世界評議会の設置
◆1992年
「希望と共生のルネサンスを」
・「環境・開発国連」の新設
・「国連軍縮基金」の創設
◆1993年
「新世紀へヒューマニティーの旗」
・国連改革のための世界首脳会議を
・核問題に対処する国際機関の創設
◆1994年
「人類史の朝 世界精神の大光」
・「国連アジア本部」の設置
・包括的核実験禁止条約の制定
◆1995年
「不戦の世紀へ 人間共和の潮流」
・国連経済社会理事会の権限強化
・核廃絶に向けて「非核地帯」を拡大
◆1996年
「『第三の千年』へ 世界市民の挑戦」
・国連を軸に「人間開発」を推進
・「人道的競争」を時代の潮流に
◆1997年
「『地球文明』への新たなる地平」
・「対人地雷禁止条約」の制定
・民衆の手で「地球憲章」を制定
◆1998年
「万年の遠征——カオスからコスモスへ」
・サミットを責任国首脳会議に改編
・小火器の削減へ国際的な枠組みを
◆1999年
「平和の凱歌——コスモロジーの再興」
・「子ども兵士禁止条約」の制定
・民衆の連帯で核兵器禁止条約を制定
◆2000年
「平和の文化 対話の大輪」
・国連に「紛争予防委員会」を設置
・「地球民衆評議会」を創設
◆2001年
「生命の世紀へ 大いなる潮流」
・「国連民衆ファンド」の創設
・貧困問題を巡る地球フォーラムを
◆2002年
「人間主義——地球文明の夜明け」
・「包括的テロ防止条約」の制定
・再生可能エネルギー促進条約の締結
☆「SGIの日」記念提言の40年の軌跡〈下〉
◆2003年
「時代精神の波 世界精神の光」
・「核廃絶のための特別総会」の開催
・貧困や飢餓などを巡る世界サミットを
◆2004年
「内なる精神革命の万波を」
・国連に「平和復興理事会」を設置
・「グローバル初等教育基金」の創設
◆2005年
「世紀の空へ 人間主義の旗」
・「国連アジア太平洋本部」の設置
・「武器取引制限条約」の早期締結
◆2006年
「新民衆の時代へ 平和の大道」
・国連総会と市民社会との連携強化
・軍縮教育で「平和の文化」を拡大
◆2007年
「生命の変革 地球平和への道標」
・「国際核軍縮機構」を創設
・「宇宙の非軍事化」へ規制を強化
◆2008年
「平和の天地 人間の凱歌」
・人権教育と訓練に関する国際会議を
・「命のための水」世界基金の創設
◆2009年
「人道的競争へ 新たな潮流」
・国際持続可能エネルギー機関の創設
・核兵器禁止条約の交渉開始
◆2010年
「新たなる価値創造の時代へ」
・広島と長崎で核廃絶サミットを開催
・「女性のための未来基金」の創設
◆2011年
「轟け! 創造的生命の凱歌」
・北東アジアと中東での非核化を推進
・「国連人権教育計画」の設置
◆2012年
「生命尊厳の絆輝く世紀を」
・持続可能な未来を築く共通目標の制定
・放射性廃棄物の管理に関する協力強化
◆2013年
「2030年へ 平和と共生の大潮流」
・社会的保護のための制度を各国で整備
・「東アジア環境協力機構」の設立
◆2014年
「地球革命へ価値創造の万波を」
・国連で世界市民教育プログラムを新設
・アジア復興レジリエンス協定の締結
◆2015年
「人道の世紀へ 誓いの連帯」
・「NPT核軍縮委員会」の新設
・日本と中国と韓国で青年交流を拡大
◆2016年
「万人の尊厳 平和への大道」
・難民の子どもたちを守る対策の強化
・「武器貿易条約」の批准を促進
◆2017年
「希望の暁鐘 青年の大連帯」
・米ロ首脳会談の開催で核軍縮を促進
・「人権教育と研修に関する条約」の制定
◆2018年
「人権の世紀へ 民衆の大河」
・「高齢者人権条約」の交渉開始
・女性のエンパワーメントの国際10年を
◆2019年
「平和と軍縮の新しき世紀を」
・自律型致死兵器システムの禁止条約を
・世界の大学をSDGsの推進拠点に
◆2020年
「人類共生の時代へ 建設の鼓動」
・気候変動と防災を巡る国連会合の開催
・「教育のための国際連帯税」の創設
◆2021年
「危機の時代に価値創造の光を」
・パンデミックに関する国際指針の採択
・核兵器の不使用と核開発凍結の誓約を
◆2022年
「人類史の転換へ 平和と尊厳の大光」
・国連ユース理事会の創設で環境保全を
・核兵器禁止条約の常設事務局を設置
☆第47回SGI提言� 未曽有の危機を共に乗り越える
◇時代の混迷を打ち破る「正視眼」に基づく行動を
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が宣言されてから、まもなく2年を迎えようとしています。
しかし、ウイルスの変異株による感染の再拡大が起こるなど、多くの国で依然として厳しい状況が続いています。
愛する家族や友人を亡くした悲しみ、また、仕事や生きがいを失った傷を抱えて、寄る辺もなく立ちすくんでいる人々は今も各国で後を絶たず、胸が痛んでなりません。
先の見えない日々が続く中、その影響は一過性では終わらず、「コロナ以前」と「コロナ後」で歴史の一線が引かれることになるのではないかと予測する見方もあります。
確かに、今回のパンデミックは未曽有の脅威であることは間違いないかもしれない。
しかし将来、歴史を分かつものが何だったのかを顧みた時に、それを物語るものを"甚大な被害の記録"だけで終わらせてはならないと言えましょう。
歴史の行方を根底で決定づけるのはウイルスの存在ではなく、あくまで私たち人間にほかならないと信じるからです。
想像もしなかった事態の連続で戸惑い、ネガティブな出来事に目が向きがちになりますが、危機の打開を目指すポジティブな動きを希望の光明として捉え、その輪を皆で広げていくことが大切になります。
脅威の様相は異なりますが、今から80年前(1942年11月)、第2次世界大戦という「危機の時代」に、創価学会の牧口常三郎初代会長は、混迷の闇を払うための鍵について論じていました(『牧口常三郎全集』第10巻、第三文明社を参照)。
目先のことにとらわれて他の存在を顧みない「近視眼」的な生き方でも、スローガンが先行して現実変革の行動が伴わない「遠視眼」的な生き方でもない。"何のため""誰のため"との目的観を明確にして足元から行動を起こす「正視眼」的な生き方を、社会の基軸に据えるよう訴えたのです。
この「正視眼」について、牧口会長は日常生活でも必要になると論じているように、それは本来、特別な識見や能力がなければ発揮できないものではありません。
現代でも、パンデミックという世界全体を巻き込んだ嵐にさらされる経験を通し、次のような実感が胸に迫った人は少なくないのではないでしょうか。
「自分たちの生活は多くの人々の支えと社会の営みがなければ成り立たず、人々とのつながりの中で人生の喜びは深まること」
「離れた場所を襲った脅威が、時を置かずして自分の地域にも及ぶように、世界の問題は相互に深くつながっていること」
「国は違っても、家族を突然亡くす悲しみや、生きがいを奪われる辛さは同じであり、悲劇の本質において変わりはないこと」
その意味で重要なのは、未曽有の脅威の中で深くかみしめた実感を、共に嵐を抜け出るための連帯の"紐帯"としていく点にあると言えましょう。
牧口会長が心肝に染めていた仏法の箴言に、「天晴れぬれば地明らかなり」(御書新版146ページ・御書全集254ページ)とあるように、世界を覆う暗雲を打ち破って、希望の未来への地平を照らす力が人間には具わっているはずです。
そこで今回は、コロナ危機をはじめ、世界を取り巻く多くの課題を乗り越え、人類の歴史の新章節を切り開くための要諦について、三つの角度から論じていきたい。